2018/10/29(月) - 15:35
本章ではTOPSTONEの生みの親であり、キャノンデールでグローバルプロダクトディレクターを務めるデーヴィッドへのインタビューを紹介。バイクの誕生秘話や、そこに込めた思いとは? 併せて、会場で目立っていた一般参加者やトップレーサーに聞いた、それぞれの「グラベル遊びスタイル」も紹介します。
グローバルプロダクトディレクターを務めるデーヴィッド。SLATEを筆頭にSEコレクションを手がけてきた人物だ
コネチカット州べセルにあるキャノンデールのヘッドクォーターから、今回のグラベルレース「バーモント・オーバーランド」を迎えた場所までは約350kmほどと遠くない。それだけに会場には同社主要メンバーが多数集結し、その中にいたTOPSTONEやSLATEの開発中心人物であり、同社でグローバルプロダクトディレクターを務めるデーヴィッド(デヴァイン)に話を聞くことができた。
本章前編では、開発陣が考えるTOPSTONEの存在価値や、バイクに込めた思いなどを聞いたインタビューを紹介しよう。ちなみにデーヴィッドは超ウマテクニックの持ち主(リンク先のYouTubeでティムと一緒に走っている人物)であることも記しておきたい。
「グラベル遊びの面白さを、もっと広く知ってもらうためのバイク。それが TOPSTONE」
― 今日はTOPSTONEでものすごく楽しめました。まずはTOPSTONEを開発した理由、そしてSEコレクションの中での立ち位置について教えて下さい。
ありがとう。そう感じてもらえたなら嬉しいよ。TOPSTONEの一番の開発理由は、僕らがハマっていて、本当に面白いと感じているグラベルロードという遊びをもっと多くの人に体験してほしかったからなんだ。SLATEのような玄人向きバイクだと、正直ビギナーは楽しさの前に怖さを感じてしまうかもしれない。でもTOPSTONEだったらハンドリングにせよ、トラクションにせよ、そして価格にしろ、バイクに対する不安感なく思いっきり楽しめる。例えばロードバイクのCAAD OPTIMOも同じコンセプトで開発したモデルだけれど、つまりはそういうこと。
― TOPSTONEのデビューでグラベルバイクの幅がより一層広がりましたね。
「これまでSEコレクションに足りなかった、ど真ん中のグラベルバイクがTOPSTONE」 そうなんだよ。SEは、SYNAPSEやCAADXといった既存モデルにワイドギアレシオと太いタイヤを投入してオンロードでの軽快感とオフロードでの走破性を与え、シンプルなカラーリングで存在感を高めたエキサイティングな製品群。だけど唯一、ド直球のグラベルバイクが僕らには足りていなかった。だからその穴を埋めることができて嬉しいし、一般ユーザーにも喜んでもらえると思う。今回のイベントでもたくさんの参加者が声を掛けてくれた。
そもそもグラベルカルチャーは、未舗装路が多い地域でロードバイクやシクロクロスバイク、あるいはツーリングバイクを普通に走らせていた人たちに感化されたものだと聞いているけれど、元からキャノンデールではそういう用途のために歴代のSUPERXに対して37Cくらいのタイヤでも十分使えるクリアランスを持たせてきたんだ。モデルチェンジによって最新のSUPERXはホイールの組み合わせ次第では最大45cまで対応するようにしているよ。そうして僕らはグラベルカテゴリーの基礎を築き上げてきた。
そして大きな転機となったのはやはりSLATEだね。オリジナルのSLATEはスリックタイヤを装備したことからも分かる通り、スムーズなグラベルや舗装路での軽さをメインに考えて開発していて、そこに30mmトラベルのサスペンションを取り付けることでハイスピード状態での凹凸に対処させたんだ。
でも、今回のようなグラベルレースでは、スムーズなグラベルに加えて、ちょっと難しくてサイコーに楽しい区間がいくつも設定されていることが常。だからSLATEよりもショートリーチでスタックハイトが高くて取り回ししやすく、SUPERXよりも安定感が高く、SYNAPSE SEよりもオフロードに振った700cのバイクが僕らのレンジには足りていなかったんだ。それがTOPSTONEが必要になった理由だよ。
レースに向かうデーヴィッド。SUPERXにチューブレス仕様のロードタイヤという漢の組み合わせであった
― 開発におけるキーポイントは?
「ドロッパーシートポストの役目は、MTBのそれとは違う」 やはりジオメトリーの設定がキモだった。とにかくグラベル上での安定感を高めたかったので、フォークオフセットやトレイル量、ヘッドアングルの組み合わせには気を使ったんだ。それから見た目と実用性を兼ね備えるよう配慮したケーブルルーティング、そして軽さと丈夫さを両立するべく新規開発したダウンチューブシェイプなど、たくさんの工夫を凝らしている。価格的にはエントリークラスだけれど、開発に対するパッションはハイエンドモデルにも負けていない。
― その安定感はとても良く体感できました。ドロッパーシートポストが採用されているのもユニークですね。
めちゃくちゃクールなソリューションでしょ? グラベルロードにドロッパーポストを使ったのは僕らが最初ではないけれど、この価格帯では初めてだと思う。元々僕が自分のシクロクロスバイクをフロントシングルにした時、余ったワイヤールートを使ってドロッパーポストを取り付けたことがきっかけ。MTBのドロッパーは激しい下りでの体の自由度を高めるために使うけれど、あくまで「道」を走るグラベルロードのドロッパーはどんな状況でもサドルに座って、ペダリングできる状態をキープできることが大きい意味を持つと思う。滑りやすい下りでは低重心にできるし、良いことづくめだと思うんだ。
― SLATEやTOPSTONEには1xコンポーネントをアッセンブルしていますが、その理由は?
スラムのAPEX1 HRD。前40T/後11-42Tというワイドギアレシオを誇る 必要にして十分だし、一番の理由はクラッチ機構付きのディレイラーを使えること。クラッチがあることでシフト操作がスムーズになるし、フロントディレイラーがないからトラブルの発生も抑えられる。
それにこのエリア(ニューイングランド)は急勾配が多くてスピードの変化が激しいから、あまりクロスレシオに設定する必要がない。でもアメリカ中西部は緩やかなアップダウンが続くから、フロントダブルに対するニーズが大きいという地域差もあるんだ。でもそういうニーズのために、TOPSTONEにはほぼ同じ価格でシマノ105をセットした完成車も用意しているから安心してほしい。
― 地域差によってニーズが変わるのは面白いですね。
例えば中西部はジェットコースターみたいなアップダウンで硬めのグラべル、この辺りは急勾配の道が多くて柔らかい粘土質のグラベル、カリフォルニアだったらとてもルーズなパフパフ路面...。それこそ土地の数ほど道の種類が違って、今その「攻略する楽しさ」に多くの人が気付き始めている。それを表すように、今北米で開催されるグラベルイベントの数は年間400以上も開催されているんだ。
「難しいコースを攻略する楽しさ、そして知らない土地を冒険するワクワクをTOPSTONEで感じてもらえたら嬉しい」 (c)キャノンデール・ジャパン
ニューイングランドやカリフォルニア南部などはグラベルムーブメントが盛り上がっているけれど、やはり一番の中心地はダーティー・カンザ(1日で最長320kmを走破するアメリカ最大のグラベルレース)の開催地でもあるカンザス州や、隣のミズーリ州周辺だと思う。あの辺りの大草原には厳しく楽しい最高のグラベルが多数あるし、地域に根ざした強いカルチャーが育っている。
その土地に合わせたカルチャーやバイクニーズが生まれていることは面白いし、そこに合わせて製品開発するのはとてもエキサイティングなことさ。マルチパーパスさを持たせているからバイクパッキングやキャンプツーリングにも最適だし、日本でもSLATEが人気だけあってTOPSTONEがフィットするシーンは少なくないと信じているよ。何もグラベル"レース"だけじゃなくて良い。TOPSTONEを入り口にグラベル遊びを知ってもらえたら僕らは嬉しいんだ。
テッドが優勝、ローラが2位というキング夫妻。ここバーモントに住み、メープルシロップを使った補給食「Untapped」を手がける
テッド:かなりタフなレースだったけれど、勝ててハッピーだよ。この地域が大好きで引っ越してきてしまった(テッドは地元産メープルシロップをメインにした補給食ブランド、Untappedを展開中)くらいだから尚更だね。すごく良くオーガナイズされた地元レースだけに良い走りをしたかった。
元々このバーモントにはロードとMTBカルチャーがあったけれど実際にもの凄い勢いでグラベルカルチャーは育ってきているよ。レースでも実際に競り合うのはトップ集団だけで、仲間と一緒に完走を目指す、グランフォンドに近い楽しさがあるのはグラベルイベントならでは。フィニッシュ後にビールで乾杯して、その時間を共有するのは自転車遊びの本質だと思っているよ。
プロロード選手として10年走り、もっと家族と過ごす時間が欲しくて引退したけれど、身体的にはまだまだ"サイクリスト"でありたかった。ちょうどその頃グラベルカルチャーが生まれていたので新しいチャレンジには最適だったんだ。ずっと昔はシクロクロスレースもしていたけれど、引退した身にはちょっと激しすぎる。320kmを走るダーティー・カンザも当然クレイジーだけど、レース前夜にビールを飲んで、優勝直後もビールを飲んだり(笑)、どこかリラックスして臨めるのがグラベルカルチャーの気に入っていることさ。常にワクワクし続けることは人生にとって良いことだと思っているし、これからも趣味として付き合っていきたいね。
「適度に楽しみながら走れる雰囲気がちょうど良い」と言うテッド
ローラの愛車は2018年モデルのSUPERX。シックかつ目立つカラーがお気に入りとのこと
ローラ:今日は他の女子選手と良いレースができたから満足。多分トップ5は5分以内の差だと思うし、すごく楽しかった。テッドも優勝したから私たちにとって良い1日になった。男性と比べれば未舗装路にトライする女性は少ないけれど、ここ1,2年で急激に数が増えてきたの。それは多分テッドが言ったことと同じだけど、そこには冒険心を満たす楽しさがあって、楽しいことをしている楽しい人たちがいるから。例えばハイキングに行くとか、スキーに行く感覚に近いと思う。ロードバイクだけでは味わいきれない楽しさを日本の皆も体験してもらえたら嬉しいわ。
ニューヨークから参加した谷口さんと伊藤さん(Veselka Cycling Team)。普段はクリテリウムに出場しているという
伊藤さん:Veselka Cycling Teamはニューヨーク拠点で、普段はクリテリウムなどロードレースをメインに走るチームなんですが、最近は東海岸にもグラベルブームが来ているんです。シクロクロスやアドベンチャー好きなメンバーでグラベルレースに参加して、楽しく週末を過ごすことも増えてきましたね。私はグラベルレースは2回目です。
グラベルレースはロードみたいに殺気立った感じじゃなくて、適度な緊張感とリラックスした感じが良いところだと思いますね。みんなでビール飲んだりキャンプしたりなんて、レース中に怒号飛び交うロードレースだとあり得ませんから(笑)。このカルチャーはまだまだ始まりに過ぎないと思いますし、これからも伸びそうな勢いを感じますよ。
TOPSTONEの生みの親、デーヴィッド・デヴァイン
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コネチカット州べセルにあるキャノンデールのヘッドクォーターから、今回のグラベルレース「バーモント・オーバーランド」を迎えた場所までは約350kmほどと遠くない。それだけに会場には同社主要メンバーが多数集結し、その中にいたTOPSTONEやSLATEの開発中心人物であり、同社でグローバルプロダクトディレクターを務めるデーヴィッド(デヴァイン)に話を聞くことができた。
本章前編では、開発陣が考えるTOPSTONEの存在価値や、バイクに込めた思いなどを聞いたインタビューを紹介しよう。ちなみにデーヴィッドは超ウマテクニックの持ち主(リンク先のYouTubeでティムと一緒に走っている人物)であることも記しておきたい。
「グラベル遊びの面白さを、もっと広く知ってもらうためのバイク」
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― 今日はTOPSTONEでものすごく楽しめました。まずはTOPSTONEを開発した理由、そしてSEコレクションの中での立ち位置について教えて下さい。
ありがとう。そう感じてもらえたなら嬉しいよ。TOPSTONEの一番の開発理由は、僕らがハマっていて、本当に面白いと感じているグラベルロードという遊びをもっと多くの人に体験してほしかったからなんだ。SLATEのような玄人向きバイクだと、正直ビギナーは楽しさの前に怖さを感じてしまうかもしれない。でもTOPSTONEだったらハンドリングにせよ、トラクションにせよ、そして価格にしろ、バイクに対する不安感なく思いっきり楽しめる。例えばロードバイクのCAAD OPTIMOも同じコンセプトで開発したモデルだけれど、つまりはそういうこと。
― TOPSTONEのデビューでグラベルバイクの幅がより一層広がりましたね。
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そもそもグラベルカルチャーは、未舗装路が多い地域でロードバイクやシクロクロスバイク、あるいはツーリングバイクを普通に走らせていた人たちに感化されたものだと聞いているけれど、元からキャノンデールではそういう用途のために歴代のSUPERXに対して37Cくらいのタイヤでも十分使えるクリアランスを持たせてきたんだ。モデルチェンジによって最新のSUPERXはホイールの組み合わせ次第では最大45cまで対応するようにしているよ。そうして僕らはグラベルカテゴリーの基礎を築き上げてきた。
そして大きな転機となったのはやはりSLATEだね。オリジナルのSLATEはスリックタイヤを装備したことからも分かる通り、スムーズなグラベルや舗装路での軽さをメインに考えて開発していて、そこに30mmトラベルのサスペンションを取り付けることでハイスピード状態での凹凸に対処させたんだ。
でも、今回のようなグラベルレースでは、スムーズなグラベルに加えて、ちょっと難しくてサイコーに楽しい区間がいくつも設定されていることが常。だからSLATEよりもショートリーチでスタックハイトが高くて取り回ししやすく、SUPERXよりも安定感が高く、SYNAPSE SEよりもオフロードに振った700cのバイクが僕らのレンジには足りていなかったんだ。それがTOPSTONEが必要になった理由だよ。
「グラベルでの安定感を高めるべく、特にジオメトリーを工夫した」
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― 開発におけるキーポイントは?
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― その安定感はとても良く体感できました。ドロッパーシートポストが採用されているのもユニークですね。
めちゃくちゃクールなソリューションでしょ? グラベルロードにドロッパーポストを使ったのは僕らが最初ではないけれど、この価格帯では初めてだと思う。元々僕が自分のシクロクロスバイクをフロントシングルにした時、余ったワイヤールートを使ってドロッパーポストを取り付けたことがきっかけ。MTBのドロッパーは激しい下りでの体の自由度を高めるために使うけれど、あくまで「道」を走るグラベルロードのドロッパーはどんな状況でもサドルに座って、ペダリングできる状態をキープできることが大きい意味を持つと思う。滑りやすい下りでは低重心にできるし、良いことづくめだと思うんだ。
― SLATEやTOPSTONEには1xコンポーネントをアッセンブルしていますが、その理由は?
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― 地域差によってニーズが変わるのは面白いですね。
例えば中西部はジェットコースターみたいなアップダウンで硬めのグラべル、この辺りは急勾配の道が多くて柔らかい粘土質のグラベル、カリフォルニアだったらとてもルーズなパフパフ路面...。それこそ土地の数ほど道の種類が違って、今その「攻略する楽しさ」に多くの人が気付き始めている。それを表すように、今北米で開催されるグラベルイベントの数は年間400以上も開催されているんだ。
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ニューイングランドやカリフォルニア南部などはグラベルムーブメントが盛り上がっているけれど、やはり一番の中心地はダーティー・カンザ(1日で最長320kmを走破するアメリカ最大のグラベルレース)の開催地でもあるカンザス州や、隣のミズーリ州周辺だと思う。あの辺りの大草原には厳しく楽しい最高のグラベルが多数あるし、地域に根ざした強いカルチャーが育っている。
その土地に合わせたカルチャーやバイクニーズが生まれていることは面白いし、そこに合わせて製品開発するのはとてもエキサイティングなことさ。マルチパーパスさを持たせているからバイクパッキングやキャンプツーリングにも最適だし、日本でもSLATEが人気だけあってTOPSTONEがフィットするシーンは少なくないと信じているよ。何もグラベル"レース"だけじゃなくて良い。TOPSTONEを入り口にグラベル遊びを知ってもらえたら僕らは嬉しいんだ。
目立っていた参加者/レーサーを紹介〜本場のグラベル遊びスタイルとは?〜
ここからは番外編として、実際にアメリカのホビーライダーや、バーモント・オーバーランドで上位に入ったレーサーのグラベル遊びスタイルを紹介しよう。まずは、今年のダーティー・カンザの優勝者(つまり全米No.1グラベルレーサーだ)であり、2時間23分45秒という圧倒的なタイム(平均28.8km/h!)で総合優勝を飾った元キャノンデール・ガーミンのテッド・キングと、その奥様で女子カテゴリー2位に輝いたローラ・キングのインタビューから。テッド・キング(総合優勝)&ローラ・キング(女子カテゴリー2位)
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元々このバーモントにはロードとMTBカルチャーがあったけれど実際にもの凄い勢いでグラベルカルチャーは育ってきているよ。レースでも実際に競り合うのはトップ集団だけで、仲間と一緒に完走を目指す、グランフォンドに近い楽しさがあるのはグラベルイベントならでは。フィニッシュ後にビールで乾杯して、その時間を共有するのは自転車遊びの本質だと思っているよ。
プロロード選手として10年走り、もっと家族と過ごす時間が欲しくて引退したけれど、身体的にはまだまだ"サイクリスト"でありたかった。ちょうどその頃グラベルカルチャーが生まれていたので新しいチャレンジには最適だったんだ。ずっと昔はシクロクロスレースもしていたけれど、引退した身にはちょっと激しすぎる。320kmを走るダーティー・カンザも当然クレイジーだけど、レース前夜にビールを飲んで、優勝直後もビールを飲んだり(笑)、どこかリラックスして臨めるのがグラベルカルチャーの気に入っていることさ。常にワクワクし続けることは人生にとって良いことだと思っているし、これからも趣味として付き合っていきたいね。
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ローラ:今日は他の女子選手と良いレースができたから満足。多分トップ5は5分以内の差だと思うし、すごく楽しかった。テッドも優勝したから私たちにとって良い1日になった。男性と比べれば未舗装路にトライする女性は少ないけれど、ここ1,2年で急激に数が増えてきたの。それは多分テッドが言ったことと同じだけど、そこには冒険心を満たす楽しさがあって、楽しいことをしている楽しい人たちがいるから。例えばハイキングに行くとか、スキーに行く感覚に近いと思う。ロードバイクだけでは味わいきれない楽しさを日本の皆も体験してもらえたら嬉しいわ。
NY在住の谷口さんと伊藤さん(Veselka Cycling Team)
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伊藤さん:Veselka Cycling Teamはニューヨーク拠点で、普段はクリテリウムなどロードレースをメインに走るチームなんですが、最近は東海岸にもグラベルブームが来ているんです。シクロクロスやアドベンチャー好きなメンバーでグラベルレースに参加して、楽しく週末を過ごすことも増えてきましたね。私はグラベルレースは2回目です。
グラベルレースはロードみたいに殺気立った感じじゃなくて、適度な緊張感とリラックスした感じが良いところだと思いますね。みんなでビール飲んだりキャンプしたりなんて、レース中に怒号飛び交うロードレースだとあり得ませんから(笑)。このカルチャーはまだまだ始まりに過ぎないと思いますし、これからも伸びそうな勢いを感じますよ。
クラブメンバー全員SLATE!
オリジナル塗装のSLATEが愛車
謎のオールドキャノンデールで参戦
女子カテゴリー優勝:ティナ・セヴァーソン
提供:キャノンデール・ジャパン text&photo:So.Isobe