2012/10/11(木) - 07:21
“ぽかぽかランド美麻エイド”から始まる距離4km標高差300mの登坂で、メタボ会長と全く変わらぬ力量を露呈してしまった私。今までメタボ会長に平坦路で千切られる事は何度かあったものの、10%近い登坂でオヤジを突き放せなかった記憶は存在しない。
これ以上の醜態を晒す訳にはいかないと固く心に誓った私は、気持ちをキリっと引き締めてコース後半に挑む。
アップダウンンの続く山間部を走りぬけます。
曽山給水所前の8%勾配が3km続く登坂も無事にクリアしました。
しばしの休憩ですっかり回復を果たした私たちは再びコースに復帰する。「さっきの所で最大の難所は越えたから、この後は楽勝だよ!」得意げな表情で話しかけてくるメタボ会長ではあるが、この言葉を額面通りに受け取る訳にはいかない。コース図によると次の”大峰高原エイド”までの20km区間は山間部のアップダウンをこなしながら3kmほどの登坂が2本控える、そこそこ難儀なレイアウトなのだ。
沈む心に鞭打ちながら走り続ける私とは対照的に、前を走るメタボ会長の表情は明るい。「ここからはテクニカルな下り坂が続くから、調子に乗ってすっ飛ばしてるとコースアウトしちゃうぞ!」「この坂は見た目より楽チンに登れた覚えがあるぞ!」所々でオヤジの自慢げなアドバイスを聞きながら走ると、なるほどレイアウト図ほどの難易度は感じない。この先は楽勝だと豪語していたメタボ会長の言葉もまんざら誇張でもなかったようだ。
ハンガーノック対策は万全?オヤジにはただのオヤツです。
ほぼ自転車専用道路。クルマとすれ違う事は皆無です。
高原部にはソバの白い花が一面に拡がっています。
緑のトンネルに包まれた林道を進みます。ちょっと涼しい。
山間部を爽やかに駆け抜けた私たちは、軽い疲労感とともに”大峰高原エイド”に転がり込む。このエイドが今大会の最高標高地点だ。ここでは温かい味噌おにぎりが迎えてくれる。「おにぎりはいっぱいありますから、好きなだけ食べてくださいね。」と言ってくれるお姉さんの言葉がとても嬉しい。
遥か眼下に大町地区を一望しながら頂く味噌おにぎりは格別である。この先にはもう厳しい登坂が無い事もあり、周囲の参加者さんもみな笑顔で味噌おにぎりにかぶりついている。
山頂から見下ろす景色は素晴らしいの一言に尽きます。
「好きなだけ食べて下さいね。」なんて素敵なお姉様なんだろう。
お言葉に甘えて4個目のおにぎりを頂く。とっても幸せです。
ばっちり決めたジュニアライダー君。将来が楽しみです。
大峰高原の味噌おにぎりでガッツリ昼食を済ませた私たちが次に目指すは”松川エイド”だ。もうこの先に登坂はないため、私の心も軽い。
ほぼ自転車専用道と化した林道を走ると、目前に大峰高原の名所”オオカエデ”が現れる。別名”七色大楓”とも呼ばれるこの大樹は、樹齢200~250年と言われ、高さ12m、枝先の直径15mの大きさで、1年の間に七色の変化を見せるらしい。その姿は紅葉の季節にもう一度訪れたいと思わせる雰囲気を醸し出している。
”緑のオオカエデ”のあまりの巨大さに驚きながらも、松川地区を目指してひたすら下って行く。平野部に降りると一本道の平坦な農道が続き、大峰高原エイドからわずか40分で”松川エイド”に到着だ。
これがオオカエデ。写真では伝わり辛いがかなりデカイ。
松川地区を目指して下り坂が続きます。
撮影に勤しむ編集長。これが彼の仕事ですから正しい姿です。
一直線に伸びるド平坦な農道をのんびり走ります。
たまたま同日開催の駅伝大会とバッティング。「頑張れ~!」
すんなりと松川エイドに到達。一番の楽チン区間でした。
ここ”松川エイド”では地産の白桃とリンゴが振る舞われる。ここでもやはり「好きなだけ食べて下さい。」と云う有難い言葉が響く。「おぉ~!今度はデザートが食い放題かぁ!こりゃ最高な大会だな!」満面の笑みを浮かべながらフルーツを貪り食うメタボ会長の姿は無邪気な子供にしか見えない。味噌おにぎり食べ放題に続く、フルーツ食べ放題に参加者の皆さんも大満足の様子だ。
これだけ次から次へと充実したエイドが続くと、”北アルプス山麓グルメフォンド”という名称でも違和感はないとすら感じるほどだ。
白桃とリンゴの食べ放題は素晴らしい!予算は大丈夫でしょうか?
「これお土産に買って帰る!」メタボ会長も大満足です。
この松川エイド地点で走破距離は66km、やっと行程の3分の2を消化だ。思い返すと最初の3分の1区間からは想像もつかないほどハードな区間であった。この先は緩斜面をだらだら登るだけで難所はないのだが、この緩斜面が私には厄介な区間になりそうだ。
と言うのも、メタボ会長が最も得意とするのがこの緩斜面の登りなのだ。7%を越える登坂ではヘッポコライダー丸出しのオヤジなのだが、3%以下になると自脚の強さに任せて、まるで平地のごとく30km/h近くで巡航してしまうのだ。
いざ走り出すとやはり私の懸念通り、編集長とメタボ会長による緩斜面高速巡航が始まる。最軽量の私には悶絶の28km/h巡航だ。まるでド平坦路かのように重いギアを苦もなく踏みぬくメタボ会長が憎らしくすら感じる。とにかく二人のスリップから外れない事に集中して走るしかない。
一度ドラフトから外れると二度と追いつけなくなる事は明らかな状況だが、ここは私の意地の見せ所だ。私にはオヤジごとき初心者に千切られる訳にはいかないキャリアという名のプライドもある。
緩斜面を淡々とこなす皆さんの表情はとても明るい。
緩い登りを全く苦にすることなくオヤジはツキ進む。
拷問にも似た巡航の末、最後のオアシス”大町温泉郷エイド”に流れ込む。ここでは、大町名物の”おざんざ”と4年に1度開催されるブルベの最高峰パリ~ブレスト~パリを記念して創られたという銘菓”パリブレスト”が迎えてくれる。この聞きなれない”おざんざ”とは、長野県大町地区名物の乾麺で塩を全く使わずに納豆の酵素を繋ぎに使ったお腹に優しい麺だそうだ。
「この大会はこれでもか!って位、いろんな食べ物がでてくるな!まったく素晴らしい大会だよ!ほんとにお腹いっぱいになっちゃうな!」
そう言いながら、おざんざを腹に流し込むメタボ会長のその姿は本当に幸せそうである。やはり、今大会はグルメフォンドで間違いなさそうだ。ここまでエイドが充実した大会にはなかなかお目に掛かれない事をメタボ会長の満足げな表情が物語っている。
一方の私は、痙攣寸前まで追い込まれた太腿のマッサージに専念だ。もちろんこんな無様な姿をオヤジに見られる訳にはいかないため、物陰に隠れて施術に勤しんでいた事は言うまでも無い。
”おざんざ”を流し込む。オヤジの食欲に限界は存在しない。
パリブレストを提供してくれた杏さんと再会できました。
撮影のため先発した編集長から遅れる事15分。デザートで満腹のメタボ会長とともに、マッサージで幾分回復を果たした私がコースに戻る。ゴールまでは残り12kmだが、相変わらずの緩斜面が続くため油断は禁物だ。メタボ会長の背後に張り付きながらのランデブーは続くが、編集長が居ない今、巡航速度は24km/h辺りに落ち着いてくれている。この速度域であれば私の貧脚でも対応できそうだ。
どうやら、悶絶ペースを作り出していたのは編集長だったようである。ひょっとしてあの高速巡航は私の脚質を熟知する編集長の嫌がらせだった?一瞬良からぬ考えが頭をよぎるが・・。いやいや考えるのは止そう。あの人格者に限ってそんな企てを行う筈がないではないか!とひたすら自分に言い聞かせようと努める。
平野部のソバ畑でも白い花が咲き乱れています。
黄金色の稲穂の中をダラダラと上り道が続きます。。
田んぼの中でひとりシャッターチャンスを覗う編集長。
最後の難関に突入です。ゴールまであと1.5km。
しばし走ると、先発した編集長が黄金色の稲穂の中で撮影に勤しむ姿に出くわす。こちらに気づいて手を挙げる編集長の無垢な笑顔を見た私はようやく確信できた。やはりこの人は単に仕事熱心なステキな上司だったようだ。
その後、撮影に勤しむ彼を置き去りにした私たちはいよいよゴールまで2km地点に差し掛かる。この先、1.6kmで130mの登坂を処理すれば今大会の全行程が完了だ。
幸い、ラスト10kmをメタボ会長のドラフトに隠れ続けて走った私の脚は軽い。一気に脚の止まったメタボ会長を追い越しながら涼しい顔を装い声を掛ける。
「会長のゴール写真を押さえる必要がありますから先行しますね。無理せずノンビリ登って来てください。あと1kmですから頑張って!」この一言で、やっと一矢報いる事が出来たような錯覚を覚えながらゴール地点に辿り着き、カメラを構える私のもとにメタボ会長が帰ってくる。
最後の登坂でヘロヘロになりながら険しい表情でゴールを迎えるメタボ会長と、余裕の笑顔でシャッターを切る私。ようやくいつもの見慣れた風景を取り戻せた瞬間だった。
緩斜面にはめっぽう強いが、急斜面にはとにかく弱い。
「最後にこの登りは反則だよ。」オヤジの背中が悲しく呟く。
納得いかない表情でゴールを迎える。
「しっかり走っていっぱい食べたぞ!」何故ここでガッツポーズ?
私たちに遅れる事15分。撮影を終わらせた編集長もゴール地点に戻って来たが、その表情にもあまり余裕はなさそうだ。もっとも、編集長は仕事で来ているのだから疲れ切ってこそ正しい姿だと言えよう。そんな取材で疲れ切った編集長を捕まえて、オヤジが捲し立てている。
「いやぁ~今回は最高に美味しかったな!最初に温泉ウドン食って、ぽかぽかランドでバナナ3本。それから美麻でキュウリにトマトに漬物だろ?それから大峰高原で味噌おにぎり4個食って、松川でモモ2個分とリンゴ半個分。最後におざんざ食って、デザートにパリブレストだもん。これだけ食べ尽くしたイベントは初めてだな!天気も良かったし、コースもそこまでキツくないし、まさに理想の大会だったよ!」一方的に感想を述べるメタボ会長ではあるが、その表情は抜群の輝きを放ちながら満足感に満ち溢れている。
正直、このメタボ会長の言葉には私も全く同意である。実際、私がお邪魔したイベントの中で最もエイドが充実しているイベントに今大会が分類されるのは間違いない。それほど今回は食べ応えのある内容だったと言えるだろう。主催者サイドの”おもてなし”の心が伝わってくる大会だった。
メタボ会長以上にお疲れの編集長。仕事だから当たり前ですよね。
ゴール後にも記念撮影の列ができる。全く理解に苦しむ現象だ。
「今日は楽しかったな!一足先に風呂に入ってるから、君たちも片付けが終わったらとっとと来いよ!」
そう言い残して、鹿島槍スポーツビレッジのゲストハウスに向かうメタボ会長。そんなオヤジの背中を見送りながら、いつものように淡々と片付けに取り組む編集長と私であった。
今回、編集部チームが実走取材にお伺いした"北アルプス山麓グランフォンド2012"を支えて下さった大会関係者並びにサポートスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。 編集部一同。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
「ポイ捨てはダメだぞ!」 メタボ会長
身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 3年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立し平成17年に社長を引退。平成20年よりメディア事業部にて当サイトの運営責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。ゴルフと暴飲暴食をこよなく愛し、タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。
これ以上の醜態を晒す訳にはいかないと固く心に誓った私は、気持ちをキリっと引き締めてコース後半に挑む。
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しばしの休憩ですっかり回復を果たした私たちは再びコースに復帰する。「さっきの所で最大の難所は越えたから、この後は楽勝だよ!」得意げな表情で話しかけてくるメタボ会長ではあるが、この言葉を額面通りに受け取る訳にはいかない。コース図によると次の”大峰高原エイド”までの20km区間は山間部のアップダウンをこなしながら3kmほどの登坂が2本控える、そこそこ難儀なレイアウトなのだ。
沈む心に鞭打ちながら走り続ける私とは対照的に、前を走るメタボ会長の表情は明るい。「ここからはテクニカルな下り坂が続くから、調子に乗ってすっ飛ばしてるとコースアウトしちゃうぞ!」「この坂は見た目より楽チンに登れた覚えがあるぞ!」所々でオヤジの自慢げなアドバイスを聞きながら走ると、なるほどレイアウト図ほどの難易度は感じない。この先は楽勝だと豪語していたメタボ会長の言葉もまんざら誇張でもなかったようだ。
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山間部を爽やかに駆け抜けた私たちは、軽い疲労感とともに”大峰高原エイド”に転がり込む。このエイドが今大会の最高標高地点だ。ここでは温かい味噌おにぎりが迎えてくれる。「おにぎりはいっぱいありますから、好きなだけ食べてくださいね。」と言ってくれるお姉さんの言葉がとても嬉しい。
遥か眼下に大町地区を一望しながら頂く味噌おにぎりは格別である。この先にはもう厳しい登坂が無い事もあり、周囲の参加者さんもみな笑顔で味噌おにぎりにかぶりついている。
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大峰高原の味噌おにぎりでガッツリ昼食を済ませた私たちが次に目指すは”松川エイド”だ。もうこの先に登坂はないため、私の心も軽い。
ほぼ自転車専用道と化した林道を走ると、目前に大峰高原の名所”オオカエデ”が現れる。別名”七色大楓”とも呼ばれるこの大樹は、樹齢200~250年と言われ、高さ12m、枝先の直径15mの大きさで、1年の間に七色の変化を見せるらしい。その姿は紅葉の季節にもう一度訪れたいと思わせる雰囲気を醸し出している。
”緑のオオカエデ”のあまりの巨大さに驚きながらも、松川地区を目指してひたすら下って行く。平野部に降りると一本道の平坦な農道が続き、大峰高原エイドからわずか40分で”松川エイド”に到着だ。
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ここ”松川エイド”では地産の白桃とリンゴが振る舞われる。ここでもやはり「好きなだけ食べて下さい。」と云う有難い言葉が響く。「おぉ~!今度はデザートが食い放題かぁ!こりゃ最高な大会だな!」満面の笑みを浮かべながらフルーツを貪り食うメタボ会長の姿は無邪気な子供にしか見えない。味噌おにぎり食べ放題に続く、フルーツ食べ放題に参加者の皆さんも大満足の様子だ。
これだけ次から次へと充実したエイドが続くと、”北アルプス山麓グルメフォンド”という名称でも違和感はないとすら感じるほどだ。
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この松川エイド地点で走破距離は66km、やっと行程の3分の2を消化だ。思い返すと最初の3分の1区間からは想像もつかないほどハードな区間であった。この先は緩斜面をだらだら登るだけで難所はないのだが、この緩斜面が私には厄介な区間になりそうだ。
と言うのも、メタボ会長が最も得意とするのがこの緩斜面の登りなのだ。7%を越える登坂ではヘッポコライダー丸出しのオヤジなのだが、3%以下になると自脚の強さに任せて、まるで平地のごとく30km/h近くで巡航してしまうのだ。
いざ走り出すとやはり私の懸念通り、編集長とメタボ会長による緩斜面高速巡航が始まる。最軽量の私には悶絶の28km/h巡航だ。まるでド平坦路かのように重いギアを苦もなく踏みぬくメタボ会長が憎らしくすら感じる。とにかく二人のスリップから外れない事に集中して走るしかない。
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そう言いながら、おざんざを腹に流し込むメタボ会長のその姿は本当に幸せそうである。やはり、今大会はグルメフォンドで間違いなさそうだ。ここまでエイドが充実した大会にはなかなかお目に掛かれない事をメタボ会長の満足げな表情が物語っている。
一方の私は、痙攣寸前まで追い込まれた太腿のマッサージに専念だ。もちろんこんな無様な姿をオヤジに見られる訳にはいかないため、物陰に隠れて施術に勤しんでいた事は言うまでも無い。
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どうやら、悶絶ペースを作り出していたのは編集長だったようである。ひょっとしてあの高速巡航は私の脚質を熟知する編集長の嫌がらせだった?一瞬良からぬ考えが頭をよぎるが・・。いやいや考えるのは止そう。あの人格者に限ってそんな企てを行う筈がないではないか!とひたすら自分に言い聞かせようと努める。
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しばし走ると、先発した編集長が黄金色の稲穂の中で撮影に勤しむ姿に出くわす。こちらに気づいて手を挙げる編集長の無垢な笑顔を見た私はようやく確信できた。やはりこの人は単に仕事熱心なステキな上司だったようだ。
その後、撮影に勤しむ彼を置き去りにした私たちはいよいよゴールまで2km地点に差し掛かる。この先、1.6kmで130mの登坂を処理すれば今大会の全行程が完了だ。
幸い、ラスト10kmをメタボ会長のドラフトに隠れ続けて走った私の脚は軽い。一気に脚の止まったメタボ会長を追い越しながら涼しい顔を装い声を掛ける。
「会長のゴール写真を押さえる必要がありますから先行しますね。無理せずノンビリ登って来てください。あと1kmですから頑張って!」この一言で、やっと一矢報いる事が出来たような錯覚を覚えながらゴール地点に辿り着き、カメラを構える私のもとにメタボ会長が帰ってくる。
最後の登坂でヘロヘロになりながら険しい表情でゴールを迎えるメタボ会長と、余裕の笑顔でシャッターを切る私。ようやくいつもの見慣れた風景を取り戻せた瞬間だった。
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私たちに遅れる事15分。撮影を終わらせた編集長もゴール地点に戻って来たが、その表情にもあまり余裕はなさそうだ。もっとも、編集長は仕事で来ているのだから疲れ切ってこそ正しい姿だと言えよう。そんな取材で疲れ切った編集長を捕まえて、オヤジが捲し立てている。
「いやぁ~今回は最高に美味しかったな!最初に温泉ウドン食って、ぽかぽかランドでバナナ3本。それから美麻でキュウリにトマトに漬物だろ?それから大峰高原で味噌おにぎり4個食って、松川でモモ2個分とリンゴ半個分。最後におざんざ食って、デザートにパリブレストだもん。これだけ食べ尽くしたイベントは初めてだな!天気も良かったし、コースもそこまでキツくないし、まさに理想の大会だったよ!」一方的に感想を述べるメタボ会長ではあるが、その表情は抜群の輝きを放ちながら満足感に満ち溢れている。
正直、このメタボ会長の言葉には私も全く同意である。実際、私がお邪魔したイベントの中で最もエイドが充実しているイベントに今大会が分類されるのは間違いない。それほど今回は食べ応えのある内容だったと言えるだろう。主催者サイドの”おもてなし”の心が伝わってくる大会だった。
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「今日は楽しかったな!一足先に風呂に入ってるから、君たちも片付けが終わったらとっとと来いよ!」
そう言い残して、鹿島槍スポーツビレッジのゲストハウスに向かうメタボ会長。そんなオヤジの背中を見送りながら、いつものように淡々と片付けに取り組む編集長と私であった。
今回、編集部チームが実走取材にお伺いした"北アルプス山麓グランフォンド2012"を支えて下さった大会関係者並びにサポートスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。 編集部一同。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です

身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 3年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立し平成17年に社長を引退。平成20年よりメディア事業部にて当サイトの運営責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。ゴルフと暴飲暴食をこよなく愛し、タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。
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