2013/04/26(金) - 11:41
ジャイアントロードバイクのパフォーマンスラインの中核を成すのがTCRシリーズだ。Team Compact Roadの名の通り、ヘッドチューブやホイールベースを短く取ることでよりレーシーな走りに対応したラインナップである。他方、ロングライド指向のディファイシリーズは、シート/ヘッドチューブアングルを寝かせ、アップライトなポジションを取る。
ジャイアント TCR SL 2
素材とグレードによりカーボン3種類、アルミ2種類とカテゴライズされるTCRシリーズの中で、上級アルミモデルとして位置づけられるのがこのTCR SL。シマノ・105コンポーネントを搭載、完成車で159,600円というプライスを実現した1台が、インプレッションを行ったTCR SL 2だ。
リーズナブルなプライスに目が行きがちなTCR SL 2だが、しかし、ターゲットに据えるのはズバリ「アルミ素材の剛性感を好むシリアスライダー」。アルミバイクながら最上級クラスのカーボンバイクと双璧をなす、上級ピュアレーサーとして位置づけられるバイクだ。
上1-1/4、下1-1/2、「OVERDRIVE 2」規格の特大ヘッドチューブ。フロント剛性が飛躍的に向上している
ジャイアントがTCR SLの素材に採用するのが「ALUXX SL SLWT」アルミだ。Super Light Weight Technologyにより、通常の「ALUXX SL」を極限までシェイプアップしたチューブを独自のパイプ形状で成型することで、軽さと剛性を高いレベルで両立している。
幾多の手間を加えることで生まれたTCR SLは、スタンダードTCRに対して20%の軽量化を達成。フレーム単体重量は1050gをマークするに至った。
105のコンパクトクランク。ヒルクライムからレースまで即実戦投入可能だ
BB86規格の「パワーコアBB」。高いパワー伝達性と敏捷性を実現する
ステアリングコラムは従来採用されてきた下側1-1/4”の「オーバードライブ」システムから、トップモデルと同じ上側1-1/4”、下側1-1/2”の「オーバードライブ2」に進化。これによりスプリント性、ダウンヒルでの安定性の向上を図っている。
BB86のボトムブラケットや大きく後端をえぐったシートチューブ、専用エアロシートポストなど、上位機種同様の機構を数多く盛り込むあたりは、コストパフォーマンスに優れるジャイアントらしさが現れている部分。コンポーネントはシマノ・105のフルセットとし、レース入門機材としては必要にして十分と言える。クランクは50-34Tのコンパクトと、ビギナーに最適な仕様だ。
シートチューブはエアロ形状。後端をえぐるエアロフォルムは上位モデル同様だ
カーボンに匹敵する性能が与えられたTCR SL 2は、ジャイアントが送り出すアルミロードの真打的マシン。レースを視野に入れるビギナーにはベストな選択と言えるだろう。
「軽量で際立つ反応性の高さ。レースの苦しい場面で食らいつける」
このTCR SLは、2013年シーズンから実際に私が乗っている湘南ベルマーレのチームバイクと同一のもの。今日は改めてテストバイクに乗ってみました。
特筆すべきはダンシングした際に反応が早く、リズムを取りやすいことです。重心が低いためにバイクを振りやすく、キレがありますね。実業団のJPTクラスでは展開次第でスピードの上げ下げがかなり激しいのですが、上り勾配でグッとスピードが上がっても食らいつくことができます。
「軽量で際立つ反応性の高さ。レースの苦しい場面で食らいつける」 橘田脩平(湘南ベルマーレ)
非常に剛性感が高く、速度の伸びも良い。苦しい局面でも、ギアを掛けることさえできれば速い。バイク自身が前に進もうとするので、ライダーのやる気を奮い立たせてくれます。ジオメトリー的にハンドルにしがみつけるため平地巡航もしやすく、シート角がディファイと比べ立っているため、引き足も使いやすいです。スピードの維持を比較的楽に行うことが可能です。
とにかく軽量で、本当にアルミなのかと疑ってしまいますね。質量的な軽さは、長い上りでも武器になってくれるでしょう。上りではトルクを掛けるより、回転重視のペダリングが向いているはずです。重心が低いためか下りではスピードの乗りが良く、爽快なフィーリングが味わえますね。
一方、剛性の高さと引き換えに、荒れた路面ではマシンが跳ねやすいことは事実です。しかしヘッド長が短く、ハンドルに荷重をかけやすいジオメトリーのため、スキル次第では押さえ込めるはず。乗りなれて、ある程度の実力が付けば問題にならない範疇でしょう。
オススメは、クリテリウムを中心としたレース用。ライダーのレベルが上がっても、このバイクなら末永く付き合うことができるはずです。日本の距離が短いレース用マシンとしてはかなり適していると言えるでしょう。
「最新のカーボンフレームにも負けない洗練された走り」
「最新のカーボンフレームにも負けない洗練された走り」 神宮司高広 ひと踏み目から一般的なアルミバイクとは違う雰囲気を感じました。よく進み、よく登る!。ダンシングがしやすくシャキシャキ進むというように、レーシングバイクとしての味が前面に押し出されています。レース指向のバイクとしてその味が全面に出ていますね。
剛性感はパワー系ライダーな僕好み。反応が早く、踏んだら踏んだだけスピードに乗り、巡航だろうがスプリントだろうが、重たいギアがガンガン踏める。特に平地や短い登りのアタック、スプリントに強い。高速域でこそ真価を発揮してくれます。
短い登りでは大きなギアを使い、パワーで突っ込むのが良いですが、長い登りでは軽めのギアを使い、自分のリズムで走るのが向いているかと感じます。脚への反発が強い性格ですので、トルクをかけて登るとビギナーにはややキツいかもしれません。レースでアタックがかかった場合なども、ギアを重くするのではなくペダルの回転数を上げて対応するほうが良いと感じました。
フレームもフォークも剛性が高くしっかりとしているため、通じて下りでの性能も高いレベルにあります。テスト時はウェットコンディションだったのですが、必要以上に不安に駆られることもありませんでした。体重に左右される面はありますが、多少の荒れた路面なら力で押しきれるはずです。
このフレームは、いわば「アルミフレームの最終進化形」かな、と思わされました。それほど完成されている。余計な角が立っておらず洗練され、レースからロングライドまで無理なくこなせるポテンシャルがあります。レベル・用途問わずあらゆるライダーにおススメできます。

素材とグレードによりカーボン3種類、アルミ2種類とカテゴライズされるTCRシリーズの中で、上級アルミモデルとして位置づけられるのがこのTCR SL。シマノ・105コンポーネントを搭載、完成車で159,600円というプライスを実現した1台が、インプレッションを行ったTCR SL 2だ。
リーズナブルなプライスに目が行きがちなTCR SL 2だが、しかし、ターゲットに据えるのはズバリ「アルミ素材の剛性感を好むシリアスライダー」。アルミバイクながら最上級クラスのカーボンバイクと双璧をなす、上級ピュアレーサーとして位置づけられるバイクだ。

ジャイアントがTCR SLの素材に採用するのが「ALUXX SL SLWT」アルミだ。Super Light Weight Technologyにより、通常の「ALUXX SL」を極限までシェイプアップしたチューブを独自のパイプ形状で成型することで、軽さと剛性を高いレベルで両立している。
幾多の手間を加えることで生まれたTCR SLは、スタンダードTCRに対して20%の軽量化を達成。フレーム単体重量は1050gをマークするに至った。


ステアリングコラムは従来採用されてきた下側1-1/4”の「オーバードライブ」システムから、トップモデルと同じ上側1-1/4”、下側1-1/2”の「オーバードライブ2」に進化。これによりスプリント性、ダウンヒルでの安定性の向上を図っている。
BB86のボトムブラケットや大きく後端をえぐったシートチューブ、専用エアロシートポストなど、上位機種同様の機構を数多く盛り込むあたりは、コストパフォーマンスに優れるジャイアントらしさが現れている部分。コンポーネントはシマノ・105のフルセットとし、レース入門機材としては必要にして十分と言える。クランクは50-34Tのコンパクトと、ビギナーに最適な仕様だ。

カーボンに匹敵する性能が与えられたTCR SL 2は、ジャイアントが送り出すアルミロードの真打的マシン。レースを視野に入れるビギナーにはベストな選択と言えるだろう。
ジャイアント TCR SL 2 スペック
サイズ | 430(XS)、465(S)、500(M)、535(ML)mm |
マテリアル | ALUXX SL-Grade Aluminium Super Light Weight Tecnology |
フォーク | Advanced-Grade Composite、OverDrive2 Columm |
コンポーネント | シマノ 105 |
ホイール | ジャイアント P-R2(リム) FORMULA Cartridge Bearing(ハブ) |
重量 | 8.0kg(465mm) |
価格 | 159,600円(税込) |
インプレッション
「軽量で際立つ反応性の高さ。レースの苦しい場面で食らいつける」
橘田脩平(湘南ベルマーレ)
このTCR SLは、2013年シーズンから実際に私が乗っている湘南ベルマーレのチームバイクと同一のもの。今日は改めてテストバイクに乗ってみました。特筆すべきはダンシングした際に反応が早く、リズムを取りやすいことです。重心が低いためにバイクを振りやすく、キレがありますね。実業団のJPTクラスでは展開次第でスピードの上げ下げがかなり激しいのですが、上り勾配でグッとスピードが上がっても食らいつくことができます。

非常に剛性感が高く、速度の伸びも良い。苦しい局面でも、ギアを掛けることさえできれば速い。バイク自身が前に進もうとするので、ライダーのやる気を奮い立たせてくれます。ジオメトリー的にハンドルにしがみつけるため平地巡航もしやすく、シート角がディファイと比べ立っているため、引き足も使いやすいです。スピードの維持を比較的楽に行うことが可能です。
とにかく軽量で、本当にアルミなのかと疑ってしまいますね。質量的な軽さは、長い上りでも武器になってくれるでしょう。上りではトルクを掛けるより、回転重視のペダリングが向いているはずです。重心が低いためか下りではスピードの乗りが良く、爽快なフィーリングが味わえますね。
一方、剛性の高さと引き換えに、荒れた路面ではマシンが跳ねやすいことは事実です。しかしヘッド長が短く、ハンドルに荷重をかけやすいジオメトリーのため、スキル次第では押さえ込めるはず。乗りなれて、ある程度の実力が付けば問題にならない範疇でしょう。
オススメは、クリテリウムを中心としたレース用。ライダーのレベルが上がっても、このバイクなら末永く付き合うことができるはずです。日本の距離が短いレース用マシンとしてはかなり適していると言えるでしょう。
「最新のカーボンフレームにも負けない洗練された走り」
神宮司高広

剛性感はパワー系ライダーな僕好み。反応が早く、踏んだら踏んだだけスピードに乗り、巡航だろうがスプリントだろうが、重たいギアがガンガン踏める。特に平地や短い登りのアタック、スプリントに強い。高速域でこそ真価を発揮してくれます。
短い登りでは大きなギアを使い、パワーで突っ込むのが良いですが、長い登りでは軽めのギアを使い、自分のリズムで走るのが向いているかと感じます。脚への反発が強い性格ですので、トルクをかけて登るとビギナーにはややキツいかもしれません。レースでアタックがかかった場合なども、ギアを重くするのではなくペダルの回転数を上げて対応するほうが良いと感じました。
フレームもフォークも剛性が高くしっかりとしているため、通じて下りでの性能も高いレベルにあります。テスト時はウェットコンディションだったのですが、必要以上に不安に駆られることもありませんでした。体重に左右される面はありますが、多少の荒れた路面なら力で押しきれるはずです。
このフレームは、いわば「アルミフレームの最終進化形」かな、と思わされました。それほど完成されている。余計な角が立っておらず洗練され、レースからロングライドまで無理なくこなせるポテンシャルがあります。レベル・用途問わずあらゆるライダーにおススメできます。
提供:ジャイアント 編集:シクロワイアード編集部