2011/08/22(月) - 13:24
真夏のエンデューロ「全日本10時間耐久サイクリング inつくば」が、8月7日(日)茨城県下妻市の筑波サーキットで開催された。夏の太陽を全身に浴びて走る10時間。早くも夏の定番イベントなりそうな新"つくば10耐"の模様をお届けしよう。
「全日本10時間耐久サイクリング inつくば」は、通称"つくば10耐"の名で親しまれる真夏の耐久イベント。すでに今回で16回目を迎える長寿イベントとして、真夏のロード系エンデューロの中でも定番のイベントとなりつつある。
スタートは午前9時、そこから10時間後の午後7時まで。真夏の太陽を浴びてサーキットを走り続け、ラストは日が暮れたなか、感動のゴールを迎えるという長丁場のエンデューロだ。
つくば10耐は、日本サイクリング協会(JCA)の主催で行なわれるイベントだ。タイム計測を行い順位を争うレースではあるが、1チーム3名〜6名構成のチームエントリーが基本となるので、酷暑のなか自分の限界に挑むようなレースではない。どちらかというと、「仲間と一緒に真夏の一日を自転車で楽しもう」という、お祭り的な雰囲気も感じられるエンデューロという趣だ。
バリバリのレース派から仲間とワイワイ楽しく参加するグループまで、広いサーキットを舞台にしたエンデューロの参加者は実に多彩。多くの参加者が同時に安全にイベントを楽しめる工夫が随所に施されている。そのひとつが細かなカテゴリー分けと、徹底されるレース規則だ。
カテゴリーは、ロードレーサーだけの男子チーム編成の「Menロード」や「男女混成ロード」、クロスバイクやMTBのクラス「Menフラットバー」や、車種も男女ライダーも混ぜ合わせた「男女・車種混成」、それにユニークなのはメンバー全員が50歳以上の「シニア」のクラスまで、参加バイクの種類とメンバー構成により実に9クラスも用意される。だから総合順位だけでなく、クラス内での争いも楽しめる工夫がされている。
とはいえ真夏の炎天下での走行は過酷なもの。しっかりとした水分補給を行い、決して無理は禁物だ。気温の高い日中の走行では、熱中症にもなりかねない。そんなライダーの健康を配慮した細かいルールが設定されるのも、つくば10耐のユニークなところ。
例えば10時間のライダーチェンジ回数は18回以上、1人のライダーの連続走行時間は50分以内とする、というルールが設定されるので、ある特定のライダーに極端な負担が掛からないように工夫される。
また周回コースではペースの違いにより、どうしても抜いたり抜かれたりということが出てきてしまう。その際にも混乱がないよう配慮がされた。
ひとつはコース幅の広さを利用して、サーキットには簡易のセンターラインを設置。速いライダーや集団は基本的に左側を走行するというルールが設けられる。
またコース上では、プロのオートバイレーサーがスクーターで終始コースを巡回。速い集団を先導しながら、集団の接近をマイクで周囲にアナウンスしたりしながら、参加者の安全を守っていた。ボランティアの救命・介護スタッフも自転車で見回りを続けているのが安心だ。
こういった主催者による徹底した配慮も手伝って、レースとはいえどもピリピリしたムードとは違い、落ち着いた雰囲気で大会は進行。参加者も全身で太陽を浴びながら、安心して楽しんでいた。
今回はシクロワイアード編集部もつくば10耐に出走、真夏の1日を満喫させていただいた。
会場となる筑波サーキットは、茨城県にあるモータースポーツ用のクローズドサーキット。クルマやオートバイの常設コースとして古くから知られるモータースポーツの聖地だ。普段は自転車では決して走ることが出来ないその場所を、ロードバイクで思いっきり走ることが出来ることも、このイベントのもうひとつの魅力といえる。
モータースポーツの世界ではテクニカルなコースレイアウトとして知られる筑波サーキットは、1周2,070mと比較的コンパクトなコース設定。とはいえ自転車で走ってみると、このくらいがほどよい距離と感じられる。またコース幅も十分に広く、多くの参加者が一緒に走っても、ルールさえ守っていれば決して手狭な印象はない。
レース前半には晴れ渡っていたサーキットの空も、折り返し点の5時間を過ぎる頃には少しずつ雲が厚くなってきた。強い日差しを避けられるので、ライダーにとっては幾分楽にはなるものの、遠くで雷鳴も聞こえてきた頃には、ちょっと空模様も心配に。
そんな心配が的中したのが、レースも残り2時間少々となったころ。それまでなんとか持ちこたえて空から、とうとう雨粒が落ちてきた。気温が高いことあり、最初はすぐに乾いてしまうほど小振りだったが、時間が経つにつれ本降りに。この雨ではつくば10耐恒例となっている、日没後の感動的なゴールもお預けかと思われたが、参加者の思いが通じたのか?ゴールが近づくにつれて、雨もやや小降りになってきた。
そして朝9時のスタートから10時間、午後7時にようやく筑波の長い1日が幕を閉じた。ゴールを迎える時刻にはすっかり日も暮れコースはライトアップ。コース上のライトが濡れた路面に反射した光景は、とても幻想的な雰囲気を醸し出していた。
さて昨年に引き続き、皆さまと一緒に参加させていただいた我々シクロワイアード編集部のチーム「メタボ会長ファンクラブ」。このごろ走り込んでいるという噂のメタボ会長、ツール・ド・フランス取材帰りで疲労困憊の綾野編集長、編集部員&デザイナーのかやばたかし、ルコック・サイクルウェアのプロデュースを手がけるデサントの井上大平さんがタッグを組んで走った。
昨年は男女混合ロードの部で入賞も果たしたが、今年は激戦区の男子ロードの部とあって入賞は走る前から期待薄。加えて夏季の激務の続くなか、走る前から体力が消耗していたという話もあるが、雨が強く降りだした時点でほぼ全員の体力も尽きてしまった。残り1時間はピット回りをして皆さんの取材に専念。実質は9時間耐久で終わってしまい、DNF扱いに。来年こそはもう少し頑張れるよう練習して臨みます。
今回のつくば10耐で総合優勝したチーム「ハンガーノック」。なんと昨年に引き続き2連勝を飾った。このチーム「ハンガーノック」は、ほぼ“つくば10耐”だけのために結成された、元トライアスリートや自転車レーサーで構成された社会人チーム。リーダーで最終走者を努めた中曽祐一さんは、かつて大学生時代にシクロワイアードのアルバイト編集部員として活躍してくれた人物。中曽さんが大きくガッツポーズをしながらゴールラインを駆け抜ける光景には、われわれ編集部一同も感動した瞬間となった。
灼熱の太陽が降り注ぐ午前中から雨となった後半戦、それに光の反射する幻想的なゴールシーンまで、今年のつくば10耐はさまざまな表情を見せてくれた大会となった。きっと長い1日を共に走り抜いた仲間とは、いつまでもレース談義を語り合い、大きな充実感と感動を味わったことだろう。
これが真夏のつくば10耐の魅力なんだと感じる大会となった。
text&edit :Takashi.KAYABA
photo:Makoto.AYANO, Takashi.KAYABA
「全日本10時間耐久サイクリング inつくば」は、通称"つくば10耐"の名で親しまれる真夏の耐久イベント。すでに今回で16回目を迎える長寿イベントとして、真夏のロード系エンデューロの中でも定番のイベントとなりつつある。
スタートは午前9時、そこから10時間後の午後7時まで。真夏の太陽を浴びてサーキットを走り続け、ラストは日が暮れたなか、感動のゴールを迎えるという長丁場のエンデューロだ。
つくば10耐は、日本サイクリング協会(JCA)の主催で行なわれるイベントだ。タイム計測を行い順位を争うレースではあるが、1チーム3名〜6名構成のチームエントリーが基本となるので、酷暑のなか自分の限界に挑むようなレースではない。どちらかというと、「仲間と一緒に真夏の一日を自転車で楽しもう」という、お祭り的な雰囲気も感じられるエンデューロという趣だ。
バリバリのレース派から仲間とワイワイ楽しく参加するグループまで、広いサーキットを舞台にしたエンデューロの参加者は実に多彩。多くの参加者が同時に安全にイベントを楽しめる工夫が随所に施されている。そのひとつが細かなカテゴリー分けと、徹底されるレース規則だ。
カテゴリーは、ロードレーサーだけの男子チーム編成の「Menロード」や「男女混成ロード」、クロスバイクやMTBのクラス「Menフラットバー」や、車種も男女ライダーも混ぜ合わせた「男女・車種混成」、それにユニークなのはメンバー全員が50歳以上の「シニア」のクラスまで、参加バイクの種類とメンバー構成により実に9クラスも用意される。だから総合順位だけでなく、クラス内での争いも楽しめる工夫がされている。
とはいえ真夏の炎天下での走行は過酷なもの。しっかりとした水分補給を行い、決して無理は禁物だ。気温の高い日中の走行では、熱中症にもなりかねない。そんなライダーの健康を配慮した細かいルールが設定されるのも、つくば10耐のユニークなところ。
例えば10時間のライダーチェンジ回数は18回以上、1人のライダーの連続走行時間は50分以内とする、というルールが設定されるので、ある特定のライダーに極端な負担が掛からないように工夫される。
また周回コースではペースの違いにより、どうしても抜いたり抜かれたりということが出てきてしまう。その際にも混乱がないよう配慮がされた。
ひとつはコース幅の広さを利用して、サーキットには簡易のセンターラインを設置。速いライダーや集団は基本的に左側を走行するというルールが設けられる。
またコース上では、プロのオートバイレーサーがスクーターで終始コースを巡回。速い集団を先導しながら、集団の接近をマイクで周囲にアナウンスしたりしながら、参加者の安全を守っていた。ボランティアの救命・介護スタッフも自転車で見回りを続けているのが安心だ。
こういった主催者による徹底した配慮も手伝って、レースとはいえどもピリピリしたムードとは違い、落ち着いた雰囲気で大会は進行。参加者も全身で太陽を浴びながら、安心して楽しんでいた。
今回はシクロワイアード編集部もつくば10耐に出走、真夏の1日を満喫させていただいた。
会場となる筑波サーキットは、茨城県にあるモータースポーツ用のクローズドサーキット。クルマやオートバイの常設コースとして古くから知られるモータースポーツの聖地だ。普段は自転車では決して走ることが出来ないその場所を、ロードバイクで思いっきり走ることが出来ることも、このイベントのもうひとつの魅力といえる。
モータースポーツの世界ではテクニカルなコースレイアウトとして知られる筑波サーキットは、1周2,070mと比較的コンパクトなコース設定。とはいえ自転車で走ってみると、このくらいがほどよい距離と感じられる。またコース幅も十分に広く、多くの参加者が一緒に走っても、ルールさえ守っていれば決して手狭な印象はない。
レース前半には晴れ渡っていたサーキットの空も、折り返し点の5時間を過ぎる頃には少しずつ雲が厚くなってきた。強い日差しを避けられるので、ライダーにとっては幾分楽にはなるものの、遠くで雷鳴も聞こえてきた頃には、ちょっと空模様も心配に。
そんな心配が的中したのが、レースも残り2時間少々となったころ。それまでなんとか持ちこたえて空から、とうとう雨粒が落ちてきた。気温が高いことあり、最初はすぐに乾いてしまうほど小振りだったが、時間が経つにつれ本降りに。この雨ではつくば10耐恒例となっている、日没後の感動的なゴールもお預けかと思われたが、参加者の思いが通じたのか?ゴールが近づくにつれて、雨もやや小降りになってきた。
そして朝9時のスタートから10時間、午後7時にようやく筑波の長い1日が幕を閉じた。ゴールを迎える時刻にはすっかり日も暮れコースはライトアップ。コース上のライトが濡れた路面に反射した光景は、とても幻想的な雰囲気を醸し出していた。
さて昨年に引き続き、皆さまと一緒に参加させていただいた我々シクロワイアード編集部のチーム「メタボ会長ファンクラブ」。このごろ走り込んでいるという噂のメタボ会長、ツール・ド・フランス取材帰りで疲労困憊の綾野編集長、編集部員&デザイナーのかやばたかし、ルコック・サイクルウェアのプロデュースを手がけるデサントの井上大平さんがタッグを組んで走った。
昨年は男女混合ロードの部で入賞も果たしたが、今年は激戦区の男子ロードの部とあって入賞は走る前から期待薄。加えて夏季の激務の続くなか、走る前から体力が消耗していたという話もあるが、雨が強く降りだした時点でほぼ全員の体力も尽きてしまった。残り1時間はピット回りをして皆さんの取材に専念。実質は9時間耐久で終わってしまい、DNF扱いに。来年こそはもう少し頑張れるよう練習して臨みます。
今回のつくば10耐で総合優勝したチーム「ハンガーノック」。なんと昨年に引き続き2連勝を飾った。このチーム「ハンガーノック」は、ほぼ“つくば10耐”だけのために結成された、元トライアスリートや自転車レーサーで構成された社会人チーム。リーダーで最終走者を努めた中曽祐一さんは、かつて大学生時代にシクロワイアードのアルバイト編集部員として活躍してくれた人物。中曽さんが大きくガッツポーズをしながらゴールラインを駆け抜ける光景には、われわれ編集部一同も感動した瞬間となった。
灼熱の太陽が降り注ぐ午前中から雨となった後半戦、それに光の反射する幻想的なゴールシーンまで、今年のつくば10耐はさまざまな表情を見せてくれた大会となった。きっと長い1日を共に走り抜いた仲間とは、いつまでもレース談義を語り合い、大きな充実感と感動を味わったことだろう。
これが真夏のつくば10耐の魅力なんだと感じる大会となった。
text&edit :Takashi.KAYABA
photo:Makoto.AYANO, Takashi.KAYABA
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