2013/06/17(月) - 11:02
SYNAPSE Hi-MODで重要視されたのは剛性、軽さ、快適性、強度など個々の性能をバランスさせることだ。どれかひとつが突出しているのではなく、全ての性能を高いレベルで同時に共存させること。軽さと強度においては、EVOから採用されているバリステックカーボンテクノロジーで問題なくクリアした。
では何が新SYNAPSEを、新SYNAPSEたらしめているのか。今回はキャノンデールが新たに生み出したテクノロジーについて紹介していく。
トルクを受け止めるBBシェルも、68mmから5mm拡幅され73mmとなった「BB30A」に進化し剛性がさらにアップしている。チェーンステー幅もワイドになったことで従来よりも太いタイヤの装着も可能になった。さらに、踵のクリアランスも両足でそれぞれ10mmずつとなり、ポジションの自由度も大きくなったのだ。高剛性化だけでなく疲労の軽減にもつながっている。ちなみに、クランクは従来のBB30規格のものが使用可能だ。
ロードバイクを乗るにあたり、ライダーを悩ませる振動や衝撃は次の3種類に大別される。路面から手に「ビリビリ」と伝わってくるノイズ(高周波振動)。劣化した舗装や砂利の小さなギャップを走ったときの「コツコツ」と感じる振動。そして路面に開いた穴や突き出た石畳からの「ガツン」とした衝撃。SAVE PLUSはこれらの不快な要素を的確に取り除く。
まず、路面からの高周波振動は、カーボンレイアップのコントロールとフォーク、ステーを独特の形状にすることで打ち消している。そのチューブ形状は”へリックス”、つまり螺旋形状で、フォーク、ステーの限られた長さのなかで縦・横の偏平や太さを変化させることで振動減衰距離を稼ぐというもの。結果、ライダーには路面ノイズが到達しなくなるという。
次に、路面の小さなギャップに対してはフォークとステーがシームレスに作用しあうことでシッティング、ダンシングを問わず同等の快適性を得る。特殊形状のチェーンステーが垂直方向に可動することで、路面の小さなギャップに対する快適性と路面追従性に寄与している。横剛性も高くなり、瞬発力も向上している。
チェーンステーの垂直方向の振動はへリックス形状のシートステーによりコントロールされる。これにより高い快適性を維持しつつもねじれ剛性を損なうことがないのだ。フロントセクションのマイクロサスペンションを担うのが、これもまた複雑な形状を持ったフロントフォーク。オフセットしたフロントエンドが路面のギャップに合わせて前方に可動することで振動を捌いてくれる。
そして、大きな衝撃を緩和するのが、25.4mmにダウンサイズされた細いシートポストと美しい曲線を描くシートチューブ。シートチューブの形状は付け根から横偏平しながら弓なりになっており、絶妙にしなることで衝撃からライダーを守る。
さらに、シートポストを押し子で固定するカラーレスシートクランプと極細シートポストが組み合わされ、路面から衝撃を受けた際、大きなたわみを生み出す。27.2mm径のノーマルクランプタイプと比較すると体重100kgで113%大きくたわみ、飛躍的に快適性を向上させている。
SAVE PLUSはあらゆる路面状況下、あらゆる乗車姿勢での快適性とハンドリングを約束するのである。
適度な長さのヘッドチューブはレースバイクのハンドリングとアップライトなポジショニングを両立させたもの。ヘッド角も細かに調整され、サイズごとに異なるオフセットのフォークが組み合わされる。その結果、異なるフレームサイズ間においても同等のライドフィールを実現している。
女性モデルにもS.E.R.G.が採用され、5サイズ展開となる。今までサイズに悩んでいた女性には吉報だ。長めのチェーンステーがホイールベースを長くし、直進安定性としなりを増加させている。タイヤクリアランスも大きくなるので太いタイヤも装着可能になっている。
これら新投入されたニューテクノロジーがあってこそ、新柄SYNAPSEはペーター・サガン始めクラシックにおけるキャノンデール・プロサイクリングの好成績を生み出したのである。
次ページでは、新型SYNAPSEのインプレッションをお伝えする。
では何が新SYNAPSEを、新SYNAPSEたらしめているのか。今回はキャノンデールが新たに生み出したテクノロジーについて紹介していく。
パワーピラミッド:双胴デザインを持つ剛性の要
このニューマシンを見たときに、最も目を引くのはシートチューブのBB側、二又に分かれた構造だろう。快適性を重視したエンデュランスロードと呼ばれるジャンルにありながら、サガンの脅威のパワーを受け止め、好成績に繋げた肝とも呼べる部分がこの「パワーピラミッド」である。さらに特徴的な形状のシートチューブ下部の双胴部は左右非対称デザインとなり、一般的なパイプ形状のものと比べ、重量増加を抑えながらも剛性が向上している。トルクを受け止めるBBシェルも、68mmから5mm拡幅され73mmとなった「BB30A」に進化し剛性がさらにアップしている。チェーンステー幅もワイドになったことで従来よりも太いタイヤの装着も可能になった。さらに、踵のクリアランスも両足でそれぞれ10mmずつとなり、ポジションの自由度も大きくなったのだ。高剛性化だけでなく疲労の軽減にもつながっている。ちなみに、クランクは従来のBB30規格のものが使用可能だ。
SAVE PLUS:しなやかな乗り心地と究極の路面追従性を司る
EVOではSPEED SAVEとして搭載されていたマイクロサスペンションも、SYNAPSE Hi-MODではSAVE PLUSとなってさらに進化している。SAVE PLUSは、フロントフォーク、リアステー、シートチューブの形状を複雑に変化させ、さらにカーボンの積層を最適化することで、快適性と路面追従性を飛躍的に向上させたテクノロジーだ。ロードバイクを乗るにあたり、ライダーを悩ませる振動や衝撃は次の3種類に大別される。路面から手に「ビリビリ」と伝わってくるノイズ(高周波振動)。劣化した舗装や砂利の小さなギャップを走ったときの「コツコツ」と感じる振動。そして路面に開いた穴や突き出た石畳からの「ガツン」とした衝撃。SAVE PLUSはこれらの不快な要素を的確に取り除く。
まず、路面からの高周波振動は、カーボンレイアップのコントロールとフォーク、ステーを独特の形状にすることで打ち消している。そのチューブ形状は”へリックス”、つまり螺旋形状で、フォーク、ステーの限られた長さのなかで縦・横の偏平や太さを変化させることで振動減衰距離を稼ぐというもの。結果、ライダーには路面ノイズが到達しなくなるという。
次に、路面の小さなギャップに対してはフォークとステーがシームレスに作用しあうことでシッティング、ダンシングを問わず同等の快適性を得る。特殊形状のチェーンステーが垂直方向に可動することで、路面の小さなギャップに対する快適性と路面追従性に寄与している。横剛性も高くなり、瞬発力も向上している。
チェーンステーの垂直方向の振動はへリックス形状のシートステーによりコントロールされる。これにより高い快適性を維持しつつもねじれ剛性を損なうことがないのだ。フロントセクションのマイクロサスペンションを担うのが、これもまた複雑な形状を持ったフロントフォーク。オフセットしたフロントエンドが路面のギャップに合わせて前方に可動することで振動を捌いてくれる。
そして、大きな衝撃を緩和するのが、25.4mmにダウンサイズされた細いシートポストと美しい曲線を描くシートチューブ。シートチューブの形状は付け根から横偏平しながら弓なりになっており、絶妙にしなることで衝撃からライダーを守る。
さらに、シートポストを押し子で固定するカラーレスシートクランプと極細シートポストが組み合わされ、路面から衝撃を受けた際、大きなたわみを生み出す。27.2mm径のノーマルクランプタイプと比較すると体重100kgで113%大きくたわみ、飛躍的に快適性を向上させている。
SAVE PLUSはあらゆる路面状況下、あらゆる乗車姿勢での快適性とハンドリングを約束するのである。
S.E.R.G. レースとコンフォートのイイトコ取りした万能ジオメトリー
S.E.R.G.(SYNAPSE Endurance Race Geometry)はつまり、エンデュランスレースで勝つことを目的として、SYNAPSE Hi-MODのために新たに打ち出されたジオメトリーである。EVOのレーシングジオメトリと、前作SYNAPSEのコンフォートジオメトリのちょうど中間に値する数値だ。適度な長さのヘッドチューブはレースバイクのハンドリングとアップライトなポジショニングを両立させたもの。ヘッド角も細かに調整され、サイズごとに異なるオフセットのフォークが組み合わされる。その結果、異なるフレームサイズ間においても同等のライドフィールを実現している。
女性モデルにもS.E.R.G.が採用され、5サイズ展開となる。今までサイズに悩んでいた女性には吉報だ。長めのチェーンステーがホイールベースを長くし、直進安定性としなりを増加させている。タイヤクリアランスも大きくなるので太いタイヤも装着可能になっている。
これら新投入されたニューテクノロジーがあってこそ、新柄SYNAPSEはペーター・サガン始めクラシックにおけるキャノンデール・プロサイクリングの好成績を生み出したのである。
次ページでは、新型SYNAPSEのインプレッションをお伝えする。
提供:キャノンデール・ジャパン text:神宮司 高広