2015/07/31(金) - 20:07
今年も熱狂のうちにシャンゼリゼで終幕したツール・ド・フランス2015。最終回のレポートでは、選手達の第3週での活躍を振り返ると共に、2年ぶりのマイヨジョーヌ獲得、個人総合優勝を果たしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)を支えた機材を特集していく。
第3ステージで既にマイヨジョーヌを着用したのち一旦手放したものの、第7ステージからシャンゼリゼに至るまでマイヨジョーヌをキープしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)。ライバルたちを難関ピレネーで置き去りにして以降、リッチー・ポートやゲラント・トーマスといった強力なアシスト陣と共に、最終週の山岳ステージでの争いも見事に乗り切った。
昨年大会では、度重なる落車によりリタイアへと追い込まれたフルーム。今年はその雪辱を晴らすように、圧倒的な強さを見せつけることに成功した。大会開幕前から総合優勝候補と目されていた「ビッグ4」と呼ばれる面々の中でも、頭一つ抜けたライディングパフォーマンスを見せたフルーム。そのフルームでさえもアルプスでの争いは苛烈を極めた。
アルプス最終日、数々の伝説を残してきたラルプ・デュエズに登る第20ステージ。3分差の2位につけるナイロ・キンタナ、そして3位のアレハンドロ・バルベルデらによる度重なるアタックにより、苦しめられるフルーム。チームスカイvsモビスターの総力戦となったが、それまでに積み上げてきたアドバンテージを守り切り、1分12秒差でシャンゼリゼへと凱旋することができた。
ラルプ・デュエズでは唯一キンタナには水を空けられたものの、二人の争いはハイペースとなり、山岳賞を奪うことにも成功。結果、史上4人目のマイヨジョーヌとマイヨアポワの両方を獲得し、歴史に名を刻む輝かしい成績を残すこととなった。
そんなフルームの走りを支えたのがシマノが誇る最上級ロードレーシングコンポーネント、9070系のデュラエースDi2だ。ホイールは平坦ステージでは50mmハイトのWH-9000-C50チューブラーを愛用し、総合争いを決定づけた山岳ステージでは超軽量なWH-9000-C24チューブラーをチョイスし勝利した。
アルプスで最も積極的に動き続けたピノ。しかし、アルプス初戦の17ステージではブリッジをかけているさなかに落車。続く18ステージでも逃げに乗るものの、勝利を掴んだのは同じフランスライダーのロメン・バルデ(AG2R)だった。19ステージでは連日の果敢な走りの疲労もあり、グランドン峠で失速してしまう。
しかし、ピノは全く諦めていなかった。伝説の地ラルプ・デュエズの山頂ゴールとなった20ステージで、果敢にアタックを決め、見事に逃げ切り勝利を掴んだのだ。山頂では攻め続けた彼の走りに歓声が上がった。
連日のトライで疲労が重なる状況において、機材によるアドバンテージは最終的に大きな違いとなって勝負を左右することとなる。スムーズな変速、なめらかな回転を可能とするDURA-ACEコンポーネントやホイール、ライダーのパワーをしっかりと受け止め推進力へと変えるPROのハンドル・ステムが持つアドバンテージは大きい。
シマノロードシューズのフラッグシップモデルであるSH-R321の最大の特徴は、「サラウンドラップ」と呼ばれるアッパー構造を採用し、包み込むようなフィット感を持っていること。
シューズ本体とインソールを熱成形することで、各自の足にぴったりと成形する「カステムフィット」と共に、足全体を優しく包み込むことで、長時間のロードレースにおいてもストレスを感じさせない優れた快適性を発揮していることがポイントだ。
また、レース用シューズとして最高のパフォーマンスを発揮するため、高効率なペダリングを可能とする「ダイナラスト」を採用していることも見逃せない。
多くのプロライダーからのフィードバックを活かしたダイナラストは、ソールの底面形状を最適化することで脚底とふくらはぎの筋肉緊張を緩和し、0.56%のペダリング効率の向上と、5.23%のブレーキングロス(クランクの回転を妨げる逆方向の力)軽減に成功している。ユニディレクションカーボン製のソールは中空構造で、剛性を保ちながら前モデルのソールと比較して0.7mm薄く、全体で25gの軽量化にも成功している。
コンポーネントやホイールといった、自転車パーツのイメージが強いシマノであるが、選手が身につけるシューズにおいてもさまざまな革新のテクノロジーが凝縮されている。その性能はゲシュケの勝利が証明している。
各チームのバイクにセットされたハンドルやステム、シートポスト、タイムトライアルで使用されるディスクホイールやバトンホイールなどその製品ラインナップは多岐に渡り、選手一人一人のニーズに応えることのできる様々なバリエーション展開が魅力の一つと言えるだろう。
例えばハンドル一つとっても幅、素材、形状、剛性など実に様々なバリエーションが存在する。ジョン・デゲンコルブなどのスプリンターはトラック競技用をベースとしたスプリントシリーズを愛用し、マイヨジョーヌを獲得したフルームほかチームスカイ勢は剛性の高いアルミ製のバイブシリーズでハンドル周りを固めている。
アナトミックやシャローといった形状に加えて様々なサイズ、素材もカーボン、アルミといった実に多くのバリエーションを揃えることで、選手は自分の好みに合ったパーツチョイスができる。このPROの強みは、世界最高峰の舞台で戦う選手だけでなく、ホビーライダーも享受できる。様々なラインナップの中から、競技レベルの違いはもちろん、予算、好みや体格に合わせて個々のサイクリストに最適な商品が選べるからだ。
マイヨジョーヌを手にしたクリス・フルーム
第3ステージで既にマイヨジョーヌを着用したのち一旦手放したものの、第7ステージからシャンゼリゼに至るまでマイヨジョーヌをキープしたクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)。ライバルたちを難関ピレネーで置き去りにして以降、リッチー・ポートやゲラント・トーマスといった強力なアシスト陣と共に、最終週の山岳ステージでの争いも見事に乗り切った。
昨年大会では、度重なる落車によりリタイアへと追い込まれたフルーム。今年はその雪辱を晴らすように、圧倒的な強さを見せつけることに成功した。大会開幕前から総合優勝候補と目されていた「ビッグ4」と呼ばれる面々の中でも、頭一つ抜けたライディングパフォーマンスを見せたフルーム。そのフルームでさえもアルプスでの争いは苛烈を極めた。
アルプス最終日、数々の伝説を残してきたラルプ・デュエズに登る第20ステージ。3分差の2位につけるナイロ・キンタナ、そして3位のアレハンドロ・バルベルデらによる度重なるアタックにより、苦しめられるフルーム。チームスカイvsモビスターの総力戦となったが、それまでに積み上げてきたアドバンテージを守り切り、1分12秒差でシャンゼリゼへと凱旋することができた。
ラルプ・デュエズでは唯一キンタナには水を空けられたものの、二人の争いはハイペースとなり、山岳賞を奪うことにも成功。結果、史上4人目のマイヨジョーヌとマイヨアポワの両方を獲得し、歴史に名を刻む輝かしい成績を残すこととなった。
そんなフルームの走りを支えたのがシマノが誇る最上級ロードレーシングコンポーネント、9070系のデュラエースDi2だ。ホイールは平坦ステージでは50mmハイトのWH-9000-C50チューブラーを愛用し、総合争いを決定づけた山岳ステージでは超軽量なWH-9000-C24チューブラーをチョイスし勝利した。
ラルプ・デュエズを制したフランスのスター ティボー・ピノ
毎年勝利が期待されるフランス人選手たち。その中で最も強い輝きを放っていたのが、昨年総合3位に入り今年も活躍を期待されたティボー・ピノ(FDJ.fr、フランス)だ。総合成績を期待されて臨んだツールだったが、石畳の第4ステージで総合争いから脱落。その後も、酷暑によって思う様な調子が出せなかったフランスサイクリスト期待の星であったピノだが、最終週ではファンの期待に応え、積極的な走りでアタックを繰り返した。アルプスで最も積極的に動き続けたピノ。しかし、アルプス初戦の17ステージではブリッジをかけているさなかに落車。続く18ステージでも逃げに乗るものの、勝利を掴んだのは同じフランスライダーのロメン・バルデ(AG2R)だった。19ステージでは連日の果敢な走りの疲労もあり、グランドン峠で失速してしまう。
しかし、ピノは全く諦めていなかった。伝説の地ラルプ・デュエズの山頂ゴールとなった20ステージで、果敢にアタックを決め、見事に逃げ切り勝利を掴んだのだ。山頂では攻め続けた彼の走りに歓声が上がった。
連日のトライで疲労が重なる状況において、機材によるアドバンテージは最終的に大きな違いとなって勝負を左右することとなる。スムーズな変速、なめらかな回転を可能とするDURA-ACEコンポーネントやホイール、ライダーのパワーをしっかりと受け止め推進力へと変えるPROのハンドル・ステムが持つアドバンテージは大きい。
アルプス初戦を制したゲシュケの足元を支えたシューズ SH-R321
今回のツールで、ひときわ目立つ鮮やかなメタリックブルーのシマノシューズが使われていたのを覚えている方も多いだろう。特に休息日明けの第17ステージで、重要視されていた山岳を制したサイモン・ゲシュケの活躍は印象深勝ったのではないだろうか。シマノロードシューズのフラッグシップモデルであるSH-R321の最大の特徴は、「サラウンドラップ」と呼ばれるアッパー構造を採用し、包み込むようなフィット感を持っていること。
シューズ本体とインソールを熱成形することで、各自の足にぴったりと成形する「カステムフィット」と共に、足全体を優しく包み込むことで、長時間のロードレースにおいてもストレスを感じさせない優れた快適性を発揮していることがポイントだ。
また、レース用シューズとして最高のパフォーマンスを発揮するため、高効率なペダリングを可能とする「ダイナラスト」を採用していることも見逃せない。
多くのプロライダーからのフィードバックを活かしたダイナラストは、ソールの底面形状を最適化することで脚底とふくらはぎの筋肉緊張を緩和し、0.56%のペダリング効率の向上と、5.23%のブレーキングロス(クランクの回転を妨げる逆方向の力)軽減に成功している。ユニディレクションカーボン製のソールは中空構造で、剛性を保ちながら前モデルのソールと比較して0.7mm薄く、全体で25gの軽量化にも成功している。
コンポーネントやホイールといった、自転車パーツのイメージが強いシマノであるが、選手が身につけるシューズにおいてもさまざまな革新のテクノロジーが凝縮されている。その性能はゲシュケの勝利が証明している。
シマノ SH-R321 スペック
アッパー素材 | アベイル100&3Dメッシュ |
ソール | カーボンファイバーコンポジットソール |
ラスト | SHIMANO DYNALAST |
サイズ | 36、37、38、39、40、40.5、41、41.5、42、42.5、43、44、45、46、47、48 |
重量 | 295g(43サイズ片側、実測) |
カラー | ホワイト、ブラック(ワイドサイズ有り)、ブルー(40~43のノーマルサイズで展開) |
価格 | 38,000円(税抜) |
プロライダーの活躍に裏打ちされた性能 PRO
今回のツールではシマノのコンポーネントを使う11チームのうち、チームスカイ、ジャイアント・アルペシン、オリカ・グリーンエッジ、FDJ.frという4チームがPROの製品を用いてレースを戦った。各チームのバイクにセットされたハンドルやステム、シートポスト、タイムトライアルで使用されるディスクホイールやバトンホイールなどその製品ラインナップは多岐に渡り、選手一人一人のニーズに応えることのできる様々なバリエーション展開が魅力の一つと言えるだろう。
例えばハンドル一つとっても幅、素材、形状、剛性など実に様々なバリエーションが存在する。ジョン・デゲンコルブなどのスプリンターはトラック競技用をベースとしたスプリントシリーズを愛用し、マイヨジョーヌを獲得したフルームほかチームスカイ勢は剛性の高いアルミ製のバイブシリーズでハンドル周りを固めている。
アナトミックやシャローといった形状に加えて様々なサイズ、素材もカーボン、アルミといった実に多くのバリエーションを揃えることで、選手は自分の好みに合ったパーツチョイスができる。このPROの強みは、世界最高峰の舞台で戦う選手だけでなく、ホビーライダーも享受できる。様々なラインナップの中から、競技レベルの違いはもちろん、予算、好みや体格に合わせて個々のサイクリストに最適な商品が選べるからだ。
PRO VIBEシリーズ スペック
素材 | T800 UD カーボン(カーボン)、Al-7050-T6(7S) | |
クランプ径 | 31.8mm | |
シェイプ別ラインアップ (リーチ/ドロップ) | ラウンド(80/131mm) | カーボン/400mm、7S/420mm |
コンパクト(79/131mm) | カーボン/400mm、カーボン/420mm、 7S/380mm、7S/400mm、7S/420mm | |
アナトミック(79/131mm) | 7S/400mm、7S/420mm | |
重量 | 190g(カーボン)、260g(7S) | |
税抜価格 | 39,600円(カーボン)、11,000円(7S) |
PRO VIBE カーボンステム
素材 | Al-7050-T6/UDカーボンラップ(本体)、Al-6061(キャップ)、チタン(ボルト) |
アングル | 10° |
長さ | 80~120mm |
クランプ径 | 31.8mm |
重量 | 115g~ |
カラー | カーボン |
価格 | 20,000円(税抜) |
PRO VIBE 7S ステム
素材 | Al-7050(本体)、Al-6061(キャップ) |
アングル | 10° |
長さ | 80~120mm |
クランプ径 | 31.8mm |
重量 | 120g~ |
価格 | 12,000円(税抜) |
21日間の激闘を支えたSHIMANOとPRO
今年のツール・ド・フランスにおいて、デュラエースは合わせてステージ14勝を挙げたのみならず、第1ステージから最終第21ステージまでマイヨジョーヌをキープするという快挙を成し遂げた。シマノサポートチームの活躍は、デュラエースのもつアドバンテージを勝利と共に証明し、21日間の激闘を終えた。残るこれからのシーズン、そして来年のツールでの活躍にも今から目が離せない。提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード