2013/03/08(金) - 10:47
中級山岳が連続するパリ~ニース第4ステージは最後、40名程の集団によるスプリントでミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)が勝利。アシストを失ったアンドリュー・タランスキーは危なげなく集団内ゴールし、総合首位を守った。
パリ~ニース2013第4ステージ コースプロフィール (c)A.S.O.パリ~ニース(UCIワールドツアー)第4ステージの舞台となったのは、フランス中部のブリウドから東進し、リヨンに程近いサン・ヴァリエへと至る199.5kmのルート。
フランス内陸部を駆け抜ける photo:Cor.Vosこの日もオーヴェルニュ山塊を通過するため、全199.5kmの行程には2級が4つ、3級が3つと、計7つのカテゴリー山岳が散りばめられる。アタッカー向きで、どの峠も総合争いに決定的な動きを与えるものでは無いものの、レース如何ではマイヨ・ジョーヌの変動も起こり得る。
アタックするトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)ら photo:Cor.Vos連日続いた悪天候から一転し、この日のフランスは晴れ。現地時間の午前11時ちょうど、176名の選手たちがブリウドの街を出発した。
ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)ら7名の先頭グループ photo:Cor.Vosこの日最初のアタックを掛けたのはミカエル・モルコフ(デンマーク、サクソ・ティンコフ)。しかしこの動きは失敗に終わり、やがて8km地点でハビエル・モレーノ(スペイン、モビスター)、ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)、ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)の3名が抜け出す動きを見せる。
逃げに入れず、山岳賞ジャージを失ったマルティン・ケイゼル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) photo:Cor.Vos
ヨハン・ヴァンスーメレン(ベルギー、ガーミン・シャープ)に守られて走るアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) photo:Cor.Vosすると集団からはトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー)とユベール・デュポン(フランス、アージェードゥーゼル)、ロメン・シカール(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)、ワレン・バーギル(フランス、アルゴス・シマノ)の4名が、追走の後に合流。脱落したモレーノを除く7名の逃げグループが形成された。
山岳コースを急ぐ先頭グループ内では、連続する3つの山岳ポイントをいずれもチョップが先頭通過し、この日終了時点での山岳賞ジャージ獲得を決定づける。
3分~3分半程の差を持って追走するメイン集団の先頭に立つのは、マイヨ・ジョーヌにおアンドリュー・タランスキー(アメリカ)擁するガーミン・シャープ。やがてスカイプロサイクリングが集団牽引にアシストを送り込むと、タイム差は徐々に短縮を見る。この動きの中、アスタナのエースナンバーを付けるヤコブ・フグルサング(デンマーク)は体調不良によりリタイアを選択した。
BMCレーシングやガーミン・シャープが牽引する集団はやがて、残り14km地点で逃げグループを全て吸収する。この時点で集団の人数は40名ほど。イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール・プロサイクリング)やトーマス・デヘント(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)は後方集団に沈んだ。
ゴールまでおよそ10kmのコート・ドゥ・ラ・シズランでは、マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・レオパード)のアタックを皮切りに集団が活性化。シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが次々とアタックを繰り出す中、アシストを失ったタランスキーは一人対処を強いられた。
圧倒的なスプリントを披露したミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor.Vosやがて、単発的なアタックを全て吸収した集団は、カチューシャやアスタナに率いられる形でラスト1km。40名弱による集団スプリントへと持ち込まれた。
早いタイミングでスプリントを開始したのはマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)。不意のタイミングを付いた仕掛けだったものの、背後から狙い澄ましたスプリントでアルバジーニが一気に抜き去っていく。そのままの勢いを保ったアルバジーニは、最後数メートルの差を付け、圧倒的な勝利を飾った。
「今日が特別調子が良かったかはわからないけれど、いつもよりは頭を使ったよ。適したポジションから、適したタイミングだったね。」と語るアルバジーニ。
「今日は後半に変速トラブルに陥ってしまって、"今日は終わったな"と思った。でも最後は平坦だったから、53Tのギアのままで(山岳も諦めず)集団内に位置取りしたんだ。ゴールでは考える暇は無くて、左右を確認しただけ。そのまま踏んでチャンスを掴んだんだ。山岳コースへの十分な準備をしていないから、今回の目標はステージ1勝することだった。とても満足だよ。」と加えた。
スプリントに絡んだタランスキーはステージ6位に入り、マイヨ・ジョーヌを守ることに成功。
「今日はスタート前から終盤では一人になりそうだと思っていたし、ミーティングでチームメイトたちとはそのことを確認していたよ。ジャージを守ることにプレッシャーを感じていなかったのも良かったのかもしれない。ベテランのチームメイトが落ち着くようにとアドバイスをくれて、それがうまくいったんだ。明日の山岳が楽しみだよ」と語った。
この日別府史之(オリカ・グリーンエッジ)は8分26秒遅れの94位でゴール。総合順位を83位としている。
マイヨ・ジョーヌを堅守したアンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) photo:Cor.Vos
表彰台に立つミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor.Vos
パリ~ニース2013第4ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) 4h55′51″
2位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
3位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)
5位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)
8位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
9位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック・レオパード)
10位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、カチューシャ)
94位 別府史之(オリカ・グリーンエッジ) +8′26″
個人総合成績
1位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)19h35′17″
2位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +03″
3位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) +04″
4位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +05″
6位 リエーヴェ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +06″
7位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)+07″
8位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) +13″
9位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル) +15″
10位 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ベリソル)
ポイント賞
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
新人賞
アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
アスタナ
text:So.Isobe
photo:Cor Vos
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山岳コースを急ぐ先頭グループ内では、連続する3つの山岳ポイントをいずれもチョップが先頭通過し、この日終了時点での山岳賞ジャージ獲得を決定づける。
3分~3分半程の差を持って追走するメイン集団の先頭に立つのは、マイヨ・ジョーヌにおアンドリュー・タランスキー(アメリカ)擁するガーミン・シャープ。やがてスカイプロサイクリングが集団牽引にアシストを送り込むと、タイム差は徐々に短縮を見る。この動きの中、アスタナのエースナンバーを付けるヤコブ・フグルサング(デンマーク)は体調不良によりリタイアを選択した。
BMCレーシングやガーミン・シャープが牽引する集団はやがて、残り14km地点で逃げグループを全て吸収する。この時点で集団の人数は40名ほど。イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール・プロサイクリング)やトーマス・デヘント(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)は後方集団に沈んだ。
ゴールまでおよそ10kmのコート・ドゥ・ラ・シズランでは、マキシム・モンフォール(ベルギー、レディオシャック・レオパード)のアタックを皮切りに集団が活性化。シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)らが次々とアタックを繰り出す中、アシストを失ったタランスキーは一人対処を強いられた。
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早いタイミングでスプリントを開始したのはマキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)。不意のタイミングを付いた仕掛けだったものの、背後から狙い澄ましたスプリントでアルバジーニが一気に抜き去っていく。そのままの勢いを保ったアルバジーニは、最後数メートルの差を付け、圧倒的な勝利を飾った。
「今日が特別調子が良かったかはわからないけれど、いつもよりは頭を使ったよ。適したポジションから、適したタイミングだったね。」と語るアルバジーニ。
「今日は後半に変速トラブルに陥ってしまって、"今日は終わったな"と思った。でも最後は平坦だったから、53Tのギアのままで(山岳も諦めず)集団内に位置取りしたんだ。ゴールでは考える暇は無くて、左右を確認しただけ。そのまま踏んでチャンスを掴んだんだ。山岳コースへの十分な準備をしていないから、今回の目標はステージ1勝することだった。とても満足だよ。」と加えた。
スプリントに絡んだタランスキーはステージ6位に入り、マイヨ・ジョーヌを守ることに成功。
「今日はスタート前から終盤では一人になりそうだと思っていたし、ミーティングでチームメイトたちとはそのことを確認していたよ。ジャージを守ることにプレッシャーを感じていなかったのも良かったのかもしれない。ベテランのチームメイトが落ち着くようにとアドバイスをくれて、それがうまくいったんだ。明日の山岳が楽しみだよ」と語った。
この日別府史之(オリカ・グリーンエッジ)は8分26秒遅れの94位でゴール。総合順位を83位としている。
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パリ~ニース2013第4ステージ結果
1位 ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) 4h55′51″
2位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ)
3位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、アスタナ)
5位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
6位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
7位 ロメン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル)
8位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)
9位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック・レオパード)
10位 シャビエル・フロレンシオ(スペイン、カチューシャ)
94位 別府史之(オリカ・グリーンエッジ) +8′26″
個人総合成績
1位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)19h35′17″
2位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +03″
3位 ペーター・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ) +04″
4位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ゴルカ・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +05″
6位 リエーヴェ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +06″
7位 リッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)+07″
8位 マキシム・イグリンスキー(カザフスタン、アスタナ) +13″
9位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル) +15″
10位 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ベリソル)
ポイント賞
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
山岳賞
ヨハン・チョップ(スイス、IAMサイクリング)
新人賞
アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)
チーム総合成績
アスタナ
text:So.Isobe
photo:Cor Vos
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