2013/06/15(土) - 16:02
超級山岳アルブラ峠でリーダージャージを突き放し、先頭グループ内のゴールスプリント勝負を制したルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)。ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)第7ステージで勝利したディフェンディングチャンピオンが、総合首位の座を遂に視界に捉えた。
ゴール9km手前で超級山岳アルブラ峠を越える第7ステージこそ、今大会のクイーンステージ(最難関ステージ)だ。標高2315mの超級山岳を越え、標高1695mのラ・プントにゴールする。コース全長は今大会最長の206km。
1時間半に及ぶアタック合戦をくぐり抜け、アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック・レオパード)やルイスレオン・サンチェス(スペイン、ブランコプロサイクリング)を含む強力な14名が逃げグループを形成。しかし逃げが決定的なリードを得ることが出来ないままレースは進行する。
3級、1級、4級の山岳を越えるうちにタイム差は縮小。登坂距離25.8kmの超級山岳アルブラ峠に差し掛かったところで、メイン集団から飛び出したジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、スカイプロサイクリング)が逃げメンバーを全員パスした。
メイン集団はサクソ・ティンコフが徹底的にコントロール。独走するドンブロウスキーを追ってミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らがカウンターアタックを仕掛けたが成功しない。ここまで精彩を欠き、「自分がどんな状態にあるのか知るために、追い込みたかった」と語るアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)も久々にメイン集団の前方に姿を見せる。
均衡を破ったのはバウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)のカウンターアタックだった。頂上まで2kmを残したこの動きに、コスタとティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)が反応する。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス)に「ライバルたちをマークし、下りでスピードダウンさせてほしい」と告げられたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)もこの動きに乗った。
ピノやコスタが積極的にペースを作る強力な5人のグループが、それまで先行していたドンブロウスキーをパス。超級山岳をクリアして下りに差し掛かる。頂上を先頭で通過したピノが山岳賞トップに立っている。
やがてダウンヒル区間でコスタとヴァンガーデレンが先行し、モレマが単独で追走。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)を含む追走グループが20〜30秒遅れで続く展開に。
ラスト2kmのバルーンアーチがコースを覆うトラブルに見舞われながらも、コスタとヴァンガーデレン、そしてゴール直前で追いついたモレマの3人がスプリント体勢に入る。リーダージャージのフランクを待つために先頭交代に加わらなかったヴァンガーデレン有利と見られたが、ひたすら前を引き続けたコスタのスプリントが伸びた。
モレマとヴァンガーデレンを振り切り、メイン集団を22秒引き離したコスタが勝利。クイーンステージを終えて、フランクがリーダージャージを守り、13秒差でコスタ、23秒差でロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)が続く。「マティアス・フランクの調子は決して悪くないし、厳しい闘いになると思う。総合逆転を達成するために、全力を尽くすよ」と、総合3位のコスタ。1分以内で5名がひしめく混戦の総合争いは、翌々日の最終山岳個人タイムトライアルで決着する。
選手コメントはレース公式サイトより。
ツール・ド・スイス2013第7ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 5h11'08"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +09"
5位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +22"
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
9位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、スカイプロサイクリング)
個人総合成績
1位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) 25h42'36"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +13"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +23"
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +44"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +46"
6位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1'17"
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +1'23"
8位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +1'42"
9位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +1'43"
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) +1'50"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
ゴール9km手前で超級山岳アルブラ峠を越える第7ステージこそ、今大会のクイーンステージ(最難関ステージ)だ。標高2315mの超級山岳を越え、標高1695mのラ・プントにゴールする。コース全長は今大会最長の206km。
1時間半に及ぶアタック合戦をくぐり抜け、アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック・レオパード)やルイスレオン・サンチェス(スペイン、ブランコプロサイクリング)を含む強力な14名が逃げグループを形成。しかし逃げが決定的なリードを得ることが出来ないままレースは進行する。
3級、1級、4級の山岳を越えるうちにタイム差は縮小。登坂距離25.8kmの超級山岳アルブラ峠に差し掛かったところで、メイン集団から飛び出したジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、スカイプロサイクリング)が逃げメンバーを全員パスした。
メイン集団はサクソ・ティンコフが徹底的にコントロール。独走するドンブロウスキーを追ってミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らがカウンターアタックを仕掛けたが成功しない。ここまで精彩を欠き、「自分がどんな状態にあるのか知るために、追い込みたかった」と語るアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)も久々にメイン集団の前方に姿を見せる。
均衡を破ったのはバウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)のカウンターアタックだった。頂上まで2kmを残したこの動きに、コスタとティボー・ピノ(フランス、FDJ)、ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)が反応する。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス)に「ライバルたちをマークし、下りでスピードダウンさせてほしい」と告げられたティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)もこの動きに乗った。
ピノやコスタが積極的にペースを作る強力な5人のグループが、それまで先行していたドンブロウスキーをパス。超級山岳をクリアして下りに差し掛かる。頂上を先頭で通過したピノが山岳賞トップに立っている。
やがてダウンヒル区間でコスタとヴァンガーデレンが先行し、モレマが単独で追走。リーダージャージのマティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)を含む追走グループが20〜30秒遅れで続く展開に。
ラスト2kmのバルーンアーチがコースを覆うトラブルに見舞われながらも、コスタとヴァンガーデレン、そしてゴール直前で追いついたモレマの3人がスプリント体勢に入る。リーダージャージのフランクを待つために先頭交代に加わらなかったヴァンガーデレン有利と見られたが、ひたすら前を引き続けたコスタのスプリントが伸びた。
モレマとヴァンガーデレンを振り切り、メイン集団を22秒引き離したコスタが勝利。クイーンステージを終えて、フランクがリーダージャージを守り、13秒差でコスタ、23秒差でロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)が続く。「マティアス・フランクの調子は決して悪くないし、厳しい闘いになると思う。総合逆転を達成するために、全力を尽くすよ」と、総合3位のコスタ。1分以内で5名がひしめく混戦の総合争いは、翌々日の最終山岳個人タイムトライアルで決着する。
選手コメントはレース公式サイトより。
ツール・ド・スイス2013第7ステージ結果
1位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) 5h11'08"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)
3位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +09"
5位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +22"
6位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)
8位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)
9位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
10位 ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、スカイプロサイクリング)
個人総合成績
1位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) 25h42'36"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +13"
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +23"
4位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +44"
5位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +46"
6位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1'17"
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +1'23"
8位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +1'42"
9位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +1'43"
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ) +1'50"
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
Amazon.co.jp