UCIプロツアーから除外され、格下のプロコンチームとして走ることを余儀なくされていたカチューシャの訴えが認められた。スイスのCAS(スポーツ仲裁裁判所)は、カチューシャを支持する裁定を下した。

年始のプレゼンテーションで不服な表情を見せていたホアキン・ロドリゲス(スペイン)年始のプレゼンテーションで不服な表情を見せていたホアキン・ロドリゲス(スペイン) (c)CorVos2012年のUCIワールドツアーランキング1位のホアキン・ロドリゲスが所属し、同チームランキング2位という成績を残しながらもUCIワールドツアーライセンスを認められていなかったカチューシャ。チームはスイスはローザンヌのCAS(スポーツ仲裁裁判所)へUCIの決定取り消しとUCIプロチームとしての登録を要求し提訴していたが、CASは2月15日、カチューシャ側の訴えを支持する裁定を下した。これによりカチューシャはワールドツアーライセンスを取り戻すことになる。

ロシア・グローバルサイクリングプロジェクトとロシア自転車連盟の長にしてUCI組織委員会メンバー、カチューシャチームのスポンサーであるイテラ社の運営役員であるイゴール・マカロフ氏は次のように勝利を宣言する。
「世界のスポーツ機関がこの決定に従ってくれると信じている。我々ロシア・グローバルサイクリングプロジェクトとカチューシャチームはファン、マスメディア、他のスポーツ界や有名なアスリートたちから多くの同情や支援を受けてきた。今ここにそれらすべての人に対して深く感謝の意を示したい。正義は取り戻された。
今回のCASの決定は待ちに待ったものだった。これはスポーツの世界の最高の法規の公平性をいま一度証明するものだ」。

カチューシャが今UCIワールドツアーライセンスを取り戻しても、すでにツアー・ダウンアンダーは終了している。春のパリ〜ニースおよびティレノ〜アドリアティコへの出場は見込めそうだが、UCIプロチーム(UCIワールドツアーライセンス保有チーム)の上限は18チームで、すでに上限に達している。カチューシャが戻ることでプロツアーチームから格下げになるチームが出るのかどうか、UCIがどう対応するのかにも注目したい。



text:Makoto.AYANO