起伏に富んだソルトレイクシティの周回コースで行なわれたツアー・オブ・ユタ(第4ステージ)第4ステージ。登りスプリントでライバルを蹴散らしたマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が大会2勝目をマークした。



観客が詰めかけたソルトレイクシティの周回コース観客が詰めかけたソルトレイクシティの周回コース photo:Tour of Utah第4ステージの舞台は、ユタ州の州都で2002年冬季オリンピックの開催地であるソルトレイクシティ。標高1300m前後のダウンタウンを駆け抜ける。

イェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・レオパード)が逃げに乗るイェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・レオパード)が逃げに乗る photo:Tour of Utah選手たちは1周につき標高差220mほどある11km周回コースを5周。コース全長はわずか54.7kmだが、ゴール手前には勾配11%の登りも登場する。
この日の逃げの切っ掛けを作ったのはフランシスコ・マンセーボ(スペイン、5アワーエナジー)で、イェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・レオパード)らが加わって最終的に5名が先行する。しかしステージ距離の短さからタイム差は広がらない。

集団内で周回をこなすリーダージャージのラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)集団内で周回をこなすリーダージャージのラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ) photo:Tour of Utahアップダウンのある周回コースをこなすうちにタイム差は縮まり、最後まで粘ったクレイグ・ルイス(アメリカ、チャンピオンシステム)も吸収。オリカ・グリーンエッジやBMCレーシングチームが牽引するメイン集団が、ゴールに至る最後の登りに差し掛かった。

登りスプリントを制したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)登りスプリントを制したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Tour of Utahゴールまでおよそ600mを残して、オリカ・グリーンエッジがペースを作る集団から先に仕掛けたのはフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)。この強力なアタックにマシューズが食らいつく。

一時的にファンアフェルマートとマシューズが飛び出す形となったが、牽制が入ったためラスト300mで後続が合流。勾配が緩んだところでアレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)がスプリントを開始し、これに再びマシューズが反応した。

抜群の加速力で先頭に立ったマシューズを、ファンアフェルマートが追い上げる。マシューズのスプリントはフィニッシュラインまで伸び続けた。

登りスプリントを制したマシューズは「今日最大の目標は、最後の登りでベストポジションにつくことだった。つまり、明白な優勝候補であるファンアフェルマートの付き位置に付くことだった」と振り返る。その言葉通りの走りで2勝目を掴んだ。

惜しくもステージ2位のファンアフェルマートはポイント賞ジャージと総合2位の座をキープ。総合リーダージャージはラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)が守っている。

「今日のレースは何もしてない…。ラスト1kmからの激坂区間の手前だけ前方に上がり、意識的にゆっくり後退しながら誤魔化すのみ。(激坂区間に後方で入るとただでさえ無い脚を使うから)ただ今日を完走するためだけに走った一日でした。ごめんなさい」と語る増田成幸(キャノンデール・プロサイクリング)は40秒遅れ、西薗良太(チャンピオンシステム)は1分22秒遅れでフィニッシュしている。

翌日の第5ステージは大会最大の山場。スノーバードスキーリゾートにゴールするクイーンステージだ。

選手コメントはレース公式サイトならびにTwitterより。




Stage 4 Highlights of the Tour of Utah from Tour of Utah on Vimeo.



ツアー・オブ・ユタ2013第4ステージ結果
1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)     1h10'17"
2位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
3位 ジャスパー・ステイヴェン(ベルギー、ボントレガー)
4位 アレッサンドロ・バッツァーナ(イタリア、ユナイテッドヘルスケア)
5位 ジェシー・アンソニー(アメリカ、オプティム)
6位 キール・レイヘン(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
7位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム)
8位 ハニエル・アセベドカーイェ(コロンビア、ジェイミス・ハーゲンズベルマン)
9位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)
10位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)
53位 増田成幸(日本、キャノンデール・プロサイクリング)              +40"
72位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)                  +1'22"

個人総合成績
1位 ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)        14h59'24"
2位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)        +26"
3位 ルーカス・ユーザー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)            +40"
4位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・レオパード)        +43"
5位 グレゴリー・オバンドブレネス(コスタリカ、チャンピオンシステム)       +44"
6位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
7位 ベンジャミン・キング(オーストラリア、レディオシャック・レオパード)
8位 ベンジャミン・デイ(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)
9位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
10位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、ガーミン・シャープ)
58位 増田成幸(日本、キャノンデール・プロサイクリング)            +14'08"
78位 西薗良太(日本、チャンピオンシステム)                  +22'33"

ポイント賞
フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)

山岳賞
マイケル・トルッケラー(ニュージーランド、ビッセルプロサイクリング)

新人賞
ラクラン・モートン(オーストラリア、ガーミン・シャープ)

チーム総合成績
ガーミン・シャープ

text:Kei Tsuji
photo:Tour of Utah

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