2017/04/06(木) - 09:06
「四国一周1000kmサイクリングルート」を発表した愛媛県の企画により結成されたPR隊が旅する四国。連載2弾では香川から徳島、高知へと進んでいく。
香川といえば讃岐うどんである。今回のPR隊の旅程ではうどんを食するプログラムは組まれていないのだが、そこは高松。朝から開いているうどん店があるとの情報で、朝6時出発で市内のうどん店を目指した。
向かったのは「うどんバカ一代」という有名店。高松駅前から自転車で15分、朝6時半についてみればすでに地元の人や目当ての観光客で賑わっているのだから驚く。名物「釜バターうどん」はさながらカルボナーラのようで、胡椒を効かせて食べるとなんとも美味しかった。
うどん朝食で目的を果たした感のあるPR隊だが、今日は朝イチで重大な任務が待っている。香川県庁に向かい、知事を表敬訪問することだ。今回のPR隊の大きな任務として、各県の知事と面会し、四国一周サイクリングのコンセプトを紹介し、理解してもらうことがある。
愛媛県庁で発表したように、モデルルートの紹介をし、一緒になって四国一周サイクリングを盛り上げてもらうべく合意を取り付けるのだ。門田さんいよれば、今まで高知県とは連携ができているものの、高知県を含め各県に説明して回るのはこれが最初なのだという。
県庁の応接室に通され、プレゼンを行うPR隊。地元TV局や新聞、雑誌メディアも話を聞きつけて取材のために押しかけている。そのなかでのプレゼンは緊張感が走る。筆者もその様子を取材しながらもPR隊のメンバーの一員であるため、取材される側でもある。
門田さんの話を聞いた香川県の浜田恵造知事は「香川はおだやかな瀬戸内海と多島美、内陸の田園風景、海、うどん、アートといったサイクリングが楽しめる魅力的な資源が豊富で、安全で快適に楽しめます。サイクルスタンドを設置するなど、休憩場所なども充実させたい」と、大いに合意の様子だ。
PR大使の一青妙さんからは台湾サイクリングの体験談を聞き、四国一周サイクリングPRのためにつくったフラッグに「四国をサイクリストのメッカに!」と署名した浜田知事。サイクルベストを受け取るとスーツを脱ぎ、着用して記念撮影に応じてくれた。こうして各メディアによって取材された映像や記事は、香川じゅうに配信されたようだ。
香川県庁を出発したPR隊は次の目的地、鳴門スカイラインへ。この日は天気もよく、海を見ながらの最高のサイクリングとなった。唯一、走っていてよろけるほど風が強かったことを除けば....。
このルートで待っていてくれたのは地元サイクルチームの徳島BIZANレーシングの皆さん。女性も多いPR隊のメンバーの走りをしっかりサポートしてくださった。こうして地元ともつながりを作りながら、PR隊は進んでいくのだ。
日本一小さな県の香川を走り抜けたPR隊の次の目的地は徳島県庁だ。対応してくれのは熊谷幸三副知事。なんと熊谷氏は大のサイクリング好きで、サイクルイベントを走った話や、四国の東側半分の約400kmを2日間で走った体験を話してくれたり。サイクリングルートとなる道にブルーラインやピクトと呼ぶサインを設定する話などに大いに賛同してくれた。
「驚きました。トップがこうだと話が早いんです」と門田さんも思わぬ収穫に大喜び。熊谷副知事がフラッグにしたサインは「発心!!!」。これは四国遍路において徳島を「発心の道場」と呼んでいることと、「発進」を掛けているとのこと。そして四国一周プロジェクトが今ここから始まるという意味も込められている。その3つに対する「!」だそうだ。県庁には地元の女子チーム「Iwasso!」の皆さんらも参加してくれ、PR隊と交流した。
そして一行が向かったのが室戸岬。徳島は阿南から、室戸岬先端までは左手に太平洋をみながらの延々と続く長い道のりだ。お遍路においても高知の道のりは「修業の道場」と呼ばれ、正念場だ。それはサイクリングにおいては平坦で単調な、淡々と走る道なのかもしれないが。
象のような形をした四国。その後ろ足の先端にある室戸岬。黒潮が洗う海岸線の果にあり、台風のメッカでもある。夏なら照りつける太陽を遮るものがない長い道であるだろうし、台風ともなれば波しぶきに進路を阻まれる厳しい道でもある。自転車で走っていてすれ違う歩き遍路たちの、その厳しさを想像することにもなるだろう。
途中の道すがらで徳島ラーメンを楽しんだPR隊。この日の宿は高知市。市街中心部に近い、鏡川沿いの伝統あるホテル「三翠園」にて投宿。高知の夜はもちろん宴会形式で楽しむ皿鉢(さわち)料理だ。司牡丹など名酒も数々登場し、夜は更けていく。2つの県庁を1日で回るなど、忙しかったPR隊の緊張の糸はようやく緩めることができた。
次編は高知市街から最南端の足摺岬へと向かう。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Tetsuhiko.Komi/Ehime pref
香川といえば讃岐うどんである。今回のPR隊の旅程ではうどんを食するプログラムは組まれていないのだが、そこは高松。朝から開いているうどん店があるとの情報で、朝6時出発で市内のうどん店を目指した。
向かったのは「うどんバカ一代」という有名店。高松駅前から自転車で15分、朝6時半についてみればすでに地元の人や目当ての観光客で賑わっているのだから驚く。名物「釜バターうどん」はさながらカルボナーラのようで、胡椒を効かせて食べるとなんとも美味しかった。
うどん朝食で目的を果たした感のあるPR隊だが、今日は朝イチで重大な任務が待っている。香川県庁に向かい、知事を表敬訪問することだ。今回のPR隊の大きな任務として、各県の知事と面会し、四国一周サイクリングのコンセプトを紹介し、理解してもらうことがある。
愛媛県庁で発表したように、モデルルートの紹介をし、一緒になって四国一周サイクリングを盛り上げてもらうべく合意を取り付けるのだ。門田さんいよれば、今まで高知県とは連携ができているものの、高知県を含め各県に説明して回るのはこれが最初なのだという。
県庁の応接室に通され、プレゼンを行うPR隊。地元TV局や新聞、雑誌メディアも話を聞きつけて取材のために押しかけている。そのなかでのプレゼンは緊張感が走る。筆者もその様子を取材しながらもPR隊のメンバーの一員であるため、取材される側でもある。
門田さんの話を聞いた香川県の浜田恵造知事は「香川はおだやかな瀬戸内海と多島美、内陸の田園風景、海、うどん、アートといったサイクリングが楽しめる魅力的な資源が豊富で、安全で快適に楽しめます。サイクルスタンドを設置するなど、休憩場所なども充実させたい」と、大いに合意の様子だ。
PR大使の一青妙さんからは台湾サイクリングの体験談を聞き、四国一周サイクリングPRのためにつくったフラッグに「四国をサイクリストのメッカに!」と署名した浜田知事。サイクルベストを受け取るとスーツを脱ぎ、着用して記念撮影に応じてくれた。こうして各メディアによって取材された映像や記事は、香川じゅうに配信されたようだ。
香川県庁を出発したPR隊は次の目的地、鳴門スカイラインへ。この日は天気もよく、海を見ながらの最高のサイクリングとなった。唯一、走っていてよろけるほど風が強かったことを除けば....。
このルートで待っていてくれたのは地元サイクルチームの徳島BIZANレーシングの皆さん。女性も多いPR隊のメンバーの走りをしっかりサポートしてくださった。こうして地元ともつながりを作りながら、PR隊は進んでいくのだ。
日本一小さな県の香川を走り抜けたPR隊の次の目的地は徳島県庁だ。対応してくれのは熊谷幸三副知事。なんと熊谷氏は大のサイクリング好きで、サイクルイベントを走った話や、四国の東側半分の約400kmを2日間で走った体験を話してくれたり。サイクリングルートとなる道にブルーラインやピクトと呼ぶサインを設定する話などに大いに賛同してくれた。
「驚きました。トップがこうだと話が早いんです」と門田さんも思わぬ収穫に大喜び。熊谷副知事がフラッグにしたサインは「発心!!!」。これは四国遍路において徳島を「発心の道場」と呼んでいることと、「発進」を掛けているとのこと。そして四国一周プロジェクトが今ここから始まるという意味も込められている。その3つに対する「!」だそうだ。県庁には地元の女子チーム「Iwasso!」の皆さんらも参加してくれ、PR隊と交流した。
そして一行が向かったのが室戸岬。徳島は阿南から、室戸岬先端までは左手に太平洋をみながらの延々と続く長い道のりだ。お遍路においても高知の道のりは「修業の道場」と呼ばれ、正念場だ。それはサイクリングにおいては平坦で単調な、淡々と走る道なのかもしれないが。
象のような形をした四国。その後ろ足の先端にある室戸岬。黒潮が洗う海岸線の果にあり、台風のメッカでもある。夏なら照りつける太陽を遮るものがない長い道であるだろうし、台風ともなれば波しぶきに進路を阻まれる厳しい道でもある。自転車で走っていてすれ違う歩き遍路たちの、その厳しさを想像することにもなるだろう。
途中の道すがらで徳島ラーメンを楽しんだPR隊。この日の宿は高知市。市街中心部に近い、鏡川沿いの伝統あるホテル「三翠園」にて投宿。高知の夜はもちろん宴会形式で楽しむ皿鉢(さわち)料理だ。司牡丹など名酒も数々登場し、夜は更けていく。2つの県庁を1日で回るなど、忙しかったPR隊の緊張の糸はようやく緩めることができた。
次編は高知市街から最南端の足摺岬へと向かう。
photo&text:Makoto.AYANO
photo:Tetsuhiko.Komi/Ehime pref
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