2013/07/12(金) - 11:26
平坦基調の第12ステージは、絶好調のマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)がスプリントを制し、通算3勝となった。ゴール間際に発生した落車により、グライペルなどの有力スプリンター勢が勝負に絡めなかった。また落車の影響で新城幸也(日本、ユーロップカー)が手を負傷している。
ステージ優勝のマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)
本当に信じられない。夢を見ているようだ。自分やチームにとって、とても特別なことだ。チームメイトたちの仕事は素晴らしかった。ぼくたちは今日はあまり動かなかった。ミスがなかったとは言えないが、スプリントの準備はしっかりできていた。
しっかりとトレインを組めたことが信じられないくらい誇らしい。そして、チームメイトたちの仕事に本当に満足している。今日は、ぼくが集団で最速の男だった。
クーン・デコルト(オランダ)は、ぼくがまたステージ優勝するのをいやがっていた。理由は、ぼくがステージ3勝したら、彼は自分の頭を剃ると宣言していたからだ。今はそれが現実になってしまった。初勝利を遂げてからは、ぼくたちはツールを気軽に楽しみ、次の目標を「もう1勝すること」に据えた。
こうしてステージ3勝という結果になった。チーム全員のことが誇らしい。言葉では説明しにくい。ツール・ド・フランスを終えてしまいたい。つまり、パリまでの道のりを終えてしまいたい。今後の課題は次のスプリント・ステージとアルプスの山岳ステージをこなすことだ。
ウワサで聞いた限りではかなりハードだと思う。でも、これまで終えてきたレースのことを考えると、少しリラックスできるし、さらにモチベーションも得ることができる。
総合1位のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
今日も無事に終えた。チームメイトたちの後ろについてステージを終えることができて満足している。攻撃を繰り出そうとしたチームもあったようだが、ぼくたちは最後までしっかりと目の前の出来事に集中することにしていた。落車の音は背後で聞こえたけど、ぼくはなにも目撃していない。
誰が(落車で)倒れたのか見ていないけど、残り2kmで落車が発生して、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)が巻き込まれたことは聞いた。肩を押さえて戻ってきたから、今はチームドクターに傷の具合を診てもらっていると思う。
ツール・ド・フランスは毎日が試練だ。目を見開いて物事を観察する必要がある——ふとした瞬間に事態が変わってしまい、レース中にあらゆるものを奪われてしまう可能性もある。昨日はかなり消耗した。だから今日は当然のように少し脚に疲れを感じている。たぶん、集団内の他の選手も同じようだったと考えたい。アルプスの山岳ステージを経て、パリに近づいていくことを楽しみにしている。
ポイント賞・ステージ3位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
今日は少しアンラッキーだった。でも、結果には満足している。ステージ3位は、ポイント賞の観点からみても充分な結果だ。でも、ステージ優勝という意味では、少し不満がたまっている。
今日はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)の後ろについて、しっかり乗っていけたと思ったのだけど。ステージ優勝は毎日狙っている!昨日のタイムトライアルは自分にとっても大きなチャレンジだった。
今日、勝ちを逃した原因は昨日のせいかもしれない。今日もまたトラブルにひっかかることなく過ごせたのはうれしい。ゴールでは、落車寸前だった。でも、中間スプリント・ポイントでの出来事は、かなり怒っている。クリス・ボックマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)が、ぼくをフェンスのほうに寄せてきた理由が理解できない。
あれは普通じゃない! 彼はポイント賞争いには無関係だ。すでにスプリントを始めていたし、横風もあった。ぼくは彼に落車させる気かと大声で叫ぶしかなかった。
毎日、予想もしない事態が発生する可能性がある。だから、つねに現実的に物事をとらえて、自分の安全を最優先にするようにしている。明日もまたステージ優勝を目指すつもりだけど、いまの目標はポイント賞ジャージを毎日維持することだ。
敢闘賞のフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)
重要なのは毎日アタックしようとすることだ。このポリシーに従って、できるだけ早めに飛び出して、できるだけタイムを稼ごうとしている。ツール・ド・フランスの第2週のスプリンター向けステージだと、レース全体をコントロールしてアタックを維持するのは難しい。
今日は本気で勝ちを狙っていた。残り6kmで集団に吸収されたけど、今日のレースには満足している。集団の速度がわかったときに、あれ以上の速度は維持できないとわかったからだ。
数日前の落車で負ったケガの痛みを我慢できるかが、今日のチャレンジだった。でも、今日の成果には満足している。
ステージ2位のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
この前述べた通り、マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)が新たな手強い存在になった。今日は単純にぼくより状態がよかった! チームメイトたちの努力の成果を成し遂げられなくて残念だ。
じっくりと分析することはできる。でも、単純に自分よりも速い人間が出てきたなら、なにもすることはできない。自分やチームが他の戦略をとれたとは思えない。純粋に今日はキッテルのほうが速かった。数日前に、ぼくはキッテルの存在感が増しているとツイートした。今日は実際に彼がそう言うことになった。
彼はスプリント界では次世代のスーパースターになる素質があり、今日それを証明したと思う。現在キッテルは通算3勝だが、これは簡単なことではない。自分の経験からも言えることだ。今日はチームメイトたちの仕事が見事だった。チームとして、しっかりゴール前を分析していた。この数日間というもの、ぼくたちは少し焦っていた。これはチームメイト同士で信頼しあっているという意味で、悪いことではないと思う。
でも、いつも最後の場面にチームメイトがいなくなっていた。だから、今日は話し合って、落ち着いて我慢して走り、最後の瞬間に行くことにした。チームメイトたちの調子もかなり良くて、ぼくの仕事もかなり楽だった。彼らの仕事に報いることができなくて、本当にがっかりしている。
カヴをリードアウトしたステージ12位のヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
たしかに今日は勝てなかった。でも、今日の仕事は誇りに思ってもいい! チームとしては、リードアウトを大幅に改善できた。
落車の影響でステージ33位に沈んだアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
フレデリック・ヴィレムス(ベルギー)とバルト・デクレルク(ベルギー)の今日の素晴らしい仕事が無駄になった。今日のレースは、残り2kmの地点で、ぼくの目の前に起きた落車で終了した。
マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)を祝福したい。今日は、彼らと一緒にスプリントするつもりだった。
チームメイトのグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)、マルセル・シーベルグ(ドイツ)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー)は明日に向けての準備ができていると思う。
落車でステージ79位に沈んだマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
今日のレースは数字の「3」がキーワードだった。飛んできた自転車が、ぼくにあたったのは残り「3km」の地点。落車に巻き込まれたのは「3人」。ニアミスでよかったと思う。
落車に巻き込まれて負傷した新城幸也(日本、ユーロップカー)
新城は左手からの出血がひどく、メディカルカーによる治療を受けながらゴールを目指し、ガーゼで応急処置をした左手を抑えながらフィニッシュした。
(傷の具合は)左指の中指と、人差し指の第1関節と第2関節の間を深くえぐる切り傷で、(この後に)チームドクターによる縫合治療を受ける予定だ。
(落車は)避けきれなかった。残念だけど……。前で転んだ選手のリアメカに手が入ってしまい、切ってしまった。出血が多いのが気になるけど、脚のほうは元気だから明日も走るよ!
ホントは明日がチャンスだと思っていたんだけど、怪我の様子をみながら頑張ります。ご心配おかけしてすいません。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝のマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)
本当に信じられない。夢を見ているようだ。自分やチームにとって、とても特別なことだ。チームメイトたちの仕事は素晴らしかった。ぼくたちは今日はあまり動かなかった。ミスがなかったとは言えないが、スプリントの準備はしっかりできていた。
しっかりとトレインを組めたことが信じられないくらい誇らしい。そして、チームメイトたちの仕事に本当に満足している。今日は、ぼくが集団で最速の男だった。
クーン・デコルト(オランダ)は、ぼくがまたステージ優勝するのをいやがっていた。理由は、ぼくがステージ3勝したら、彼は自分の頭を剃ると宣言していたからだ。今はそれが現実になってしまった。初勝利を遂げてからは、ぼくたちはツールを気軽に楽しみ、次の目標を「もう1勝すること」に据えた。
こうしてステージ3勝という結果になった。チーム全員のことが誇らしい。言葉では説明しにくい。ツール・ド・フランスを終えてしまいたい。つまり、パリまでの道のりを終えてしまいたい。今後の課題は次のスプリント・ステージとアルプスの山岳ステージをこなすことだ。
ウワサで聞いた限りではかなりハードだと思う。でも、これまで終えてきたレースのことを考えると、少しリラックスできるし、さらにモチベーションも得ることができる。
総合1位のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
今日も無事に終えた。チームメイトたちの後ろについてステージを終えることができて満足している。攻撃を繰り出そうとしたチームもあったようだが、ぼくたちは最後までしっかりと目の前の出来事に集中することにしていた。落車の音は背後で聞こえたけど、ぼくはなにも目撃していない。
誰が(落車で)倒れたのか見ていないけど、残り2kmで落車が発生して、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー)が巻き込まれたことは聞いた。肩を押さえて戻ってきたから、今はチームドクターに傷の具合を診てもらっていると思う。
ツール・ド・フランスは毎日が試練だ。目を見開いて物事を観察する必要がある——ふとした瞬間に事態が変わってしまい、レース中にあらゆるものを奪われてしまう可能性もある。昨日はかなり消耗した。だから今日は当然のように少し脚に疲れを感じている。たぶん、集団内の他の選手も同じようだったと考えたい。アルプスの山岳ステージを経て、パリに近づいていくことを楽しみにしている。
ポイント賞・ステージ3位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
今日は少しアンラッキーだった。でも、結果には満足している。ステージ3位は、ポイント賞の観点からみても充分な結果だ。でも、ステージ優勝という意味では、少し不満がたまっている。
今日はマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)の後ろについて、しっかり乗っていけたと思ったのだけど。ステージ優勝は毎日狙っている!昨日のタイムトライアルは自分にとっても大きなチャレンジだった。
今日、勝ちを逃した原因は昨日のせいかもしれない。今日もまたトラブルにひっかかることなく過ごせたのはうれしい。ゴールでは、落車寸前だった。でも、中間スプリント・ポイントでの出来事は、かなり怒っている。クリス・ボックマンス(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)が、ぼくをフェンスのほうに寄せてきた理由が理解できない。
あれは普通じゃない! 彼はポイント賞争いには無関係だ。すでにスプリントを始めていたし、横風もあった。ぼくは彼に落車させる気かと大声で叫ぶしかなかった。
毎日、予想もしない事態が発生する可能性がある。だから、つねに現実的に物事をとらえて、自分の安全を最優先にするようにしている。明日もまたステージ優勝を目指すつもりだけど、いまの目標はポイント賞ジャージを毎日維持することだ。
敢闘賞のフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)
重要なのは毎日アタックしようとすることだ。このポリシーに従って、できるだけ早めに飛び出して、できるだけタイムを稼ごうとしている。ツール・ド・フランスの第2週のスプリンター向けステージだと、レース全体をコントロールしてアタックを維持するのは難しい。
今日は本気で勝ちを狙っていた。残り6kmで集団に吸収されたけど、今日のレースには満足している。集団の速度がわかったときに、あれ以上の速度は維持できないとわかったからだ。
数日前の落車で負ったケガの痛みを我慢できるかが、今日のチャレンジだった。でも、今日の成果には満足している。
ステージ2位のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
この前述べた通り、マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)が新たな手強い存在になった。今日は単純にぼくより状態がよかった! チームメイトたちの努力の成果を成し遂げられなくて残念だ。
じっくりと分析することはできる。でも、単純に自分よりも速い人間が出てきたなら、なにもすることはできない。自分やチームが他の戦略をとれたとは思えない。純粋に今日はキッテルのほうが速かった。数日前に、ぼくはキッテルの存在感が増しているとツイートした。今日は実際に彼がそう言うことになった。
彼はスプリント界では次世代のスーパースターになる素質があり、今日それを証明したと思う。現在キッテルは通算3勝だが、これは簡単なことではない。自分の経験からも言えることだ。今日はチームメイトたちの仕事が見事だった。チームとして、しっかりゴール前を分析していた。この数日間というもの、ぼくたちは少し焦っていた。これはチームメイト同士で信頼しあっているという意味で、悪いことではないと思う。
でも、いつも最後の場面にチームメイトがいなくなっていた。だから、今日は話し合って、落ち着いて我慢して走り、最後の瞬間に行くことにした。チームメイトたちの調子もかなり良くて、ぼくの仕事もかなり楽だった。彼らの仕事に報いることができなくて、本当にがっかりしている。
カヴをリードアウトしたステージ12位のヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
たしかに今日は勝てなかった。でも、今日の仕事は誇りに思ってもいい! チームとしては、リードアウトを大幅に改善できた。
落車の影響でステージ33位に沈んだアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
フレデリック・ヴィレムス(ベルギー)とバルト・デクレルク(ベルギー)の今日の素晴らしい仕事が無駄になった。今日のレースは、残り2kmの地点で、ぼくの目の前に起きた落車で終了した。
マルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)を祝福したい。今日は、彼らと一緒にスプリントするつもりだった。
チームメイトのグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド)、マルセル・シーベルグ(ドイツ)、ユルゲン・ルーランズ(ベルギー)は明日に向けての準備ができていると思う。
落車でステージ79位に沈んだマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
今日のレースは数字の「3」がキーワードだった。飛んできた自転車が、ぼくにあたったのは残り「3km」の地点。落車に巻き込まれたのは「3人」。ニアミスでよかったと思う。
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新城は左手からの出血がひどく、メディカルカーによる治療を受けながらゴールを目指し、ガーゼで応急処置をした左手を抑えながらフィニッシュした。
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ホントは明日がチャンスだと思っていたんだけど、怪我の様子をみながら頑張ります。ご心配おかけしてすいません。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
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