2013/04/26(金) - 11:40
台湾が世界に誇る"巨人"ブランド ジャイアント
ジャイアント。その名の如く世界最大の"巨人"ブランド。世界最高の生産量と、その裏付けとなる高い生産技術を誇り、世界の自転車工場である台湾を牽引する。
ロードバイクからMTB、シクロクロスや街乗り用のフラットバーロードやミニベロまで豊富にラインナップし、例えばロードモデルでもトッププロ向けハイエンドモデルからビギナー向けモデルまで揃い、その選択肢は明瞭かつ非常に多い。そしてそれらは他のブランドと比較しても、飛び抜けてリーズナブルなことが特徴だ。しかもただ安いだけでなく、品質や性能は折り紙つき。世界一のメーカーだからこそ成せる技である。
マウンテンバイクで90年代を席巻したジャイアントがプロロードレースシーンにデビューしたのは、当時のローラン・ジャラベールやホセバ・ベロキを擁しトップチームとして活動したオンセチームに機材供給をした1998年。大きくスローピングしたトップチューブで前三角を小さくした革新的かつ奇抜な「コンパクトロード」フレームは、ツール・ド・フランスを中心に多くのビッグレースで活躍し、時代の流れを完全に変えた。
ONCE以降もT-モバイルやラボバンクと一流チームへの機材供給を継続し、2013年シーズンはラボバンクを前身とするブランコプロサイクリングをスポンサード。UCIワールドツアーの初戦であるツアー・ダウンアンダーにてトムイェルテ・スラグテルが総合優勝、パリ~ルーベでもセプ・ファンマルケが2位に入るなど、シーズン初頭から様々なレースでオールラウンドな活躍を見せている。
エントリー向け5モデルをインプレッション
今回の乗り比べインプレッションでは、レーシング用のTCRと、ロングライド用のディファイの2ラインから、グレードによって初~中級者カテゴリーに位置づけられた計5モデルをテストした。プロライダーたちの駆るフラッグシップモデルをあえて対象から外し、ホビーサイクリストがまず購入の対象にするグレードの比較インプレッションとした。ある意味、ジャイアントのロードバイクがもっとも得意とするボリュームゾーンだ。コンポジットはカーボンフレームのエントリーグレード。カーボンの特徴である、ロングライドでも疲れを残さない上質な乗り心地をビギナーに知ってもらうため、全世界的に1500ドル近辺のセンセーショナルな価格帯で販売される世界戦略モデルだ。今回はTCRとディファイの2モデルをテストした。
さらにジャイアント得意のアルミモデルからは、ディファイ1をチョイス。スタンダードなALUXX-SLアルミを使用し、105をアッセンブルした「本格ロードレーサー」を身近にするモデルだ。
以上のエントリークラスに加え、中級者やレースにチャレンジしたいビギナー層に向けて、TCRシリーズからはアルミの「SL」とカーボンの「アドバンスド」もチョイスした。SLはフルアルミで安価だが、アルミ素材のハリのある特性を活かしてガンガン走れる、プロが使っても十分なポテンシャルを持つ。アドバンスドは高弾性カーボンを使い、レーシングモデルながらアルミ素材を上回る振動吸収性と乗り心地を持たせている。
インプレライダーのプロフィール
神宮司 高広
メッセンジャー出身のフリーライター。バイク機材を大量に購入、使い倒してきた経験をもとに各自転車雑誌、ウェブで執筆中。水泳、総合格闘技の経験者で、持ち前のパワーを活かしてスプリントとタイムトライアルを得意とする。市民レースで複数の入賞暦あり。仕事とともにレース活動もより力を入れて行きたいと考えている。184cm、71kg。橘田脩平(湘南ベルマーレ)
1990年1月12日生まれ。湘南ベルマーレに所属し2011年実業団TTチャンピオンシップE1で3位入賞。2012年シーズンからJPTに参戦、輪島やクリテリウムなどで完走。レース外ではホノルルセンチュリーライドの実走サポートスタッフやキッズスクールを通じてサイクルスポーツの普及に努めている。大学院生として学業と並行してレース活動を続けることが目標。普段はTCR SLに乗る。提供:ジャイアント 編集:シクロワイアード編集部