2013/04/26(金) - 11:43
TCR アドバンスドは、最上位モデルである「アドバンスド SL」に注がれるハイテクテクノロジーを継承し、レースのために生まれたミドルグレードレベルの本格レーシングバイクだ。同じくミドルグレードに位置するアルミバイク、TCR SLと双璧を成すレーシングモデルだが、こちらはカーボンの「しっとり感」を持たせつつ、プロをも納得させる走行性能が与えられていることが特徴である。
ジャイアント TCR ADVANCED 2
フレーム本体はT-700グレードのカーボン原糸を織り上げたシートを用いる。これらはもちろん全てジャイアントの自社工場内で一括生産されるため、品質も折り紙つきだ。フロントトライアングルは継ぎ目の無いワンピースとして成形され、二次工程でシートステーとチェーンステーを取り付ける工法を取る。
ダウンチューブは多角形断面とし、高い剛性に寄与させる
超オーバーサイズ化された「OVER DRIVE2ヘッドチューブ」
高い剛性を誇るストレートフォーク
最上位モデルのADVANCED SLから受け継いでいる技術として、下1-1/2インチ、上1-1/4インチを誇る超オーバーサイズ化された「OVERDRIVE2ヘッドチューブ」がある。これは、高速コーナーやダウンヒルでのコントロール性、そして強いトルクの掛かるスプリント時にも耐えうる剛性を与えるための新機構。ねじれ剛性とステアリング剛性を従来のオーバードライブと比較して30%向上させたリアルレーシングスペックを投入したことがTCR アドバンスド最大のトピックスである。
また大径ベアリングをフレームに直接圧入した「POWERCORE BB」を導入。下位モデルのコンポジットと同様だが、更にペダリング剛性と耐久性を向上させつつ軽量化も達成している。
扁平かつ大きくスローピングしたトップチューブ。TCRの基本にならった作りだ
ワイドなボリュームを持たせたヘッドチューブ周辺の造形
RIDESENSEと名づけられた埋め込み式のANT+センサーを標準装備
BB86プレスフィットを採用
左側チェーンステーにはRIDESENSEと名づけられた埋め込み式のANT+センサーを標準装備。また、機械式/シマノ電動コンポーネントに完全対応したコンパティブル仕様となり、アウターケーブルはフレーム内蔵に。Di2バッテリーは非駆動側チェーンステー下側に配置させる。
テスト車両として用意したのは、コンポーネントをシマノ・105フルセット、ホイールに上級パーツを使ったP-SL1を採用した「TCR アドバンスド2」。チェーンホイールはコンパクト仕様ではなく、フロントギアは53-39Tとし、本格的にレース参戦を見据えるライダーに最適なセッティングとされている。
微妙にアールを描くシートステー。素早く衝撃を吸収させる
サドルはフィジークのアリオネを採用するなど細部まで手を抜かないパーツアッセンブルながら、完成車パッケージで239,400円と、ビギナーから乗り換えを考える中級者まで、手の届きやすい価格を実現した。このあたりは「ジャイアントらしさ」の現れる部分といえるだろう。
「パリッとした剛性感と軽快感。上り勾配での急加速性に秀でる」
パリッとしたフィーリングがあって軽やか。カーボンミドルグレードですが、反応性はアルミのTCR SLに匹敵するほど良好です。しかし振動のいなし方も上質で、コンポジットのようにゆっくりと振動を吸収するのではなく、もっと軽妙に振動を消してくれます。アルミフレームには無い、カーボンならではの乗り心地があります。
やはり今回テストした中での最上級フレームとあって、他のどのモデルよりもバイクが振りやすく、ダンシングしやすいですね。シャキシャキとして軽快感も非常に高く、どんなシチュエーションでも気持よく走ることができるでしょう。とにかくスルスルと進んでくれるイメージを強く感じました。
「パリッとした剛性感と軽快感。上り勾配での急加速性に秀でる」橘田脩平(湘南ベルマーレ)
剛性感が強いため、サドルに座ってゆったりと走るよりも、ギアを掛けてダンシングを多用して走りたくなりますね。ダウンヒルでハードブレーキングをしても車体がブレないため、レーサーレベルでも安心して下りを攻めこむことができました。
価格と照らし合わせるのがためらわれるほど、車重が軽く、ヒルクライムにも適しています。ケイデンスを上げても疲れが少なく、進みも良いため高回転のペダリングを長く持続させることができますね。スパスパとギアが掛かるため、上りでのアタックも得意と言えるでしょう。特に群馬CSCなど、高速で上りをクリアするような場面では武器になってくれるはずです。
一方、ロングライドにも適した柔軟性もあり、反応性が高く軽快に走れるから長距離も楽しめる。良い意味で適切な「たわみ」があって、トルクをうまく逃がしてくれる。剛性の高さが仇になることは無いはずです。
「上級者から体力自慢のビギナーまで満足できる高性能フレーム」
「中級者から体力自慢のビギナーまで満足できる高性能フレーム」神宮司高広 3年前にチームバイクとして同じTCRアドバンスドに乗っていましたが、今回改めてテストしたところ、とても進化していて驚きました。特にヘッド周りが非常に剛性感に富んでいて、スプリントや上りアタックでもライダーのパワーをガッチリ受け止めて、推進力に変換してくれます。
剛性の高さはブレーキングにも強く影響していて、全く不安感は感じられませんでした。大型化されたヘッドチューブの効果がしっかりと性能として出ていることに好感が持てました。リアバックの剛性もしっかりとコントロールされていて、軽いギアで回すとバネ感を活かしてジャンプするように加速してくれました。
BB周辺の剛性感も十分で、力をかけられるポイントが広いため、重たいギアでグイグイと進むのが得意ですね。それでいてある程度のたわみ感があるので、踏み込んだ際も疲れが溜まりにくいことが意外でした。この特性は平地の高速巡航でも効果的に発揮されます。
振動の伝わりに関しては他の4台とまったく異ります。素材の柔らかさで振動を吸収するのではなく、フレームの要所要所で収束させるイメージ。かなりスピーディに振動が処理されます。
ビギナーから中級者くらいであれば「こんなに速く走れる自転車があるんだな」と思わされるバイクです。しかも価格もぐっとリーズナブルになっていて好感が持てますね。すでに自転車経験がある人や本格レース志向の方に最適ですが、基礎体力の高い方や、「ロードレーサー」を味わってみたいビギナーにはオススメです。
最上級モデル同様のテクノロジーを導入した、ハイコストパフォーマンスモデル

フレーム本体はT-700グレードのカーボン原糸を織り上げたシートを用いる。これらはもちろん全てジャイアントの自社工場内で一括生産されるため、品質も折り紙つきだ。フロントトライアングルは継ぎ目の無いワンピースとして成形され、二次工程でシートステーとチェーンステーを取り付ける工法を取る。



最上位モデルのADVANCED SLから受け継いでいる技術として、下1-1/2インチ、上1-1/4インチを誇る超オーバーサイズ化された「OVERDRIVE2ヘッドチューブ」がある。これは、高速コーナーやダウンヒルでのコントロール性、そして強いトルクの掛かるスプリント時にも耐えうる剛性を与えるための新機構。ねじれ剛性とステアリング剛性を従来のオーバードライブと比較して30%向上させたリアルレーシングスペックを投入したことがTCR アドバンスド最大のトピックスである。
また大径ベアリングをフレームに直接圧入した「POWERCORE BB」を導入。下位モデルのコンポジットと同様だが、更にペダリング剛性と耐久性を向上させつつ軽量化も達成している。




左側チェーンステーにはRIDESENSEと名づけられた埋め込み式のANT+センサーを標準装備。また、機械式/シマノ電動コンポーネントに完全対応したコンパティブル仕様となり、アウターケーブルはフレーム内蔵に。Di2バッテリーは非駆動側チェーンステー下側に配置させる。
テスト車両として用意したのは、コンポーネントをシマノ・105フルセット、ホイールに上級パーツを使ったP-SL1を採用した「TCR アドバンスド2」。チェーンホイールはコンパクト仕様ではなく、フロントギアは53-39Tとし、本格的にレース参戦を見据えるライダーに最適なセッティングとされている。

サドルはフィジークのアリオネを採用するなど細部まで手を抜かないパーツアッセンブルながら、完成車パッケージで239,400円と、ビギナーから乗り換えを考える中級者まで、手の届きやすい価格を実現した。このあたりは「ジャイアントらしさ」の現れる部分といえるだろう。
ジャイアント TCR ADVANCED 2 スペック
サイズ | 430(XS)、465(S)、500(M)、535(ML)mm |
マテリアル | Advanced-Grade Composite |
フォーク | Advanced-Grade Composite、OverDrive2 Column |
コンポーネント | シマノ 105 |
ホイール | ジャイアント P-SL1 |
重量 | 7.8kg(500mm) |
価格 | 239,400円(税込み) |
インプレッション
「パリッとした剛性感と軽快感。上り勾配での急加速性に秀でる」
橘田脩平(湘南ベルマーレ)
パリッとしたフィーリングがあって軽やか。カーボンミドルグレードですが、反応性はアルミのTCR SLに匹敵するほど良好です。しかし振動のいなし方も上質で、コンポジットのようにゆっくりと振動を吸収するのではなく、もっと軽妙に振動を消してくれます。アルミフレームには無い、カーボンならではの乗り心地があります。やはり今回テストした中での最上級フレームとあって、他のどのモデルよりもバイクが振りやすく、ダンシングしやすいですね。シャキシャキとして軽快感も非常に高く、どんなシチュエーションでも気持よく走ることができるでしょう。とにかくスルスルと進んでくれるイメージを強く感じました。

剛性感が強いため、サドルに座ってゆったりと走るよりも、ギアを掛けてダンシングを多用して走りたくなりますね。ダウンヒルでハードブレーキングをしても車体がブレないため、レーサーレベルでも安心して下りを攻めこむことができました。
価格と照らし合わせるのがためらわれるほど、車重が軽く、ヒルクライムにも適しています。ケイデンスを上げても疲れが少なく、進みも良いため高回転のペダリングを長く持続させることができますね。スパスパとギアが掛かるため、上りでのアタックも得意と言えるでしょう。特に群馬CSCなど、高速で上りをクリアするような場面では武器になってくれるはずです。
一方、ロングライドにも適した柔軟性もあり、反応性が高く軽快に走れるから長距離も楽しめる。良い意味で適切な「たわみ」があって、トルクをうまく逃がしてくれる。剛性の高さが仇になることは無いはずです。
「上級者から体力自慢のビギナーまで満足できる高性能フレーム」
神宮司高広

剛性の高さはブレーキングにも強く影響していて、全く不安感は感じられませんでした。大型化されたヘッドチューブの効果がしっかりと性能として出ていることに好感が持てました。リアバックの剛性もしっかりとコントロールされていて、軽いギアで回すとバネ感を活かしてジャンプするように加速してくれました。
BB周辺の剛性感も十分で、力をかけられるポイントが広いため、重たいギアでグイグイと進むのが得意ですね。それでいてある程度のたわみ感があるので、踏み込んだ際も疲れが溜まりにくいことが意外でした。この特性は平地の高速巡航でも効果的に発揮されます。
振動の伝わりに関しては他の4台とまったく異ります。素材の柔らかさで振動を吸収するのではなく、フレームの要所要所で収束させるイメージ。かなりスピーディに振動が処理されます。
ビギナーから中級者くらいであれば「こんなに速く走れる自転車があるんだな」と思わされるバイクです。しかも価格もぐっとリーズナブルになっていて好感が持てますね。すでに自転車経験がある人や本格レース志向の方に最適ですが、基礎体力の高い方や、「ロードレーサー」を味わってみたいビギナーにはオススメです。
提供:ジャイアント 編集:シクロワイアード編集部