2018/04/07(土) - 09:12
新進気鋭のサイクルアパレルブランド「REDWHITE」より、主力製品のビブショーツ2モデルと半袖ジャージを紹介。構造、素材に一切の妥協なくハンドメイドinヨーロッパを貫き、長時間ライドでも快適性が持続する高品質に仕上がったシャモアを強みとするブランドだ。
シンガポールに拠点を置く2014年創業の新興アパレルブランド「REDWHITE(レッドホワイト)」。元ダイソンの若手エンジニアが最高のビブショーツ開発を目標とし立ち上げた異色のブランドである。素晴らしいライドには乗り心地の良いショーツが欠かせないという考えから、とりわけ長時間ライドで快適な使い心地を追求したビブショーツ専業でスタートした。
本社のあるシンガポールで製品の企画設計を行いつつも、高い品質を求めヨーロッパ各所から選び抜かれた工場にてファブリックやシャモアを製造、各パーツを最終的にルーマニアにてハンドメイドの縫製を経て完成されるといったこだわりよう。しかも万全を期すために各工程で厳しいチェックを通過した製品のみが出荷される仕組みだ。
同社のファーストプロダクトである「The BIB」は、ただのロングライドではなくパリ~ブレスト~パリやアメリカ横断レースといった数千kmにも及ぶ超長距離ライドすらも想定して作られたビブショーツ。試作段階では12種類もの生地をテストおり、その中から最適なナイロン製ライクラを採用。柔らかくしなやかなファブリックは心地よい肌触りを実現するとともに優れた耐摩耗性も両立している。
ライクラ生地はRaphaを始め世界中のブランドのファブリック製造を手がけるイタリアのM.I.T.I.社製。繊維自体はハンガリーの工場で作られており、その後イタリアまで運ばれ生地として仕立てられる。縫製は凹凸が少なくほつれにくい高密度のフラットロックステッチを採用しており、肌当たりにも配慮されている。
ビブストラップは締めつけ感を軽減するワイド形状。生地自体も柔らかなメッシュ素材でフィット感と通気性を追求している。また腹部に沿うように大型のフロントパネルを配置することで窮屈感を無くし、いかなる体勢でも楽な呼吸を可能としている。裾部分にはシリコーンマイクロドットグリッパーを配し、太ももを過度に締め付けずにずり上がりを防ぐグリップを確保している。
なんといっても注目はREDWHITEが最も力を注いで開発したシャモアだろう。長距離ライドでは体重でパッドが押し潰れてしまいそれが痛み等の不快感の原因の一つとなっていたが、同社はそれを解消するため長時間に渡ってサポートが続くシャモアの密度と厚みのバランスを追求。ベースフォームを含めた4層構造を採用し、独自製法を用いることで快適性に優れた高性能シャモアに仕上がる。
肌と触れる表層には抗菌加工を施したファブリックを使用。その下のトップレイヤーは、4mm厚の低密度フォームを配置し程よく沈み込む上質で柔らかな質感を演出している。対してミッドレイヤーはサポート力を高める弾力を持たせるために高密度フォームを採用することで、密度の異なる2層フォームが長時間ライドに適した性能を生み出している。
これらをベースレイヤーに重ね合わせ、接着剤等を使用せずに独自の熱成形技術によって融着させることで完全に一体化したシャモアが完成する。これによりフォーム同士でズレたりヨレたりすることがなくなり型崩れを防ぎ、長期間性能を維持できるのだという。
The BIBと並んで同社の主力ラインアップを担うビブショーツが「The RACE」である。The BIBをベースにシャモアのみ変更を加えた製品で、パッドの中間層を30%ボリュームダウン。よりアグレッシブでレーシーなポジションを取りやすくなるとともに、シャモア表面に新たにディンプル加工を施すことで蒸れを軽減し排熱性能を高めている。
ビブショーツ専業メーカーとしてスタートしたREDWHITEだが、昨年トップスの「The JERSEY」をリリース。こちらも長時間の快適性を念頭に置かれ開発された軽量半袖ジャージであり、ベースレイヤーにも採用されるオープンメッシュ素材を全面に使用することで排熱性や速乾性を高めている。
伸縮性の高い生地によりタイトなレースカッティングではないものの、身体にピタリとフィットする着用感を実現。スタンダードな3分割リアポケットはフラットでスマートな見た目に仕上がりつつも、アクセスしやすく多くの物を収納できる構造になっている。また防錆やトラブルレスを重視し樹脂製の大型ジッパーを採用したこともポイント。汗や砂等にも強く高耐久、かつ片手で容易に開け閉めできる操作性を獲得している。
The BIBとThe RACEはともにS、M、L、XLの4サイズ展開で価格は16,000円(税抜)。The JERSEYは単色カラーのレッド、ブルー、グレー、グリーンの4色ラインアップ、XS~XLまでの5サイズ展開で価格は10,000円(税抜)だ。またシャモア構造を女性用にカスタマイズしたThe BIBのレディースモデルも15,000円(税抜)にてラインアップする。いずれもREDWHITE Japanのオンラインショップから購入可能である。
― 編集部インプレッション
まず筆者は171cm、54kgと細身のクライマー体型。着用したのは展開される最小サイズのビブショーツSサイズ、ジャージXSサイズだ。上下ともにウェアの生地が引っ張られる感覚もなくジャストフィットといった感触で、XLサイズまで展開していることを考えるとどんな人でも着こなすことができるだろう。特段大きめ小さめというフィット感ではないため普段のウェアと同じサイズで選んで欲しい。
ビブショーツは柔らかなライクラ素材が心地よく、着圧感も大きくないため非常に自然な着心地に仕上がっている。エアロを重視したタイトフィットのものだと確かに身体との一体感は強いが、逆に肌に布を纏っている感覚も増してしまう。REDWHITEはブランドとしてロングライドを重視しており、違和感なく包み込むフィット感とすることで長時間快適性が続くような作りになっているのだと感じた。
肝心のシャモアは手で触った際はやや厚手の印象で、バイクに乗らない状態だといくらか主張は強め。ただ一度サドルに跨ってしまえばその違和感はいずこへ。存在感を感じさせないほど気持ち良くフィットし、身体とサドルとの親和性を高めてくれる。考え抜かれたパッド形状と構造がそれを可能にしているのだろうし、実際ショーツを裏返してシャモア部分を見ると明らかに他社にはないオリジナルの作りとなっており、その独自性を見て取ることができた。
The BIBとThe RACEのどちらも試したところ、100km前後の約3~4時間ほどのライドでは個人的にはそこまで使用感の差は大きくないと感じた。超ロングライドも想定した製品であるため、特にThe BIBは6~8時間以上まったりサイクリングをする人、200km近いシリアストレーニングを行う人やブルベのシーンでその真価を発揮しそうだ。サドル荷重の比較的低速域で走るライダーもクッション性の高いThe BIBをオススメしたい。
反対に平坦を時速30km以上のトレーニングペースで走る人は、ダイレクト感の高いThe RACEの方がマッチするだろう。いずれを選んでもハイパフォーマンスな性能を十分に感じることができる、高品質な製品に仕上がっていると感じられた。ただ、裾のシリコングリッパー部分はそこまで締めつけ感が強くないため、レッグウォーマー等をショーツで保持したい人は注意が必要かもしれない。
ジャージに関してはジャスト1万円と抑えられた価格ながら、流行りの細身のカッティングが採用されており好印象。全面メッシュ素材のため、軽く柔軟性の高い着心地に仕上がっており、その素材感のおかげで他社上級モデルのサマージャージのような質の高いルックスに決まるというもの。優れた通気性を持っているので、特に夏場のライドにて重宝するウェアとなるだろう。(CW編集部:村田悠人)
REDWHITE The BIB
サイズ:S、M、L、XL
価 格:16,000円(税抜)
REDWHITE The BIB(Women)
サイズ:XS、S、M、L、XL
価 格:15,000円(税抜)
REDWHITE The RACE
サイズ:S、M、L、XL
価 格:16,000円(税抜)
REDWHITE The JERSEY
カラー:レッド、ブルー、グレー、グリーン
サイズ:XS、S、M、L、XL
価 格:10,000円(税抜)
シンガポールに拠点を置く2014年創業の新興アパレルブランド「REDWHITE(レッドホワイト)」。元ダイソンの若手エンジニアが最高のビブショーツ開発を目標とし立ち上げた異色のブランドである。素晴らしいライドには乗り心地の良いショーツが欠かせないという考えから、とりわけ長時間ライドで快適な使い心地を追求したビブショーツ専業でスタートした。
本社のあるシンガポールで製品の企画設計を行いつつも、高い品質を求めヨーロッパ各所から選び抜かれた工場にてファブリックやシャモアを製造、各パーツを最終的にルーマニアにてハンドメイドの縫製を経て完成されるといったこだわりよう。しかも万全を期すために各工程で厳しいチェックを通過した製品のみが出荷される仕組みだ。
同社のファーストプロダクトである「The BIB」は、ただのロングライドではなくパリ~ブレスト~パリやアメリカ横断レースといった数千kmにも及ぶ超長距離ライドすらも想定して作られたビブショーツ。試作段階では12種類もの生地をテストおり、その中から最適なナイロン製ライクラを採用。柔らかくしなやかなファブリックは心地よい肌触りを実現するとともに優れた耐摩耗性も両立している。
ライクラ生地はRaphaを始め世界中のブランドのファブリック製造を手がけるイタリアのM.I.T.I.社製。繊維自体はハンガリーの工場で作られており、その後イタリアまで運ばれ生地として仕立てられる。縫製は凹凸が少なくほつれにくい高密度のフラットロックステッチを採用しており、肌当たりにも配慮されている。
ビブストラップは締めつけ感を軽減するワイド形状。生地自体も柔らかなメッシュ素材でフィット感と通気性を追求している。また腹部に沿うように大型のフロントパネルを配置することで窮屈感を無くし、いかなる体勢でも楽な呼吸を可能としている。裾部分にはシリコーンマイクロドットグリッパーを配し、太ももを過度に締め付けずにずり上がりを防ぐグリップを確保している。
なんといっても注目はREDWHITEが最も力を注いで開発したシャモアだろう。長距離ライドでは体重でパッドが押し潰れてしまいそれが痛み等の不快感の原因の一つとなっていたが、同社はそれを解消するため長時間に渡ってサポートが続くシャモアの密度と厚みのバランスを追求。ベースフォームを含めた4層構造を採用し、独自製法を用いることで快適性に優れた高性能シャモアに仕上がる。
肌と触れる表層には抗菌加工を施したファブリックを使用。その下のトップレイヤーは、4mm厚の低密度フォームを配置し程よく沈み込む上質で柔らかな質感を演出している。対してミッドレイヤーはサポート力を高める弾力を持たせるために高密度フォームを採用することで、密度の異なる2層フォームが長時間ライドに適した性能を生み出している。
これらをベースレイヤーに重ね合わせ、接着剤等を使用せずに独自の熱成形技術によって融着させることで完全に一体化したシャモアが完成する。これによりフォーム同士でズレたりヨレたりすることがなくなり型崩れを防ぎ、長期間性能を維持できるのだという。
The BIBと並んで同社の主力ラインアップを担うビブショーツが「The RACE」である。The BIBをベースにシャモアのみ変更を加えた製品で、パッドの中間層を30%ボリュームダウン。よりアグレッシブでレーシーなポジションを取りやすくなるとともに、シャモア表面に新たにディンプル加工を施すことで蒸れを軽減し排熱性能を高めている。
ビブショーツ専業メーカーとしてスタートしたREDWHITEだが、昨年トップスの「The JERSEY」をリリース。こちらも長時間の快適性を念頭に置かれ開発された軽量半袖ジャージであり、ベースレイヤーにも採用されるオープンメッシュ素材を全面に使用することで排熱性や速乾性を高めている。
伸縮性の高い生地によりタイトなレースカッティングではないものの、身体にピタリとフィットする着用感を実現。スタンダードな3分割リアポケットはフラットでスマートな見た目に仕上がりつつも、アクセスしやすく多くの物を収納できる構造になっている。また防錆やトラブルレスを重視し樹脂製の大型ジッパーを採用したこともポイント。汗や砂等にも強く高耐久、かつ片手で容易に開け閉めできる操作性を獲得している。
The BIBとThe RACEはともにS、M、L、XLの4サイズ展開で価格は16,000円(税抜)。The JERSEYは単色カラーのレッド、ブルー、グレー、グリーンの4色ラインアップ、XS~XLまでの5サイズ展開で価格は10,000円(税抜)だ。またシャモア構造を女性用にカスタマイズしたThe BIBのレディースモデルも15,000円(税抜)にてラインアップする。いずれもREDWHITE Japanのオンラインショップから購入可能である。
― 編集部インプレッション
まず筆者は171cm、54kgと細身のクライマー体型。着用したのは展開される最小サイズのビブショーツSサイズ、ジャージXSサイズだ。上下ともにウェアの生地が引っ張られる感覚もなくジャストフィットといった感触で、XLサイズまで展開していることを考えるとどんな人でも着こなすことができるだろう。特段大きめ小さめというフィット感ではないため普段のウェアと同じサイズで選んで欲しい。
ビブショーツは柔らかなライクラ素材が心地よく、着圧感も大きくないため非常に自然な着心地に仕上がっている。エアロを重視したタイトフィットのものだと確かに身体との一体感は強いが、逆に肌に布を纏っている感覚も増してしまう。REDWHITEはブランドとしてロングライドを重視しており、違和感なく包み込むフィット感とすることで長時間快適性が続くような作りになっているのだと感じた。
肝心のシャモアは手で触った際はやや厚手の印象で、バイクに乗らない状態だといくらか主張は強め。ただ一度サドルに跨ってしまえばその違和感はいずこへ。存在感を感じさせないほど気持ち良くフィットし、身体とサドルとの親和性を高めてくれる。考え抜かれたパッド形状と構造がそれを可能にしているのだろうし、実際ショーツを裏返してシャモア部分を見ると明らかに他社にはないオリジナルの作りとなっており、その独自性を見て取ることができた。
The BIBとThe RACEのどちらも試したところ、100km前後の約3~4時間ほどのライドでは個人的にはそこまで使用感の差は大きくないと感じた。超ロングライドも想定した製品であるため、特にThe BIBは6~8時間以上まったりサイクリングをする人、200km近いシリアストレーニングを行う人やブルベのシーンでその真価を発揮しそうだ。サドル荷重の比較的低速域で走るライダーもクッション性の高いThe BIBをオススメしたい。
反対に平坦を時速30km以上のトレーニングペースで走る人は、ダイレクト感の高いThe RACEの方がマッチするだろう。いずれを選んでもハイパフォーマンスな性能を十分に感じることができる、高品質な製品に仕上がっていると感じられた。ただ、裾のシリコングリッパー部分はそこまで締めつけ感が強くないため、レッグウォーマー等をショーツで保持したい人は注意が必要かもしれない。
ジャージに関してはジャスト1万円と抑えられた価格ながら、流行りの細身のカッティングが採用されており好印象。全面メッシュ素材のため、軽く柔軟性の高い着心地に仕上がっており、その素材感のおかげで他社上級モデルのサマージャージのような質の高いルックスに決まるというもの。優れた通気性を持っているので、特に夏場のライドにて重宝するウェアとなるだろう。(CW編集部:村田悠人)
REDWHITE The BIB
サイズ:S、M、L、XL
価 格:16,000円(税抜)
REDWHITE The BIB(Women)
サイズ:XS、S、M、L、XL
価 格:15,000円(税抜)
REDWHITE The RACE
サイズ:S、M、L、XL
価 格:16,000円(税抜)
REDWHITE The JERSEY
カラー:レッド、ブルー、グレー、グリーン
サイズ:XS、S、M、L、XL
価 格:10,000円(税抜)
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