2013年4月にトルコで行なわれたツアー・オブ・ターキー(UCI2.HC)で総合優勝を飾ったムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール)。一躍トルコの英雄となった24歳のEPO(エリスロポエチン)陽性が発覚した。

ライバルたちを振り切ってゴールするムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール)ライバルたちを振り切ってゴールするムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール) photo:Kei TsujiUCI(国際自転車競技連合)のリリースによると、今年3月、サヤルが総合2位に入ったツアー・オブ・アルジェリア(UCI2.2)での期間中に行なわれたドーピング検査で、採取された尿サンプルからEPO使用の違反が疑われる分析報告が出た。検査を行なったのはフランス・シャトネ=マラブリーにあるWADA(世界アンチドーピング機構)認証研究所。

ムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール)ムスタファ・サヤル(トルコ、トルクセケルスポール) photo:Kei TsujiUCIは暫定的にサヤルを出場停止状態にしており、今後トルコ自転車競技連盟がヒアリングを開いて処分を決める。サヤルはBサンプルの検査要請を行なう権利を有している。

UCIコンチネンタルチーム所属のサヤルは、UCIプロチームやUCIプロコンチネンタルチームがひしめくツアー・オブ・ターキーで、第6ステージ頂上ゴールを制し、そのまま総合優勝。地元ターキッシュライダーの大会制覇に開催国は沸いたが、ほぼ無名だった24歳の圧倒的な強さに、プロトン内の選手や関係者から懐疑的な目が向けられていた。

また、2012年大会では、サヤルのチームメイトであるイヴァイロ・ガブロフスキー(ブルガリア)が総合優勝を果たしたが、3ヶ月後にサヤルと同じくEPO陽性が発覚。のちにタイトルが剥奪されている。なお、サヤルは2012年大会を最下位から3番目の総合160位でフィニッシュしている。

text&photo:Kei Tsuji

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