2012/03/01(木) - 11:38
TM01は、BMCの2012年モデルのTTバイクのラインナップにおけるハイエンドモデルだ。昨年までのTT01の後継モデルでもある。
カデル・エヴァンスは、ツール・ド・フランス2011のTTステージにこのTM01で挑んだ。第20ステージの個人TTでステージ2位の好タイムを記録し、1分近くの差を逆転してマイヨジョーヌを獲得したときも、もちろんこのバイクを駆った。
ツール・ド・フランス2011第20ステージ、TM01を駆り、勢い良くスタート台を駆け下りるカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
同ステージを制したのは、この年の世界選手権TT覇者のTTスペシャリスト、トニ・マルティンで、エヴァンスはわずか7秒差。TM01なくしては、世界最高峰のTTスペシャリストに匹敵するエヴァンスの好走はなかったかもしれない。さらにはツール・ド・フランス2011の結末そのものが変わっていた可能性もある。
BMC TM01 TM01の活躍は、ロードレースの世界だけにとどまらない。実戦初投入となったドイツのチャレンジロートトライアスロンでは、TM01を駆るトライアスリートのアンドレアス・レイラート選手が、バイクパート180kmのタイムで世界新記録をマーク。ドラフティングのできないトライアスロンでのこの記録は、TM01が優れた空力性能と高い戦闘力を有していることの何よりの証拠である。
これらの華々しい実績をひっさげ、TM01は満を持して市販された。2012年モデルは完成車販売とフレームセット売りの両方を展開。完成車のラインナップは、シマノ・デュラエースDi2仕様、スラム・レッド仕様、シマノ・アルテグラ仕様の3タイプとなる。
BMCでは、TM01の開発にあたり、TTバイクの目的を「最大速度を高めること」とした。そして最大速度を高めるのに必要なのが「最適なポジションを出せること」と「空気抵抗の低減」の2点であると考え、それぞれキーとなるテクノロジーを具現化し、バイクづくりに生かした。
まずはこれらのテクノロジーから世界最速のTTバイク、TM01の全体像をチェックしていこう。
そこで、TTバイクの目的である「最高速度を高める」には、ライダーが力を発揮できるポジションが自在にセッティングできることが重要になってくる——というわけだ。
この部分を具現化するテクノロジーが、p2pシステムである。これは「ポジション・トゥ・パフォーム」の頭文字をとったものだ。具体的には、ライダーが効率よく最高の出力を発揮できるポジションの実現のため、サドルの高さや前後位置、ハンドルバーの高さ、ステムの長さやライズなど、ポジション出しに関わる部分の調整代が大きくなっている。
ステムはBMCオリジナルのインテグレーテッドステム。ライズ角を決める三角形のパーツと突き出し量を決めるスペーサー、クランプを組み合わせることで30以上ものポジションに調整可能だ
シートクランプはトップチューブに内蔵。空力性能を高めながらも、サドル高の調整しやすさも両立している。また、シートポストとシートチューブの前面には空力性能を高める溝(トリップワイヤ)が設けられている
例えばサドル回りではオフセット量を21mm、7mm、−7mm、−21mmの4段階で調整できる専用のエアロシートポストを採用。体型やライディングフォームに応じてサドルの前後位置を幅広く調整できる。また、シートポストはトップチューブに内蔵されたシートクランプで固定しており、サドル高の調整も容易だ。
また、ハンドル回りのポジションもこまやかに調整可能だ。ステムはライズ角を決めるトライアングルパーツと突き出し量調整用のスペーサー、ハンドルバーを固定するクランプの3種類のパーツで構成されており、これらを組み合わせることで好みの位置にハンドルをセッティングできる。
これらの調整機能を駆使することで、TM01ではライダーの体型や乗り方に応じた様々なポジション出しが可能になっている。短距離のロードTTから180kmに及ぶアイアンマンのバイクパートまで、最高のパフォーマンスを約束する。
フロントフォークはインテグレーテッドフォーク。前面に航空力学に基づく溝(トリップワイヤ)が設けられている
フロントブレーキはフォークに内蔵されている。空力性能を最大限に高めるための必然の形だ
シートチューブには、TM01がUCI規定適合フレームであることを示すUCIステッカーが貼られている
そのキモとなるのが、フレーム形状に気流の流れを制し、空気抵抗を低減する独自のテクノロジー「subAコンセプト」だ。
subAコンセプトは、主にふたつの特徴的な構造からなる。ひとつはフレーム断面が涙滴形状の「尾」の部分をカットしたカムテール形状になっていること。そしてもうひとつが、ヘッドチューブ〜フロントフォーク、ダウンチューブ、シートポスト〜シートチューブ、シートステーの各チューブの前面に航空力学に基づいた「トリップワイヤ」と呼ばれる溝を設けていることだ。
ヘッドチューブにも、前面投影面積を減らしつつ後部の整流効果を高めるトリップワイヤが設けられている
TT01の各チューブは、涙滴形状からリアの部分を切り取ったカムステー形状を採用。フレームが風を切ったときに後ろに流れる空気から発生する乱気流を抑え、空気抵抗を低減する効果がある
空気抵抗を最小限に抑えるため、ケーブル類をフレーム内に内蔵するインターナルケーブル方式を採用する
これらの形状によって、前面投影面積を最小限にとどめ、フレーム前面で切り裂いた空気の流れを後方に導いて乱流を抑制し、コンパクトに設計されたフレーム後部に抜けていくように計算されている。つまり、進行方向から受ける空気抵抗に加え、空気を切り裂くことによって発生する後方の乱流も抑制することで、全体としての空気抵抗を大幅に低減することに成功している。
もちろん、UCI規定の「フレーム断面のアスペクト比(縦横比)3:1」という条件をクリアしていることは言うまでもない。
リアブレーキはBBの後ろ側のチェーンステーに内蔵。もちろん空気抵抗を低減するための構造だ TM01の開発には、フルオーダーモデルのTT01で培ったノウハウにを生かされている。それに加え、エヴァンスとトライアスリートのレイラート兄弟の3選手が風洞実験とモーションキャプチャー(動作解析)を繰り返し行い、p2pとsubAというふたつのテクノロジーの誕生につながった。
ちなみに風洞実験によると、TM01のパワー効率は、TT01より5%、横風の場合は8%向上しているという。また、剛性テストでは、TT01よりねじれ剛性が10%アップしたという結果も出ており、ロードバイクのフラッグシップの一角であるSLR01と比べても、あらゆる剛性数値の差は10%以内に収まっているという。
細部の仕様もぬかりない。BB規格はBB30とし、幅が狭いTT用クランクも使える仕様になっている。また、ほかのTTバイクの多くがそうであるようにケーブルの内蔵に対応しているほか、シマノの電動変速システムDi2搭載時を考慮して、バッテリーを内蔵するスペースも設けられている。
選手が乗車した状態で最大のエアロ効果を発揮するバイク・TM01。それはトップアスリートとバイクエンジニアたちの行動作業が成功したからこそ到達しえた、現在考えられるTTバイクの最高峰のひとつと言えるだろう。
シートチューブの後ろ側には、Di2のケーブルやバッテリーを内蔵するためのエレクトリックポートを完備
BMC TM01
岩島:実はTTバイクに乗るのは初めてだったんですが、ジオメトリーがロードバイクとは明らかに違いますね。かなり速度が上げやすいと感じましたし、前に進む感じが強烈でした。TTをこのバイクで走れたら明らかに有利ですし、実際にレースで使ってみたいですね。
三宅:私もTTバイクは初めて乗りましたが、この速さはTTでは武器になりますね。一方でロードバイクとは乗車ポジションが異なる影響もあると思うのですが、乗りこなすには慣れが必要だとも感じました。
TTは機材勝負。このバイクで走れたら、かなりのアドバンテージになる(岩島)
岩島:確かに慣れは必要かも。直進安定性は高いですが、ハンドリングには制約があって、ロードバイクと同じような感覚では曲がれませんね。
CW:岩島さんがTTバイクに乗るのが初めてというのは意外でした。……ロードバイクとの違いで多少慣れが必要とのことですが、ブレーキも通常のロードバイク用キャリパーブレーキではなく、専用品になりますが、フィーリングはいかがでしたか?
岩島:ブレーキの設置位置や構造は、空力性能重視でこういう方式になっているのだと思いますが、私はTTという限定的なシチュエーションにおいて、ストッピングパワーは必要十分だと感じました。というのも、TTではブレーキはコーナーでのスピード調整に使うぐらいですから、ロードバイクに求められるほど大きな制動力は必要ないからです。
CW:全体的な剛性はいかがでしたか?
三宅:地面からの衝撃を伝える縦方向の硬さは感じましたね。空力性能重視でフレームの前面投影面積を下げるため、各チューブの幅が薄くなっていますが、横剛性は決して低くないと思います。
岩島:チューブは大口径ですが、厚さはかなり薄いので最初はどうかと思いましたが、ダンシングをしてバイクを振った感じは思ったよりしっかりしていたのが印象的でした。特に縦剛性が高いですね。フォークも空力を意識したブレード形状でしたが、必要十分な剛性は確保されていると思います。ただ、ダンシングをしたときにはややよれる感じがあったので、ダンシング向きではないかもしれません。
岩島:これ、ステムはオリジナルですよね? 調整幅が広くて、ポジションを出しやすそうですね。
三宅:確かにフィッティングはしやすそうですね。ステムもそうですが、シートポストもポジションの調整幅が広そうです。それでいて、エアロダイナミクスが犠牲にされていないのもすばらしいです。
CW:ショップスタッフとしての目線で、価格なども含めて全体的に評価してください。
岩島:価格とパーツ構成をふまえて考えると、アルテグラ搭載の完成車で46万円台なので、かなり割安感はありますね。
技術の粋を集めたTTフレーム。無条件でカッコイイ(三宅)
三宅:技術の粋を集めたTTフレームがこの価格で手に入るのですから、私もかなりお買い得だと思います。デザインもカッコイイし、所有欲を満たしてくれるというのもポイントが高いです。
CW:どういったライダーにおすすめですか?
岩島:レースで上を目指したい人、でしょうね。TTって機材勝負という側面がありますから、専用のバイクが用意できるならかなりのアドバンテージが得られますから。
三宅:ちょっと贅沢かもしれませんが、初めてTTバイクを買う人にもいいかもしれません。どうせTTバイクを買うならいいものを、と言う意味で。他社の同グレードの製品と比べても、この価格はかなりの魅力だと思います。
カデル・エヴァンスは、ツール・ド・フランス2011のTTステージにこのTM01で挑んだ。第20ステージの個人TTでステージ2位の好タイムを記録し、1分近くの差を逆転してマイヨジョーヌを獲得したときも、もちろんこのバイクを駆った。
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同ステージを制したのは、この年の世界選手権TT覇者のTTスペシャリスト、トニ・マルティンで、エヴァンスはわずか7秒差。TM01なくしては、世界最高峰のTTスペシャリストに匹敵するエヴァンスの好走はなかったかもしれない。さらにはツール・ド・フランス2011の結末そのものが変わっていた可能性もある。
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これらの華々しい実績をひっさげ、TM01は満を持して市販された。2012年モデルは完成車販売とフレームセット売りの両方を展開。完成車のラインナップは、シマノ・デュラエースDi2仕様、スラム・レッド仕様、シマノ・アルテグラ仕様の3タイプとなる。
BMCでは、TM01の開発にあたり、TTバイクの目的を「最大速度を高めること」とした。そして最大速度を高めるのに必要なのが「最適なポジションを出せること」と「空気抵抗の低減」の2点であると考え、それぞれキーとなるテクノロジーを具現化し、バイクづくりに生かした。
まずはこれらのテクノロジーから世界最速のTTバイク、TM01の全体像をチェックしていこう。
一人ひとりに最適なポジションをもたらすp2pシステム
自転車のエンジンはライダー自身である。たとえ最高のエアロダイナミクスフォームを誇るバイクであっても、ライダーが力を発揮できなければ本来の性能は発揮できない。つまりスピードが乗らず、それを維持することも難しく、ひいては好タイムも期待できないことになる。そこで、TTバイクの目的である「最高速度を高める」には、ライダーが力を発揮できるポジションが自在にセッティングできることが重要になってくる——というわけだ。
この部分を具現化するテクノロジーが、p2pシステムである。これは「ポジション・トゥ・パフォーム」の頭文字をとったものだ。具体的には、ライダーが効率よく最高の出力を発揮できるポジションの実現のため、サドルの高さや前後位置、ハンドルバーの高さ、ステムの長さやライズなど、ポジション出しに関わる部分の調整代が大きくなっている。
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例えばサドル回りではオフセット量を21mm、7mm、−7mm、−21mmの4段階で調整できる専用のエアロシートポストを採用。体型やライディングフォームに応じてサドルの前後位置を幅広く調整できる。また、シートポストはトップチューブに内蔵されたシートクランプで固定しており、サドル高の調整も容易だ。
また、ハンドル回りのポジションもこまやかに調整可能だ。ステムはライズ角を決めるトライアングルパーツと突き出し量調整用のスペーサー、ハンドルバーを固定するクランプの3種類のパーツで構成されており、これらを組み合わせることで好みの位置にハンドルをセッティングできる。
これらの調整機能を駆使することで、TM01ではライダーの体型や乗り方に応じた様々なポジション出しが可能になっている。短距離のロードTTから180kmに及ぶアイアンマンのバイクパートまで、最高のパフォーマンスを約束する。
空気抵抗を制するsubAコンセプト
TM01は他社にもあるTTフレームとそれほど大きな違いはないように見える。だが、「空気抵抗が少なそうに見える形」と「実際に空気抵抗を低減できる形」は似て非なるものである。エアロダイナミクスの究極の形は当然後者でなければならないし、TM01はそのような形を具現化している。
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そのキモとなるのが、フレーム形状に気流の流れを制し、空気抵抗を低減する独自のテクノロジー「subAコンセプト」だ。
subAコンセプトは、主にふたつの特徴的な構造からなる。ひとつはフレーム断面が涙滴形状の「尾」の部分をカットしたカムテール形状になっていること。そしてもうひとつが、ヘッドチューブ〜フロントフォーク、ダウンチューブ、シートポスト〜シートチューブ、シートステーの各チューブの前面に航空力学に基づいた「トリップワイヤ」と呼ばれる溝を設けていることだ。
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これらの形状によって、前面投影面積を最小限にとどめ、フレーム前面で切り裂いた空気の流れを後方に導いて乱流を抑制し、コンパクトに設計されたフレーム後部に抜けていくように計算されている。つまり、進行方向から受ける空気抵抗に加え、空気を切り裂くことによって発生する後方の乱流も抑制することで、全体としての空気抵抗を大幅に低減することに成功している。
もちろん、UCI規定の「フレーム断面のアスペクト比(縦横比)3:1」という条件をクリアしていることは言うまでもない。
トップ選手と敏腕エンジニアの共同によってTTバイクの最高峰に
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ちなみに風洞実験によると、TM01のパワー効率は、TT01より5%、横風の場合は8%向上しているという。また、剛性テストでは、TT01よりねじれ剛性が10%アップしたという結果も出ており、ロードバイクのフラッグシップの一角であるSLR01と比べても、あらゆる剛性数値の差は10%以内に収まっているという。
細部の仕様もぬかりない。BB規格はBB30とし、幅が狭いTT用クランクも使える仕様になっている。また、ほかのTTバイクの多くがそうであるようにケーブルの内蔵に対応しているほか、シマノの電動変速システムDi2搭載時を考慮して、バッテリーを内蔵するスペースも設けられている。
選手が乗車した状態で最大のエアロ効果を発揮するバイク・TM01。それはトップアスリートとバイクエンジニアたちの行動作業が成功したからこそ到達しえた、現在考えられるTTバイクの最高峰のひとつと言えるだろう。
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BMC TM01
スペック
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フレーム | フルカーボン(BB30)+インテグレーテッドステム+ブレーキ |
フォーク | フルカーボン インテグレーテッドフォーク |
メインコンポ | シマノ・デュラエースDi2、スラム・レッド、アルテグラから選択可能 |
カラー | ブルー(デュラエースDi2仕様)、レッド(スラム・レッド、アルテグラ仕様、フレームセット) |
価格 | 1,155,000円(シマノ・デュラエースDi2仕様)、577,500円(スラム・レッド仕様)、 462,000円(アルテグラ仕様)、399,000円(フレームセット) ※写真の仕様は国内仕様とは異なります |
インプレッション
「TTでは明らかに有利。レースで使ってみたい」 岩島啓太
CW:TM01は、フルオーダーモデルのTTバイクとして様々なレースで活躍したTT01の後継機種ということですが、第一印象はいかがでしたか?岩島:実はTTバイクに乗るのは初めてだったんですが、ジオメトリーがロードバイクとは明らかに違いますね。かなり速度が上げやすいと感じましたし、前に進む感じが強烈でした。TTをこのバイクで走れたら明らかに有利ですし、実際にレースで使ってみたいですね。
三宅:私もTTバイクは初めて乗りましたが、この速さはTTでは武器になりますね。一方でロードバイクとは乗車ポジションが異なる影響もあると思うのですが、乗りこなすには慣れが必要だとも感じました。

岩島:確かに慣れは必要かも。直進安定性は高いですが、ハンドリングには制約があって、ロードバイクと同じような感覚では曲がれませんね。
CW:岩島さんがTTバイクに乗るのが初めてというのは意外でした。……ロードバイクとの違いで多少慣れが必要とのことですが、ブレーキも通常のロードバイク用キャリパーブレーキではなく、専用品になりますが、フィーリングはいかがでしたか?
岩島:ブレーキの設置位置や構造は、空力性能重視でこういう方式になっているのだと思いますが、私はTTという限定的なシチュエーションにおいて、ストッピングパワーは必要十分だと感じました。というのも、TTではブレーキはコーナーでのスピード調整に使うぐらいですから、ロードバイクに求められるほど大きな制動力は必要ないからです。
CW:全体的な剛性はいかがでしたか?
三宅:地面からの衝撃を伝える縦方向の硬さは感じましたね。空力性能重視でフレームの前面投影面積を下げるため、各チューブの幅が薄くなっていますが、横剛性は決して低くないと思います。
岩島:チューブは大口径ですが、厚さはかなり薄いので最初はどうかと思いましたが、ダンシングをしてバイクを振った感じは思ったよりしっかりしていたのが印象的でした。特に縦剛性が高いですね。フォークも空力を意識したブレード形状でしたが、必要十分な剛性は確保されていると思います。ただ、ダンシングをしたときにはややよれる感じがあったので、ダンシング向きではないかもしれません。
「この速さはレースでは武器になる」 三宅和真
CW:ほかに気になったポイントはありますか?岩島:これ、ステムはオリジナルですよね? 調整幅が広くて、ポジションを出しやすそうですね。
三宅:確かにフィッティングはしやすそうですね。ステムもそうですが、シートポストもポジションの調整幅が広そうです。それでいて、エアロダイナミクスが犠牲にされていないのもすばらしいです。
CW:ショップスタッフとしての目線で、価格なども含めて全体的に評価してください。
岩島:価格とパーツ構成をふまえて考えると、アルテグラ搭載の完成車で46万円台なので、かなり割安感はありますね。

三宅:技術の粋を集めたTTフレームがこの価格で手に入るのですから、私もかなりお買い得だと思います。デザインもカッコイイし、所有欲を満たしてくれるというのもポイントが高いです。
CW:どういったライダーにおすすめですか?
岩島:レースで上を目指したい人、でしょうね。TTって機材勝負という側面がありますから、専用のバイクが用意できるならかなりのアドバンテージが得られますから。
三宅:ちょっと贅沢かもしれませんが、初めてTTバイクを買う人にもいいかもしれません。どうせTTバイクを買うならいいものを、と言う意味で。他社の同グレードの製品と比べても、この価格はかなりの魅力だと思います。
編集:シクロワイアード 提供:フタバ商店