常にレースでは逃げる存在の山本大喜(榛生昇陽高)。積極的な展開でついに高校生最高のタイトルを手中に。2位には2年の小山貴大(前橋育英高)、3位に1年の石上優大(横浜高)が入った。

ラスト2km、ゴールを目指す山本大喜(榛生昇陽高)と小山貴大(前橋育英高)ラスト2km、ゴールを目指す山本大喜(榛生昇陽高)と小山貴大(前橋育英高) photo:Hideaki TAKAGI
ロードレースは15周109.5kmロードレースは15周109.5km photo:Hideaki TAKAGI高校生にとって最高の大会がインターハイ。今年は大分県のオートポリスでロードが、別府競輪場でトラックが行われる。初日の7月31日(水)はロードレース。コースははじめにサーキット4.7kmを5周してから、次にややテクニカルな外周を含む8.6kmを10周する合計109.5km。

朝から霧が立ちこめるがコースと距離などは当初の予定通りと、スタート30分前に発表される。気温は25度くらいで全般に曇り、時折小雨や晴れ間が覗いたりの変わりやすい天候。道幅の広いサーキットコースで、見かけ以上に起伏があり合計で標高差2000mほどを上る。
5周目、メイン集団で動く横山航太(篠ノ井高)、黒枝咲哉(日出暘谷・日出総合高)ら5周目、メイン集団で動く横山航太(篠ノ井高)、黒枝咲哉(日出暘谷・日出総合高)ら photo:Hideaki TAKAGI
優勝候補は地元であり1ヶ月前のジュニア全日本ロードを制した黒枝咲哉(さや)(日出暘谷・日出総合高)、そして海外遠征でも実力を発揮している横山航太(篠ノ井高)。さらに独走力のある山本大喜(まさき)(榛生昇陽高)、選抜ロード覇者の岡本隼(和歌山北高)、さらに全日本ロードU17チャンピオンで1年生の石上優大(まさひろ)(横浜高)ら。
12周目、追走の黒枝咲哉(日出暘谷・日出総合高)と山本大喜(榛生昇陽高)12周目、追走の黒枝咲哉(日出暘谷・日出総合高)と山本大喜(榛生昇陽高) photo:Hideaki TAKAGI
レースは常に逃げのできる積極的な展開に。1周目からJCF強化指定選手らを中心にアタックがかかる。3周目に山本、小山貴大(前橋育英高)、北野龍人(水橋高)の3人の逃げとなり6周目まで逃げ続ける。7周目に逃げは再編され小山と橋詰丈(昭和第一学園高)の2人が先頭に。

8周目には樋口峻明(横浜高)、冨尾大地(南大隅高)が追いつき先頭は4人に。11周目にメイン集団で落車があり、優勝候補の一角、横山が大きく遅れてしまう。12周目、逃げがメイン集団に吸収される直前に樋口が抜け出して独走開始。樋口は力強く踏み込んで30秒以上の差をつける。
最終周回、追走に出て3番手の石上優大(横浜高)最終周回、追走に出て3番手の石上優大(横浜高) photo:Hideaki TAKAGI
13周目は有力候補の抜け出しはあるものの吸収されそして独走していた樋口も吸収され20人ほどの集団で14周目へ。ここで山本がアタック、続いて小山がアタックして山本をかわすが山本も追いつき2人で先頭に立つ。メイン集団は牽制状態となる中、石上がアタックして先頭の2人を追う。
山本大喜(榛生昇陽高)が優勝山本大喜(榛生昇陽高)が優勝 photo:Hideaki TAKAGI
最終周回、先頭の山本と小山は交代しながらラップタイムを上げて逃げる。石上は追うものの単独のため差は開いていく。メイン集団はしだいに1分差となり勝負は先頭の2人に。最後の坂で抜け出したのは山本。小山を振り切って独走でゴール。
4位集団ゴール4位集団ゴール photo:Hideaki TAKAGI
優勝した山本は独走力はあるがスプリントで他選手に負ける場面が多かった。強い印象があるが優勝は昨年のチャレンジロードのみ。初めてつかんだビッグタイトルは、4歳上の兄・元喜(鹿屋体育大)と同じく、逃げて勝つスタイルだった。
個人表彰個人表彰 photo:Hideaki TAKAGI
敢闘賞があるならばそれは間違いなく小山だ。大半の逃げをつくりあるいは反応し、もっとも積極的に動いた選手。2位ゴール時に大声で悔しさをあらわにした小山はまだ2年生。そして1年生ながら非凡な才能を見せた石上。彼らが今後のジュニア世代を引っ張るのは確実だ。

優勝候補だった黒枝は5位に。レース中は終始マークされ、逃げを追う場面で黒枝が先頭にいることが多かった。他選手の追走に乗ることよりも、自力で追走することを選んだ黒枝の走りは潔いもの。奇しくも山本と黒枝の兄は、4年前のインターハイロードでそれぞれ1位と3位に。走りのタイプも同じ弟達の今後が楽しみだ。

結果
ロードレース 109.5km 個人成績
1位 山本大喜(榛生昇陽高)3時間00分45秒
2位 小山貴大(前橋育英高)+11秒
3位 石上優大(横浜高)+1分12秒
4位 岡本隼(和歌山北高)+2分14秒
5位 黒枝咲哉(日出暘谷・日出総合高)
6位 草場啓吾(北桑田高)
7位 古田潤(昭和第一学園高)
8位 森口寛己(和歌山北高)
9位 河津賢人(九州学院高)
10位 伊藤泰輝(別府商業高)

photo&text:高木秀彰

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