2018/06/09(土) - 09:21
サイクルライフナビゲーターの絹代さんが、仲良し女子サイクリストと北海道のオホーツクへ。実は、女性にとってたまらない色んなスポットが点在する、オホーツクエリアでのライドを紹介するレポートが届きました。
4月下旬、北海道のオホーツクエリアに女子3人で走りに行ってきた。メンバーはタレントや女優業をセーブし、いまはママ活動に専念してる元体育会系サイクリング部員の菊浦啓子さんと、ラジオパーソナリティーやレポーターとして活動しながら、最近はシクロクロスなどのレースにも参戦している棚橋麻衣さん。要は、いつものはっちゃけメンバーだ。
「オホーツク」と言っても、イメージが湧かない方も多いかも。オホーツクの海と、北海道らしい雄大な広がりのある大地、さらにはサロマ湖、網走湖、能取湖という美しい湖の景観も楽しめ、グルメが秀逸!自転車旅、特に女性にとって魅力的な要素が詰まっているから、女子自転車旅にはうってつけの場所なのだけれど、それを知っている女性が日本にどれだけいるかどうか。
観光地としても知られる網走や、平昌冬季五輪で活躍したカーリング女子が本拠地を置く北見があり、今年とってもホットなエリアなのに、もったいない!そんな話をしたら、二人も大いに同意してくれて「3人で女子向きコースを作ってみよう!」と盛り上がり、この旅が実現したのです。
使命感に燃える女子たちは女満別空港に朝イチのフライトで到着。空港内にサイクルステーションがあり、スペシャライズドのスポーツバイクがレンタルできる。バイクは北見市の常呂や端野(準備中)、網走のステーションで乗り捨ても借り直しも可能。今回は、地元を知り尽くした知床サイクリングサポートの西原さん、北見サイクリング協会の渡辺さんと一緒に走り、コース作りを手伝ってもらうことになった。まだ雪の滑り止め用の砂利が残る春先の時期ということもあり、私たちは太めのタイヤを履いたクロスバイクをセレクト。
朝のフライトなら宿泊先への荷物を宅配してくれるサービスもあるため、到着してすぐにライドに出発できる。貴重な時間をロスせずたっぷり楽しめるのだ。初日は空港から、北見市常呂に向けて北西に向かい、夕陽で有名なサロマ湖半の宿を目指す60km弱の行程を走り、翌朝、常呂でいったん自転車を返し、バス移動した網走で自転車を借り直し、新たにライドを楽しむ作戦だ。
空港に応援に来てくれたオホーツク地域サイクリングブランド化推進協議会の方が、なんと発売とほぼ同時に完売となった幻の「そだねー」Tシャツを持ってきてくださった!手配できたのはXLサイズのみだったそうだが、おもわぬプレゼントに3人のテンションも上がりまくり、急遽今日はこれを着て走ることに。旅は心の底から楽しまなくちゃ。3人とも、実にやる気だ。
さて、早朝のフライトだったため、走るには腹ごしらえが必要!とはいえ、空港のコンビニでは味気ない。5kmほど走れば北海道産の小麦を使用した人気パン店「ブランジェアンジュ」があると聞き、パン休憩経由で行くことに。小ぶりな店舗ながら、菓子パンから惣菜系、ハード系とパンの種類は豊富だ。テラス席に移動してほおばると、パン生地からして絶品!素材もよいのだろう、噛めば噛むほどに甘みが増していく。ことのほか買いすぎ、食べすぎてしまった。
朝食を終えると、すぐそこには網走湖が。湖に沿って走り、想定していたルートに復帰する。網走湖畔のルートから離れ、しばらく行くと能取湖だ。すると突然SLが現れた。いったいこれは??「ここは交通公園でSLの中で休憩できるんです」
88年に廃止になった湧網線の卯原内(うばらない)駅を保存した交通公園で、昔活躍した客車が保存されているという。さっそく中に入ると、どこかノスタルジックな空間が広がっていた。居心地のよさにくつろぐ私たち。廃線跡を利用したオホーツクサイクリングロード内にあることから、サイクリストの立ち寄りも多いそうだ。
湖沿いのオホーツク国道をひた走る。平坦で信号もほぼなく、車は大きく距離をとって追い抜いてくれるので、ノーストレス。「気持ちいいー!」と自然と声があがる。夏は立ち並ぶ木々の葉で遮られることも増えるが、この時期は美しい湖面を望みながら走ることができる。
能取湖と別れると、今度は北見市常呂へ。海のパートに突入だ。おしゃれなカフェでランチの予定だったけれど「がぜん海の幸の気分!」という女子たちの主張で、急遽カーリング娘御用達の「松寿し」へ。こじゃれたカフェなら都内にもあるけど、新鮮な海の幸はここでしか食べられないからね。海と漁村の景色を眺めながら、常呂川沿いのお寿司屋さんに到着した。
中に入ると、壁には大量のホンモノの日本代表ウェアとサインが並んでる!聞けば、実際に平昌で着用していたウェアだとか。我々のTシャツを見て大将もお客さんたちも失笑してたけど、つかみはオッケー、好感度も大(たぶん)。勝った気分の満面の笑みで、席に着く。
サロマ湖はホタテが特産とのこと。いくらホタテ丼?ちらし寿司?握り?悩みまくる女子たち。地元の方にオススメを聞くと「僕はいつもカレーだな」。ここまで来て、カレー?聞けば、稀にラーメンなども登場するが、これが絶品なのだという。
ほどなく、寿司が運ばれてきた。宝石みたいに輝くいくら、ホタテ、うに、極厚のお刺身。特にホタテの食感と甘さがハンパない!握り寿司は800円からと価格もリーズナブルだ。添えられたホタテの稚貝のおすましがまた絶品で、一同悶絶。他の方が頼んだカレーを女子特権で味見させてもらったけれど、エビやホタテがごろごろ入った旨みたっぷりの和風カレー。衝撃的にうまい。回る寿司店のカレーとはまったくの別物!(当然だ)この大盛りでランチタイムは1000円?感覚がおかしくなりそう。
「すぐ近くに、ちょっと塩味の効いたカーリングスイーツがあるんですけど、寄りますか?」全員合意の二つ返事で向かった「スイーツせぞん」には、ストーンをイメージしたふわふわスポンジの中に、オホーツクの塩を使った軽いバタークリームが入る「カーリング焼き」が。さっそくお店の外で「もぐもぐタイム」。手に乗り切らないサイズなのに、甘すぎず、軽くて、ぺろっと食べられてしまう。
そしてついに、聖地・アドヴィックス常呂カーリングホールへ。ここに、このTシャツで乗り込むおノボリ度合いに酔いしれよう。市営の施設で、国際大会開催規格に準拠した競技場ではあるが、一般の人でも気軽に利用できる。この日も多くの方がカーリングを楽しんでいた。ちなみに1時間1200円、シューズとブラシのレンタル120円。常呂カーリング倶楽部に依頼すればカーリング体験の受講も可能とか。
お隣の「流氷窯」に立ち寄ると、カーリングのストーンをかたどったポットやアクセサリー、Tシャツなども販売されていた。ポットは生産が追いつかない状態というが、聞けばもう30年以上前から販売している製品なんだって。
常呂を走ると、地域全体が誇らしげにカーリングをバックアップしている空気を感じる。これこそが、カーリング女子日本代表のメダル獲得に結びついたのだろう。まさに地域密着型スポーツ。これからの日本のスポーツ振興のカギもここで見つかるかもしれない。
ごくゆるいアップダウンが続く気持ち良い大地の中の道を走り、サロマ湖畔に到着。もうすっかり日が傾き、もう少しで日没だ。サロマ湖に沈む夕陽のあまりの美しさにバイクを止め、しばし鑑賞していると、野生の白鳥が群れをなして飛び立った。美しい景色とゆったり流れる時間に心が洗われるようだ。
今夜の宿泊は「鶴雅リゾート」。新鮮な海や湖の幸も並ぶ豪華なビュッフェを堪能できる。ホタテが甘く、未経験の食感!感動の連続だった。推進協議会を中心とするオホーツクサイクリングを盛り上げようとする皆さんにお越しいただき、意見交換が始まった。
「食べ物が東京と比べたら安くて、しかもどれもおいしいんだから、女性向けのグルメライドをやっては?」「走りやすいし、景色もきれいだし!」と棚橋さんと菊浦さん。カーリング娘で話題になった「赤いサイロ」をはじめとする北見のスイーツは特にクオリティーが高く、コスパもよい。最終日は網走湖畔コースを勧められていたけれど、3名一致で「絶対スイーツが必要!」と「スイーツライドの試走」を主張。実際に「もぐもぐタイム」だらけのサイクリングイベント実現に向けて動き出すことになった。すごいことになってきたぞ。
text&photo:Kinuyo
4月下旬、北海道のオホーツクエリアに女子3人で走りに行ってきた。メンバーはタレントや女優業をセーブし、いまはママ活動に専念してる元体育会系サイクリング部員の菊浦啓子さんと、ラジオパーソナリティーやレポーターとして活動しながら、最近はシクロクロスなどのレースにも参戦している棚橋麻衣さん。要は、いつものはっちゃけメンバーだ。
「オホーツク」と言っても、イメージが湧かない方も多いかも。オホーツクの海と、北海道らしい雄大な広がりのある大地、さらにはサロマ湖、網走湖、能取湖という美しい湖の景観も楽しめ、グルメが秀逸!自転車旅、特に女性にとって魅力的な要素が詰まっているから、女子自転車旅にはうってつけの場所なのだけれど、それを知っている女性が日本にどれだけいるかどうか。
観光地としても知られる網走や、平昌冬季五輪で活躍したカーリング女子が本拠地を置く北見があり、今年とってもホットなエリアなのに、もったいない!そんな話をしたら、二人も大いに同意してくれて「3人で女子向きコースを作ってみよう!」と盛り上がり、この旅が実現したのです。
使命感に燃える女子たちは女満別空港に朝イチのフライトで到着。空港内にサイクルステーションがあり、スペシャライズドのスポーツバイクがレンタルできる。バイクは北見市の常呂や端野(準備中)、網走のステーションで乗り捨ても借り直しも可能。今回は、地元を知り尽くした知床サイクリングサポートの西原さん、北見サイクリング協会の渡辺さんと一緒に走り、コース作りを手伝ってもらうことになった。まだ雪の滑り止め用の砂利が残る春先の時期ということもあり、私たちは太めのタイヤを履いたクロスバイクをセレクト。
朝のフライトなら宿泊先への荷物を宅配してくれるサービスもあるため、到着してすぐにライドに出発できる。貴重な時間をロスせずたっぷり楽しめるのだ。初日は空港から、北見市常呂に向けて北西に向かい、夕陽で有名なサロマ湖半の宿を目指す60km弱の行程を走り、翌朝、常呂でいったん自転車を返し、バス移動した網走で自転車を借り直し、新たにライドを楽しむ作戦だ。
空港に応援に来てくれたオホーツク地域サイクリングブランド化推進協議会の方が、なんと発売とほぼ同時に完売となった幻の「そだねー」Tシャツを持ってきてくださった!手配できたのはXLサイズのみだったそうだが、おもわぬプレゼントに3人のテンションも上がりまくり、急遽今日はこれを着て走ることに。旅は心の底から楽しまなくちゃ。3人とも、実にやる気だ。
さて、早朝のフライトだったため、走るには腹ごしらえが必要!とはいえ、空港のコンビニでは味気ない。5kmほど走れば北海道産の小麦を使用した人気パン店「ブランジェアンジュ」があると聞き、パン休憩経由で行くことに。小ぶりな店舗ながら、菓子パンから惣菜系、ハード系とパンの種類は豊富だ。テラス席に移動してほおばると、パン生地からして絶品!素材もよいのだろう、噛めば噛むほどに甘みが増していく。ことのほか買いすぎ、食べすぎてしまった。
朝食を終えると、すぐそこには網走湖が。湖に沿って走り、想定していたルートに復帰する。網走湖畔のルートから離れ、しばらく行くと能取湖だ。すると突然SLが現れた。いったいこれは??「ここは交通公園でSLの中で休憩できるんです」
88年に廃止になった湧網線の卯原内(うばらない)駅を保存した交通公園で、昔活躍した客車が保存されているという。さっそく中に入ると、どこかノスタルジックな空間が広がっていた。居心地のよさにくつろぐ私たち。廃線跡を利用したオホーツクサイクリングロード内にあることから、サイクリストの立ち寄りも多いそうだ。
湖沿いのオホーツク国道をひた走る。平坦で信号もほぼなく、車は大きく距離をとって追い抜いてくれるので、ノーストレス。「気持ちいいー!」と自然と声があがる。夏は立ち並ぶ木々の葉で遮られることも増えるが、この時期は美しい湖面を望みながら走ることができる。
能取湖と別れると、今度は北見市常呂へ。海のパートに突入だ。おしゃれなカフェでランチの予定だったけれど「がぜん海の幸の気分!」という女子たちの主張で、急遽カーリング娘御用達の「松寿し」へ。こじゃれたカフェなら都内にもあるけど、新鮮な海の幸はここでしか食べられないからね。海と漁村の景色を眺めながら、常呂川沿いのお寿司屋さんに到着した。
中に入ると、壁には大量のホンモノの日本代表ウェアとサインが並んでる!聞けば、実際に平昌で着用していたウェアだとか。我々のTシャツを見て大将もお客さんたちも失笑してたけど、つかみはオッケー、好感度も大(たぶん)。勝った気分の満面の笑みで、席に着く。
サロマ湖はホタテが特産とのこと。いくらホタテ丼?ちらし寿司?握り?悩みまくる女子たち。地元の方にオススメを聞くと「僕はいつもカレーだな」。ここまで来て、カレー?聞けば、稀にラーメンなども登場するが、これが絶品なのだという。
ほどなく、寿司が運ばれてきた。宝石みたいに輝くいくら、ホタテ、うに、極厚のお刺身。特にホタテの食感と甘さがハンパない!握り寿司は800円からと価格もリーズナブルだ。添えられたホタテの稚貝のおすましがまた絶品で、一同悶絶。他の方が頼んだカレーを女子特権で味見させてもらったけれど、エビやホタテがごろごろ入った旨みたっぷりの和風カレー。衝撃的にうまい。回る寿司店のカレーとはまったくの別物!(当然だ)この大盛りでランチタイムは1000円?感覚がおかしくなりそう。
「すぐ近くに、ちょっと塩味の効いたカーリングスイーツがあるんですけど、寄りますか?」全員合意の二つ返事で向かった「スイーツせぞん」には、ストーンをイメージしたふわふわスポンジの中に、オホーツクの塩を使った軽いバタークリームが入る「カーリング焼き」が。さっそくお店の外で「もぐもぐタイム」。手に乗り切らないサイズなのに、甘すぎず、軽くて、ぺろっと食べられてしまう。
そしてついに、聖地・アドヴィックス常呂カーリングホールへ。ここに、このTシャツで乗り込むおノボリ度合いに酔いしれよう。市営の施設で、国際大会開催規格に準拠した競技場ではあるが、一般の人でも気軽に利用できる。この日も多くの方がカーリングを楽しんでいた。ちなみに1時間1200円、シューズとブラシのレンタル120円。常呂カーリング倶楽部に依頼すればカーリング体験の受講も可能とか。
お隣の「流氷窯」に立ち寄ると、カーリングのストーンをかたどったポットやアクセサリー、Tシャツなども販売されていた。ポットは生産が追いつかない状態というが、聞けばもう30年以上前から販売している製品なんだって。
常呂を走ると、地域全体が誇らしげにカーリングをバックアップしている空気を感じる。これこそが、カーリング女子日本代表のメダル獲得に結びついたのだろう。まさに地域密着型スポーツ。これからの日本のスポーツ振興のカギもここで見つかるかもしれない。
ごくゆるいアップダウンが続く気持ち良い大地の中の道を走り、サロマ湖畔に到着。もうすっかり日が傾き、もう少しで日没だ。サロマ湖に沈む夕陽のあまりの美しさにバイクを止め、しばし鑑賞していると、野生の白鳥が群れをなして飛び立った。美しい景色とゆったり流れる時間に心が洗われるようだ。
今夜の宿泊は「鶴雅リゾート」。新鮮な海や湖の幸も並ぶ豪華なビュッフェを堪能できる。ホタテが甘く、未経験の食感!感動の連続だった。推進協議会を中心とするオホーツクサイクリングを盛り上げようとする皆さんにお越しいただき、意見交換が始まった。
「食べ物が東京と比べたら安くて、しかもどれもおいしいんだから、女性向けのグルメライドをやっては?」「走りやすいし、景色もきれいだし!」と棚橋さんと菊浦さん。カーリング娘で話題になった「赤いサイロ」をはじめとする北見のスイーツは特にクオリティーが高く、コスパもよい。最終日は網走湖畔コースを勧められていたけれど、3名一致で「絶対スイーツが必要!」と「スイーツライドの試走」を主張。実際に「もぐもぐタイム」だらけのサイクリングイベント実現に向けて動き出すことになった。すごいことになってきたぞ。
text&photo:Kinuyo
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