2019/10/03(木) - 12:02
東北のご当地麺を巡る異色のロングライド、グル麺ライドが今年も開催。昨年に続き、スポーツジャーナリストのハシケンさんによる実走レポートをお届けします。
今年も、すすって、すすって、すすりまくって来ました! エイドステーションでふるまわれる数々の麺類を完食すれば満足感は半端ではない。ロングライドイベントで不安になるハンガーノックの心配はご無用だ。むしろ、眠気を誘うほどの満腹感を味わえることだろう。
今年で3年目を迎えた「グル麵ライド2019」は、山形県の南東に位置する高畠町をスタート・ゴール会場とする110kmのロングライドイベントだ。その名の通り、各エイドステーションでは、地元で人気のラーメンやお蕎麦が振る舞われる。すでに県内を代表するロングライドイベントとして定着し、今年もおよそ550人が参加した。
舞台となるコースは、山形県と宮城県の両県にまたがる「みちのくおとぎ街道」だ。ロングライドイベントで、市町村をつなぐコースはあっても、県をまたぐ大会は全国でも珍しい。誰もが親しみを覚える日本の童話「泣いた赤おに」や「鶴の恩返し」の誕生の地として知られる「みちのくおとぎ街道」(国道113号線)は、多くの宿場町が点在する歴史街道でもある。そして、大会の時期、実りの秋を迎えた稲穂たちが、古き良き日本の旧街道を黄金色に染め上げる。
「今年もグル麵ライドに参加して、実走レポートしてよ」と、シクロワイアード編集長から声がかかった。実は、今年もチャンスがあれば参加したいなと考えていただけにラッキーであった。1度は取材で参加しても、本当に自分が楽しかったと思うイベントでなければ、また参加したいとは思えない。グル麺ライドの実走取材には、編集長からの誘いにふたつ返事で参加を決定したのだった。
今年の大会のトピックは、ブエルタ・ア・エスパーニャへ日本人初出場を果たすなど長年トップレベルで活躍してきた土井ちゃんこと土井雪広さんのゲスト参加だ。地元山形県出身の土井ちゃんがついにグル麺に参加。実は、初開催に向けたプロモーションムービーには出演していたが、昨年引退するまではレースと日程が重なり参加できていなかった。今年、3年ごしのグル麵ライド参加となった。土井ちゃん出演のプロモーションムービーはこちら!
3連休の中日の9月22日(日)に開催された今大会。天候がやや心配されたが、なんとか持ちこたえてくれそうな曇り空のもとで、朝7時に「高畠町文化ホールまほら」をスタート。高畠の街中を6kmほど走ると、コースの半分以上が舞台になる「みちのくおとぎ街道」へと入っていく。ここから、山形県と宮城県への県境までの7km弱の上り坂だ。序盤からなかなかタフなコース設定ながら坂の傾斜は4%ほどなので、みんな先を急がずにマイペースでペダルを漕いでいく。
県境を越えてしまえば、そこからは下り基調の「みちのくおとぎ街道」を風を切って快調に飛ばす。今大会は、目玉の4つの麵エイド以外にも、4つの休憩所(エイド)が用意されている。最初の麵エイドは七ケ宿町の蕎麦だ。
七ケ宿町は、その名の通り、街道沿いに七つの宿場が集まっている。渡瀬宿、関宿、滑津宿、湯原宿などが一里ごとに並び、往時の姿を残している。
さて、まだ30km地点ながら、序盤から坂道を上ってきたこともあって、ちょうどよいタイミングでの七ケ宿町の蕎麦エイドだ。コシのある蕎麦をペロリと美味しくいただいた。標高500mほどの高原地域である七ケ宿町は、水も美味しく蕎麦の栽培には最適な環境が整っているのだ。
また、今大会では、事前に配布されたオリジナルのスタンプカードを持って走り、4カ所ある麵エイドでスタンプを押してもらうことで、麺をいただくことができるルールになっている。
ひとつ目のスタンプをゲットしたのち、七ケ宿ダムの外周道路を走りながらコースの折り返し地点であり2つ目の麺エイドである材木岩公園をめざす。今日2つ目の麺は宮城県白石市の「白石うーめん」だ。つゆと絡む細麺がちゅるちゅると口の中に吸い込まれていく。しっかりチャーシューも付いていて、味もボリュームも満足。
この材木岩公園エイドが、今回のコースの最東端になる。ここから再び「みちのくおとぎ街道」を西へと向かって走っていく。往路は下り基調だったので、復路はだらだらとした登り基調だ。ダムを左手に眺めながら、ふたたび黄金色に染まった美しい田園風景の中を力強くペダルを漕いでいく。山にはススキがなびき、心地のよい秋のロングライドを満喫する。
材木岩公園から3つ目の麺エイドとなっている「ハイジアパーク南陽」での「冷たいラーメン」は約50km先と少し距離が空く。でもその間にも、豪華な休憩所(エイド)が2つ待っている。滑津大滝の「旬の市」エイドでのリンゴ。
さらに、「JA集荷所」エイドでは高級ぶどうのシャインマスカットが贅沢に振る舞われた。他にも、高畠産つや姫のおにぎりやパンがお腹を満たしていく。この時点で、ゴールまで残り30km少々ながら、オリジナルスタンプカードの押印はまだ2つ。つまり、まだ2つも麺が残っているのだ。
このグル麺ライドは、終盤にかけて食い倒れライドへと変わっていくのだった。
text&photo:Kenji.Hashimoto
今年も、すすって、すすって、すすりまくって来ました! エイドステーションでふるまわれる数々の麺類を完食すれば満足感は半端ではない。ロングライドイベントで不安になるハンガーノックの心配はご無用だ。むしろ、眠気を誘うほどの満腹感を味わえることだろう。
今年で3年目を迎えた「グル麵ライド2019」は、山形県の南東に位置する高畠町をスタート・ゴール会場とする110kmのロングライドイベントだ。その名の通り、各エイドステーションでは、地元で人気のラーメンやお蕎麦が振る舞われる。すでに県内を代表するロングライドイベントとして定着し、今年もおよそ550人が参加した。
舞台となるコースは、山形県と宮城県の両県にまたがる「みちのくおとぎ街道」だ。ロングライドイベントで、市町村をつなぐコースはあっても、県をまたぐ大会は全国でも珍しい。誰もが親しみを覚える日本の童話「泣いた赤おに」や「鶴の恩返し」の誕生の地として知られる「みちのくおとぎ街道」(国道113号線)は、多くの宿場町が点在する歴史街道でもある。そして、大会の時期、実りの秋を迎えた稲穂たちが、古き良き日本の旧街道を黄金色に染め上げる。
「今年もグル麵ライドに参加して、実走レポートしてよ」と、シクロワイアード編集長から声がかかった。実は、今年もチャンスがあれば参加したいなと考えていただけにラッキーであった。1度は取材で参加しても、本当に自分が楽しかったと思うイベントでなければ、また参加したいとは思えない。グル麺ライドの実走取材には、編集長からの誘いにふたつ返事で参加を決定したのだった。
今年の大会のトピックは、ブエルタ・ア・エスパーニャへ日本人初出場を果たすなど長年トップレベルで活躍してきた土井ちゃんこと土井雪広さんのゲスト参加だ。地元山形県出身の土井ちゃんがついにグル麺に参加。実は、初開催に向けたプロモーションムービーには出演していたが、昨年引退するまではレースと日程が重なり参加できていなかった。今年、3年ごしのグル麵ライド参加となった。土井ちゃん出演のプロモーションムービーはこちら!
3連休の中日の9月22日(日)に開催された今大会。天候がやや心配されたが、なんとか持ちこたえてくれそうな曇り空のもとで、朝7時に「高畠町文化ホールまほら」をスタート。高畠の街中を6kmほど走ると、コースの半分以上が舞台になる「みちのくおとぎ街道」へと入っていく。ここから、山形県と宮城県への県境までの7km弱の上り坂だ。序盤からなかなかタフなコース設定ながら坂の傾斜は4%ほどなので、みんな先を急がずにマイペースでペダルを漕いでいく。
県境を越えてしまえば、そこからは下り基調の「みちのくおとぎ街道」を風を切って快調に飛ばす。今大会は、目玉の4つの麵エイド以外にも、4つの休憩所(エイド)が用意されている。最初の麵エイドは七ケ宿町の蕎麦だ。
七ケ宿町は、その名の通り、街道沿いに七つの宿場が集まっている。渡瀬宿、関宿、滑津宿、湯原宿などが一里ごとに並び、往時の姿を残している。
さて、まだ30km地点ながら、序盤から坂道を上ってきたこともあって、ちょうどよいタイミングでの七ケ宿町の蕎麦エイドだ。コシのある蕎麦をペロリと美味しくいただいた。標高500mほどの高原地域である七ケ宿町は、水も美味しく蕎麦の栽培には最適な環境が整っているのだ。
また、今大会では、事前に配布されたオリジナルのスタンプカードを持って走り、4カ所ある麵エイドでスタンプを押してもらうことで、麺をいただくことができるルールになっている。
ひとつ目のスタンプをゲットしたのち、七ケ宿ダムの外周道路を走りながらコースの折り返し地点であり2つ目の麺エイドである材木岩公園をめざす。今日2つ目の麺は宮城県白石市の「白石うーめん」だ。つゆと絡む細麺がちゅるちゅると口の中に吸い込まれていく。しっかりチャーシューも付いていて、味もボリュームも満足。
この材木岩公園エイドが、今回のコースの最東端になる。ここから再び「みちのくおとぎ街道」を西へと向かって走っていく。往路は下り基調だったので、復路はだらだらとした登り基調だ。ダムを左手に眺めながら、ふたたび黄金色に染まった美しい田園風景の中を力強くペダルを漕いでいく。山にはススキがなびき、心地のよい秋のロングライドを満喫する。
材木岩公園から3つ目の麺エイドとなっている「ハイジアパーク南陽」での「冷たいラーメン」は約50km先と少し距離が空く。でもその間にも、豪華な休憩所(エイド)が2つ待っている。滑津大滝の「旬の市」エイドでのリンゴ。
さらに、「JA集荷所」エイドでは高級ぶどうのシャインマスカットが贅沢に振る舞われた。他にも、高畠産つや姫のおにぎりやパンがお腹を満たしていく。この時点で、ゴールまで残り30km少々ながら、オリジナルスタンプカードの押印はまだ2つ。つまり、まだ2つも麺が残っているのだ。
このグル麺ライドは、終盤にかけて食い倒れライドへと変わっていくのだった。
text&photo:Kenji.Hashimoto
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