2013/01/18(金) - 18:37
ベルギーの国技とも言える自転車競技。その国の選手やチームには当然のように高い目標の達成が義務づけられる。ブランドも然り。ロンド・ファン・フラーンデレンで幾度となく現れるパヴェや、気まぐれに襲い来る悪天候に代表される通り、ベルギーはレース環境も非常に厳しい。選手達がレーシングバイクに求める水準も高い。その中で彼らの要求に応え、成長し続けているのが、生粋のベルギーブランド・リドレーだ。
リドレーのバイクは常にレースを意識した実戦仕様を信条としている。その特長は、エントリーモデルと言えるような価格で出ているバイクまでが、ライダーの脚質やコースに応じてトッププロの要求を満たすことだ。
例をあげてみよう。リドレーを駆るロット・ベリソルのエーススプリンター、アンドレ・グライペル(ドイツ)はメインバイクとしてノアを愛用しているが、クラシックレースではフェニックスを、山岳ではヘリウムを使用。オールラウンダーのユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー)はヘリウムシリーズを使い続けている。中でもグライペルの駆るフェニックスは、他社であればまさにエントリーグレードと呼べる価格帯のモデルだ。
このように、リドレーのバイクはその全てがフラッグシップであると言っても過言ではないだろう。
ツール・ド・フランス2012ステージ3勝など、多くの勝利を挙げたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) photo:A.S.O.
2012年に挙げた彼らの成績も、リドレーの信頼性を裏付ける。
グライペルがツアー・ダウンアンダーでのステージ3勝を皮切りに、ツール・ド・フランスステージ3勝を含む20勝以上。さらにパリ〜ニース第4ステージでジャンニ・メールスマン(ベルギー)が、ジロ・デ・イタリア第12ステージではラルスイティング・バク(デンマーク)が勝利を挙げるなど、数々の輝かしい成績を収めた。
パリ〜ニース2012第4ステージの登りスプリントを制したジャンニ・メールスマン(ベルギー、ロット・ベリソル) photo:Cor Vos
ジロ・デ・イタリア2012第12ステージを制したラルスイティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル) photo:Riccardo Scanferla
もちろんそれだけでなく、全てのモデルは石畳の路面でテストされ、振動吸収性や堅牢性が厳しくチェックされる。リドレーのフレームにはこのテストを経たことを証明する「Tested on pavé」のデカールが貼られている。
2013モデルは、軽量マシンの代表として君臨してきたヘリウムの進化バージョン、ヘリウムSLが誕生した。この超軽量バイクを筆頭に、定番エアロロードのノアをはじめとした従来の名を引き継ぐモデルにもマイナーチェンジが加えられ、性能向上を遂げている。
そしてもう1つの注目モデルは、リドレーとして初めて小柄なライダーや女性向けのジオメトリーを追求したリズ。多くの局面に応じたバイクを発表してきたリドレーの、唯一と言っても良かった死角を着実に埋めてきた。
今回はこれらリドレー2013モデルのテクノロジーを追いながら、各車のインプレッションをお届けする。
写真左:吉本司、写真右:浅見和洋(なるしまフレンド)
智野真央(BIKE&HIKE)
リドレーのバイクは常にレースを意識した実戦仕様を信条としている。その特長は、エントリーモデルと言えるような価格で出ているバイクまでが、ライダーの脚質やコースに応じてトッププロの要求を満たすことだ。
例をあげてみよう。リドレーを駆るロット・ベリソルのエーススプリンター、アンドレ・グライペル(ドイツ)はメインバイクとしてノアを愛用しているが、クラシックレースではフェニックスを、山岳ではヘリウムを使用。オールラウンダーのユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー)はヘリウムシリーズを使い続けている。中でもグライペルの駆るフェニックスは、他社であればまさにエントリーグレードと呼べる価格帯のモデルだ。
このように、リドレーのバイクはその全てがフラッグシップであると言っても過言ではないだろう。
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2012年に挙げた彼らの成績も、リドレーの信頼性を裏付ける。
グライペルがツアー・ダウンアンダーでのステージ3勝を皮切りに、ツール・ド・フランスステージ3勝を含む20勝以上。さらにパリ〜ニース第4ステージでジャンニ・メールスマン(ベルギー)が、ジロ・デ・イタリア第12ステージではラルスイティング・バク(デンマーク)が勝利を挙げるなど、数々の輝かしい成績を収めた。
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もちろんそれだけでなく、全てのモデルは石畳の路面でテストされ、振動吸収性や堅牢性が厳しくチェックされる。リドレーのフレームにはこのテストを経たことを証明する「Tested on pavé」のデカールが貼られている。
2013モデルは、軽量マシンの代表として君臨してきたヘリウムの進化バージョン、ヘリウムSLが誕生した。この超軽量バイクを筆頭に、定番エアロロードのノアをはじめとした従来の名を引き継ぐモデルにもマイナーチェンジが加えられ、性能向上を遂げている。
そしてもう1つの注目モデルは、リドレーとして初めて小柄なライダーや女性向けのジオメトリーを追求したリズ。多くの局面に応じたバイクを発表してきたリドレーの、唯一と言っても良かった死角を着実に埋めてきた。
今回はこれらリドレー2013モデルのテクノロジーを追いながら、各車のインプレッションをお届けする。
リドレー2013ニューモデル 一挙5台インプレッション
今回のインプレッションでは、なるしまフレンドの浅見和洋さん、バイクジャーナリスト吉本司氏に加え、レディースモデルのリズを紅一点、BIKE&HIKEの智野真央さんに試乗してもらった。ベルギーの雄が生み出した最新バイクの感触は、果たしてどのようなものであったろうか。インプレライダーのプロフィール
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吉本 司
71年生まれ。スポーツサイクル歴は26年。実業団レースへの参戦、自転車代理店勤務、自転車専門誌の編集者を経てフリーランスの自転車ライターとなる。製品紹介や試乗など、主にロードバイクのハードウエアに関する執筆が多いが、レースや歴史など幅広いジャンルに造詣が深い。これまで30台を上回るロードバイクを所有してきた。身長187センチ、体重72kg。
ウェア協力:レリック
ウェア協力:レリック
浅見和洋(なるしまフレンド)
プロショップ「なるしまフレンド原宿店」スタッフ。身長175cm、体重65kg。かつては実業団トップカテゴリーで走った経歴をもつ。脚質は厳しい上りがあるコースでの活躍が目立つクライマータイプだ。ダンシングでパワフルに走るのが得意。最近の嗜好は日帰りロングランにあり、例えば東京から伊豆といった、距離にして300kmオーバーをクラブ員らと楽しんでいる。
→なるしまフレンド
智野真央(BIKE&HIKE)
BIKE&HIKE二子玉川店マネージャー。スポーツバイク歴は12年。05年よりロードレースに参加し、現在はJBCF登録のミュールゼロ所属。国内のエリートレースはもとよりツアー・オブ・カタールなど海外レースにも積極的に参戦。07年の全日本選手権女子ロードレースでは5位入賞。自ら展開する積極的な走りを心がけており、脚質はパンチャータイプで短いアップダウンやスピード変化あるコースを得意とする。現在の愛車はミュール・CS9。身長は157cm。
→BIKE&HIKE編集:シクロワイアード 提供:ジェイピースポーツグループ