2017/08/28(月) - 08:48
アメリカを代表するバイクブランド、キャノンデール。その2018年モデルが一堂に会した展示会が山梨県富士吉田市の富士急ハイランドリゾートにて開催された。全てが新しくなったエンデュランスレーサーSYNAPSE、豊富なカラー展開を打ち出したCAAD12をはじめとした、新モデルが集まった展示会の様子をレポートしよう。
独創的な発想の下、多くの名作バイクを送り出してきたアメリカの人気ブランド、キャノンデール。その2018年モデルが富士山北麓の山梨県富士吉田市、富士急ハイランドリゾートホテルでお披露目された。今年は規模を拡大し、販売店・メディア関係者のみならず、一般ユーザーをも対象とした4日間のイベント「キャノンデール BIG WEEK」として、大々的に開催された。
ホテルのロビーから2階へと上がり、展示会場へ向かう廊下には、パオロ・サヴォロデッリやマリオ・チッポリーニなど、キャノンデールバイクと共に活躍してきた名選手たちの実車や、彼らが獲得してきた特別なジャージたちが並べられていた。
入り口前の空間にはキャノンデールの歴史を彩ってきたオリジナリティあふれる設計のMTBたち、そして今年のツール・ド・フランスで総合2位に入ったリゴベルト・ウランの使用したバイクも展示され、キャノンデールの昔から今まで、積み重ねてきた歴史を感じながら、会場への入り口をくぐる。
会場となったホールに並べられたのは、キャノンデールが誇る2018年モデルたち。煌びやかにライトアップされたバイクの数々が、訪れた私たちを迎えてくれる。2018年モデルの目玉となるのは、エンデュランスバイクSYNAPSEのフルモデルチェンジ。イタリア・コモ湖で行われた発表会レポート記事はこちらから)で世界デビューした新世代のSYNAPSEが日本で国内で初めて実車に触れる機会となった。
詳しいテクノロジーや開発者のコメントなどについては、先述のローンチ時の記事に詳しいが、改めて新シナプスの概要を説明すると、「余計なギミックを廃し、極力シンプルな設計で振動吸収性能と走行性能を両立したレーシングバイク」ということになろうか。
これまでにあった「重く」「アップライト」で「挙動が鈍い」というエンデュランスバイクへのイメージを一新する真のエンデュランスマシンとして、キャノンデールが持つ最先端のテクノロジーを結集して作られたのが新しいSYNAPSEだという。
サスペンションをはじめとしたメカニカルな振動減衰機構を持たず、カーボン素材の積層と形状的な工夫によって、前作のほぼ倍となる快適性を持ちながら非常に軽量なバイクとして完成している。そのキモとなるテクノロジーが「SAVE PLUSマイクロサスペンション」であり、シートステー、チェーンステー、シートチューブ、ピラーにそのテクノロジーを導入している。
向上したのは振動吸収性だけではない。アンダー1kgという軽量性、オールラウンドレーサーであるSUPERSIX EVO Hi-MODに比肩する剛性、スタックとリーチを基準とした実際的なサイズ展開、そしてよりレーシーなジオメトリー、3種類のヘッド径およびフォークオフセットの展開によるサイズ間の性能差の相殺。一挙に羅列したが、これらのアップデートをこのフルモデルチェンジに全て投入することで、SYNAPSEはエンデュランスバイクとして、一つ上の地平に至った。
そんなニューバイクと並び、2018年のキャノンデールを支えるのが、定番モデルとして高い人気を誇るアルミバイク、CAAD12だ。最高の性能を持つアルミバイクとして開発され、”カーボンキラー”の二つ名を与えられた名車に、新しく用意されたのは22種類の新グラフィックだ。
CAAD12 COLORSとして発表されたこのグラフィックは、上位モデルであるSUPERSIX EVO Hi-MODにのみ用意されていたカラーオーダーシステム"キャノンデール カスタムラボ"を手がける職人によってペイントされる高品質なもの。また、デカールなどもカスタムラボで使用されるクロームやコッパーといったスペシャルカラーが合わせられるモデルも。
そしてカスタムラボも更なる拡充を遂げる。27色の現行カラーに加え、8色の新たなカラーが登場。ロゴデカールについても、同様で現在選択可能な11色に、バーサーカーグリーンとコッパーのマット&グロス仕様、そしてクロームにマット仕様が追加され、更に選択の幅が広がった。また、シンプルな"プレーン"パターンで全てのカラーとデカールの組み合わせが自由になったことも大きな進化だろう。アカウント登録もフェイスブックやGoogleアカウントで利用できるようになったため、気軽にカスタムラボで理想のバイク作りを体験できるようになったという。
だが、キャノンデールが2018年シーズンに重要視しているのは、これらの新たなハードウエアだけではない。これらのバイクをどのように使い、楽しむか。ロードバイクの楽しみ方を広げるために様々な取り組みを展開していくという。
例えば、ロードバイクに全く触れたことも無いようなビギナーに向けたレンタルバイクや、スポーツバイクに乗り始めたばかりの方へ向けたサイクルスクールといった、自転車の世界のすそ野を広げるような活動を積極的にサポートしていくという。
また、その取り組みの中で頂点に位置するのが、キャノンデールバイクの世界観を存分に味わえるライドイベント"SLATE EXPERIECE"と"SYNAPSE EXPERIECE"。キャノンデールらしさに溢れたアドベンチャーバイクであるSLATE、そして、この度発表された新型SYNAPSE。それぞれのバイクの魅力を最大限に引き出すような、魅力的なコースがSLATE EXPERIENCEとSYNAPSE EXPERIECEの神髄だ。今年行われたSLATEライドの様子はこちらの記事に詳しい。
バイクの持つそれぞれの魅力、そしてその世界観を味わうための仕掛けは、このBIG WEEKでも味わえた。SYNAPSEやSUPERSIX EVO、SLATEなどそれぞれのモデルに大量に試乗車が用意され、それぞれキャノンデール・ジャパンのスタッフの先導の下、たっぷりとバイクの性能が味わえる試乗体験ができるのだ。
それでは、SYNAPSEのテストライドに参加した編集部員・村田のレポートをお届けしよう。
「新型SYNAPSEを体験できる国内最速の場となった今回のBIG WEEK。メディア向けライドに私村田も参加し約40kmほど乗り込むことができた。十分に体験できた中で最も顕著に感じたのが、このバイク驚くほどに”走る”ということ。登り下りやコーナリング等各シチュエーションを試すことができたが、どれもSUPERSIX EVOに勝るとも劣らない走行性能を獲得しており、エンデュランスバイクにありがちな挙動の鈍さや走りの重さは一切なかった。プライベートでもEVOを愛用している私だが、もしブラインドで走りのテストをしたら、それこそ区別が付かないのではと思うほどに良く走る1台に仕上がっている。
それでいて進化したSAVEのテクノロジーにより、路面からの振動は明らかに軽減しており、体への負担も大幅にカットしてくれている。高い走行性能と相まって、一般的に振動も大きくなる高速域でよりスムースな乗り心地が際立って感じられた。レーシーなポジションを優先するシリアスなライダーにはやはりSUPERSIX EVOが良いのかもしれないが、ロングライドやグランフォンドを楽しむといった用途、走ること自体を楽しみたいというサイクリストには、ぜひこのSYNAPSEに乗ってもらいたい。必ずやあなたのライドを1段階2段階上のステップへ誘ってくれることだろう。」
独創的なコンセプトに基づくバイクづくりと、それらの持つ魅力的な世界を全力で表現したキャノンデールBIG WEEK。私たちが訪れた翌日には一般ユーザー向けの日程も行われたとのことだが、きっと訪れたほぼ全ての人達が、キャノンデールのファンになっているのではないだろうか。
text&photo:Naoki.Yasuoka
独創的な発想の下、多くの名作バイクを送り出してきたアメリカの人気ブランド、キャノンデール。その2018年モデルが富士山北麓の山梨県富士吉田市、富士急ハイランドリゾートホテルでお披露目された。今年は規模を拡大し、販売店・メディア関係者のみならず、一般ユーザーをも対象とした4日間のイベント「キャノンデール BIG WEEK」として、大々的に開催された。
ホテルのロビーから2階へと上がり、展示会場へ向かう廊下には、パオロ・サヴォロデッリやマリオ・チッポリーニなど、キャノンデールバイクと共に活躍してきた名選手たちの実車や、彼らが獲得してきた特別なジャージたちが並べられていた。
入り口前の空間にはキャノンデールの歴史を彩ってきたオリジナリティあふれる設計のMTBたち、そして今年のツール・ド・フランスで総合2位に入ったリゴベルト・ウランの使用したバイクも展示され、キャノンデールの昔から今まで、積み重ねてきた歴史を感じながら、会場への入り口をくぐる。
会場となったホールに並べられたのは、キャノンデールが誇る2018年モデルたち。煌びやかにライトアップされたバイクの数々が、訪れた私たちを迎えてくれる。2018年モデルの目玉となるのは、エンデュランスバイクSYNAPSEのフルモデルチェンジ。イタリア・コモ湖で行われた発表会レポート記事はこちらから)で世界デビューした新世代のSYNAPSEが日本で国内で初めて実車に触れる機会となった。
詳しいテクノロジーや開発者のコメントなどについては、先述のローンチ時の記事に詳しいが、改めて新シナプスの概要を説明すると、「余計なギミックを廃し、極力シンプルな設計で振動吸収性能と走行性能を両立したレーシングバイク」ということになろうか。
これまでにあった「重く」「アップライト」で「挙動が鈍い」というエンデュランスバイクへのイメージを一新する真のエンデュランスマシンとして、キャノンデールが持つ最先端のテクノロジーを結集して作られたのが新しいSYNAPSEだという。
サスペンションをはじめとしたメカニカルな振動減衰機構を持たず、カーボン素材の積層と形状的な工夫によって、前作のほぼ倍となる快適性を持ちながら非常に軽量なバイクとして完成している。そのキモとなるテクノロジーが「SAVE PLUSマイクロサスペンション」であり、シートステー、チェーンステー、シートチューブ、ピラーにそのテクノロジーを導入している。
向上したのは振動吸収性だけではない。アンダー1kgという軽量性、オールラウンドレーサーであるSUPERSIX EVO Hi-MODに比肩する剛性、スタックとリーチを基準とした実際的なサイズ展開、そしてよりレーシーなジオメトリー、3種類のヘッド径およびフォークオフセットの展開によるサイズ間の性能差の相殺。一挙に羅列したが、これらのアップデートをこのフルモデルチェンジに全て投入することで、SYNAPSEはエンデュランスバイクとして、一つ上の地平に至った。
そんなニューバイクと並び、2018年のキャノンデールを支えるのが、定番モデルとして高い人気を誇るアルミバイク、CAAD12だ。最高の性能を持つアルミバイクとして開発され、”カーボンキラー”の二つ名を与えられた名車に、新しく用意されたのは22種類の新グラフィックだ。
CAAD12 COLORSとして発表されたこのグラフィックは、上位モデルであるSUPERSIX EVO Hi-MODにのみ用意されていたカラーオーダーシステム"キャノンデール カスタムラボ"を手がける職人によってペイントされる高品質なもの。また、デカールなどもカスタムラボで使用されるクロームやコッパーといったスペシャルカラーが合わせられるモデルも。
そしてカスタムラボも更なる拡充を遂げる。27色の現行カラーに加え、8色の新たなカラーが登場。ロゴデカールについても、同様で現在選択可能な11色に、バーサーカーグリーンとコッパーのマット&グロス仕様、そしてクロームにマット仕様が追加され、更に選択の幅が広がった。また、シンプルな"プレーン"パターンで全てのカラーとデカールの組み合わせが自由になったことも大きな進化だろう。アカウント登録もフェイスブックやGoogleアカウントで利用できるようになったため、気軽にカスタムラボで理想のバイク作りを体験できるようになったという。
だが、キャノンデールが2018年シーズンに重要視しているのは、これらの新たなハードウエアだけではない。これらのバイクをどのように使い、楽しむか。ロードバイクの楽しみ方を広げるために様々な取り組みを展開していくという。
例えば、ロードバイクに全く触れたことも無いようなビギナーに向けたレンタルバイクや、スポーツバイクに乗り始めたばかりの方へ向けたサイクルスクールといった、自転車の世界のすそ野を広げるような活動を積極的にサポートしていくという。
また、その取り組みの中で頂点に位置するのが、キャノンデールバイクの世界観を存分に味わえるライドイベント"SLATE EXPERIECE"と"SYNAPSE EXPERIECE"。キャノンデールらしさに溢れたアドベンチャーバイクであるSLATE、そして、この度発表された新型SYNAPSE。それぞれのバイクの魅力を最大限に引き出すような、魅力的なコースがSLATE EXPERIENCEとSYNAPSE EXPERIECEの神髄だ。今年行われたSLATEライドの様子はこちらの記事に詳しい。
バイクの持つそれぞれの魅力、そしてその世界観を味わうための仕掛けは、このBIG WEEKでも味わえた。SYNAPSEやSUPERSIX EVO、SLATEなどそれぞれのモデルに大量に試乗車が用意され、それぞれキャノンデール・ジャパンのスタッフの先導の下、たっぷりとバイクの性能が味わえる試乗体験ができるのだ。
それでは、SYNAPSEのテストライドに参加した編集部員・村田のレポートをお届けしよう。
「新型SYNAPSEを体験できる国内最速の場となった今回のBIG WEEK。メディア向けライドに私村田も参加し約40kmほど乗り込むことができた。十分に体験できた中で最も顕著に感じたのが、このバイク驚くほどに”走る”ということ。登り下りやコーナリング等各シチュエーションを試すことができたが、どれもSUPERSIX EVOに勝るとも劣らない走行性能を獲得しており、エンデュランスバイクにありがちな挙動の鈍さや走りの重さは一切なかった。プライベートでもEVOを愛用している私だが、もしブラインドで走りのテストをしたら、それこそ区別が付かないのではと思うほどに良く走る1台に仕上がっている。
それでいて進化したSAVEのテクノロジーにより、路面からの振動は明らかに軽減しており、体への負担も大幅にカットしてくれている。高い走行性能と相まって、一般的に振動も大きくなる高速域でよりスムースな乗り心地が際立って感じられた。レーシーなポジションを優先するシリアスなライダーにはやはりSUPERSIX EVOが良いのかもしれないが、ロングライドやグランフォンドを楽しむといった用途、走ること自体を楽しみたいというサイクリストには、ぜひこのSYNAPSEに乗ってもらいたい。必ずやあなたのライドを1段階2段階上のステップへ誘ってくれることだろう。」
独創的なコンセプトに基づくバイクづくりと、それらの持つ魅力的な世界を全力で表現したキャノンデールBIG WEEK。私たちが訪れた翌日には一般ユーザー向けの日程も行われたとのことだが、きっと訪れたほぼ全ての人達が、キャノンデールのファンになっているのではないだろうか。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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