2012/03/14(水) - 17:54
BG FITの生みの親であり、40年近くにわたって自転車競技のフィッティングに携わっているアンディ・プルーイット博士にインタビューを行なった。無数のサイクリストのフィッティングを行なった同氏の言葉の中には様々なアドバイスが含まれている。
アンディ・プルーイット博士 photo:Kei TsujiQ. BG FITのフィッティングに種類はありますか?
「一人一人の骨格、筋力、柔軟性を見てフィッティングを行なうBG FITにおいて、人種や性別は関係ない。ライダーの身体は一人一人違うため、フィッティングの種類はライダーの数と同じだけある。
例えば、過去にアジア人の骨盤の形状を200人以上チェックしたが、欧米人と大きな違いは無かった。だから日本人向けのBG FITというものは存在しないんだ。」
Q. 今回日本人のライダーを診て、日本人特有の身体の特徴はありましたか?
「確かに日本人は一般的に頭がラウンド形状だと言われているし、アジアフィットのヘルメットが合っている人は多い。でもアメリカにもヨーロッパにも、アジアフィットが合う人はいる。日本人だからと言って特別な違いは無い。
あえて言えば、日本人は床に座る習慣が残っているので、膝を屈伸する角度が深い。日本の出張から帰ってきたアメリカの友人が『膝が痛い膝が痛い』と嘆いていた時に気付いたんだ。でもその屈伸の角度が深いからって、ライディングには何ら影響しない。」
Q. 日本人を含め、すべてのライダーがトップ選手のフォームを真似しようとしますが?
「いつの時代も、どんなサイクリストもヒーローになりたい欲望に駆られている。その昔、イタリア人のヒーローに憧れ、だれもがエディ・メルクスに憧れた。その時代のヒーローのように速く走りたいとフォームを真似てきた。
でもそのヒーロー達のフォームは彼ら自身が生み出したものであり、誰かのフォームを真似したわけじゃない。見た目の悪いフォームで強い選手がいるように、彼らは彼ら自身のフォームで功績を残してきた。現在のトップ選手のフォームを真似しようとする気持ちは分かるけど、サイクリストは一人一人違う。一番は自分のフォームを見つけること。自分が一番快適で、一番速く走ることのできるフォームを見つけることが大切だ。」
ペダリングを様々な方向からチェックするアンディ・プルーイット博士 photo:Kei Tsuji
Q. 直近で活躍した選手の具体的な例はありますか?
「昨年HTCハイロードに所属したトニ・マルティンのサドルを3cm移動した。その結果、マルティンはロード世界選手権タイムトライアルをはじめ、数々のタイトルを手にすることに成功した。」
Q. 今回の沖縄滞在後の予定は?
「アメリカのカリフォルニアに行ってリーヴァイ・ライプハイマーのポジションをチェックする。それからヨーロッパに飛んで、パリ〜ルーベを狙うトム・ボーネンのポジションをチェック。ボルダーに帰ると、少しの時間でもバイクに乗るよ。この沖縄滞在中もバイクに乗りたくて仕方が無いんだ。」
Q. これまでのキャリアで最高の功績は?つまり最も成功したサイクリストは?
「これまで多くのトップ選手を診てきた。現在ツール・ド・フランスで活躍しているコンタドールやシュレク兄弟、カヴェンディッシュ、ボーネン、そしてカンチェラーラらを診てきた。でも『最も成功したサイクリスト』を選ぶならば、大きな怪我や病気から復活し、再び速く走ることができるようになった一般サイクリストだろう。彼らの笑顔を見ることが一番大きな喜びかな。」
スペシャライズド S-WORKS TARMAC SL4 photo:Kei Tsuji
スペシャライズド S-WORKS VENGE photo:Kei Tsuji
S-Worksシケイン(坐骨に合わせて130mm・143mmをラインナップ) photo:Specialized
トゥーペ・プロ(坐骨に合わせて130mm・143mmをラインナップ) photo:Specialized
ローミン・プロ(坐骨に合わせて130mm・143mmをラインナップ) photo:Specialized
愛三工業レーシングチームのメンバーの中にも愛用者が多いS-Worksロード photo:Specialized
愛三工業レーシングチームカラーのスペシャライズド・プリヴェイル(限定生産モデル) photo:Kei Tsuji
プルーイット博士のインタビュー

「一人一人の骨格、筋力、柔軟性を見てフィッティングを行なうBG FITにおいて、人種や性別は関係ない。ライダーの身体は一人一人違うため、フィッティングの種類はライダーの数と同じだけある。
例えば、過去にアジア人の骨盤の形状を200人以上チェックしたが、欧米人と大きな違いは無かった。だから日本人向けのBG FITというものは存在しないんだ。」
Q. 今回日本人のライダーを診て、日本人特有の身体の特徴はありましたか?
「確かに日本人は一般的に頭がラウンド形状だと言われているし、アジアフィットのヘルメットが合っている人は多い。でもアメリカにもヨーロッパにも、アジアフィットが合う人はいる。日本人だからと言って特別な違いは無い。
あえて言えば、日本人は床に座る習慣が残っているので、膝を屈伸する角度が深い。日本の出張から帰ってきたアメリカの友人が『膝が痛い膝が痛い』と嘆いていた時に気付いたんだ。でもその屈伸の角度が深いからって、ライディングには何ら影響しない。」
Q. 日本人を含め、すべてのライダーがトップ選手のフォームを真似しようとしますが?
「いつの時代も、どんなサイクリストもヒーローになりたい欲望に駆られている。その昔、イタリア人のヒーローに憧れ、だれもがエディ・メルクスに憧れた。その時代のヒーローのように速く走りたいとフォームを真似てきた。
でもそのヒーロー達のフォームは彼ら自身が生み出したものであり、誰かのフォームを真似したわけじゃない。見た目の悪いフォームで強い選手がいるように、彼らは彼ら自身のフォームで功績を残してきた。現在のトップ選手のフォームを真似しようとする気持ちは分かるけど、サイクリストは一人一人違う。一番は自分のフォームを見つけること。自分が一番快適で、一番速く走ることのできるフォームを見つけることが大切だ。」

Q. 直近で活躍した選手の具体的な例はありますか?
「昨年HTCハイロードに所属したトニ・マルティンのサドルを3cm移動した。その結果、マルティンはロード世界選手権タイムトライアルをはじめ、数々のタイトルを手にすることに成功した。」
Q. 今回の沖縄滞在後の予定は?
「アメリカのカリフォルニアに行ってリーヴァイ・ライプハイマーのポジションをチェックする。それからヨーロッパに飛んで、パリ〜ルーベを狙うトム・ボーネンのポジションをチェック。ボルダーに帰ると、少しの時間でもバイクに乗るよ。この沖縄滞在中もバイクに乗りたくて仕方が無いんだ。」
Q. これまでのキャリアで最高の功績は?つまり最も成功したサイクリストは?
「これまで多くのトップ選手を診てきた。現在ツール・ド・フランスで活躍しているコンタドールやシュレク兄弟、カヴェンディッシュ、ボーネン、そしてカンチェラーラらを診てきた。でも『最も成功したサイクリスト』を選ぶならば、大きな怪我や病気から復活し、再び速く走ることができるようになった一般サイクリストだろう。彼らの笑顔を見ることが一番大きな喜びかな。」
SPECIALIZED BG FIT CAMP - プルーイット博士によるイントロダクション
愛三工業レーシングチームが使用するスペシャライズド製品







愛三工業レーシングチーム使用機材の解説
提供:スペシャライズド・ジャパン 取材・編集:Kei Tsuji / シクロワイアード