2月28日、イタリア・トスカーナ西部の街カマイオーレにて第64回GPカマイオーレが開催。登りで絞られた小集団スプリントで、ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)がシーズン3勝目をマークした。

集団を率いるダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)集団を率いるダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Cor Vos例年8月に開催されていたGPカマイオーレが2月開催に移行。海沿いのリード・ディ・カマイオーレと内陸のカマイオーレの街をつなぐ周回コースで開催され、平均勾配7.1%・登坂距離2.9kmのモンテピトロを6回通過する。ゴールから10kmしか離れていないこのモンテピトロで、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)やミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)、デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)といったビッグネームたちがアタックを繰り出した。

12名によるスプリントで勝利したペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)12名によるスプリントで勝利したペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) photo:Riccardo Scanferlaレースは序盤からテイラー・フィニー(イタリア、BMCレーシングチーム)ら5名が逃げる展開。カマイオーレを起点とする最終周回でこの逃げが吸収されると、モンテピトロでアタック合戦が始まった。

遅れてゴールするステファノ・ガルゼッリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)遅れてゴールするステファノ・ガルゼッリ(イタリア、ヴィーニファンティーニ) photo:Riccardo Scanferlaイタリアチャンピオンのフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、アンドローニジョカトリ)のアタックをきっかけに集団のペースが上がり、上記のニーバリやスカルポーニも攻撃を仕掛ける。しかしモレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)にサポートされたサガンをふるい落とすことは出来なかった。

GPカマイオーレ2013表彰台GPカマイオーレ2013表彰台 photo:Riccardo Scanferla最終的に12名に絞られた精鋭グループがカマイオーレに到着。ここでもモゼールにアシストされたサガンが、ゴールスプリントでディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)とリナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)を撃破。ガッツポーズが決まった。

「自分のコンディションが上向きであることをレース中に感じることが出来た。逃げが捕まってからは、モゼールが全てのアタックを封じて、スプリントに持ち込んでくれた。そこからは自分の役目。スプリントで負ける訳にはいかなかった」と、ツアー・オブ・オマーンでのステージ2勝に続くシーズン3勝目をマークしたサガン。

気管支炎の悪化によってオマーンは途中リタイアしたものの、今後のレースに向けて回復していることを見せつけた。サガンは土曜日に開催されるストラーデビアンケにも出場する予定。「このカマイオーレは自分のリズムを取り戻すのに最適なレースだったと思う。未舗装路を走るストラーデビアンケは、ベルギーのクラシックレースにも似たスペシャルなレース。大好きなレースなので、良い結果を残したい」。サガンは2週間後に迫ったミラノ〜サンレモでも注目の存在だ。

また、この日はアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)が91位でフィニッシュ。昨年4月のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュぶり、実に10ヶ月ぶりにレースを完走している。

選手コメントはキャノンデールプロサイクリングより。


GPカマイオーレ2013結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)      4h17'34"
2位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)
3位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)
4位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、レディオシャック・レオパード)
5位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、ヴィーニファンティーニ)
6位 ミゲルアンヘル・ルビアーノシャベス(コロンビア、アンドローニジョカトリ)
7位 フランチェスコ・レーダ(イタリア、アンドローニジョカトリ)
8位 デニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ)
9位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
10位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla