2010/07/20(火) - 13:20
序盤を乗り切り、歓喜の瞬間へ
ツールのステージはオランダからベルギー、そして本国フランスに入り、アルプスへ。総合争いも最初の佳境にさしかかる。この序盤から中盤戦に至る闘いで、シマノユーザー達は実に4勝を挙げた。それらの勝利をシマノ最新鋭機材のフォトアーカイブとともにダイジェストで振り返ろう。第3ステージ
序盤戦最大の難所、パヴェが登場。コースプロフィールを見るだけだと単なる平坦ステージだが、時にはスポークが飛び、ハンドルが付け根から折れるような事態も起きるほど自転車へのダメージが大きい石畳区間が断続的に現れ、その難易度を高めている。予想通り落車やメカトラブルが頻発したステージとなったが、シマノのプロダクツは多くの選手達をトラブルなくゴールまで運び、チームからの信頼を高めた。
第5ステージ & 第6ステージ
不運も重なり、今季なかなか勝利に恵まれなかったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)の圧倒的なスプリントが復活。第5ステージでついに勝利を掴んだ。表彰台で歓喜の涙を流したカヴェンディッシュ、今季これまでの苦しさに並ならぬものがあったのが伺い知れた。インタビューでは苦境の中でも信じ、支えてくれたチームのスタッフや選手達への感謝の言葉が並んだ。
そして続く第6ステージ、この日もカヴェンディッシュは止まらない。チームの献身的な牽引と発射台マーク・レンショーの絶妙な位置取りに助けられ、この日も完璧なスプリントを見せ圧勝。晴れやかな笑顔で表彰台に登り、完全復活を印象づけた。
彼のスプリントを手元から支えたのはシマノだ。一瞬の判断によるすばやいシフトアップと、選手の瞬発力を最大限に発揮することが求められるスプリントで、変速不良や、パーツの剛性不足による力の減衰はあってはならないこと。このシビアな状況に、シマノのプロダクツはチームHTCコロンビアの選手達の要求に正確に応え、カヴェンディッシュの勝利に貢献した。
第9ステージ
休息日明けすぐに訪れたアルプス山岳シリーズのクライマックス。204.5kmに及ぶ距離の中に1級が2つ、2級が1つ、最後に超級山岳のマドレーヌ峠が登場するという厳しいコースが選手達に襲いかかった。レースは16km地点から11名の逃げが成立し、マイヨアポワを着るジェローム・ピノー(フランス、クイックステップ)、マイヨヴェールのトル・フースホフト(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)が入るこのグループにサンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)も乗った。マドレーヌ峠を越える頃には先頭集団が4名に絞られ、サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)はこの中に残って最後の下りに入った。ゴール1kmを切って後方からアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)、クリストフ・モロー(フランス、ケースデパーニュ)の3名が追いついたが、この小集団のスプリントを見事制したのはサンディ・カザール。最終コーナーを曲がると先頭に立ち、そのまま譲らずゴールに飛び込んだ。
前回記事の冒頭でもステージ優勝候補として紹介したサンディ・カザールが、ついにツール通算2つめのステージ優勝を手に入れた。
山岳ステージと言えば軽量パーツがクローズアップされるが、中には軽量化に走るあまりに強度や剛性面で疑問符のつくものも見受けられる。しかし、シマノの製品は単に軽量なだけではない。緻密な計算に基づいた設計によってトップクラスの軽量化を実現しながら、ダンシングやハイスピードの下りでも選手達に安心感を与え、コンペティションに集中させてくれる強度と剛性を誇る。
サンディ・カザールが所属するフランセーズデジューは、ホイール、ハンドル、ステム、コンポーネントに至るまで、多くのシマノ製品を採用しているチーム。フレームとサドル周辺以外は全てシマノ製品である。今回の彼の勝利によって、山岳ステージにおけるシマノ製品の信頼性をトータルで証明した形となった。
第11ステージ
総合争いが中休みとなった平坦基調のこのステージ、フランセーズデジューのアントニー・ジェラン(フランス)をはじめとする3名が果敢に逃げを決め、レース序盤から終盤の流れをリード。残り22kmで彼らの逃げを吸収すると、ゴール前は予想通りの集団スプリントへ。勝者を待ち受けるカメラの砲列が写したのはまたもカヴェンディッシュ。その姿にはもうツール開幕当初に見られた不安の影はみじんもない。この日はカーボンにホワイト&シルバーペイントのPROのトラックステムが彼の盤石のスプリントを援護、今ツール怒濤の3勝目に繋げた。
次回はいよいよ最終回。ツールの盛り上がりが最高潮に達する終盤戦からパリ・シャンゼリゼゴールに至るまでの軌跡を写真とともに振り返る。
提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード