2017/10/01(日) - 11:34
新たに生まれ変わったÉmonda SLRとSLを乗り比べインプレッション
国立京都国際会館で開催されたトレックワールド。中でも会場の話題をさらったのが先日モデルチェンジを発表された2代目Émondaである。今回はそんなマスプロ最軽量モデルÉmonda SLRと新型アルテグラ搭載で32万円というコストパフォーマンスを実現したÉmonda SLをインプレッション。まるいち丁田店の河井貴彦さんとオンザロードつくば店の堀越耕平さんという、走り系スタッフ2名にテストして頂いた。インプレッションライダーのプロフィール
河井貴彦(まるいち丁田店)
愛知県に2店舗を展開する まるいち丁田店で主に接客と休日ライドを担当している、パワー系ヒルクライマー。実業団レースへの参戦経験も豊富で、お客さんと共にヒルクライムだけではなくロードレースやクリテリウムにも出場してきた。最近は歴史好きが高じてロードバイクで城跡や史跡巡り(1日で200km以上走ることも)へとシフト中。愛車は先々代のMadone 6SSLと、フルチューンを施し6.8kgを切る重量をマークしているというÉmonda ALR。
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まるいち丁田店
堀越耕平(オンザロードつくば店)
茨城県に2店舗を展開するオンザロードのつくば店にて店長を務める37歳。中学生から自転車を始め、トライアスロン、フルマラソン、ヒルクライムと持久系スポーツを経て今年からは実業団レースに挑戦している。愛車はMadone 9と一世代前のDomane 6、そして今回インプレッションを担当した新型Émonda SLの3台。癖のない安定した走りをするバイクが好み。スタッフとしてのモットーは、お客さんに対して将来的な趣味の広がりを含めて商品や遊び方を提案すること。
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オンザロードつくば店
愛知県に2店舗を展開する まるいち丁田店で主に接客と休日ライドを担当している、パワー系ヒルクライマー。実業団レースへの参戦経験も豊富で、お客さんと共にヒルクライムだけではなくロードレースやクリテリウムにも出場してきた。最近は歴史好きが高じてロードバイクで城跡や史跡巡り(1日で200km以上走ることも)へとシフト中。愛車は先々代のMadone 6SSLと、フルチューンを施し6.8kgを切る重量をマークしているというÉmonda ALR。
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堀越耕平(オンザロードつくば店)
茨城県に2店舗を展開するオンザロードのつくば店にて店長を務める37歳。中学生から自転車を始め、トライアスロン、フルマラソン、ヒルクライムと持久系スポーツを経て今年からは実業団レースに挑戦している。愛車はMadone 9と一世代前のDomane 6、そして今回インプレッションを担当した新型Émonda SLの3台。癖のない安定した走りをするバイクが好み。スタッフとしてのモットーは、お客さんに対して将来的な趣味の広がりを含めて商品や遊び方を提案すること。
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Émonda SLR 8
フルモデルチェンジを遂げ、フレーム重量640g(56サイズ)という軽さを纏った2代目Émonda SLRのフレームに、R9000系DURA-ACEを搭載した完成車が「Émonda SLR 8」だ。コストパフォーマンスの高いAeolus Pro 3を搭載しながらも、軽量なボントレガー製ブレーキ「Speed Stop Pro」などをアッセンブルすることで完成車重量は6.23kg(56cm)と即ヒルクライム対応スペックを誇る。価格は797,000円(税抜)だ。詳細スペックは記事下部を参照してほしい。
河井:何と言ってもÉmonda SLRの素晴らしい点は、ダンシングでバイクを振りながら踏み込んだ際の素晴らしい加速。右クリートを嵌めて、左クリートを嵌め込む前の踏み込みで、既に進みの軽さを体感できました。重量は世界最軽量ということですが、漕ぎの軽さも世界最軽量レベルと言い切って差し支えないでしょう。
堀越:そうですね。物理的な軽さも加わるのでヒルクライムでは普段よりギアを1枚か2枚分軽く感じるほどの軽快さです。後述するÉmonda SLでも十分フィーリングは軽いのですが、これはバイク自体のレベルが全然違うものと考えた方が良いでしょう。それほどまでに圧倒的な性能差を感じます。レースで使えば間違いなくÉmonda SLRはアドバンテージを生み出してくれると思いますね。
先代のÉmondaは軽さがプラスにもマイナスにも働き、オールラウンドに使うにはやや扱いにくさを感じる部分もありました。ですがこの新型Émonda SLRはしっかりとした安定感が加わっているので、どんな場面でも安心して使用できるバイクへと変化を遂げましたね。エアロロードに生まれ変わる前のMadone最終型のようなバランス感の良さが出てきているような気がします。
河井:確かに先代のÉmonda SLRはヒルクライム専用マシンという印象で、そのピーキーさを打ち消すためディープホイールを組み合わせて安定感を出すような調整が必要でした。ですがこの新型Émondaではバイク自体の安定感が増しており、どんなシュチュエーションでも使えるオールラウンドバイクに生まれ変わっていることに驚かされました。これならロングライドや長距離レースにも使用できますね。
実際にÉmonda SLRとSLを乗り比べると、その性能差は乗った瞬間に分かるほどに歴然としています。同グレードのパーツ類をアッセンブルしたÉmonda SLR 6とSL 6で30万近くの差があるのですが、その価格差なり、もしくはそれ以上の違いは確実にあると感じました。俊敏な走りを求める方、そしてレースでの成績を狙う方であれば、積極的にÉmonda SLRを選択すると幸せになれますね。
堀越:本物のオールラウンダーとして生まれ変わっているので、超軽量バイクということに特に気を使うこと無く普通のカーボンバイクとして安心して使い倒せます。Madone、Domane、Émondaで迷ったら、Émondaがベストチョイスだと思います。乗り味や取り回しの良さを考えたら買って一番安心できるバイクですし、販売店側から見ても特殊機構などを搭載していない分、安心して販売できるバイクであることも嬉しいポイントです。
河井:ロードバイクとしてオーソドックスな性能を求めている人にとって最適な選択となるでしょう。ジオメトリーに関してもDomaneは少しエンデュランスフィットですが、Émondaはノーマルなロードバイクのポジションですので、よりレーシーに、スピーディーに乗りたい方にとってベストチョイスだと感じました。機械式デュラエースを搭載して80万円ほどですが、それに見合う価値のあるバイクです。
Émonda SL 6
従来のÉmonda Sがラインナップから消えたことで、カーボンモデルのボトムラインを担うようになったSLシリーズ。実質的に大幅なプライスダウンが行われており、その価値はより一層高まっている。テストバイクは8000系ULTEGRAやボントレガーの軽量ブレーキSpeed Stop、Paradigm Tubeless Readyホイールを搭載し297,000円(税抜)というタグを掲げるÉmonda SL 6。2018モデルからはダイレクトマウントブレーキとなった点もポイントだ。
堀越:新型アルテグラがアッセンブルされたSL 6は完成車パッケージで32万円とコストパフォーマンスが非常に高いですね。ホイールもチューブレスレディに対応したボントレガーのParadigm Tubeless Readyですので、まとまりが素晴らしいですね。チューブレス化を行えばあらゆるシーンに対応できる総合力を持っています。
河井:先日フルモデルチェンジした新型アルテグラが搭載されるのは良いですね。デュラエースのテクノロジーを継承しており、洗練された外見ですし、これから数年はモデルチェンジすることはないでしょうから、型落ち感も出ません。105組みのÉmonda SL5だとコンポーネントがモデルチェンジする可能性がありますから、このタイミングならÉmonda SL6が買いですね。
堀越:また、Émonda SLでもSLRと同様にダイレクトマウントブレーキに対応しているのは購入の動機の1つになると思います。ダイレクトマウントブレーキは2点でフレームに固定することで、制動力も高いですし、ワイドリムホイールを使用したときのタイヤクリアランスにも余裕が生まれるので、間違いなくこれからの主流スペックになってくると思います。そういったテクノロジーが搭載されているのは非常にありがたいですね。
お店でもÉmonda SL6の注目度は非常に高いです。新型アルテグラの搭載により、それまでコンポーネントのフルモデルチェンジを待っていた方々から多くの注文を頂いています。フレームカラーも情熱的なヴァイパーレッドと落ち着いたマットメタリックガンメタルと、どちらも非常に魅力的なカラーリングになっていますね。
河井:これからの時代の流れとしてワイドリムが標準的になってくるでしょうし、アッセンブルされたSL6が32万円とコストパフォーマンスが高いことも注目のポイントですね。ショップでも先日モデルチェンジを果たした新型アルテグラが装着されている事もあって、それまで我慢していた多くの人に購入して頂いていて人気です。品薄となりそうな予感もあるので、気になる方は早めに注文を入れておいた方が良いかもしれませんね。
テストバイクスペックチャート
Émonda SLR 8
サイズ | 47、50、52、54、56、58、60、62cm |
フレーム | Ultralight 700 Series OCLV Carbon |
コンポーネント | シマノ DURA-ACE R9000 |
ホイール | ボントレガー Aeolus Pro 3 Tubeless Ready |
重量 | 6.23kg(56cm) |
価格 | 797,000円(税抜) |
Émonda SL 6
サイズ | 44、47、50、52、54、56、58、60、62cm |
フレーム | Ultralight 500 Series OCLV Carbon |
コンポーネント | シマノ ULTEGRA 8000 |
ホイール | ボントレガー Paradigm Tubeless Ready |
重量 | 7.37kg(56cm) |
価格 | 297,000円(税抜) |
2モデルの詳細スペックやその他Émondaラインナップはトレック・ジャパンのホームページを参照のこと。
提供:トレックジャパン text:CW編集部 photo:So.Isobe