大雨で過酷なレース環境の中、斉藤亮(ミヤタ-メリダ)が開幕戦に続き2勝目を得た。そしてダウンヒルの女王こと末政実緒(ダートフリーク/サラセン)がXCに出場し、初優勝のサプライズ。

男子エリートのスタート男子エリートのスタート (c)Akihiro.NAKAO

悪天候が選手を悩ました。木の枝でツルツルのゴジラの背を行く悪天候が選手を悩ました。木の枝でツルツルのゴジラの背を行く (c)Akihiro.NAKAO5月19日に愛媛県八幡浜市で行われたJシリーズ第2戦・八幡浜インターナショナルクロスカントリーは、UCIカテゴリークラス3のレースで、国内レースでは貴重なUCIポイントが獲得できるレース。地元八幡浜は大いに盛り上がっている。

中国のアジア選でリタイアした斉藤亮(ミヤタ-メリダ)が戻ってのレースで、斉藤自身の体調と、他の選手が斉藤にどう立ち向かうかが注目された。
コースはスポーツパーク内に作られたXC専用のトレイルで、ゴジラの背と呼ばれる木の根を張り巡らせた区間とシングルトラック、長い林道の登りといった総合力が試される。桜坂と呼ばれるフィードポイント周辺が観戦者が多い。男子エリートは約5.6kmを6周回のレースだ。

アジア選手権の失敗をバネに走った斉藤亮(ミヤタ-メリダ)アジア選手権の失敗をバネに走った斉藤亮(ミヤタ-メリダ) (c)Akihiro.NAKAOタイヤ選択の失敗でピットで交換して遅れてしまった小野寺健(スペシャライズド)タイヤ選択の失敗でピットで交換して遅れてしまった小野寺健(スペシャライズド) (c)Akihiro.NAKAO


斉藤が意地でレースをひっくり返す

朝から雨となり、レースが進行するにつれて悪化する。スタートは前田公平(スコット)が元気よく飛び出した。コース内はやはり雨で木の根が滑り易く、コントロールが難しい状況、土の路面も変化が激しくタイヤ選択も重要な要素となった。

地元愛媛で表彰台に立つ走りを披露した門田基志(ジャイアント)地元愛媛で表彰台に立つ走りを披露した門田基志(ジャイアント) (c)Akihiro.NAKAO4位に入った松本駿(スコット)あまりの悪コンディションにバイクを降りる4位に入った松本駿(スコット)あまりの悪コンディションにバイクを降りる (c)Akihiro.NAKAO


1周目は小野寺健(スペシャライズド)が先頭を走り続くのは斉藤、その後ろは地元愛媛の門田基志(ジャイアント)と続く。
周回を重ねるごどに小野寺と斉藤の間の距離は縮まり、3周目の桜坂で二人パックになり、グラウンドに戻ったのは斉藤でそのまま譲らすにゴールとなった。2位小野寺、3位門田となった。

男子エリートで優勝を飾った斉藤亮(MIYATA-MERIDA)男子エリートで優勝を飾った斉藤亮(MIYATA-MERIDA) (c)Akihiro.NAKAOレース後はまるで泥人形の有様だレース後はまるで泥人形の有様だ (c)Akihiro.NAKAO


斉藤は語る「今日はアジア選後のレースで体調は良くなかったですけど、いつまでもアジア選の事を引きずっていると前に進めない。気持ちを切り替え、八幡浜はUCIレースでポイント獲得できるレースなので、それなりの気持ちを持って挑んで勝てました。しかし自分の納得の走りが出来たかと言えばそうではない。まだまだ体調管理の面で課題があるので、次の富士見は良い走りをしたい」

女子エリートは末政実緒がサプライズ勝利

XCO女子エリート優勝の末政実緒(ダートフリーク/サラセン)XCO女子エリート優勝の末政実緒(ダートフリーク/サラセン) (c)Akihiro.NAKAO

女子エリートは今年からクロスカントリーに挑戦する事を宣言していた末政実緒(ダートフリーク/サラセン)が、過酷なレースコンディションの中でも、若手チームメイトの相野田静香(クラブグロウ/ライテック)を突き放して優勝した。ダウンヒルで全日本13連覇を続ける天才ライダーが、クロスカントリーで新たなリザルトを残した。

初めてクロスカントリー女子エリートを走る末政実緒(ダートフリーク/サラセン)初めてクロスカントリー女子エリートを走る末政実緒(ダートフリーク/サラセン) (c)Akihiro.NAKAO相野田静香(クラブ グロウ/ライテック)相野田静香(クラブ グロウ/ライテック) (c)Akihiro.NAKAO


末政はレースを振り返り話す。「予想外の雨でどうなる事かと心配しましたが、レースはキツいけど意外とコースは走り易くて、最初は飛び出しました。レース展開は経験がなくてペースが分からず、2周目以降は自分の走りができました。これだけ雨の長時間のレースで4周目はキツかったですが、無事優勝できました。
次の富士見はダブルエントリーになるので、トレーニングとしてクロカンに出る予定はあります」。

3位の広瀬由紀(ckirin.com)3位の広瀬由紀(ckirin.com) (c)Akihiro.NAKAOダウンヒルの女王・末政実緒(ダートフリーク/サラセン)とクロスカントリーの元女王の小田島梨絵。末政はダブルタイトルを狙う?ダウンヒルの女王・末政実緒(ダートフリーク/サラセン)とクロスカントリーの元女王の小田島梨絵。末政はダブルタイトルを狙う? (c)Akihiro.NAKAO


ジュニアクラスは山田誉史輝(ダートフリーク/ライテック)、エキスパートは竹内遼(チームプロライド)がそれぞれ優勝している。

エキスパート優勝 竹内遼(チームプロライド)エキスパート優勝 竹内遼(チームプロライド) (c)Akihiro.NAKAOジュニア優勝 山田誉史輝(ダートフリーク/ライテック)ジュニア優勝 山田誉史輝(ダートフリーク/ライテック) (c)Akihiro.NAKAO

往年の走りを彷彿とさせる野口忍(トレック)往年の走りを彷彿とさせる野口忍(トレック) (c)Akihiro.NAKAOジュニアクラスの山田誉史輝(ダートフリーク/ライテック)ジュニアクラスの山田誉史輝(ダートフリーク/ライテック) (c)Akihiro.NAKAO

男子エリート表彰 小野寺健(スペシャライズド)・斉藤亮(ミヤタ-メリダ)・門田基志(ジャイアント)男子エリート表彰 小野寺健(スペシャライズド)・斉藤亮(ミヤタ-メリダ)・門田基志(ジャイアント) (c)Akihiro.NAKAOJシリーズ XCO第二戦結果

男子エリート
1位 斉藤亮(ミヤタ-メリダ)1:57:42.10
2位 小野寺健(スペシャライズド)+1:32.95
3位 門田基志(ジャイアント)+3:08.23
4位 松本駿(スコット)+6:39.90
5位 島田真琴(シマノドリンキング)+8:54.00
6位 鈴木智之(cikirin.com)+9:06.98
7位 中原義貴(キャノンデール)+9:59.93
8位 合田正之(サイクルクラブ3UP)+10:09.32
9位 大渕宏紀(Team-NR/錦ロイヤル)+11:47.87
10位 山田 圭(クラブ グロウ)+12:05.59

女子エリート
1位 末政実緒(ダートフリーク/サラセン)1:43:59.15
2位 相野田静香(クラブ グロウ/ライテック)+4:58.79
3位 広瀬由紀(ckirin.com)+8:13.86
4位 川崎路子(CLUBviento)+12:41.08
5位 重兼みゆき(焼鳥山鳥R)+14:15.15
6位 埜真賢美(Teamクルーズ)+22:47.58

女子エリート表彰女子エリート表彰 (c)Akihiro.NAKAOジュニア表彰ジュニア表彰 (c)Akihiro.NAKAO


男子ジュニア
1位 山田誉史輝(ダートフリーク/ライテック)1:23:47.56
2位 長谷川大成(自転車村R)+7:25.17

エキスパート
1位 竹内遼(チームプロライド)1:24:59.54
2位 西山靖晃(焼鳥山鳥R)+29.26
3位 平林安里(チームプロライド)+1:01.54
4位 小野良太(Team YRS)+1:53.12
5位 安川 生(国際アウトドア専門学校)+3:41.88

エキスパート表彰エキスパート表彰 (c)Akihiro.NAKAO男子スポーツ表彰男子スポーツ表彰 (c)Akihiro.NAKAO


男子スポーツ
1位 野口 忍(トレック)0:40:44.23
2位 松井正史 (シマノドリンキング)+1:10.46
3位 長里雅也(自転車村Wteam)+1:19.14

女子スポーツ
1位 中島崚歩(クラブシーナック)0:25:33.16
2位 鈴木美香子(ckirin.com)+1:33.07
3位 橋口陽子(TEAM轍屋)+3:13.40

女子スポーツ表彰女子スポーツ表彰 (c)Akihiro.NAKAOシマノ・XTRのカーボンチューブラーホイールが会場でお披露目シマノ・XTRのカーボンチューブラーホイールが会場でお披露目 (c)Akihiro.NAKAO


text&photo:Akihiro.NAKAO