ツアー・オブ・ユタ(UCI2.1)第5ステージで本命が躍進。スノーバードスキーリゾートの頂上ゴールで41歳のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)が勝利し、総合リーダージャージを獲得した。



天候に恵まれたスタート地点天候に恵まれたスタート地点 photo:Tour of Utahユタ最終日前日の第5ステージは獲得標高差3250mの本格山岳ステージ。コース全長は182.6kmで、残り44km地点で1級山岳ガーズマンパス(登坂距離11km・平均勾配6.9%)を越え、最後は超級山岳スノーバードスキーリゾート(登坂距離10km・平均勾配7.4%)を駆け上がる。

ダニエルソンを破って先頭でゴールするクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)ダニエルソンを破って先頭でゴールするクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) photo:Tour of Utah今大会のクイーンステージは50km/h近いハイスピードな展開で幕開け。アタック合戦の末にイェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・レオパード)やヤニック・エイセン(ベルギー、BMCレーシングチーム)、山岳賞ジャージのマイケル・トルッケラー(ニュージーランド、ビッセルプロサイクリング)を含む10名が飛び出す。

リーダージャージを手にしたクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)リーダージャージを手にしたクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) photo:Tour of Utahメイン集団をコントロールしたのはリーダージャージ擁するガーミン・シャープ。逃げグループとメイン集団のタイム差は3分以内に抑え込まれた。

1級山岳ガーズマンパスの登りで先頭はエイセンとトルッケラーの2人に。ガーミン・シャープの牽引によって20名ほどに縮小したメイン集団からはティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・レオパード)がアタック。マシャドはそれまで逃げていたフォイクトと合流して先頭を追う。

やがて先頭はエイセンの独走となり、最後の超級山岳スノーバードスキーリゾートに突入。エイセンの1分後方にマシャド、2分後方にメイン集団という展開に。リーダージャージのラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が遅れたため、トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)が代わってアタックを仕掛けた。

ダニエルソンにはジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)やハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)らが直ぐさま反応。最終的にダニエルソンとホーナーの2人が飛び出し、ゴールまで4kmを残して先頭エイセンをキャッチする。

後方にチームメイト3名(マシャド、ベネット、ブッシュ)を残したホーナーに対し、チームメイトから孤立したダニエルソンが先頭でペースを作る。エイセンの脱落によってダニエルソンとホーナーの一騎打ちに持ち込まれ、ホーナーが勝利した。

「このユタで素晴らしいショーをファンに見せることが出来たと思う。一年を通して最高のレースの一つだったと思う。沿道のファンが楽しんでくれたと願っているよ」とホーナー。怪我によって戦線離脱が続いていた沖縄出身の41歳が、2年3ヶ月ぶりの勝利(前回勝利は2011年5月のカリフォルニア総合優勝)。

リーダージャージのモートンが4分遅れでゴールしたため、ステージトップツーのホーナーとダニエルソンが同タイムで総合トップに。着順によってホーナーがリーダージャージを手にした。0秒差の総合争いは翌日の最終ステージで決着する。

増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)は8分37秒遅れ、西薗良太(チャンピオンシステム)は15分47秒遅れでフィニッシュ。チーム内最高位の29位でゴールした増田は「最後の登り、ちぎれた自分にチームカーが付いて監督から熱い激が何度も飛んできた。ちぎれてるのに…。レース中は考える余裕もなかったけど、帰りのチームバスで“ありがたい激だったな”“自分にもっと力があればな”と悔しくなった。先頭グループで激を飛ばしてもらいたい」とコメントしている。

選手コメントはレース公式サイトならびにTwitterより。




Stage 5 Tour of Utah Highlights from Tour of Utah on Vimeo.



ツアー・オブ・ユタ2013第5ステージ結果
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)   4h52'45"
2位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)
3位 ヤニック・エイセン(ベルギー、BMCレーシングチーム)             +31"
4位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)     +37"
5位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
6位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
7位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、ユナイテッドヘルスケア)        +58"
8位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)  +1'08"
9位 フランシスコ・マンセーボ(スペイン、5アワーエナジー)           +1'14"
10位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)           +1'31"
29位 増田成幸(日本、キャノンデール・プロサイクリング)            +8'37"
64位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)                  +15'47"

個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)   19h52'53"
2位 トム・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・シャープ)
3位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)            +33"
4位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、レディオシャック・レオパード)         +37"
5位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)
6位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、ユナイテッドヘルスケア)        +58"
7位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・レオパード)       +1'41"
8位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)            +1'42"
9位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)  +1'43"
10位 クリス・バトラー(アメリカ、チャンピオンシステム)            +2'00"
38位 増田成幸(日本、キャノンデール・プロサイクリング)            +22'01"
68位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)                  +37'36"

ポイント賞
フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

山岳賞
マイケル・トルッケラー(ニュージーランド、ビッセルプロサイクリング)

新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)

チーム総合成績
レディオシャック・レオパード

text:Kei Tsuji
photo:Tour of Utah

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