2019/10/05(土) - 13:33
東北のご当地麺を巡る異色のロングライド、グル麺ライドが今年も開催。昨年に続き、スポーツジャーナリストのハシケンさんによる実走レポートの後編をお届けします。(前編はこちら)
エイドステーションで4つの麺をいただくグル麺ライド。110kmのコースも折り返し地点を過ぎ、残す麺はあと2つ。麺以外にもすでに高畠産のつや姫のおにぎりやパン、シャインマスカット、リンゴなどを食べ続けて、走っても走ってもお腹は満たされ続けている感覚だ。
さて、約70km地点で宮城県から山形県へと入ると、山形県南陽市内を走るコース終盤を迎える。3つ目の麺エンドは92km地点の「ハイジアパーク南陽」だ。今年も氷で冷やした「冷たいラーメン」が待っていた。これがまた美味しくて、頑張って走ってきた身体には熱いラーメンよりも冷麺がピッタリなのだ。この冷たいラーメンに限らず、今大会の麺エイドの麺は、よくある味見程度の量ではなく、しっかり一人前のボリュームで振る舞われるから驚きだ。
確かに、「グル麺ライド」と謳うだけに、麺のボリュームをケチるわけには行かないだろう。高畠町の寒河江町長に伺うと、初回大会時は、エイドの麺のボリュームが少なて不満の声もあったという。
町長自らも実感されたそうで、「大会後にもっと麺の量を増やすように伝えたのです。そしたら、4つある麺の中で、ウチだけ量が少ないわけには行かないと、どこの麺もボリュームが増えてね。結果、参加者の方には満足いただけているようです」とおっしゃっていた。
グル麺ライドでは、参加者が安全にロングライドを楽しめるようにサポート体制も万全だ。まず、コースの「みちのくおとぎ街道」では長いトンネルをいくつか通過するが、片側一車線の交通規制を敷き、サイクリストのためにトンネル内の1車線を完全開放しているのだ。また、一車線トンネルでは、トンネルの入り口で一方通行規制を行い、警備員の方々が交通整理を行ってくれている。「クルマの方々にはちょっと申し訳ない感じもするけど、ビギナーでも安心して走れるのはありがたい」と初参加の土井ちゃんも驚いていた。
また、サポートライダーも40人体制でイベントの安全管理に務めてくれている。今大会のサポートライダーのレベルは高く参加者は安心できるだろう。さらに、今年の大会からAED(自動体外式除細動器)を背負って走る「走るAED」を導入。10台のAEDがコース中を走行することで、万が一のための対策も講じられていた。
さて、92km地点の「冷たいラーメン」を食し、スタンプカードの押印は3つ。残り1つは、ゴール後にいただく「ひっぱりうどん」のみ。中盤以降のエイドで随分とお腹は満たされていて、コース終盤の南陽市街も快調に飛ばしてゴールを目指す。コース終盤になっても、ハンガーノックとは無縁のグルメライドだ。95km地点、熊野大社の證誠殿前エイドでは、恒例の南陽特製の玉こんにゃくが登場。唐辛子と麹で味付けしたピリリと辛い味が特徴だ。また、初回大会で好評だった熊野大社のおみくじサービス(無料)も復活。
時折、曇り空から太陽が顔を出すものの、どんよりとした天気の中を走り続けた今大会。ただ、昨年30℃まで上昇した残暑の厳しいライドを思えば、今年はとても走りやすいコンディションだった。スタート時の気温が16℃で、最高でも22℃ほど。多くの参加者が秋の心地よい風を感じながらロングライドを楽しめたのではないだろうか。実際、昨年と比べて全体的に1時間程度速いペースで進んでいたようだ。
数多くの民話や童謡の伝承地である「みちのくおとぎ街道」を舞台にしたグル麺ライドも、朝スタートした「高畠町文化ホールまほら」へ戻ってきて距離110km。終始速い集団で走っていた土井ちゃんは13時半ごろにはゴールし、こちらも遅れること1時間後に無事戻ってくることができた。
これで2年連続でグル麺制覇!? いやいや、最後の麺はゴール後にいただく「ひっぱりうどん」だ。茹で上がった麺を釜からすくい上げることから“ひっぱり”うどんと呼ばれ、納豆とサバ缶などで味付けされたタレに絡めて食す特徴的なスタイルのうどんだ。文字通り、〆の「ひっぱりうどん」でグル麺ライドも無事完走! そして完食!
歴史街道でつなぐ4つの地域、それぞれ個性のある麺を満喫しながらロングライドを楽しめる「グル麺ライド」。今大会では10歳の男の子が見事に完走したり、徳島在住の方がはるばる参加したりと、それぞれが3年目のグル麺ライドにチャレンジしていた。2年連続で実走取材を終えて、改めて「グル麺」の名に恥じない麺エイドのレベルの高さに驚くだけでなく、それ以外の休憩所(エイド)でのおもてなしにも魅力を感じたのだった。
初心者から安全に楽しめるロングライドイベントとして、来年はより多くのロングライダーたちに参加して欲しいと思う。2年連続で実走取材を終えて、「来年も機会があれば是非!」 と思うのであった。
text&photo:Kenji.Hashimoto
エイドステーションで4つの麺をいただくグル麺ライド。110kmのコースも折り返し地点を過ぎ、残す麺はあと2つ。麺以外にもすでに高畠産のつや姫のおにぎりやパン、シャインマスカット、リンゴなどを食べ続けて、走っても走ってもお腹は満たされ続けている感覚だ。
さて、約70km地点で宮城県から山形県へと入ると、山形県南陽市内を走るコース終盤を迎える。3つ目の麺エンドは92km地点の「ハイジアパーク南陽」だ。今年も氷で冷やした「冷たいラーメン」が待っていた。これがまた美味しくて、頑張って走ってきた身体には熱いラーメンよりも冷麺がピッタリなのだ。この冷たいラーメンに限らず、今大会の麺エイドの麺は、よくある味見程度の量ではなく、しっかり一人前のボリュームで振る舞われるから驚きだ。
確かに、「グル麺ライド」と謳うだけに、麺のボリュームをケチるわけには行かないだろう。高畠町の寒河江町長に伺うと、初回大会時は、エイドの麺のボリュームが少なて不満の声もあったという。
町長自らも実感されたそうで、「大会後にもっと麺の量を増やすように伝えたのです。そしたら、4つある麺の中で、ウチだけ量が少ないわけには行かないと、どこの麺もボリュームが増えてね。結果、参加者の方には満足いただけているようです」とおっしゃっていた。
グル麺ライドでは、参加者が安全にロングライドを楽しめるようにサポート体制も万全だ。まず、コースの「みちのくおとぎ街道」では長いトンネルをいくつか通過するが、片側一車線の交通規制を敷き、サイクリストのためにトンネル内の1車線を完全開放しているのだ。また、一車線トンネルでは、トンネルの入り口で一方通行規制を行い、警備員の方々が交通整理を行ってくれている。「クルマの方々にはちょっと申し訳ない感じもするけど、ビギナーでも安心して走れるのはありがたい」と初参加の土井ちゃんも驚いていた。
また、サポートライダーも40人体制でイベントの安全管理に務めてくれている。今大会のサポートライダーのレベルは高く参加者は安心できるだろう。さらに、今年の大会からAED(自動体外式除細動器)を背負って走る「走るAED」を導入。10台のAEDがコース中を走行することで、万が一のための対策も講じられていた。
さて、92km地点の「冷たいラーメン」を食し、スタンプカードの押印は3つ。残り1つは、ゴール後にいただく「ひっぱりうどん」のみ。中盤以降のエイドで随分とお腹は満たされていて、コース終盤の南陽市街も快調に飛ばしてゴールを目指す。コース終盤になっても、ハンガーノックとは無縁のグルメライドだ。95km地点、熊野大社の證誠殿前エイドでは、恒例の南陽特製の玉こんにゃくが登場。唐辛子と麹で味付けしたピリリと辛い味が特徴だ。また、初回大会で好評だった熊野大社のおみくじサービス(無料)も復活。
時折、曇り空から太陽が顔を出すものの、どんよりとした天気の中を走り続けた今大会。ただ、昨年30℃まで上昇した残暑の厳しいライドを思えば、今年はとても走りやすいコンディションだった。スタート時の気温が16℃で、最高でも22℃ほど。多くの参加者が秋の心地よい風を感じながらロングライドを楽しめたのではないだろうか。実際、昨年と比べて全体的に1時間程度速いペースで進んでいたようだ。
数多くの民話や童謡の伝承地である「みちのくおとぎ街道」を舞台にしたグル麺ライドも、朝スタートした「高畠町文化ホールまほら」へ戻ってきて距離110km。終始速い集団で走っていた土井ちゃんは13時半ごろにはゴールし、こちらも遅れること1時間後に無事戻ってくることができた。
これで2年連続でグル麺制覇!? いやいや、最後の麺はゴール後にいただく「ひっぱりうどん」だ。茹で上がった麺を釜からすくい上げることから“ひっぱり”うどんと呼ばれ、納豆とサバ缶などで味付けされたタレに絡めて食す特徴的なスタイルのうどんだ。文字通り、〆の「ひっぱりうどん」でグル麺ライドも無事完走! そして完食!
歴史街道でつなぐ4つの地域、それぞれ個性のある麺を満喫しながらロングライドを楽しめる「グル麺ライド」。今大会では10歳の男の子が見事に完走したり、徳島在住の方がはるばる参加したりと、それぞれが3年目のグル麺ライドにチャレンジしていた。2年連続で実走取材を終えて、改めて「グル麺」の名に恥じない麺エイドのレベルの高さに驚くだけでなく、それ以外の休憩所(エイド)でのおもてなしにも魅力を感じたのだった。
初心者から安全に楽しめるロングライドイベントとして、来年はより多くのロングライダーたちに参加して欲しいと思う。2年連続で実走取材を終えて、「来年も機会があれば是非!」 と思うのであった。
text&photo:Kenji.Hashimoto
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