2009/12/19(土) - 01:06
編集長バイクの再塗装前のラフのデザイン画が出来上がった。もっとポップなものも考えたが、ベースは白と緑のコントラストに、彼が欧州プロレースで撮影した色々な写真を水玉風に切り抜き、モノクロで配置してみた。
デザイン画のデータを送ると、綾野山親方・向こう正面審判から、物言いがついた。
「ただいまのデザインに関し審議したところ、デザイナー先走りにつき、とりなおし~」
どこまでも派手に出来るのだけど、できるなら何年もの期間にわたって愛されるデザインにしたい...。厳しい意見が。どうやら、ちょっとお遊びが過ぎたみたい。ということで、編集長のご意向も取り入れて、手直しすることになった。
「シクロワイアードらしい」そんな言葉をモチーフに再デザインをすることに。「シクロワイアードらしい」って、どんなんだろう。改めてシクロワイアードのサイトを隅々まで見回してみた。
僕の見るところ、シクロワイアードのサイトは非常にシンプルで上品。見やすくて、軽くて、派手すぎず、かなり好感度が高いサイトデザインだ。
編集長に聞けば、まったくその通りで、極力シンプルなサイトデザインを心がけているらしい。サイトのデザインコンセプトは「質素な上質感」とのことで、シンプルでいて質の高い、視覚に訴えすぎないサイトを心がけているとのこと。
そういうコンセプトを再度飲み込み、デザインし直してみた。それが以下のデザイン。
さて、編集長の裁決やいかに。
写真も多くの点数を使うのではなく、インパクトのある風景がらみの写真を2点、大胆に使うことにした。フレームをキャンバスにして描くロードレースのある風景。点数を欲張りたくなる心をぐっと抑え、ポスターにして部屋やお店に飾りたくなる写真を選び出したのだ。でもこれらもあくまでデザインラフ。さて、どうでしょう。これらの写真が使用されるかはお楽しみに!
そしてそのすぐの月末から、ウエアーメーカーとデザイン打ち合わせでイタリアへ旅発ってしまう事になった僕...。その前にある程度は作業を進めたいな...。
カツリーズはある程度の仕事は僕無しでも進む体制にはなっているが、特殊なデザイン物は、僕がいないと全く進まないのが現状。時間が無~い!
カツリーズの仕事ファイル
編集長のお達しにより、今までカツリーズが手がけたアートなバイクやエキップメントを紹介していくコーナー第2弾。思い出の作品の数々を、デザインしたときのワンポイント・アドバイスを交えてご紹介していきましょう。
オリンピック選手、山本良介のバイクデザイン
あれは北京五輪の前年。選手達が熾烈な代表争いをしているなか、東京のBIKE&HIKE(竹内代表)を介して制作依頼が入った。トライアスロンの山本良介選手の「Go to 北京モデル」の制作だ。
「モチベーションが上がるデザインを」との指示だ(これも編集長に負けずなんて簡単な指示だ...)。
そこで、日本のナショナルカラーと、オリンピックでの金メダル獲得をテーマに制作することに。初めて「デザインの力」を意識した作品だった。そして北京五輪だけにちょっとオリエンタルな中華風を意識してみた。
次は目指せロンドン五輪 「Go to LONDONモデル」
そして、北京五輪モデルが好評だったからか、今度の「目指せロンドン五輪モデル」の制作もすることになった。フレームもエアロのフェルトARシリーズになり、塗り面積も増えて少しデザインしやすくなった。
競輪選手 坂上樹大のピスト
石川県内灘高校出身の競輪S1選手、坂上樹大(さかがみ・たつひろ)選手からの依頼。
彼はレースや厳しいトレーニングを行う際、「獰猛でありながらも、冷静に行動する虎」をイメージするという。そこで思いついたデザインが、書画の虎。それも白虎!
これはレースで実際に使用しないフレームだけど、毎日練習で使用する。すなわち、最も長い時間乗るフレームってこと。いつか彼がビックタイトルを獲る日を、祈っている。
唐見実世子モデルのヘルメット
LASヘルメットが数年前に発表したBIONIX。どちらかと言えばとんがったデザインが主流のヘルメットデザインの中で、ひときわ異彩を放っている、丸いシルエットが戦隊物のヒーローみたいだ。そのヘルメットをカスタムしてみた。かぶるのはカラミッチこと唐見実世子だ。
イメージはUSエアフォースのパイロット。自転車選手達にはヒーローでいてもらいたい...。
ん?カラミッチはヒロインか!
プロフィール
成田 加津利(なりた かずとし)
1967年11月27日生まれ(ブルースリーと同じ日である事が自慢)。文化系の生い立ちで美術系への進学を試みるが、ことごとく失敗。その反動で、体育会系へ転身。
高校時代にピスト競技で日本一に輝き、実業団へと進む。ツール・ド・北海道や国際大会で入賞し、平成元年に競輪へと進む。2000年に現役を引退し、現在のショップ「カツリーズ」を開業。
同時に選手指導への思いも強く、アテネオリンピック代表の唐見実世子を育成。現在も石川県のヘッドコーチを務める。メカニックとしても活躍し、現在はNIPPO COLNAGOに所属。過去にはジャパンナショナル、愛三工業、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン、ブリヂストン・アンカーでもスポットでメカニックを努めた事がある。
デザイナーとしては自分が選手として参加した、石川インターハイのパンフレットや、グッドデザインにも輝いたナカガワサイクルワークスの初代チームジャージを手がけている。ちなみに現在のカツリーズサイクルのカツリは、中川茂氏が間違えて読んだ事からニックネームとして定着。開業時に相談したところ、「カツリで行け!」と、かん高い声で名付けたという(分かる人には分かる話!)。
カツリーズ サイクル
デザイン画のデータを送ると、綾野山親方・向こう正面審判から、物言いがついた。
「ただいまのデザインに関し審議したところ、デザイナー先走りにつき、とりなおし~」
どこまでも派手に出来るのだけど、できるなら何年もの期間にわたって愛されるデザインにしたい...。厳しい意見が。どうやら、ちょっとお遊びが過ぎたみたい。ということで、編集長のご意向も取り入れて、手直しすることになった。
「シクロワイアードらしい」そんな言葉をモチーフに再デザインをすることに。「シクロワイアードらしい」って、どんなんだろう。改めてシクロワイアードのサイトを隅々まで見回してみた。
僕の見るところ、シクロワイアードのサイトは非常にシンプルで上品。見やすくて、軽くて、派手すぎず、かなり好感度が高いサイトデザインだ。
編集長に聞けば、まったくその通りで、極力シンプルなサイトデザインを心がけているらしい。サイトのデザインコンセプトは「質素な上質感」とのことで、シンプルでいて質の高い、視覚に訴えすぎないサイトを心がけているとのこと。
そういうコンセプトを再度飲み込み、デザインし直してみた。それが以下のデザイン。
さて、編集長の裁決やいかに。
写真も多くの点数を使うのではなく、インパクトのある風景がらみの写真を2点、大胆に使うことにした。フレームをキャンバスにして描くロードレースのある風景。点数を欲張りたくなる心をぐっと抑え、ポスターにして部屋やお店に飾りたくなる写真を選び出したのだ。でもこれらもあくまでデザインラフ。さて、どうでしょう。これらの写真が使用されるかはお楽しみに!
そしてそのすぐの月末から、ウエアーメーカーとデザイン打ち合わせでイタリアへ旅発ってしまう事になった僕...。その前にある程度は作業を進めたいな...。
カツリーズはある程度の仕事は僕無しでも進む体制にはなっているが、特殊なデザイン物は、僕がいないと全く進まないのが現状。時間が無~い!
カツリーズの仕事ファイル
編集長のお達しにより、今までカツリーズが手がけたアートなバイクやエキップメントを紹介していくコーナー第2弾。思い出の作品の数々を、デザインしたときのワンポイント・アドバイスを交えてご紹介していきましょう。
オリンピック選手、山本良介のバイクデザイン
あれは北京五輪の前年。選手達が熾烈な代表争いをしているなか、東京のBIKE&HIKE(竹内代表)を介して制作依頼が入った。トライアスロンの山本良介選手の「Go to 北京モデル」の制作だ。
「モチベーションが上がるデザインを」との指示だ(これも編集長に負けずなんて簡単な指示だ...)。
そこで、日本のナショナルカラーと、オリンピックでの金メダル獲得をテーマに制作することに。初めて「デザインの力」を意識した作品だった。そして北京五輪だけにちょっとオリエンタルな中華風を意識してみた。
次は目指せロンドン五輪 「Go to LONDONモデル」
そして、北京五輪モデルが好評だったからか、今度の「目指せロンドン五輪モデル」の制作もすることになった。フレームもエアロのフェルトARシリーズになり、塗り面積も増えて少しデザインしやすくなった。
競輪選手 坂上樹大のピスト
石川県内灘高校出身の競輪S1選手、坂上樹大(さかがみ・たつひろ)選手からの依頼。
彼はレースや厳しいトレーニングを行う際、「獰猛でありながらも、冷静に行動する虎」をイメージするという。そこで思いついたデザインが、書画の虎。それも白虎!
これはレースで実際に使用しないフレームだけど、毎日練習で使用する。すなわち、最も長い時間乗るフレームってこと。いつか彼がビックタイトルを獲る日を、祈っている。
唐見実世子モデルのヘルメット
LASヘルメットが数年前に発表したBIONIX。どちらかと言えばとんがったデザインが主流のヘルメットデザインの中で、ひときわ異彩を放っている、丸いシルエットが戦隊物のヒーローみたいだ。そのヘルメットをカスタムしてみた。かぶるのはカラミッチこと唐見実世子だ。
イメージはUSエアフォースのパイロット。自転車選手達にはヒーローでいてもらいたい...。
ん?カラミッチはヒロインか!
プロフィール
成田 加津利(なりた かずとし)
1967年11月27日生まれ(ブルースリーと同じ日である事が自慢)。文化系の生い立ちで美術系への進学を試みるが、ことごとく失敗。その反動で、体育会系へ転身。
高校時代にピスト競技で日本一に輝き、実業団へと進む。ツール・ド・北海道や国際大会で入賞し、平成元年に競輪へと進む。2000年に現役を引退し、現在のショップ「カツリーズ」を開業。
同時に選手指導への思いも強く、アテネオリンピック代表の唐見実世子を育成。現在も石川県のヘッドコーチを務める。メカニックとしても活躍し、現在はNIPPO COLNAGOに所属。過去にはジャパンナショナル、愛三工業、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン、ブリヂストン・アンカーでもスポットでメカニックを努めた事がある。
デザイナーとしては自分が選手として参加した、石川インターハイのパンフレットや、グッドデザインにも輝いたナカガワサイクルワークスの初代チームジャージを手がけている。ちなみに現在のカツリーズサイクルのカツリは、中川茂氏が間違えて読んだ事からニックネームとして定着。開業時に相談したところ、「カツリで行け!」と、かん高い声で名付けたという(分かる人には分かる話!)。
カツリーズ サイクル