2013/02/26(火) - 09:18
今年のツール・ド・ランカウイ、霧雨のなかのクイーンステージを制したのは日本でもおなじみ、チームNIPPO・デローザのジュリアン・アレドンド(コロンビア)だった。第3ステージを終えて、山岳賞2位。繰り上がりで山岳賞のリーダージャージを着るアレドンドが、絶妙な勝負どころで仕掛け、キャリア最大の勝利を掴み、同時に総合首位に躍り出た。
緊張感に包まれたアレドンドの決戦ステージ
アレドンドは「今日は勝負どころまでとにかく待てと言われていた。我慢して我慢して我慢して、最後に仕掛けて、そのあとはとにかくステージを勝ちたいという気持ちで全力でゴールをめざしたんだ」と振り返る。
レース前、スタートラインに立った彼からは少しナーバスな印象を受けた。ツアー・オブ・ジャパンでリーダージャージを着て挑んだ富士山ステージや、プロツアー選手相手に本気で優勝をめざして走ったジャパンカップなど、大きな勝負がかったときに見せる顔だ。監督からは「どんなトラブルがあっても、ほかの選手5人が全力で助けるんだから、落ち着いて走ればいいんだ」と言われたというが、ピリッとした雰囲気に包まれたなかでスタートを迎えた。
スタートラインに立つまでの長い長い道のり
アレドンドのことを、チーム監督は「健気な苦労人」だと話すことが多い。昨シーズンはビザの関係からチームの拠点があるイタリアに滞在することができず、シーズンのほとんどを自国コロンビアで過ごし、レースに出られないという、選手にとってフラストレーションの溜まるシーズンを送った。
今回もビザの関係から、欧州のなかでトランジットビザのいらないドイツを経由してマレーシアへとやってきた。そしてレースが終わると、一度コロンビアに帰り、ビザを取るために日本に立ち寄って(日本籍のチームに所属しているため)、日本のイタリア大使館で滞在ビザを取ってから、イタリアに渡る予定だという。
チームはレースが終わるとイタリアに直帰するが、彼の場合はそう簡単にはいかない。ただ国籍がコロンビアだというだけで、お金さえあれば簡単にヨーロッパに行ける私たちからは想像もできない問題を抱え、彼にとっては、レースのスタートラインに立つことだけでも一苦労なんだという。
世界中にはこのような問題を抱える選手が多くいるのが現実なのだ。しかし、どんな逆境にもめげず、レースへのモチベーションを持ち続けてトレーニングを積み、今回、その与えられた貴重なチャンスを彼はしっかりと掴んだ。
リーダーチームになったチームNIPPO・デローザ、首位防衛をめざす
クイーンステージを終えて、リーダージャージを獲得したアレドンドだが、今日のステージを終えて、ようやくレースは折り返しを迎えたものの、まだ5ステージが残されている。とくに明日第6ステージは、途中に4級山岳が3つ連続し、距離も200kmを越えるという難易度の高いステージとなり、総合順位はまだいくらでも動く可能性がある。
アレドンドにリーダージャージを最終日まで守りきれるかと尋ねると「まずは様子を見ようと言っている。今日は今日のことを一生懸命やり、明日は明日で一生懸命やる。いまはそれしかないんだ」と話す。彼にとっては、その後の選手人生を変えるかもしれない大きなタイトルを前に、チームは一丸となって明日からのステージに挑む。
また今回のチームNIPPO・デローザには鹿屋体育大学に在学中の若い選手(石橋学、徳田鍛造)が含まれている。プロとして迎えた初めてのレースで、ジャージを守るという特別な走りが求められる。それもアジア最高峰のレースで。彼らは「リーダーチームになるのは、去年のツール・ド・北海道以来です。その次がアジアトップのレースになるので、どうなるのかわかりません...。」と話すが、若い選手の奮闘にも注目したい。
ツール・ド・ランカウイ2013第5ステージ フォトギャラリー
photo&text : Sonoko.Tanaka in Malaysia
緊張感に包まれたアレドンドの決戦ステージ
アレドンドは「今日は勝負どころまでとにかく待てと言われていた。我慢して我慢して我慢して、最後に仕掛けて、そのあとはとにかくステージを勝ちたいという気持ちで全力でゴールをめざしたんだ」と振り返る。
レース前、スタートラインに立った彼からは少しナーバスな印象を受けた。ツアー・オブ・ジャパンでリーダージャージを着て挑んだ富士山ステージや、プロツアー選手相手に本気で優勝をめざして走ったジャパンカップなど、大きな勝負がかったときに見せる顔だ。監督からは「どんなトラブルがあっても、ほかの選手5人が全力で助けるんだから、落ち着いて走ればいいんだ」と言われたというが、ピリッとした雰囲気に包まれたなかでスタートを迎えた。
スタートラインに立つまでの長い長い道のり
アレドンドのことを、チーム監督は「健気な苦労人」だと話すことが多い。昨シーズンはビザの関係からチームの拠点があるイタリアに滞在することができず、シーズンのほとんどを自国コロンビアで過ごし、レースに出られないという、選手にとってフラストレーションの溜まるシーズンを送った。
今回もビザの関係から、欧州のなかでトランジットビザのいらないドイツを経由してマレーシアへとやってきた。そしてレースが終わると、一度コロンビアに帰り、ビザを取るために日本に立ち寄って(日本籍のチームに所属しているため)、日本のイタリア大使館で滞在ビザを取ってから、イタリアに渡る予定だという。
チームはレースが終わるとイタリアに直帰するが、彼の場合はそう簡単にはいかない。ただ国籍がコロンビアだというだけで、お金さえあれば簡単にヨーロッパに行ける私たちからは想像もできない問題を抱え、彼にとっては、レースのスタートラインに立つことだけでも一苦労なんだという。
世界中にはこのような問題を抱える選手が多くいるのが現実なのだ。しかし、どんな逆境にもめげず、レースへのモチベーションを持ち続けてトレーニングを積み、今回、その与えられた貴重なチャンスを彼はしっかりと掴んだ。
リーダーチームになったチームNIPPO・デローザ、首位防衛をめざす
クイーンステージを終えて、リーダージャージを獲得したアレドンドだが、今日のステージを終えて、ようやくレースは折り返しを迎えたものの、まだ5ステージが残されている。とくに明日第6ステージは、途中に4級山岳が3つ連続し、距離も200kmを越えるという難易度の高いステージとなり、総合順位はまだいくらでも動く可能性がある。
アレドンドにリーダージャージを最終日まで守りきれるかと尋ねると「まずは様子を見ようと言っている。今日は今日のことを一生懸命やり、明日は明日で一生懸命やる。いまはそれしかないんだ」と話す。彼にとっては、その後の選手人生を変えるかもしれない大きなタイトルを前に、チームは一丸となって明日からのステージに挑む。
また今回のチームNIPPO・デローザには鹿屋体育大学に在学中の若い選手(石橋学、徳田鍛造)が含まれている。プロとして迎えた初めてのレースで、ジャージを守るという特別な走りが求められる。それもアジア最高峰のレースで。彼らは「リーダーチームになるのは、去年のツール・ド・北海道以来です。その次がアジアトップのレースになるので、どうなるのかわかりません...。」と話すが、若い選手の奮闘にも注目したい。
ツール・ド・ランカウイ2013第5ステージ フォトギャラリー
photo&text : Sonoko.Tanaka in Malaysia
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