ブリヂストン・アンカーの2013年チーム体制発表会が1月31日、東京・外苑前のバイクフォーラム青山で開催された。かつてチームブリヂストンで走った水谷壮宏が新監督に、昨年までコフィディスで走ったダミアン・モニエが加入する。

水谷壮宏新監督率いるチームブリヂストン・アンカー2013水谷壮宏新監督率いるチームブリヂストン・アンカー2013

プレゼンの冒頭に紹介されたチームの意気込みは3つ。まず、「勝つためのチームの再編成」、そして「攻撃的な指揮官を抜擢」、「挑戦を続ける覚悟」。昨年、チーム編成を大きく刷新(2012年体制記事)し、海外に挑戦したシーズンを振り返りながら、改めて前進する決意が表明された。

水谷壮宏が新監督に就任

UCIコンチネンタル登録を済ませたチームブリヂストン・アンカー。新監督にはかつてブリヂストンで選手として活躍したことがある水谷壮宏(みずたに・たけひろ)が就任した。
水谷は現役時代ブリヂストンサイクル、日本鋪道などで走り、スプリンターとして活躍。選手当時よりフランスに住み、現在も在住。ここ数年はレース界からは離れていたが、かつての古巣に戻り指揮を執ることになった。なおフランス人のデニス・ルプルーも第2監督として契約を継続、フランスを中心に欧州レースで指揮を執る。

2010ジロのステージ優勝者ダミアン・モニエの加入

新監督に就任した水谷壮宏新監督に就任した水谷壮宏 ヴァンサン・カナール、ダミアン・モニエ、トマ・レバヴァンサン・カナール、ダミアン・モニエ、トマ・レバ


U23から昇格した平井栄一、六峰亘。宇都宮ブリッツェンから移籍した初山翔U23から昇格した平井栄一、六峰亘。宇都宮ブリッツェンから移籍した初山翔 選手は昨年からのメンバーでは清水都貴、井上和郎、伊丹健治、トマ・レバの4人が継続。宇都宮ブリッツェンから初山翔が移籍。アンカーU23から平井栄一、六峰亘が昇格した。
そして外国人選手として、ヴァンサン・カナールとダミアン・モニエの2人のフランス人選手が加入した。

ダミアン・モニエは2004から昨シーズンまで9年間をコフィディスで走り、ツール・ド・フランスを1回、ジロ・デ・イタリアを2回、ブエルタ・ア・エスパーニャを2回出場・いずれも完走。2010年ジロでは第17ステージでステージ優勝を挙げている。スピードと独走に長け、2005・2008年の2度個人追い抜きのフランスチャンピオンに輝いたTTスペシャリストだ。年齢もまだ30歳と、脂の乗り切った実力者。モニエは水谷監督の住む都市クレルモン・フェランの出身で、旧知の仲だったことも今回の契約への後押しとなったという。

ヴァンサン・カナールは2012年はフランスのアマチーム、ヴェロクラブ・カラドワに所属。ツール・ド・ボジョレー第1ステージ優勝、ローヌアルプス選手権優勝(レジオナル)、トロンセ地方一周レース優勝などの勝利がある。

エースは清水が、キャプテンは井上がつとめる。昨年は外国籍選手はほぼ日本のレースに出場せずに海外だけで走ったが、今年は3人のフランス人も積極的に国内のレースを走るという。

全日本、TOJ、UCI2クラスレースの優勝が目標

2013年のチーム目標として、次の3つが挙げられた。まず2004年の田代恭崇を最後に遠ざかっている全日本選手権ロードの優勝と、今年UCI1クラスに昇格したツアー・オブ・ジャパンでのステージ優勝、そして国内・海外のUCI2クラスのレースでの優勝。

水谷監督「すべてのやり方を見直し、ゼロから再スタートを切る」

水谷監督は言う「アンカーは今年、今までのやり方をすべて見なおしてゼロから再スタートを切る。日本最強のチームとして再認識してもらうこと、選手、スタッフの力を引き出し、その力を私が纏めあげて強さを発揮すること。大きく明確な目標と、強い意志を持ってヨーロッパで走ること。選手たちは皆強い心を持っている。
清水をエースとして、井上がキャプテンとしてチームを纏めていく。新加入のモニエは偉大な選手。彼のこともさらに強くして、チーム全員で勝利を目指していく」。

「活動の中で重要なのは若手選手の育成だ。伊丹、平井、六峰、初山は将来世界に通用する選手になってほしい。チームブリヂストン・アンカーは強くなる条件が揃っている」。

力が突出しているように感じるダミアン・モニエ。水谷は言う「3大ツールすべてを走って、かつジロでステージ優勝という成績を挙げている偉大な選手。彼のような強い選手がチームで走ることは意義のあること。彼のこともジロに勝った時以上に強くしたい。そして若手は彼から多くのことを吸収してほしい」。

ヴァンサン・カナールとダミアン・モニエの2人のフランス人選手が加入ヴァンサン・カナールとダミアン・モニエの2人のフランス人選手が加入 井上和郎とアンカーRMZ井上和郎とアンカーRMZ 新監督に就任した水谷壮宏新監督に就任した水谷壮宏


日本とフランスを拠点とした転戦

プレゼン直後より清水都貴がツアー・オブ・カタールとオマーンの連戦を日本ナショナルチームとして走るために出発した。
チームのおおまかなスケジュールとしては、チームは1月8日まで千葉県鴨川市で合宿に入る。その後3月より5月までフランス各地のレースを転戦。ツアー・オブ・ジャパン前に帰国。TOJ、熊野、全日本TT、栂池・富士ヒルクライム、全日本選手権までを日本で走る。7月に再び渡欧し転戦、8月末のシマノ鈴鹿ロード前に帰国、ツール・ド・北海道を走る。その後再びフランスへ。日本ではジャパンカップ、ツール・ド・おきなわも走る。



アンカーRMZアンカーRMZ シマノ・デュラエース9070Di2を使用するシマノ・デュラエース9070Di2を使用する


アディダス・イーブルアイハーフリムがオフィシャルアイウェアだアディダス・イーブルアイハーフリムがオフィシャルアイウェアだ オージーケーカブトのヘルメット、KOOFUを使用するオージーケーカブトのヘルメット、KOOFUを使用する

チームブリヂストン・アンカー2013ロードチーム体制
監督 水谷 壮宏
第2監督:デニス・ルプルー
メカニック:金田 正
ドクター:内田 彰子

選手
清水 都貴
井上 和郎
伊丹 健治
トマ・レバ
初山 翔 (宇都宮ブリッツェンより移籍)
ダミアン・モニエ (コフィディスより移籍)
ヴァンサン・カナール (VC カラドワより移籍)
平井 栄一 (アンカーU23より昇格)
六峰 亘 (アンカーU23より昇格)

MTBチーム
アドバイザー:鈴木 雷太
監督:ヴィクター・トマズ

選手
平野 星矢
沢田 時

エキップアサダのEQA U23をブリヂストンサイクル(アンカー)がサポートする。

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photo&text:Makoto.AYANO
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