2020/04/15(水) - 11:45
ジャイアント新型TCR特集3編目は、国内発表会で各グレードを乗り込んだ村田と、PROPEL&DEFYの海外ローンチも担当した磯部のCW編集部員2名によるインプレッションをお届け。驚くほど鋭い加速、圧倒的に軽い走り、弱点を補填したエアロ性能、トータルレースバイクとして磨きをかけたTCRの乗り味を余すことなくお伝えする。
今回インプレッションを担当したのは、シクロワイアード編集部員の村田と磯部の2名。TCRのような軽量系バイクを好む村田は身長171cmでSサイズのバイクを試乗、体重55kgの軽量級ライダー視点から感じ取った性能を綴っていく。対して磯部は、同社のPROPEL&DEFYを始めとする新型バイクの海外ローンチを多数担当しており、それらと比較したコメントにも注目してほしい。
ペダルやコンピューターなどを含めば7kg台後半という重さになるはずだが、いやいや重量詐欺でしょうというくらい走りが軽い。パワー入力に対してもたつくことなく即座にバイクが反応し、ペダリングごとにスムーズに加速してくれる。パワーが推進力に変わるまでのタイムラグなく、ペダリングと完全に同調して前に前に進んでくれる反応性の高さが、いわゆる”軽い”走りを生み出しているのだろう。ディスクロードとしては明らかに短く設計されたチェーンステーもパワー伝達性の高さに寄与していると感じた。
優れた重量剛性比あってこそのフィーリングであるし、いかにTCRがその点を突き詰めたのか思い知らされる乗り味だ。その中でも、若干の足当たりの良さを残している辺りはセカンドグレードらしさが見える点。ペダリングを繋げていきやすくダンシングでもリズムをつかみやすいため、初中級者でも乗りこなしやすいと感じるはずだ。
同じくジャイアントの「SLR1 42」ホイールを装着した、上位グレードのADVANCED SL 1 DISC KOMに乗り換えると、一気にレーシングバイク感が強まった。PROグレードですら他社トップモデルレベルの反応性だと感じたが、さらにその加速感が一層鋭くなったのだ。フレームは非常に硬く、パワーロスを微塵も感じない効率的な走りは、まさしくグランツールを戦うトップレーサーたちに相応しいもの。
ペダリングで言えば時計の12時から2時方向にかけて、まさに踏み始めから一瞬で加速してくれる様は、超軽量ヒルクライムバイクの挙動にも似ている。パワーをかけた瞬間に後ろから押されたかのような反応性は素晴らしく、その反面で下死点に向かってキレイに回すペダリングをしてあげないと、スピードが伸び止まってしまうような感覚もある。大袈裟に言えば踏んだ瞬間にトップスピード、次々とペダリングを繋げて高速域を維持する上級者向けな味付けであることは間違いない。
CADEXホイール仕様のADVANCED SL 0 DISCは、さらに硬く軽くというスパルタンな印象を強めており、一挙手一投足全てが俊敏。レースで勝つために一切の妥協を許さないという雰囲気を纏った1台に仕上がっている。
パワーの逃げ場を許さないようなガチガチの剛性感あるホイールがパフォーマンスを高めていることは確かだが、ライダーに寄り添ってくれる優しさは一切ないため、使いこなすには相応の脚力が求められそうだ。しなやかなホイールを好む人とはマッチしないかもしれないが、極限の軽さと剛性を重視するならこの1台を選ばない手はない。
ダンシングでの振りの軽さも非常に好印象だった。重りとなるディスクキャリパーがバイクの下側にあることに加え、ISPのおかげでフレーム上側は顕著な軽さを感じる、このバランスが左右への振りやすさに繋がっているのだろう。ただ、ADVANCED SLに関してはそのリズム感が速く、ジワッとパワーをかけるのではなく高ケイデンスで軽快に回していく方が走りにマッチしてくれる感覚だ。
大きく改善されたというエアロ性能に関しては、正直フレームというよりホイールの出来に唸らされてしまった。オールラウンドモデルの欠点を補う42mmハイトの新型ディープリムホイールは、足元で空気を切り裂くような、まるで60mmハイトほどあるような明らかなエアロ感を発揮してくれた。フックレスリムによってタイヤとの段差がないツライチ状態になることで、仮想的にリムハイトを高めているようなイメージだ。
高い空力性能が速度維持のしやすさを生み出してくれるのは言わずもがな。それでいて、漕ぎ出しにもたつき感がないのは高い軽量性も持ち合わせている証拠だ。個人的には、瞬間的な加速に劣るディープリムは好みではなかったのだが、SLR1 42ホイールはそのイメージを覆さんばかりの性能を見せつけてくれた。
乗り心地の良さも、フレームよりもチューブレスタイヤが大きな役割を果たしていると感じた。アスファルトの荒れた路面でも振動の角を和らげ、バイクの硬さに反比例するような快適性の高さがある。どの性能が尖って優れているというタイヤではないが、転がりの軽さ、グリップの安定感、高いトラクション性能によるロスのない走り、これらチューブレスの良さがバイクの性能を引き上げていることは間違いない。
細身のフォークと言えどフロント周りの剛性感は十分で、コーナーを攻めてみてもハードブレーキングをしてみても、いわゆるビビるような挙動は皆無。反応性の高さ故に左右の動きは若干シビアで、思った以上に切り込んだり、横の移動が大きくなってしまったりと、ライダーの操作以上にバイクが付いてくるような感覚があるため、ステアリングに関しては慣れが必要だ。逆に言えば、使いこなせば針の穴を通すようなコントロール性を発揮してくれるだろう。
ADVANCED SLとPROを比較した時に、シリアスレーサーなら迷わずトップグレードを手にして欲しいと思う反面、私のようなサンデーライダーにはPROグレードの剛性感の方がしっくりくると感じた。両モデルともにそれぞれのレベルに合わせた最高の性能に仕上がっており、その中で新型TCRが目指した”効率的”な走りはどちらに乗ってもすぐに体感できる。後々のアップグレードが必要ないほど秀逸なパッケージングも嬉しく、特にバイクの軽量性や走りの軽さを重視したい人はマストバイな1台だ。
特にTCRは現代ロードバイクの礎を築き、およそ20年もの間トップチームに愛されてきたフラッグシップ中のフラッグシップモデルだけに、乗る前から期待値は嫌が応にも高まるばかり。今回は新型TCRのハイエンドモデル「ADVANCED SL 0 DISC(スラム RED eTap AXS+CADEX 40ホイール)」を借り受け、フィールドへと連れ出した。
この走り心地を引き出す大きな要因の一つが、ヘッドチューブやボトムブラケット周辺の剛性と、フレーム上側の圧倒的な軽さだろう。爪で弾くとダウンチューブなどは驚くほど薄いことが分かるが、その一方で脚に感じる剛性は非常に強い。思い切り踏み込んでもたわむことなく、軽量モデル当代随一と言えるほどのダイレクト感を伴って加速に繋げていく。
その反面ペダリングスキルを求めてくる傾向も強い(=下手に乗ると上下死点でギクシャクする)が、ペダリングの"繋がり"を意識して乗るように心がけると、登りはもちろん平坦でも面白いように進んでいくことが分かった。昨年海外発表会で乗り込んだ軽量バイクたち、例えばしなやかさなダンシングを身上とするウィリエールのZero SLRや、全体の硬さからトルクフルな加速を生み出すADDICT RC ULTIMATEなどとも違う、軽量バイクらしさを前面に押し出したフィーリングが実に面白く、楽しく、そして気づけば体力を削り取っている。
ハンドリングだってものすごくシャープだ。ステアリング操作以前に、ほんの少し体重移動をしただけで瞬間的にバイクの向きが変わる。個人的にはDURA-ACEなど柔らかめのホイールと組み合わせたほうが好みだが、車体と同じく軽量高剛性を誇るCADEXホイールの組み合わせゆえハンドリングも非常に軽く、コーナリングやラインチェンジも厳格に決まる。ヘッド剛性が物足りないとハンドルだけが切れて怖い思いをするが、TCRにはピーキーな中にもまとまりを感じ取ることができた。
DEFYと違って快適性を重視したバイクではないものの、頑なに守られ続けているISPの効果は高く、ダンシングの振りの軽さにも直結していると感じる。サドルハイトの大きな調整ができないとはいえ、SLグレードを選ぶユーザーのポジションが大きく変化することはないだろうし、ノーマルポストと比べれば、どちらが軽く作れるかは明白だ。
誤解を恐れずにいえば、ADVANCED SLは相当とんがった、乗り手のスキルを求めるピーキーなレースマシンだ。どっかと乗れば痛い目に遭うものの、バイクの声を聞きながら、そのリズムに合わせながら走ると、こちらのイメージ以上の挙動をもって応えてくれる。
100万円クラスの軽量ロードバイクには乗り慣れているはずだったが、それでもADVANCED SL 0 DISCの、カミソリのような走りには大変驚かされた。この記事を読んでいるあなたがもし、ジャイアント=普通という印象を抱いているのなら、ぜひどこかでこのTCR ADVANCED SLを試せる機会を探して、少しだけでも乗ってみて欲しいと思う。その時、きっとそのブランドイメージは上書きされるはずだから。
CW編集スタッフが新型TCRをインプレッション
今回インプレッションを担当したのは、シクロワイアード編集部員の村田と磯部の2名。TCRのような軽量系バイクを好む村田は身長171cmでSサイズのバイクを試乗、体重55kgの軽量級ライダー視点から感じ取った性能を綴っていく。対して磯部は、同社のPROPEL&DEFYを始めとする新型バイクの海外ローンチを多数担当しており、それらと比較したコメントにも注目してほしい。
「瞬間的な加速なら右に出る者はいない」CW編集部員・村田
国内ローンチの場を借り、神奈川県の宮ヶ瀬湖周辺での流れるようなアップダウンと2kmほどの登りで車体をテスト。トップグレードのADVANCED SLとセカンドグレードのADVANCED PRO、2つのグレード計3車種を乗り比べた。軽量ヒルクライムバイクとも思える圧倒的な走りの軽さ
始めにADVANCED PRO 1 DISCから試乗したのだが、持って軽い乗って軽いの”軽量性”が最も好印象なポイント。セカンドグレード、機械式ULTEGRAのディスクブレーキ、42mmハイトのホイールというスペックで7.5kgを切った重量なのだから驚きだ。自分の想像と持ち上げた手の感触があまりにも違うため、SLでは?と何度も確認してしまったほど。ペダルやコンピューターなどを含めば7kg台後半という重さになるはずだが、いやいや重量詐欺でしょうというくらい走りが軽い。パワー入力に対してもたつくことなく即座にバイクが反応し、ペダリングごとにスムーズに加速してくれる。パワーが推進力に変わるまでのタイムラグなく、ペダリングと完全に同調して前に前に進んでくれる反応性の高さが、いわゆる”軽い”走りを生み出しているのだろう。ディスクロードとしては明らかに短く設計されたチェーンステーもパワー伝達性の高さに寄与していると感じた。
優れた重量剛性比あってこそのフィーリングであるし、いかにTCRがその点を突き詰めたのか思い知らされる乗り味だ。その中でも、若干の足当たりの良さを残している辺りはセカンドグレードらしさが見える点。ペダリングを繋げていきやすくダンシングでもリズムをつかみやすいため、初中級者でも乗りこなしやすいと感じるはずだ。
同じくジャイアントの「SLR1 42」ホイールを装着した、上位グレードのADVANCED SL 1 DISC KOMに乗り換えると、一気にレーシングバイク感が強まった。PROグレードですら他社トップモデルレベルの反応性だと感じたが、さらにその加速感が一層鋭くなったのだ。フレームは非常に硬く、パワーロスを微塵も感じない効率的な走りは、まさしくグランツールを戦うトップレーサーたちに相応しいもの。
ペダリングで言えば時計の12時から2時方向にかけて、まさに踏み始めから一瞬で加速してくれる様は、超軽量ヒルクライムバイクの挙動にも似ている。パワーをかけた瞬間に後ろから押されたかのような反応性は素晴らしく、その反面で下死点に向かってキレイに回すペダリングをしてあげないと、スピードが伸び止まってしまうような感覚もある。大袈裟に言えば踏んだ瞬間にトップスピード、次々とペダリングを繋げて高速域を維持する上級者向けな味付けであることは間違いない。
CADEXホイール仕様のADVANCED SL 0 DISCは、さらに硬く軽くというスパルタンな印象を強めており、一挙手一投足全てが俊敏。レースで勝つために一切の妥協を許さないという雰囲気を纏った1台に仕上がっている。
パワーの逃げ場を許さないようなガチガチの剛性感あるホイールがパフォーマンスを高めていることは確かだが、ライダーに寄り添ってくれる優しさは一切ないため、使いこなすには相応の脚力が求められそうだ。しなやかなホイールを好む人とはマッチしないかもしれないが、極限の軽さと剛性を重視するならこの1台を選ばない手はない。
アセンブル含めたトータル設計の良さが新型TCRの強み
ダンシングでの振りの軽さも非常に好印象だった。重りとなるディスクキャリパーがバイクの下側にあることに加え、ISPのおかげでフレーム上側は顕著な軽さを感じる、このバランスが左右への振りやすさに繋がっているのだろう。ただ、ADVANCED SLに関してはそのリズム感が速く、ジワッとパワーをかけるのではなく高ケイデンスで軽快に回していく方が走りにマッチしてくれる感覚だ。
大きく改善されたというエアロ性能に関しては、正直フレームというよりホイールの出来に唸らされてしまった。オールラウンドモデルの欠点を補う42mmハイトの新型ディープリムホイールは、足元で空気を切り裂くような、まるで60mmハイトほどあるような明らかなエアロ感を発揮してくれた。フックレスリムによってタイヤとの段差がないツライチ状態になることで、仮想的にリムハイトを高めているようなイメージだ。
高い空力性能が速度維持のしやすさを生み出してくれるのは言わずもがな。それでいて、漕ぎ出しにもたつき感がないのは高い軽量性も持ち合わせている証拠だ。個人的には、瞬間的な加速に劣るディープリムは好みではなかったのだが、SLR1 42ホイールはそのイメージを覆さんばかりの性能を見せつけてくれた。
乗り心地の良さも、フレームよりもチューブレスタイヤが大きな役割を果たしていると感じた。アスファルトの荒れた路面でも振動の角を和らげ、バイクの硬さに反比例するような快適性の高さがある。どの性能が尖って優れているというタイヤではないが、転がりの軽さ、グリップの安定感、高いトラクション性能によるロスのない走り、これらチューブレスの良さがバイクの性能を引き上げていることは間違いない。
細身のフォークと言えどフロント周りの剛性感は十分で、コーナーを攻めてみてもハードブレーキングをしてみても、いわゆるビビるような挙動は皆無。反応性の高さ故に左右の動きは若干シビアで、思った以上に切り込んだり、横の移動が大きくなってしまったりと、ライダーの操作以上にバイクが付いてくるような感覚があるため、ステアリングに関しては慣れが必要だ。逆に言えば、使いこなせば針の穴を通すようなコントロール性を発揮してくれるだろう。
ADVANCED SLとPROを比較した時に、シリアスレーサーなら迷わずトップグレードを手にして欲しいと思う反面、私のようなサンデーライダーにはPROグレードの剛性感の方がしっくりくると感じた。両モデルともにそれぞれのレベルに合わせた最高の性能に仕上がっており、その中で新型TCRが目指した”効率的”な走りはどちらに乗ってもすぐに体感できる。後々のアップグレードが必要ないほど秀逸なパッケージングも嬉しく、特にバイクの軽量性や走りの軽さを重視したい人はマストバイな1台だ。
「恐ろしいまでの反応性と瞬発力」CW編集部員・磯部
抜群のコストパフォーマンスを誇る低~中価格帯モデルに注目が集まりがちなジャイアントだが、TCRとPROPELに存在するADVANCED SLグレードの抜きん出た走りは忘れてはならないポイントだ。特にTCRは現代ロードバイクの礎を築き、およそ20年もの間トップチームに愛されてきたフラッグシップ中のフラッグシップモデルだけに、乗る前から期待値は嫌が応にも高まるばかり。今回は新型TCRのハイエンドモデル「ADVANCED SL 0 DISC(スラム RED eTap AXS+CADEX 40ホイール)」を借り受け、フィールドへと連れ出した。
世界ナンバーワンブランドが放つ"カリカリ"チューンド
正直、驚いてしまった。そのルックスは先代TCRとほとんど変わらないが、ひとたびペダルを回すと、肩透かしを食らったかのようにクランクが回り、車体が軽く前に出る。加速の鋭さは先代を大きく凌駕し、ダンシングとハンドリングのキレ味は、これまで試してきた軽量モデルの中でもナンバーワンを争うほどに軽い。「俊敏」や「軽快」など軽量モデルの走りを表現する言葉はいくつかあるが、このADVANCED SL 0 DISCには「鋭利」という言葉がふさわしい、とさえ思う。この走り心地を引き出す大きな要因の一つが、ヘッドチューブやボトムブラケット周辺の剛性と、フレーム上側の圧倒的な軽さだろう。爪で弾くとダウンチューブなどは驚くほど薄いことが分かるが、その一方で脚に感じる剛性は非常に強い。思い切り踏み込んでもたわむことなく、軽量モデル当代随一と言えるほどのダイレクト感を伴って加速に繋げていく。
その反面ペダリングスキルを求めてくる傾向も強い(=下手に乗ると上下死点でギクシャクする)が、ペダリングの"繋がり"を意識して乗るように心がけると、登りはもちろん平坦でも面白いように進んでいくことが分かった。昨年海外発表会で乗り込んだ軽量バイクたち、例えばしなやかさなダンシングを身上とするウィリエールのZero SLRや、全体の硬さからトルクフルな加速を生み出すADDICT RC ULTIMATEなどとも違う、軽量バイクらしさを前面に押し出したフィーリングが実に面白く、楽しく、そして気づけば体力を削り取っている。
ハンドリングだってものすごくシャープだ。ステアリング操作以前に、ほんの少し体重移動をしただけで瞬間的にバイクの向きが変わる。個人的にはDURA-ACEなど柔らかめのホイールと組み合わせたほうが好みだが、車体と同じく軽量高剛性を誇るCADEXホイールの組み合わせゆえハンドリングも非常に軽く、コーナリングやラインチェンジも厳格に決まる。ヘッド剛性が物足りないとハンドルだけが切れて怖い思いをするが、TCRにはピーキーな中にもまとまりを感じ取ることができた。
DEFYと違って快適性を重視したバイクではないものの、頑なに守られ続けているISPの効果は高く、ダンシングの振りの軽さにも直結していると感じる。サドルハイトの大きな調整ができないとはいえ、SLグレードを選ぶユーザーのポジションが大きく変化することはないだろうし、ノーマルポストと比べれば、どちらが軽く作れるかは明白だ。
100万円級バイクに乗り慣れているつもりだったけれど...
これまでジャイアントが催した国際発表試乗会に2度(2017年のPROPEL、2018年のDEFY)参加させてもらい知見を得てきたが、それを経て思うのは、ジャイアントのロードバイク各モデルを比べた際、TCRなら超俊敏、PEROPELなら超エアロ(いずれもADVANCED SLグレードに関して)、DEFYなら超しなやかであるなど、走りの振り幅がとても大きいということだ。これはもちろん他社でも言えることではあるものの、実際にトレックやスペシャライズドなどよりも各モデル間の個性が強く、とても興味を惹かれる。誤解を恐れずにいえば、ADVANCED SLは相当とんがった、乗り手のスキルを求めるピーキーなレースマシンだ。どっかと乗れば痛い目に遭うものの、バイクの声を聞きながら、そのリズムに合わせながら走ると、こちらのイメージ以上の挙動をもって応えてくれる。
100万円クラスの軽量ロードバイクには乗り慣れているはずだったが、それでもADVANCED SL 0 DISCの、カミソリのような走りには大変驚かされた。この記事を読んでいるあなたがもし、ジャイアント=普通という印象を抱いているのなら、ぜひどこかでこのTCR ADVANCED SLを試せる機会を探して、少しだけでも乗ってみて欲しいと思う。その時、きっとそのブランドイメージは上書きされるはずだから。
提供:ジャイアント・ジャパン 制作:シクロワイアード編集部