2009/01/25(日) - 23:09
アデレードの周回コースで行なわれたツアー・ダウンアンダー最終ステージは、フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)の勝利で閉幕。初回大会からフル出場している唯一の選手アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)が、11年目にして悲願の総合優勝に輝いた。
最終ステージはアデレード市内に敷設された一周4.5kmの周回コースで行なわれた。周回数は当初の予定より2周少ない18周、合計81kmだ。コースは概ねフラットだが、1カ所だけコブのような低い丘があり、ここには二度の山岳ポイントが設定されている。
ゴール地点にも二度のスプリントポイントが設定されているが、既に総合トップのデーヴィスと総合2位のスチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク)のタイム差は25秒。たとえオグレディが全てのボーナスタイムを獲得したとしても、デーヴィスが遅れない限り総合逆転は無い。
周回コースの沿道には14万4000人の観客が詰めかけた。これはオーストラリア国内におけるスポーツイベントでの歴代最高記録。リーダージャージを着るデーヴィスも「ランス効果は絶大だ。彼のおかげでこのレースの国際的な注目度が急上昇した。こんな盛り上がりはオーストラリアのロードレースでは有り得ないことで、これこそ我々が必要としていること。素晴らしいレースを開催した主催者や州政府に感謝したい」と舌を巻いた。
レースは1周目からアタックがかかり、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)やイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)、ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームコロンビア)、ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、フランセーズデジュー)を含む13名が早々に飛び出した。
総合成績に危険を及ぼす逃げサンチェス(44秒遅れ)らがグループに入っているとして、メイン集団はクイックステップが確実にコントロール。この逃げグループは1分のリードを得てスプリントポイントや山岳ポイントを競い合ったものの、メイン集団はこれをゴールまで余裕を持って飲み込んだ。
その後もアタックが繰り返されたが決定的な逃げは生まれない。ラスト2周でのランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)のアタックは会場を大いに沸かせたが、全てスプリンターチームに封じ込まれる。勝負は最終集団スプリントに持ち込まれた。
デーヴィスがスプリントに絡まない一方で、グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)とロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)が先頭でスプリントバトル。しかし両者は接触によってバランスを崩してしまい、その隙を突いて飛び出したキッキが先頭でゴール。地元選手のお株を奪う形で、イタリア人スプリンターが最終ステージの栄冠を手にした。
そしてこの瞬間、同集団内33位でゴールしたデーヴィスが総合優勝を決めた。地元オーストラリアの歓声に包まれた新王者は「ようやく頂点に登り詰めた。とにかく一週間を通して素晴らしい働きをしてくれたクイックステップチームに感謝したい」と何度も何度もチームメイトへの感謝の意を述べた。今後の予定を聞かれたデーヴィスは「シーズン序盤の目標レースはミラノ〜サンレモ(2007年に2位)。調子のピークは3月に合わせているんだ。このダウンアンダーは始まりに過ぎないよ」と意気込んでいる。
また、連日アタックを繰り返したジャック・ボブリッジ(オーストラリア、UniSA)を始め、今回はオーストラリアの若手選手の活躍が目立つ大会でもあった。この日の逃げに乗ったTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)奈良ステージ覇者のザルツバーガーは、スプリントポイントでボーナスタイム3秒を加算して総合5位にジャンプアップ。所属するフランセーズデジューはチーム総合成績トップに輝いている。
ツアー・ダウンアンダー2009第6ステージ結果
1位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) 1h42'00"
2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 グレゴリー・ヘンデルソン(ニュージーランド、チームコロンビア)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 トム・リーザー(オランダ、ラボバンク)
7位 ウィム・ストロティンガ(オランダ、ミルラム)
8位 ギヨーム・ブロ(フランス、コフィディス)
9位 ジャコボ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)
10位 マルティン・エルミガー(スイス、アージェードゥーゼル)
個人総合成績
1位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ) 19h26'59"
2位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +25"
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ) +30"
4位 マルティン・エルミガー(スイス、アージェードゥーゼル)
5位 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、フランセーズデジュー)+37"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +38"
7位 マシュー・ウィルソン(オーストラリア、UniSA) +39"
8位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ランプレ) +40"
9位 ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)
10位 ミカエル・シュレル(フランス、フランセーズデジュー)
スプリント賞
アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)
山岳賞
マルケル・イリサール(スペイン、エウスカルテル)
新人賞(U25)
ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
チーム総合成績
フランセーズデジュー
最終ステージはアデレード市内に敷設された一周4.5kmの周回コースで行なわれた。周回数は当初の予定より2周少ない18周、合計81kmだ。コースは概ねフラットだが、1カ所だけコブのような低い丘があり、ここには二度の山岳ポイントが設定されている。
ゴール地点にも二度のスプリントポイントが設定されているが、既に総合トップのデーヴィスと総合2位のスチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク)のタイム差は25秒。たとえオグレディが全てのボーナスタイムを獲得したとしても、デーヴィスが遅れない限り総合逆転は無い。
周回コースの沿道には14万4000人の観客が詰めかけた。これはオーストラリア国内におけるスポーツイベントでの歴代最高記録。リーダージャージを着るデーヴィスも「ランス効果は絶大だ。彼のおかげでこのレースの国際的な注目度が急上昇した。こんな盛り上がりはオーストラリアのロードレースでは有り得ないことで、これこそ我々が必要としていること。素晴らしいレースを開催した主催者や州政府に感謝したい」と舌を巻いた。
レースは1周目からアタックがかかり、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)やイェンス・フォイクト(ドイツ、サクソバンク)、ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、チームコロンビア)、ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、フランセーズデジュー)を含む13名が早々に飛び出した。
総合成績に危険を及ぼす逃げサンチェス(44秒遅れ)らがグループに入っているとして、メイン集団はクイックステップが確実にコントロール。この逃げグループは1分のリードを得てスプリントポイントや山岳ポイントを競い合ったものの、メイン集団はこれをゴールまで余裕を持って飲み込んだ。
その後もアタックが繰り返されたが決定的な逃げは生まれない。ラスト2周でのランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)のアタックは会場を大いに沸かせたが、全てスプリンターチームに封じ込まれる。勝負は最終集団スプリントに持ち込まれた。
デーヴィスがスプリントに絡まない一方で、グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)とロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)が先頭でスプリントバトル。しかし両者は接触によってバランスを崩してしまい、その隙を突いて飛び出したキッキが先頭でゴール。地元選手のお株を奪う形で、イタリア人スプリンターが最終ステージの栄冠を手にした。
そしてこの瞬間、同集団内33位でゴールしたデーヴィスが総合優勝を決めた。地元オーストラリアの歓声に包まれた新王者は「ようやく頂点に登り詰めた。とにかく一週間を通して素晴らしい働きをしてくれたクイックステップチームに感謝したい」と何度も何度もチームメイトへの感謝の意を述べた。今後の予定を聞かれたデーヴィスは「シーズン序盤の目標レースはミラノ〜サンレモ(2007年に2位)。調子のピークは3月に合わせているんだ。このダウンアンダーは始まりに過ぎないよ」と意気込んでいる。
また、連日アタックを繰り返したジャック・ボブリッジ(オーストラリア、UniSA)を始め、今回はオーストラリアの若手選手の活躍が目立つ大会でもあった。この日の逃げに乗ったTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)奈良ステージ覇者のザルツバーガーは、スプリントポイントでボーナスタイム3秒を加算して総合5位にジャンプアップ。所属するフランセーズデジューはチーム総合成績トップに輝いている。
ツアー・ダウンアンダー2009第6ステージ結果
1位 フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス) 1h42'00"
2位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、カチューシャ)
3位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
4位 グレゴリー・ヘンデルソン(ニュージーランド、チームコロンビア)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 トム・リーザー(オランダ、ラボバンク)
7位 ウィム・ストロティンガ(オランダ、ミルラム)
8位 ギヨーム・ブロ(フランス、コフィディス)
9位 ジャコボ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)
10位 マルティン・エルミガー(スイス、アージェードゥーゼル)
個人総合成績
1位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ) 19h26'59"
2位 スチュアート・オグレディ(オーストラリア、サクソバンク) +25"
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ) +30"
4位 マルティン・エルミガー(スイス、アージェードゥーゼル)
5位 ウェズリー・サルツバーガー(オーストラリア、フランセーズデジュー)+37"
6位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +38"
7位 マシュー・ウィルソン(オーストラリア、UniSA) +39"
8位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ランプレ) +40"
9位 ユッシ・ヴェッカネン(フィンランド、フランセーズデジュー)
10位 ミカエル・シュレル(フランス、フランセーズデジュー)
スプリント賞
アラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)
山岳賞
マルケル・イリサール(スペイン、エウスカルテル)
新人賞(U25)
ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
チーム総合成績
フランセーズデジュー
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