2012/08/17(金) - 14:03
今年も茨城県下妻市の筑波サーキットを舞台にした真夏のエンデューロ、「全日本10時間耐久サイクリング inつくば」が、8月11日(土)に開催された。例年に比べれば過ごしやすい天候だったのものの、コースでは熱い戦いが繰り広げられた。
「つくば10耐」との呼び名も既に定着して長く経つ、夏の定番ロード系耐久エンデューロイベントが、今年で17回目の開催を迎える「全日本10時間耐久サイクリング inつくば」だ。名称のとおり、イベントの舞台となるのは茨城県千代川村にある筑波サーキット。
クルマやオートバイ専用のテクニカルなクローズドサーキットとして筑波サーキットは、1周2,070mと比較的コンパクトなコース設定。しかし道幅はクルマが走るサーキットだけに自転車で走るのには充分で、整った路面コンディションは非常に走りやすいと毎年評判だ。イベントのスタートは午前9時と比較的遅めのため、当日入りする人にも割と朝の余裕があるのが嬉しいところ。東京からならばおよそ2時間ほどで到着するアクセスの良さも特徴だ。
午前9時、気温も25℃を優に超える中でグリーンシグナルが灯り、レースがスタート。日の暮れる午後7時まで、10時間に渡る暑く熱い戦いが始まった。
つくば10耐の特徴として、カテゴリーは、ロードレーサーだけの男子チーム編成の「Menロード」や「男女混成ロード」、クロスバイクやMTBのクラス「Menフラットバー」や、車種も男女ライダーも混ぜ合わせた「男女・車種混成」、それにユニークなのはメンバー全員が50歳以上の「シニア」のクラスまで計10もの、多くのカテゴリーが用意されること。そのためレベルの高いMenロードではちょっと自信の無いチームでも、カテゴリーによっては表彰台に上るチャンスもある。
この日のエントリーは125チーム、569人。例年に比べると数が少ないが、その分ゆったりとコースを走ることができていたとのこと。例年の工夫だが、速いライダーと遅いライダーが交錯しないようコースには簡易的な中央線が設けられたり、プロのモトライダーがビッグスクーターで巡回してくれたりと事故を未然に防ぐ策が講じられている。
1人あたり50分以上の連続走行が禁止されているので、各チームは戦略を組んでテキパキとライダーチェンジを繰り返していく。ストップウォッチとローテーション表を持ち込むチームがほとんどで、中には無線機を使ってライダーに指示を出しているプロ顔負けの本格派も...と思ったらファンライド&アールビーズメンバーで構成された「fuji200.jp」チームでした。
ちなみに、例年であればシクロワイアードチームも参戦していたのだが、今年は都合がつかずに私、CW編集部の磯部のみが取材にお邪魔したため出走は無し。皆さんが本当に楽しげに周回を重ているのを見ていると、自然と走りたい衝動に駆られてくる。
会場では「今年は出走していないんですか?」や「メタボ会長の姿が見えないのですが...え?出ていないんですか残念です。」という声を多く掛けて頂いた。(ちなみに後者が圧倒的に多かった。)来年はまた会長を引き連れてぜひとも参加したいと感じた次第である。
この日は天気は曇りがちで「例年に比べると過ごしやすい」との声を多く聞くことができた。しかし湿度が非常に高く、路面からの照り返しは曇りがちながらも眩しく、コースサイドでカメラを構えているだけで汗が吹き出してくるほど。走りやすいコースだけに結構な勢いで飛ばすライダーの熱中症が心配になってくるが、MTBのリアキャリアに応急セットを装備した医療チームがコースを並走してくれるので安心だ。
10時間に渡る耐久レースということもあってか、会場は「楽しみながら完走を目指すチーム」の割合が非常に高いことに気づいた。目を三角にしてストイックに走っているチームが少ないので、ビギナーがエンデューロに初参加するには最適のイベントと言えるだろう。
夕方からは小雨が降りだす生憎の天候となったが、この雨によって気温もぐっと落ち着いた。18時を過ぎると辺りもうっすらと暗くなり、バイクに装着されたテールライトの明かりが濡れたコースの路面に映り込む。
ピットクローズ時刻となる18時半が近づくと、各チームは最後のライダーチェンジをし、最終ライダーをすっかりと夜の帳に包まれたコースへ送り出していく。この辺りはなにか、モータースポーツの耐久レースを生で観ているのに通じる感動を覚えた。オレンジのコース照明に照らされたコースを駆け抜けていくライダー達。やはり耐久レースのハイライトは夜の場面だ。きっと実際に参加していたらどんなに楽しかったことだろうか。
そして19時になり、Menロードでトップを守りぬいた「CycleClubジャマイカ」チームがガッツポーズでゴールラインを切り、10時間に渡るレースが幕を閉じた。ゴールを切ってからは、残りの半周を最終走者が一段となってのパレードラン。最後はコースサイドで仲間に迎えられ、全てのライダーがピットへと戻っていった。
昨年に引き続き、真夏の太陽の下のスタートから、雨に濡れながらも感動のゴールとなった後半戦まで、めまぐるしく変わる天候。その一日を通して仲間と共に走り切った感動は何にも変えられないものとなったのでは無いだろうか。表彰式や、走り終えた皆さんの特別な笑顔を見て、そう感じた次第である。
来年はぜひともチームを組んで参加するぞ!
text&photo:So.Isobe
「つくば10耐」との呼び名も既に定着して長く経つ、夏の定番ロード系耐久エンデューロイベントが、今年で17回目の開催を迎える「全日本10時間耐久サイクリング inつくば」だ。名称のとおり、イベントの舞台となるのは茨城県千代川村にある筑波サーキット。
クルマやオートバイ専用のテクニカルなクローズドサーキットとして筑波サーキットは、1周2,070mと比較的コンパクトなコース設定。しかし道幅はクルマが走るサーキットだけに自転車で走るのには充分で、整った路面コンディションは非常に走りやすいと毎年評判だ。イベントのスタートは午前9時と比較的遅めのため、当日入りする人にも割と朝の余裕があるのが嬉しいところ。東京からならばおよそ2時間ほどで到着するアクセスの良さも特徴だ。
午前9時、気温も25℃を優に超える中でグリーンシグナルが灯り、レースがスタート。日の暮れる午後7時まで、10時間に渡る暑く熱い戦いが始まった。
つくば10耐の特徴として、カテゴリーは、ロードレーサーだけの男子チーム編成の「Menロード」や「男女混成ロード」、クロスバイクやMTBのクラス「Menフラットバー」や、車種も男女ライダーも混ぜ合わせた「男女・車種混成」、それにユニークなのはメンバー全員が50歳以上の「シニア」のクラスまで計10もの、多くのカテゴリーが用意されること。そのためレベルの高いMenロードではちょっと自信の無いチームでも、カテゴリーによっては表彰台に上るチャンスもある。
この日のエントリーは125チーム、569人。例年に比べると数が少ないが、その分ゆったりとコースを走ることができていたとのこと。例年の工夫だが、速いライダーと遅いライダーが交錯しないようコースには簡易的な中央線が設けられたり、プロのモトライダーがビッグスクーターで巡回してくれたりと事故を未然に防ぐ策が講じられている。
1人あたり50分以上の連続走行が禁止されているので、各チームは戦略を組んでテキパキとライダーチェンジを繰り返していく。ストップウォッチとローテーション表を持ち込むチームがほとんどで、中には無線機を使ってライダーに指示を出しているプロ顔負けの本格派も...と思ったらファンライド&アールビーズメンバーで構成された「fuji200.jp」チームでした。
ちなみに、例年であればシクロワイアードチームも参戦していたのだが、今年は都合がつかずに私、CW編集部の磯部のみが取材にお邪魔したため出走は無し。皆さんが本当に楽しげに周回を重ているのを見ていると、自然と走りたい衝動に駆られてくる。
会場では「今年は出走していないんですか?」や「メタボ会長の姿が見えないのですが...え?出ていないんですか残念です。」という声を多く掛けて頂いた。(ちなみに後者が圧倒的に多かった。)来年はまた会長を引き連れてぜひとも参加したいと感じた次第である。
この日は天気は曇りがちで「例年に比べると過ごしやすい」との声を多く聞くことができた。しかし湿度が非常に高く、路面からの照り返しは曇りがちながらも眩しく、コースサイドでカメラを構えているだけで汗が吹き出してくるほど。走りやすいコースだけに結構な勢いで飛ばすライダーの熱中症が心配になってくるが、MTBのリアキャリアに応急セットを装備した医療チームがコースを並走してくれるので安心だ。
10時間に渡る耐久レースということもあってか、会場は「楽しみながら完走を目指すチーム」の割合が非常に高いことに気づいた。目を三角にしてストイックに走っているチームが少ないので、ビギナーがエンデューロに初参加するには最適のイベントと言えるだろう。
夕方からは小雨が降りだす生憎の天候となったが、この雨によって気温もぐっと落ち着いた。18時を過ぎると辺りもうっすらと暗くなり、バイクに装着されたテールライトの明かりが濡れたコースの路面に映り込む。
ピットクローズ時刻となる18時半が近づくと、各チームは最後のライダーチェンジをし、最終ライダーをすっかりと夜の帳に包まれたコースへ送り出していく。この辺りはなにか、モータースポーツの耐久レースを生で観ているのに通じる感動を覚えた。オレンジのコース照明に照らされたコースを駆け抜けていくライダー達。やはり耐久レースのハイライトは夜の場面だ。きっと実際に参加していたらどんなに楽しかったことだろうか。
そして19時になり、Menロードでトップを守りぬいた「CycleClubジャマイカ」チームがガッツポーズでゴールラインを切り、10時間に渡るレースが幕を閉じた。ゴールを切ってからは、残りの半周を最終走者が一段となってのパレードラン。最後はコースサイドで仲間に迎えられ、全てのライダーがピットへと戻っていった。
昨年に引き続き、真夏の太陽の下のスタートから、雨に濡れながらも感動のゴールとなった後半戦まで、めまぐるしく変わる天候。その一日を通して仲間と共に走り切った感動は何にも変えられないものとなったのでは無いだろうか。表彰式や、走り終えた皆さんの特別な笑顔を見て、そう感じた次第である。
来年はぜひともチームを組んで参加するぞ!
text&photo:So.Isobe
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