2012/07/29(日) - 23:10
長野県白馬村を舞台に開催されたスペシャライズドデイズ。初日レポートに続いて今回は、編集部のROUBAIXエンデュランス参加レポートを中心にお届けします。
最長120km、獲得標高2000m超!信州の雄大な自然を駆けたロングライド ROUBAIXエンデュランス
DHやヒルクライム、SUCCなどオン/オフを問わず、大きく盛り上がりを見せたスペシャライズドデイズ初日。2日目最初の種目となるのが「ROUBAIX」のタイトルが付けられたロングライドイベントだ。コースは40、80、120kmの3コースが用意され、20kmコースには6時半出発の早出組と、7時半出発の遅出組があり、この日のために遠方から来るライダーも時間に余裕ができる嬉しい配慮だ。
メインとなる120kmコースの実走レポートを担当する私、シクロワイアード編集部 磯部は遅出組で出発することに。大会2日目は、前日に強烈な大雨を降らせた雨雲はどこかに消え、曇りながらも走りやすい天候に恵まれた。
スタート地点には詰まったのは250名。早出組も250名と、初回大会にして500名のエントリーは大きな数字だと思う。とはいえ何千人規模ではないので、スタートも落ち着いていて良い感じ。4人ずつ出発していくウェーブの中に混じって私もスタートを切った。
この120kmコースは、距離こそグランフォンドに及ばないものの、獲得標高は2000mを越えるなかなかハードなもの。しかし前半は木崎湖などを眺めながらの平坦コースを行く。のんびりペースでサイクリングを楽しんでいたのだが、後ろからこの日のために来日した、スペシャライズド本社のタイヤ開発責任者のクリス・ワイアット氏と、アジア地区を統括するトニー・ハードリック氏が追いついてきたのでご一緒させて頂くことに。
序盤こそ35km/hほどの適度なペースで進んでいたのだが、ここに健脚の参加者さん一行が加わり、あろうことかペースが激化。気持ちのよい湖畔サイクリングは一転食らいつくのがやっとのレースペースとなり、もちろん第1エイドは通過(休憩したかった...)。本社のお二方は「Great fun!」と仰るのだが、私には悶絶のペースである。
結局最初の峠で千切られてしまい、私の脚は距離100kmを残して完全に売り切れる結果となってしまった。あれほど速い方が開発担当なんだから、良い製品ができるんだな...と離れていく背中を拝見しながら感じた。
売り切れた脚でへろへろと細かいアップダウンをクリアしていく。緑の濃い森の中を走るので、スピードが出ていなくとも充分に楽しめるコースだ。3つ目の上りを超えると、県道55号線のテクニカルなダウンヒルが15kmに渡って続く。この途中に2番めの八坂エイドが設けられていたとのことだが、気づきにくい位置にあったようで通過してしまった。トマトやキュウリが準備されていたとのことでかなり残念な感じ。
素彫りのトンネルが連続する楽しい林道を抜け、やがて麻績エイドに到着。待ちに待ったお昼タイムだ。こちらで振舞われたのは、塩味が嬉しい地元のお漬物やいなり寿司、ねぎ味噌をつけていただくおにぎりなど、美味しくてついお腹を重たくしてしまったほど。
前日も感じたのだが、スペシャライズドデイズは先行3,000円、通常5,000円のエントリーフィーでどれだけの種目に参加してもOKというリーズナブルさ。その安さでこれだけ充実した内容とは正直思っていなかった。
さきほど見事に千切られた本社部隊に追いついたので、話を聞いた。「とても良くオーガナイズされた大会でとても楽しんでいるよ。日本の田舎風景はとても美しいね。この辺りは走るのに最高のロケーションさ」とはクリス氏。本当に自転車が好きというのが表情から伝わってきた。
補給を終えると次のエイド目指して走りだす。この頃には太陽も顔を出し、走るのにはうってつけの気候に。日差しは強いものの標高が高いので、30℃弱程度と非常に走りやすい。この地区にサイクリングイベントが多いことも頷ける。最高のロケーションだ。
コースはまたも山間へ。長い上りは無いが、短く斜度のある勾配が断続的に続くハードなルート。下りもかなりテクニカルかつグレーチングも多いが、参加している皆さんは中級者以上の方が多い。ある程度脚力と下りのスキルがあれば本当に楽しめるコースだ。
坂を上り切った大岡エイドでは焼きたてパンと信州りんごジュースを味わい、長い下りを経て小川エイドへ。こちらでは美味しい「おやき」とレッドブルで「翼」をゲット。確実に食べ過ぎな感があるけれど、こういうイベントは楽しまなきゃ損だ。
大町街道に出て、緩い上りをずっと走る。最後の美麻エイドを出れば、残る上りはあと一つ。長いトンネルを迂回する急勾配の小さな峠をクリアし、北アルプスの山々を見渡せる、ゴールまで続く平坦エリアへ。走りやすいルートはここまで頑張ってきた参加者へのご褒美だ。最後はHakuba47へと続く短い上りをクリアしてゴールへと飛び込んだ。
走行距離は120kmよりもやや少ない112.7km。獲得標高は2000mとかなり走りごたえがあり、ロケーションもエイドステーションの内容も文句なし。一つのイベントとして独立していてもまったくおかしくないほどの充実したロングライドイベントだった。
仲間で!ソロで!走りやすいコースで開催されたMTBエンデューロ EPICカップ
「デイズ」2日目のMTBメインイベントは、Hakuba47に作られた1周2kmの特設コースで行われた「EPICカップ」。ビギナーからエキスパートまでが楽しめるよう設定されたコースで、2・4・6時間のクラス別で、それぞれ男子、女子、混合、ソロなど多くのクラスに分かれて競技が行われた。
8時のスタートを前にゲートには200名以上のライダーが集結。スペシャライズド契約選手の小野寺健選手の激を受け、スタート前にヒートアップ。前日からの雨により路面のところどころはマッドコンディションではあったが、天候はみるみる回復し、スタート直後には快晴の空が現れた。
スタート直後は技術的な熟練度の違いから、渋滞も発生したものの、レースといえど譲り合いの精神で大きなトラブルなく進行していく。
あっと言う間に時間が経過し、2時間耐久の選手はラストスパート!!スプリントレースさながらに、どんどんゴールラインを通過していきます。男子ソロの部では2時間で18周回を重ねた猛者も!(平均時速で21キロ)
中盤からは契約ライダーでオリンピック出場を決めた片山梨絵選手がスペシャルゲストとして登場し、コースイン。オリンピック選手と一緒に走るという滅多に無い機会に恵まれた皆さんも楽しそうな様子こんな豪華ゲストと共に走ることもできるのも、デイズの良い所だ。
会場に美味しい昼食の匂いが漂い始める頃には4時間部門も終盤に。4時間の部の表彰式が終わる頃、Hakuba 47会場には真っ黒な雨雲が・・・。6時間耐久の選手が走るのみとなったコースには水たまりも増え、スリッピーで難しいコンディションに。
泥まみれになりながらも、集中力を切らさないように、ラップを重ねていく選手たち。スタートからずっとサポートを務める小野寺選手はコース上の安全を確認しながらも、ハイペースで走り続けていく。
そして、いよいよ14時を迎え、スタートから6時間経過。全てを走りきった選手にも、達成感と安堵から自然と笑みが。お互いの健闘を称えながらゴールゲートを通過していた。EPICカップが終了する頃にはROUBAIX エンデュランスを完走した参加者が続々とゴールゲートをくぐり、大会のフィナーレが近づいていた。
スペシャライズドデイズは今年が初開催のイベントながら、2日間で集まった参加者はのべ1500人。普段ロードしか乗らない人でもMTBの魅力に触れることができたし、その逆も然り。そして各競技の難易度が高過ぎないために、XCマシンでDHに出てみたりと、ジャンルの枠を越えた楽しみを味わえるイベントだ。
MCやDJが盛り上げてくれる会場もとても雰囲気が良く、参加した方はそれぞれ皆が楽しめたはず。来年以降の更なる発展に期待したい大満足イベントだった。
text&photo:Shojiro.Nakabayashi,So.Isobe
最長120km、獲得標高2000m超!信州の雄大な自然を駆けたロングライド ROUBAIXエンデュランス
DHやヒルクライム、SUCCなどオン/オフを問わず、大きく盛り上がりを見せたスペシャライズドデイズ初日。2日目最初の種目となるのが「ROUBAIX」のタイトルが付けられたロングライドイベントだ。コースは40、80、120kmの3コースが用意され、20kmコースには6時半出発の早出組と、7時半出発の遅出組があり、この日のために遠方から来るライダーも時間に余裕ができる嬉しい配慮だ。
メインとなる120kmコースの実走レポートを担当する私、シクロワイアード編集部 磯部は遅出組で出発することに。大会2日目は、前日に強烈な大雨を降らせた雨雲はどこかに消え、曇りながらも走りやすい天候に恵まれた。
スタート地点には詰まったのは250名。早出組も250名と、初回大会にして500名のエントリーは大きな数字だと思う。とはいえ何千人規模ではないので、スタートも落ち着いていて良い感じ。4人ずつ出発していくウェーブの中に混じって私もスタートを切った。
この120kmコースは、距離こそグランフォンドに及ばないものの、獲得標高は2000mを越えるなかなかハードなもの。しかし前半は木崎湖などを眺めながらの平坦コースを行く。のんびりペースでサイクリングを楽しんでいたのだが、後ろからこの日のために来日した、スペシャライズド本社のタイヤ開発責任者のクリス・ワイアット氏と、アジア地区を統括するトニー・ハードリック氏が追いついてきたのでご一緒させて頂くことに。
序盤こそ35km/hほどの適度なペースで進んでいたのだが、ここに健脚の参加者さん一行が加わり、あろうことかペースが激化。気持ちのよい湖畔サイクリングは一転食らいつくのがやっとのレースペースとなり、もちろん第1エイドは通過(休憩したかった...)。本社のお二方は「Great fun!」と仰るのだが、私には悶絶のペースである。
結局最初の峠で千切られてしまい、私の脚は距離100kmを残して完全に売り切れる結果となってしまった。あれほど速い方が開発担当なんだから、良い製品ができるんだな...と離れていく背中を拝見しながら感じた。
売り切れた脚でへろへろと細かいアップダウンをクリアしていく。緑の濃い森の中を走るので、スピードが出ていなくとも充分に楽しめるコースだ。3つ目の上りを超えると、県道55号線のテクニカルなダウンヒルが15kmに渡って続く。この途中に2番めの八坂エイドが設けられていたとのことだが、気づきにくい位置にあったようで通過してしまった。トマトやキュウリが準備されていたとのことでかなり残念な感じ。
素彫りのトンネルが連続する楽しい林道を抜け、やがて麻績エイドに到着。待ちに待ったお昼タイムだ。こちらで振舞われたのは、塩味が嬉しい地元のお漬物やいなり寿司、ねぎ味噌をつけていただくおにぎりなど、美味しくてついお腹を重たくしてしまったほど。
前日も感じたのだが、スペシャライズドデイズは先行3,000円、通常5,000円のエントリーフィーでどれだけの種目に参加してもOKというリーズナブルさ。その安さでこれだけ充実した内容とは正直思っていなかった。
さきほど見事に千切られた本社部隊に追いついたので、話を聞いた。「とても良くオーガナイズされた大会でとても楽しんでいるよ。日本の田舎風景はとても美しいね。この辺りは走るのに最高のロケーションさ」とはクリス氏。本当に自転車が好きというのが表情から伝わってきた。
補給を終えると次のエイド目指して走りだす。この頃には太陽も顔を出し、走るのにはうってつけの気候に。日差しは強いものの標高が高いので、30℃弱程度と非常に走りやすい。この地区にサイクリングイベントが多いことも頷ける。最高のロケーションだ。
コースはまたも山間へ。長い上りは無いが、短く斜度のある勾配が断続的に続くハードなルート。下りもかなりテクニカルかつグレーチングも多いが、参加している皆さんは中級者以上の方が多い。ある程度脚力と下りのスキルがあれば本当に楽しめるコースだ。
坂を上り切った大岡エイドでは焼きたてパンと信州りんごジュースを味わい、長い下りを経て小川エイドへ。こちらでは美味しい「おやき」とレッドブルで「翼」をゲット。確実に食べ過ぎな感があるけれど、こういうイベントは楽しまなきゃ損だ。
大町街道に出て、緩い上りをずっと走る。最後の美麻エイドを出れば、残る上りはあと一つ。長いトンネルを迂回する急勾配の小さな峠をクリアし、北アルプスの山々を見渡せる、ゴールまで続く平坦エリアへ。走りやすいルートはここまで頑張ってきた参加者へのご褒美だ。最後はHakuba47へと続く短い上りをクリアしてゴールへと飛び込んだ。
走行距離は120kmよりもやや少ない112.7km。獲得標高は2000mとかなり走りごたえがあり、ロケーションもエイドステーションの内容も文句なし。一つのイベントとして独立していてもまったくおかしくないほどの充実したロングライドイベントだった。
仲間で!ソロで!走りやすいコースで開催されたMTBエンデューロ EPICカップ
「デイズ」2日目のMTBメインイベントは、Hakuba47に作られた1周2kmの特設コースで行われた「EPICカップ」。ビギナーからエキスパートまでが楽しめるよう設定されたコースで、2・4・6時間のクラス別で、それぞれ男子、女子、混合、ソロなど多くのクラスに分かれて競技が行われた。
8時のスタートを前にゲートには200名以上のライダーが集結。スペシャライズド契約選手の小野寺健選手の激を受け、スタート前にヒートアップ。前日からの雨により路面のところどころはマッドコンディションではあったが、天候はみるみる回復し、スタート直後には快晴の空が現れた。
スタート直後は技術的な熟練度の違いから、渋滞も発生したものの、レースといえど譲り合いの精神で大きなトラブルなく進行していく。
あっと言う間に時間が経過し、2時間耐久の選手はラストスパート!!スプリントレースさながらに、どんどんゴールラインを通過していきます。男子ソロの部では2時間で18周回を重ねた猛者も!(平均時速で21キロ)
中盤からは契約ライダーでオリンピック出場を決めた片山梨絵選手がスペシャルゲストとして登場し、コースイン。オリンピック選手と一緒に走るという滅多に無い機会に恵まれた皆さんも楽しそうな様子こんな豪華ゲストと共に走ることもできるのも、デイズの良い所だ。
会場に美味しい昼食の匂いが漂い始める頃には4時間部門も終盤に。4時間の部の表彰式が終わる頃、Hakuba 47会場には真っ黒な雨雲が・・・。6時間耐久の選手が走るのみとなったコースには水たまりも増え、スリッピーで難しいコンディションに。
泥まみれになりながらも、集中力を切らさないように、ラップを重ねていく選手たち。スタートからずっとサポートを務める小野寺選手はコース上の安全を確認しながらも、ハイペースで走り続けていく。
そして、いよいよ14時を迎え、スタートから6時間経過。全てを走りきった選手にも、達成感と安堵から自然と笑みが。お互いの健闘を称えながらゴールゲートを通過していた。EPICカップが終了する頃にはROUBAIX エンデュランスを完走した参加者が続々とゴールゲートをくぐり、大会のフィナーレが近づいていた。
スペシャライズドデイズは今年が初開催のイベントながら、2日間で集まった参加者はのべ1500人。普段ロードしか乗らない人でもMTBの魅力に触れることができたし、その逆も然り。そして各競技の難易度が高過ぎないために、XCマシンでDHに出てみたりと、ジャンルの枠を越えた楽しみを味わえるイベントだ。
MCやDJが盛り上げてくれる会場もとても雰囲気が良く、参加した方はそれぞれ皆が楽しめたはず。来年以降の更なる発展に期待したい大満足イベントだった。
text&photo:Shojiro.Nakabayashi,So.Isobe
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