マウンテンバイクのガイド付ツアーを主催する団体が加盟する日本マウンテンバイクガイド協会(以下、通称 JAMGA)が設立された。

危険の伴うMTBツアーも質の高いガイドと一緒なら安心だ危険の伴うMTBツアーも質の高いガイドと一緒なら安心だ (c)日本マウンテンバイクガイド協会

JAMGAは、国内における商業マウンテンバイクガイドツアーの更なる普及と発展の為に、安全とサービスの向上を目指し設立された。

■JAMGA設立の背景

設立の背景として、80年代後半のアウトドアブームの追い風を受けて人気を博したマウンテンバイクが、山道に集中し過ぎたことにより様々なトラブルが発生し、その活用できる範囲を狭めてきた。

2000年代中頃より再びマウンテンバイクの楽しさに着目する人々が増え、商業マウンテンバイクガイドツアーへの社会的なニーズを受けて、営利を目的にガイドツアーを催行する企業・団体・個人の数も全国的に急増した。しかしそれらを統括する団体や機関は存在しないため、営業活動に対する許認可制度も皆無のままだった。

いわば野放し状態でのガイド業界の成長に危惧した関係者たちが、行政機関の指導を待つまでもなく、業界として自主的な対策を講じる必要性があるという念のもと、2007年より「MTBガイドミーティング」という名称の会議を関係者の間でスタートさせ、これまでに3回の会議を重ねてきた。

ツアー主催者、バイクショップ、メディアなど関係者がお互いに意見交換し問題を解決する方法を模索した結果、具体的な対策案として具現化されたのが『日本マウンテンバイクガイド協会』だ。

女性マウンテンバイカーもツアーなら安心して楽しめる女性マウンテンバイカーもツアーなら安心して楽しめる (c)日本マウンテンバイクガイド協会

■JAMGAの推奨基準

日本マウンテンバイクガイド協会(通称 JAMGA)は、以下の3点を大きな推奨基準として同意した商業マ
ウンテンバイクツアーの主催団体により構成される。2010年4月7日現在、加盟するのは26団体だ。

1.フィールドへの取り組み
自治体、地権者と連絡をとっているか
トレイルメンテナンスを定期的に行っているか
地域の利益になる活動をしているか
他の利用者、ハイカーなどとコミュニケーションできているか

2.安全運行への取り組み
リスク管理マニュアルの作成と徹底
インストラクター資格を有する
ファーストエイド資格を有する
メカニック技術を有する

3.ツアーとしての魅力
参加者を楽しませるプログラムを持つ

(*推奨基準に達していないが、一定期間後に基準到達の意志を持つ団体も加盟している)


■マウンテンバイクソフトの提供の難しさの“壁”

日本国内のマウンテンバイクを取り巻く状況は、下記に挙げるソフトの提供の難しさが“壁”になっていると考えられる。

・マウンテンバイクで走ってよい道がどこにあるか分からない。
・かつてはサイクルショップがお客様を連れて行ったが、ショップが地権者などにコンタクトをして、走行の了解を得るのは(時間的な労力を考えると)難しい。
・多くの経験者場合は、地権者に内緒で走行している。
・ビギナーが山の中を走るのは、怪我やメカトラブルのリスクを考えると難しい。

JAMGAによれば、これらの"壁"をクリアするのがマウンテンバイクのツアーガイドサービスであり、マウンテンバイクの発展のために寄与できるとの信念を持っているという。


■JAMGAの定めるツアー主催者の基準

JAMGAは、ツアー主催者に対して次の項目のような基準を設けている。

・参加者に最低基準の保険を契約できること
・持続可能なトレイル、フィールドの利用を目指すこと
・安全にライディングできるためのインストラクション方法を確立している
(ガイドがJMA、JBA、CMICなどの講習を受講している)
・ガイドが最低限のメカニック能力をもちレンタルバイクを提供する際は安全に必要な整備ができること
・ガイドがアウトドアにおけるファーストエイド方法を確立している
・ツアーの安全に関してリスク管理の計画書を用意している
・ツアーは協会に報告してる運行規定に従って催行される
・ツアー中発生したすべての事故をMTBガイド協会へ報告する
・MTBガイド協会のリンクロゴをウェブサイトで表示する

MTBツアー中にテクニックを教えるシーンもMTBツアー中にテクニックを教えるシーンも (c)日本マウンテンバイクガイド協会

マウンテンバイクは常に危険の伴なうスポーツであり、一般ユーザーを引率してツアーを行うには高いスキルとモラル、判断力が要求される。サイクルショップのクラブにおいてはショップ店長や店員スタッフが客であるユーザーを引率してフィールドに出かけるというスタイルが一般的にある。しかしサービスで行うツアーにおいても事故の際には指導者としての責任が問われること、また、それらに対応するための負荷がサイクルショップの本来のビジネスを圧迫しているという実態がある。

そこで同協会はサイクルショップに対しても、JAMGA加盟ガイドツアーサービスを積極的に利用してもらうように呼びかけている。

同協会設立と同時にJAMGAホームページもオープン。ここに紹介した基準等もわかりやすく解説されている。また、全国各地の加盟団体についてもそれぞれ一律の表記に基づいて紹介されているため、ユーザーにとってはツアー団体を選ぶ際のポータルサイトとしても活用できそうだ。


日本マウンテンバイクガイド協会(JAMGA)事務局
URL http://www.mtbguide.net/
E-mail office@mtbguide.net
〒415-0012静岡県下田市白浜3140-10 アロハバイクトリップ内 河村健一
TEL/FAX 0558-22-1516

広報担当:
アロハバイクトリップ 河村健一
やまみちアドベンチャー 丹羽隆志

text:綾野 真
photo:日本マウンテンバイクガイド協会

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