2018/03/02(金) - 09:09
2月18日、19日にさいたまスーパーアリーナで開催された「埼玉サイクルエキスポ2018」。都内からもアクセスしやすい大規模展示会に集った魅力的なブースを中心にレポートをお届けしよう。
開場する朝9時よりも早く会場に到着し、扉が開く時間は今か今かと待ち受けていた来場者たちが集まる大規模展示・試乗会「埼玉サイクルエキスポ」。来場一番乗りのサイクリストたちが、目当ての試乗車を素早く見つけ公道を封鎖したコースに飛び出して行った後も、新たな来場者たちが続々とアリーナに吸い込まれてくる。
あっという間にさいたまスーパーアリーナのコミュニティアリーナは来場者で一杯になり、中には通り抜けも難しいエリアが発生するほど。各社注目度が高いバイクを揃えているだけありバイク試乗も大盛況で、コースには小径車、ロードレーサー、MTB、E−バイクなど様々で一杯だ。
「朝イチに自宅でプリントアウトした製品情報のペーパーを持参し、これに乗りたいんです!という方も来場してくれました」というのはLivブースの斎藤さん。今年のブースでは昨年の反響を踏まえ、ロードバイク中心の試乗車15台、展示車4台を用意し、クロスバイクからロードにステップアップしたいというニーズに合わせた展開となっていた。
今年のLivブースはさらに進化しており、アパレルの展示数が拡大するととももに、試着することも可能に。バイクはもちろんアパレルも体験できるという貴重な機会を得られ、トータルコーディネートできるLivの魅力を感じやすくなっていた。
足を運んだ女性サイクリストは熱心に製品説明を聞いたり、Instagramのデザインを模した撮影用フレームを手に持ち写真を撮ったり、アンバサダーの武田和佳さんとの交流を楽しんだりと、笑顔で過ごしていたことが印象的だった。
ジェイピースポーツグループの川滝さんがおススメしてくれたプロダクトは、先日取り扱いを発表したばかりのヘルメットブランドの「HJC」。モーターバイクの世界では知名度が高い同社は、今年から自転車用ヘルメットに参入しはじめた。
また、今シーズンよりUCIワールドチームであるロット・スーダルが使用しはじめたブランドであり、今後目にする機会が増えそうなヘルメットだ。アンドレ・グライペルがHJCのヘルメットを気に入っていることや、アダム・ハンセンはオールラウンドモデルのアイベックスを愛用していると川滝さんは言う。
試着もOKであったため、筆者もエアロモデル「フリオン」を試着してみた。普段はカブトのS/Mサイズを使用している筆者は、HJCではM/Lサイズ以上がフィット。帽体が若干ヨーロピアンなスタイルであると感じたが、サイズさえ合っていれば、どこかに痛みが発生することは無さそう、というのがファーストインプレッションだ。シクロワイアードでは後日インプレッションを行う予定。
もちろんジェイピースポーツグループといえば、ベルギーのバイクブランドであるリドレーだろう。HELIUM、NOAH、FENIXという3本柱の試乗車は常に貸し出し中であり、その注目度の高さを垣間見ることができた。
一際人が密集しているエリアに足を踏み入れると、そこにはトライスポーツのブースが待ち構えていた。同社はコリマやヴェロフレックス、セラミックスピードといったメジャーブランドから、AX-ライトネスやストロングライトなどコアなブランドまで取り扱うことで、エンスーな自転車ファンから注目を集めている。
今回の埼玉サイクルエキスポでは、ファクターからリリースされているユニークなロードバイク「ONE-S」や、セラミックスピード製ビッグプーリーの体験型展示、プラクシスワークスの新型カーボンクランク「ZAYANTE」を展示。ZAYANTEはシマノのDURA-ACE R9100と同程度の重要ながら、価格が抑えられたというコストパフォーマンスに優れた製品。コアな自転車乗りには魅力的なプロダクトとして目に映ったはずだ。
また、今回のブースではミナト製薬の「スポーツ用麦茶」の試飲が来場者に配られていた。試しに一口飲んでみたところの感想は、塩味を感じる麦茶。それもそのはず。このスポーツ用麦茶は、麦茶エキスに塩分を加えた粉末ドリンクなのだから。一般的な麦茶に塩を溶かしたらこのような味になるだろうなと思えるほど、麦茶の味も自然だ。
この製品は、発汗とともに体内から失われる塩分を補給するために開発されており、食塩相当量は経口補水液に匹敵するほどだという。通常の麦茶やスポーツドリンクよりも効果的な塩分補給を可能としている。麦茶は、糖分のあるスポーツドリンクのようにベタベタしないし、味が付いているため水よりも飽きにくい。夏場のサイクリングで試してみたくなったプロダクトだ。
この日、試乗と物販でひっきりなしに人が集まっていたブースのひとつがスコットだ。モデルチェンジを果たし、オールラウンドモデルとエンデュランスモデルが統合されたADDICTとFOILが試乗車の中心。FOILといえば、旧型がカムテールデザインを他に先駆けて導入されたバイクとして人気を集めたモデルとして知られている。そのFOILの人気が再び高まりつつあるとスコットジャパンの鍛さんは言う。
スコットはMTBにも力を入れており、この日もAspectというエントリーグレードを展示していた。ダウンヒラーである鍛さん自身も、宇都宮ロマンチック村に用意されたトレイルで使用し、その性能の高さに驚いたのだとか。MTBに興味ある来場者がスタッフからの説明を熱心に聞いていた。
先日日本に到着したばかりというE-MTBの「E-GENIUS」というオールマウンテンモデルと、ハードテールモデル「E-SCALE」の試乗展示も行なっていた。電動ユニットを内蔵した厳ついフォルムは注目の的。足を止める予定が無さそうに見えた来場者の方も思わず、二度見、そして足を止め「カッコイイ!」と言ってしまうほど。日本での発売はアナウンスされていないものの、注目のE-バイクということだけあり、試乗する方も多かったみたいだ。スコットジャパンの鍛さんによると、同社は試乗会を中心にバイクを楽しめる機会を多く設けていく予定だと言う。
ロードバイク、E-バイクの試乗展示が中心の埼玉サイクルエキスポにあってシングルスピードバイクを持ち込んだチネリ。実際にチネリのバイクを試乗した来場者のほとんどがシングルスピード初心者で、「思っていたよりも進んでくれる!」という感想が多いのだとか。このような試乗の機会では縁が遠いと思っていたピストとの距離感を縮めることができたはずだ。
試乗では定番のVIGORELLIのスチールモデルとアルミモデルを乗り比べ、素材の違いによる乗り味を確かめる方もいたという。先日リリースされたばかりの限定カラーモデル「Vigarelli」の綺麗なラメ塗装やグラデーションは、レッドフッククリテ総合優勝記念のフレームというストーリーを知らずとも見惚れてしまった。
またチネリと言えばオリジナリティあふれるキャップなどでお馴染みだ。この日は会場で販売していたこともあり、多くの来場者が似合うかどうか試着している方も見受けられた。
埼玉サイクルエキスポ2018に集まった各ブランドのブースは、ニュープロダクトを見て、試して、聞いて、楽しめるものだった。どのブース担当者も、ユーザーそれぞれが好みにマッチしたプロダクトを見つけ、豊かなサイクリングライフを過ごしてもらいたいという気持ちで溢れていた。筆者も新製品を見て、説明を聞いていたら、これから始まるグリーンシーズンをおニューのバイクやパーツを導入して楽しみたくなってしまったのであった。これからお財布と相談したいと思う。
text&photo:Gakuto Fujiwara
photo:Kosuke Kamata
開場する朝9時よりも早く会場に到着し、扉が開く時間は今か今かと待ち受けていた来場者たちが集まる大規模展示・試乗会「埼玉サイクルエキスポ」。来場一番乗りのサイクリストたちが、目当ての試乗車を素早く見つけ公道を封鎖したコースに飛び出して行った後も、新たな来場者たちが続々とアリーナに吸い込まれてくる。
あっという間にさいたまスーパーアリーナのコミュニティアリーナは来場者で一杯になり、中には通り抜けも難しいエリアが発生するほど。各社注目度が高いバイクを揃えているだけありバイク試乗も大盛況で、コースには小径車、ロードレーサー、MTB、E−バイクなど様々で一杯だ。
「朝イチに自宅でプリントアウトした製品情報のペーパーを持参し、これに乗りたいんです!という方も来場してくれました」というのはLivブースの斎藤さん。今年のブースでは昨年の反響を踏まえ、ロードバイク中心の試乗車15台、展示車4台を用意し、クロスバイクからロードにステップアップしたいというニーズに合わせた展開となっていた。
今年のLivブースはさらに進化しており、アパレルの展示数が拡大するととももに、試着することも可能に。バイクはもちろんアパレルも体験できるという貴重な機会を得られ、トータルコーディネートできるLivの魅力を感じやすくなっていた。
足を運んだ女性サイクリストは熱心に製品説明を聞いたり、Instagramのデザインを模した撮影用フレームを手に持ち写真を撮ったり、アンバサダーの武田和佳さんとの交流を楽しんだりと、笑顔で過ごしていたことが印象的だった。
ジェイピースポーツグループの川滝さんがおススメしてくれたプロダクトは、先日取り扱いを発表したばかりのヘルメットブランドの「HJC」。モーターバイクの世界では知名度が高い同社は、今年から自転車用ヘルメットに参入しはじめた。
また、今シーズンよりUCIワールドチームであるロット・スーダルが使用しはじめたブランドであり、今後目にする機会が増えそうなヘルメットだ。アンドレ・グライペルがHJCのヘルメットを気に入っていることや、アダム・ハンセンはオールラウンドモデルのアイベックスを愛用していると川滝さんは言う。
試着もOKであったため、筆者もエアロモデル「フリオン」を試着してみた。普段はカブトのS/Mサイズを使用している筆者は、HJCではM/Lサイズ以上がフィット。帽体が若干ヨーロピアンなスタイルであると感じたが、サイズさえ合っていれば、どこかに痛みが発生することは無さそう、というのがファーストインプレッションだ。シクロワイアードでは後日インプレッションを行う予定。
もちろんジェイピースポーツグループといえば、ベルギーのバイクブランドであるリドレーだろう。HELIUM、NOAH、FENIXという3本柱の試乗車は常に貸し出し中であり、その注目度の高さを垣間見ることができた。
一際人が密集しているエリアに足を踏み入れると、そこにはトライスポーツのブースが待ち構えていた。同社はコリマやヴェロフレックス、セラミックスピードといったメジャーブランドから、AX-ライトネスやストロングライトなどコアなブランドまで取り扱うことで、エンスーな自転車ファンから注目を集めている。
今回の埼玉サイクルエキスポでは、ファクターからリリースされているユニークなロードバイク「ONE-S」や、セラミックスピード製ビッグプーリーの体験型展示、プラクシスワークスの新型カーボンクランク「ZAYANTE」を展示。ZAYANTEはシマノのDURA-ACE R9100と同程度の重要ながら、価格が抑えられたというコストパフォーマンスに優れた製品。コアな自転車乗りには魅力的なプロダクトとして目に映ったはずだ。
また、今回のブースではミナト製薬の「スポーツ用麦茶」の試飲が来場者に配られていた。試しに一口飲んでみたところの感想は、塩味を感じる麦茶。それもそのはず。このスポーツ用麦茶は、麦茶エキスに塩分を加えた粉末ドリンクなのだから。一般的な麦茶に塩を溶かしたらこのような味になるだろうなと思えるほど、麦茶の味も自然だ。
この製品は、発汗とともに体内から失われる塩分を補給するために開発されており、食塩相当量は経口補水液に匹敵するほどだという。通常の麦茶やスポーツドリンクよりも効果的な塩分補給を可能としている。麦茶は、糖分のあるスポーツドリンクのようにベタベタしないし、味が付いているため水よりも飽きにくい。夏場のサイクリングで試してみたくなったプロダクトだ。
この日、試乗と物販でひっきりなしに人が集まっていたブースのひとつがスコットだ。モデルチェンジを果たし、オールラウンドモデルとエンデュランスモデルが統合されたADDICTとFOILが試乗車の中心。FOILといえば、旧型がカムテールデザインを他に先駆けて導入されたバイクとして人気を集めたモデルとして知られている。そのFOILの人気が再び高まりつつあるとスコットジャパンの鍛さんは言う。
スコットはMTBにも力を入れており、この日もAspectというエントリーグレードを展示していた。ダウンヒラーである鍛さん自身も、宇都宮ロマンチック村に用意されたトレイルで使用し、その性能の高さに驚いたのだとか。MTBに興味ある来場者がスタッフからの説明を熱心に聞いていた。
先日日本に到着したばかりというE-MTBの「E-GENIUS」というオールマウンテンモデルと、ハードテールモデル「E-SCALE」の試乗展示も行なっていた。電動ユニットを内蔵した厳ついフォルムは注目の的。足を止める予定が無さそうに見えた来場者の方も思わず、二度見、そして足を止め「カッコイイ!」と言ってしまうほど。日本での発売はアナウンスされていないものの、注目のE-バイクということだけあり、試乗する方も多かったみたいだ。スコットジャパンの鍛さんによると、同社は試乗会を中心にバイクを楽しめる機会を多く設けていく予定だと言う。
ロードバイク、E-バイクの試乗展示が中心の埼玉サイクルエキスポにあってシングルスピードバイクを持ち込んだチネリ。実際にチネリのバイクを試乗した来場者のほとんどがシングルスピード初心者で、「思っていたよりも進んでくれる!」という感想が多いのだとか。このような試乗の機会では縁が遠いと思っていたピストとの距離感を縮めることができたはずだ。
試乗では定番のVIGORELLIのスチールモデルとアルミモデルを乗り比べ、素材の違いによる乗り味を確かめる方もいたという。先日リリースされたばかりの限定カラーモデル「Vigarelli」の綺麗なラメ塗装やグラデーションは、レッドフッククリテ総合優勝記念のフレームというストーリーを知らずとも見惚れてしまった。
またチネリと言えばオリジナリティあふれるキャップなどでお馴染みだ。この日は会場で販売していたこともあり、多くの来場者が似合うかどうか試着している方も見受けられた。
埼玉サイクルエキスポ2018に集まった各ブランドのブースは、ニュープロダクトを見て、試して、聞いて、楽しめるものだった。どのブース担当者も、ユーザーそれぞれが好みにマッチしたプロダクトを見つけ、豊かなサイクリングライフを過ごしてもらいたいという気持ちで溢れていた。筆者も新製品を見て、説明を聞いていたら、これから始まるグリーンシーズンをおニューのバイクやパーツを導入して楽しみたくなってしまったのであった。これからお財布と相談したいと思う。
text&photo:Gakuto Fujiwara
photo:Kosuke Kamata
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