2015/07/22(水) - 19:42
総合争いの行方がおぼろげながらも見えだしてきたツール・ド・フランス2015。チームTTに二つの山頂ゴールを含むピレネー山脈を経て、ビッグ4と呼ばれた優勝候補ライダーたちにも明暗が分かれだした第2週を終えた今、選手たちの活躍を振り返ってみよう。
波乱の一週目を終え、ピレネー山脈で総合争いが白熱したツール・ド・フランス2015。ビッグ4と呼ばれたオールラウンダー達が、第10ステージのラ・ピエール・サンマルタン、第12ステージのプラトー・ド・ベイユの二つの超級山岳山頂ゴールステージで覇を競い合った。
休息日が明けてすぐに始まった、ピレネー超級山岳3連戦で決定的な強さを見せつけたのは、第7ステージからマイヨジョーヌを手放さないクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)。ピレネー初戦となる第10ステージのラ・ピエール・サンマルタンで、ゲラント・トーマス(イギリス)やリッチー・ポート(オーストラリア)らの強力なアシストを受けるとともに、フルーム自らの強力な加速でライバルたちを置き去りにした。
後手に回ることとなったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)や、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)といった総合勢はその後のステージでフルームに対して揺さぶりをかけるが、盤石の態勢を誇るチームスカイの牙城を崩すことはできず、最初の山場であるピレネーをフルームにマイヨジョーヌを渡したまま終えることとなった。
山岳でのフルームの足元を支えたのはデュラエースのホイールの中でも最軽量を誇るWH-9000-C24 チューブラー。ここ数年、山岳ステージでもある程度のリムハイトのあるホイールを使う選手が多い中で、シマノ史上最軽量を誇る前後セット1,154gのローハイト超軽量ホイールは最強ライダーのライディングにしっかりと応えてみせた。
初日から、ピレネー山脈を越えアルプスに向う全16ステージで、一度もマイヨジョーヌの座をデュラエースは譲っていない。それはコンポーネントのみならず、C24のような山岳を主眼においた超軽量ホイールから、タイムトライアルで活躍するディスクホイールやバトンホイールといったものまで揃え、プロライダーからのフィードバックによって開発されてきたデュラエースとPROのホイールラインアップの懐の深さも大きいと言えるはずだ。
圧倒的な強さで君臨するフルーム以外にも、シマノサポートライダーは総合争いで大きく絡んできている。3分半差の3位に入るティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、6位にはフルームのチームメイトであるゲラント・トーマスが入り、7位にロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)、9位にバウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)、10位にはワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)がそれぞれ入っている。
総合勢だけでなく、ステージにおいてもデュラエースの活躍は目覚ましい。ピレネーを終えて、アルプスへと向かう第13ステージ。いわゆるトランジションステージであるはずだが、フラットステージが少ない今年のツールではアップダウンが続くクラシカルステージとして設定される。
総合勢にとってもハードな一日を制したのはマイヨヴェールを着るペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)を下したグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー・BMCレーシング)。ローハン・デニスによる個人タイムトライアルの勝利、0.77秒差で競り勝ったチームタイムトライアルに続く3勝目をチームにもたらした。
活躍を続けるシマノサポートチームがメインで使用するコンポーネント、デュラエースDi2は軽いタッチや正確な変速性能、増設できる様々なオプションスイッチといった数多くのメリットを持っているが、それらに並ぶ特徴の1つに、フロントディレイラー(FD)の位置を自動的に調整してくれるオートトリム機能がある。
これはリアの段数に応じて、フロントのディレイラーが最適なポジションに自動で動く機能。チェーンとFDの接触を防ぎ、ライダーのストレスを大幅に低減する。極限の状態で長時間走り続けるプロ選手はもちろんのこと、ホビーレーサーでもその恩恵は十分に感じ取ることができるだろう。
さて、この章では多彩なバリエーションを揃えるデュラエースホイールに焦点をあてたい。今ツールではジャイアント・アルペシン、ロットNLユンボ、チームスカイ、オリカ・グリーンエッジ、FDJ.fr、BMCレーシングの計6チームがシマノオフィシャルサポートチームとしてデュラエースホイールを使用している。
コンポーネントに先駆けて2012シーズンから投入されていた9000系デュラエースホイールは、SHIMANOロゴのみがリムに貼られたプロトタイプの段階から注目を集め、プロからも好んでチョイスされてきた。
開発当初は汎用性に優れる「WH-9000-C50-TU」と「WH-9000-C35-TU」の2種類のみだったが、正式発表時にはトレンドのスーパーディープタイプ「WH-9000-C75-TU」が登場。そして、一昨年からはシマノ史上最軽量の前後セット重量1,151gを実現した「WH-9000-C24-TU」が追加され、盤石のラインナップを整えることとなった。
ピレネーやアルプス山脈などの超級山岳コースではC24、ボジョレーの丘の様のような丘陵地帯や中級山岳ステージでは軽量性とエアロを両立したC35、細かいアップダウンや平坦基調では50mmハイトのC50、更に完全な平坦やタイムトライアルではC75といったように、様々なコースプロフィールに細かく対応できる豊富なバリエーションがデュラエースホイールの特徴だろう。
それに加えて、今年新たにデビューしたのがPROのディスクホイール、「TeXtream Carbon Disc」だ。スウェーデンのOxeon社が開発した「TeXtream(テキストリーム)」と呼ばれる、F1や宇宙航空産業にも用いられる最先端素材を採用することで、ディスクホイールながらも975gと軽量に仕上がっていることが大きな特徴だ。アップダウンの多い今年のチームタイムトライアルでの使用チームの結果を見れば、このホイールのポテンシャルは推し量れよう。
加速性能に長けた24mmハイトのフルカーボンリムを持つ超軽量ホイール。前後セットで1,151gと非常に軽量であることから難関山岳コースで多く使用され、今ツールは第8ステージでクリス・フルームの強力な加速に応えて圧勝・マイヨジョーヌの獲得に貢献した。アルミ+カーボン製リムのクリンチャータイプとチューブレスタイプもラインアップされている。
35mmというミッドハイトフルカーボンリムを装備することで、巡航性能と加速性を両立したのがこのC35-TU。フルカーボン製で重量も1,362gと軽く、平地から山岳までコースを問わず使用できる万能ホイールだ。ニップルは整備製の高いリム側の外出しタイプ。アルミ+カーボン製リムのクリンチャータイプも用意される。
スピードの持続性に優れる50mmハイトのフルカーボンリムを装備したことで、平坦コースから細かいアップダウンのあるコースに対応するプロ選手にとってのスタンダードモデル。スプリントで勝利を重ねるマルセル・キッテルが愛用するホイールだ。アルミ+カーボン製リムのクリンチャータイプも用意。
ハイト75mm、幅24mmという圧倒的なボリュームを誇るスーパーディープフルカーボンリムホイールがこのWH-9000-C75。横風に対して安定したハンドリングを得るD2リムの採用など、平坦やタイムトライアルで本領を発揮する。高いリムを装備しているにも関わらず、1,545gと軽量であることも特徴だ。チューブラーのみの展開。
今年のツール・ド・フランスも最終週に突入し、いよいよ勝負は佳境を迎える。2年ぶりのマイヨジョーヌをクリス・フルームが手にすることになるのか。今後もシマノ製品を使用する選手の活躍に注目だ。
総合争いを決定づけたピレネー3連戦を制したフルーム
波乱の一週目を終え、ピレネー山脈で総合争いが白熱したツール・ド・フランス2015。ビッグ4と呼ばれたオールラウンダー達が、第10ステージのラ・ピエール・サンマルタン、第12ステージのプラトー・ド・ベイユの二つの超級山岳山頂ゴールステージで覇を競い合った。
休息日が明けてすぐに始まった、ピレネー超級山岳3連戦で決定的な強さを見せつけたのは、第7ステージからマイヨジョーヌを手放さないクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)。ピレネー初戦となる第10ステージのラ・ピエール・サンマルタンで、ゲラント・トーマス(イギリス)やリッチー・ポート(オーストラリア)らの強力なアシストを受けるとともに、フルーム自らの強力な加速でライバルたちを置き去りにした。
後手に回ることとなったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)や、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)といった総合勢はその後のステージでフルームに対して揺さぶりをかけるが、盤石の態勢を誇るチームスカイの牙城を崩すことはできず、最初の山場であるピレネーをフルームにマイヨジョーヌを渡したまま終えることとなった。
山岳でのフルームの足元を支えたのはデュラエースのホイールの中でも最軽量を誇るWH-9000-C24 チューブラー。ここ数年、山岳ステージでもある程度のリムハイトのあるホイールを使う選手が多い中で、シマノ史上最軽量を誇る前後セット1,154gのローハイト超軽量ホイールは最強ライダーのライディングにしっかりと応えてみせた。
初日から、ピレネー山脈を越えアルプスに向う全16ステージで、一度もマイヨジョーヌの座をデュラエースは譲っていない。それはコンポーネントのみならず、C24のような山岳を主眼においた超軽量ホイールから、タイムトライアルで活躍するディスクホイールやバトンホイールといったものまで揃え、プロライダーからのフィードバックによって開発されてきたデュラエースとPROのホイールラインアップの懐の深さも大きいと言えるはずだ。
圧倒的な強さで君臨するフルーム以外にも、シマノサポートライダーは総合争いで大きく絡んできている。3分半差の3位に入るティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシング)、6位にはフルームのチームメイトであるゲラント・トーマスが入り、7位にロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ)、9位にバウク・モレマ(オランダ、トレックファクトリーレーシング)、10位にはワレン・バーギル(フランス、ジャイアント・アルペシン)がそれぞれ入っている。
総合勢だけでなく、ステージにおいてもデュラエースの活躍は目覚ましい。ピレネーを終えて、アルプスへと向かう第13ステージ。いわゆるトランジションステージであるはずだが、フラットステージが少ない今年のツールではアップダウンが続くクラシカルステージとして設定される。
総合勢にとってもハードな一日を制したのはマイヨヴェールを着るペーター・サガン(スロバキア、ティンコフ・サクソ)を下したグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー・BMCレーシング)。ローハン・デニスによる個人タイムトライアルの勝利、0.77秒差で競り勝ったチームタイムトライアルに続く3勝目をチームにもたらした。
活躍を続けるシマノサポートチームがメインで使用するコンポーネント、デュラエースDi2は軽いタッチや正確な変速性能、増設できる様々なオプションスイッチといった数多くのメリットを持っているが、それらに並ぶ特徴の1つに、フロントディレイラー(FD)の位置を自動的に調整してくれるオートトリム機能がある。
これはリアの段数に応じて、フロントのディレイラーが最適なポジションに自動で動く機能。チェーンとFDの接触を防ぎ、ライダーのストレスを大幅に低減する。極限の状態で長時間走り続けるプロ選手はもちろんのこと、ホビーレーサーでもその恩恵は十分に感じ取ることができるだろう。
ツールを走るトッププロ選手の要求に応えるDURA-ACEホイールラインアップ
さて、この章では多彩なバリエーションを揃えるデュラエースホイールに焦点をあてたい。今ツールではジャイアント・アルペシン、ロットNLユンボ、チームスカイ、オリカ・グリーンエッジ、FDJ.fr、BMCレーシングの計6チームがシマノオフィシャルサポートチームとしてデュラエースホイールを使用している。
コンポーネントに先駆けて2012シーズンから投入されていた9000系デュラエースホイールは、SHIMANOロゴのみがリムに貼られたプロトタイプの段階から注目を集め、プロからも好んでチョイスされてきた。
開発当初は汎用性に優れる「WH-9000-C50-TU」と「WH-9000-C35-TU」の2種類のみだったが、正式発表時にはトレンドのスーパーディープタイプ「WH-9000-C75-TU」が登場。そして、一昨年からはシマノ史上最軽量の前後セット重量1,151gを実現した「WH-9000-C24-TU」が追加され、盤石のラインナップを整えることとなった。
ピレネーやアルプス山脈などの超級山岳コースではC24、ボジョレーの丘の様のような丘陵地帯や中級山岳ステージでは軽量性とエアロを両立したC35、細かいアップダウンや平坦基調では50mmハイトのC50、更に完全な平坦やタイムトライアルではC75といったように、様々なコースプロフィールに細かく対応できる豊富なバリエーションがデュラエースホイールの特徴だろう。
それに加えて、今年新たにデビューしたのがPROのディスクホイール、「TeXtream Carbon Disc」だ。スウェーデンのOxeon社が開発した「TeXtream(テキストリーム)」と呼ばれる、F1や宇宙航空産業にも用いられる最先端素材を採用することで、ディスクホイールながらも975gと軽量に仕上がっていることが大きな特徴だ。アップダウンの多い今年のチームタイムトライアルでの使用チームの結果を見れば、このホイールのポテンシャルは推し量れよう。
ツールを走るDURA-ACEホイール ラインナップ
WH-9000-C24-TU チューブラー
加速性能に長けた24mmハイトのフルカーボンリムを持つ超軽量ホイール。前後セットで1,151gと非常に軽量であることから難関山岳コースで多く使用され、今ツールは第8ステージでクリス・フルームの強力な加速に応えて圧勝・マイヨジョーヌの獲得に貢献した。アルミ+カーボン製リムのクリンチャータイプとチューブレスタイプもラインアップされている。
仕様 | チューブラー、2:1スポークシステム、 エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,151g |
価格 | 294,852円(税抜) |
WH-9000-C35-TU チューブラー
35mmというミッドハイトフルカーボンリムを装備することで、巡航性能と加速性を両立したのがこのC35-TU。フルカーボン製で重量も1,362gと軽く、平地から山岳までコースを問わず使用できる万能ホイールだ。ニップルは整備製の高いリム側の外出しタイプ。アルミ+カーボン製リムのクリンチャータイプも用意される。
仕様 | チューブラー、2:1スポークシステム、 エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,362g |
価格 | 329,912円(税抜) |
WH-9000-C50-TU チューブラー
スピードの持続性に優れる50mmハイトのフルカーボンリムを装備したことで、平坦コースから細かいアップダウンのあるコースに対応するプロ選手にとってのスタンダードモデル。スプリントで勝利を重ねるマルセル・キッテルが愛用するホイールだ。アルミ+カーボン製リムのクリンチャータイプも用意。
仕様 | チューブラー、D2リム、 2:1スポークシステム、エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,449g |
価格 | 252,117円(税抜) |
WH-9000-C75-TU チューブラー
ハイト75mm、幅24mmという圧倒的なボリュームを誇るスーパーディープフルカーボンリムホイールがこのWH-9000-C75。横風に対して安定したハンドリングを得るD2リムの採用など、平坦やタイムトライアルで本領を発揮する。高いリムを装備しているにも関わらず、1,545gと軽量であることも特徴だ。チューブラーのみの展開。
仕様 | チューブラー、D2リム、 2:1スポークシステム、エクストラワイドフランジ |
重量 | 1,545g |
価格 | 284,598円(税抜) |
今年のツール・ド・フランスも最終週に突入し、いよいよ勝負は佳境を迎える。2年ぶりのマイヨジョーヌをクリス・フルームが手にすることになるのか。今後もシマノ製品を使用する選手の活躍に注目だ。
提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード