2016/10/27(木) - 08:51
9月下旬、東京都千代田区の日本科学技術館にて、SHIONO BICYCLEのディーラー向け展示会が開催された。何と言っても注目なのは、ドイツの巨大バイクブランド「キューブ」の取り扱いを開始したこと。他にも、ケモやスオーミー、シックスなど実力派ブランドのアイテムが集結した。
いよいよ国内展開が始まるジャーマンブランド「CUBE(キューブ)」
世界中には数多くのバイクブランドが存在し、日本のサイクリストは、ほとんどの大手ブランドを正規代理店経由で購入することができる。海外のディストリビューターやジャーナリストの話を聞くに、この選択肢の多さは、世界的にも恵まれているらしい。そんな中にあって、未だに国内正規代理店が無い大手バイクブランドがある。それがドイツの「CUBE(キューブ)」だ。
チェコとの国境にも近いドイツ東部、ヴァルダースホーフに拠点を置く「CUBE(キューブ)」。生産台数でいえば台湾系ブランドが勝るが、500人もの従業員を抱えるブランドは、自転車業界では片手で数えられるほども存在しないはず。その圧倒的なマンパワーを活かし、バイクは全て自社で生産しているというから驚き。製品開発とハイエンドモデルの生産はドイツ国内で、廉価帯モデルの生産はアジアで行う。
ワンティ・グループグベルトを支えるキューブ (c)CorVos
もちろん、巨大ブランドだけあって品揃えは非常に豊富だ。ロードバイクやMTB、コミューター系モデルはもちろんのこと、近年では電動アシストバイクにも積極的。いち早く本格的なE-MTBをラインアップに加えてユーロバイクアワードを獲得したブランドでもある。
関連パーツやアクセサリーの取り揃えも大量で、それだけで厚さ2cmほどのカタログができてしまうほど。筆者としては、取材のために訪れたユーロバイクでキューブが巨大なブースを出展していたことが印象的。ドイツ国内では多くのブランドストアを展開している。
これだけ巨大なブランドということは、歴史もあるのだろうと思いきや、その創業は1993年のこと。創業者のMarcus Pürnerが、アジアから独自に輸入した自転車を、自身の通っていた大学で売り始めたことに端を発し、そこから僅か20年ほどで世界的なバイクブランドへと成長させた。
長距離レースからロングライドまで幅広い用途に対応するマルチパーパスロード「AGREE C:62 SL」
チェッカーフラッグを連想させるキューブのブランドロゴ
カムテール断面のダウンチューブなど、随所にエアロ設計を取り入れている
日本では、ケモやスオーミーを取り扱うSHIONO BICYCLEが正規代理店を務める「長期間に渡るやりとりの末に、ようやっと国内取り扱いが決定しました。乗り味が素晴らしいことに加え、細部まで丁寧に設計されており、説明書を見ずとも組み立てられるのには驚かされましたね。ぜひとも日本の皆さんにもキューブを乗ってもらいたいです」とは、SHIONO BICYCLEの竹之内さん。多彩なラインアップの中から厳選されたバイクたちが国内展開される予定だ。
今回の展示会で、ショップ関係者の皆さんから最も注目されていたのが「AGREE C:62 SL」だ。カムテール断面のチューブやダイレクトマウントブレーキ、インテグレーテッド設計のシートクランプなど、随所にエアロ設計を取り入れたマルチパーパスモデルで、長距離レースからロングライドまで幅広い用途に対応する。ブルーのフレームカラーは、キューブを駆るUCIプロコンチネンタルチームのワンティ・グループグベルトのチーム仕様。最新のシマノR9100 DURA-ACEをメインコンポーネントとした完成車は税抜きで437,000円(予価)と価格も魅力的である。
「AGREE C:62」のディスクブレーキモデル。リムブレーキモデルに対して、リア三角には快適性を高めるための設計変更が施されている
ロードのラインアップ中もっともコンフォート寄りな「ATTAIN GTC Pro Disc」
「ATTAIN」シリーズのアルミモデル。基本設計はカーボンモデルより踏襲している
「AGREE C:62」にはディスクブレーキ仕様もラインアップされる。基本的なフレーム設計はリムブレーキ仕様と共通だが、チェーンステーをベンドさせ、シートステーブリッジを取り払うことで、快適性を高めていた。もちろん、前後12mmスルーアクスル&フラットマウントの標準規格に準拠する。
「ATTAIN GTC Pro Disc」は、ロードラインアップの中で最も快適性が高いディスクブレーキ仕様のエンデュランスロードで、細身のシートステーとフロントフォークがくまなく振動をいなしてくれる。また、「ATTAIN」シリーズにはアルミフレームモデルも用意されており、カーボンモデルより流れを汲んだ設計により性能差を最小限に抑えながら、コストパフォーマンスを高めている。
イタリアで20年以上に渡ってカーボンバイクの開発と製造に携わってきたエキスパートが、自らの理想を追求すべく立ち上げた新興ブランド「KEMO(ケモ)」
ケモの特徴とも言うべきネオンカラー
ケモのフラッグシップモデルの「KE-R8」シリーズには、新型DURA-ACE搭載モデルが追加
イタリアで20年以上に渡ってカーボンバイクの開発と製造に携わってきたエキスパートが、自らの理想を追求すべく立ち上げた新興ブランド「KEMO(ケモ)」。2017モデルでは新作の登場はないものの、フラッグシップモデルの「KE-R8」シリーズや、エアロ系ミドルグレード「KE-R5」に、新型DURA-ACE搭載モデルが追加された。
ランプレ・メリダをサポートするイタリアのヘルメットブランドSUOMY(スオーミー)はミドルグレードモデルが充実。ロード用の「SFERA」は、効率的に配置されたベンチレーションホールにより、通気性とエアロ性能を両立。今回の展示会には間に合わなかったものの、ユーロバイクで展示され話題となったロード用の末弟グレード「TIMELESS」はブランド最軽量の190gを実現している。
シックスは国内展開アイテムを拡充。ウィンドブレーカーなどがラインアップに加わった
シックスはソックスやカーフガードなども充実
ロード用のミドルグレードヘルメット「SFERA」。効率的に配置されたベンチレーションホールにより、通気性とエアロ性能を両立
スオーミーからは、バイザー付きのオフロードモデルも
エティックス・クイックステップが使用するイタリア発のテクニカルウェアブランドSIXS(シックス)。先行して国内展開されていたアンダーウェアやソックスに加え、ジャージやショーツなども国内ラインアップに加わった。CW編集部の注目はウィンドブレーカー「MANT W」だ。カーボン繊維を編みこむことで通気性を高めた特許取得の自社製生地を脇などに配置することで、汗や熱を効率良く排出し、快適な温度や湿度をキープしてくれるという1着だ。
なお、SHIONO BICYCLE取り扱いの新作プロダクトは、レビューコーナーにて随時紹介していく予定だ。お楽しみに。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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世界中には数多くのバイクブランドが存在し、日本のサイクリストは、ほとんどの大手ブランドを正規代理店経由で購入することができる。海外のディストリビューターやジャーナリストの話を聞くに、この選択肢の多さは、世界的にも恵まれているらしい。そんな中にあって、未だに国内正規代理店が無い大手バイクブランドがある。それがドイツの「CUBE(キューブ)」だ。
チェコとの国境にも近いドイツ東部、ヴァルダースホーフに拠点を置く「CUBE(キューブ)」。生産台数でいえば台湾系ブランドが勝るが、500人もの従業員を抱えるブランドは、自転車業界では片手で数えられるほども存在しないはず。その圧倒的なマンパワーを活かし、バイクは全て自社で生産しているというから驚き。製品開発とハイエンドモデルの生産はドイツ国内で、廉価帯モデルの生産はアジアで行う。
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もちろん、巨大ブランドだけあって品揃えは非常に豊富だ。ロードバイクやMTB、コミューター系モデルはもちろんのこと、近年では電動アシストバイクにも積極的。いち早く本格的なE-MTBをラインアップに加えてユーロバイクアワードを獲得したブランドでもある。
関連パーツやアクセサリーの取り揃えも大量で、それだけで厚さ2cmほどのカタログができてしまうほど。筆者としては、取材のために訪れたユーロバイクでキューブが巨大なブースを出展していたことが印象的。ドイツ国内では多くのブランドストアを展開している。
これだけ巨大なブランドということは、歴史もあるのだろうと思いきや、その創業は1993年のこと。創業者のMarcus Pürnerが、アジアから独自に輸入した自転車を、自身の通っていた大学で売り始めたことに端を発し、そこから僅か20年ほどで世界的なバイクブランドへと成長させた。
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日本では、ケモやスオーミーを取り扱うSHIONO BICYCLEが正規代理店を務める「長期間に渡るやりとりの末に、ようやっと国内取り扱いが決定しました。乗り味が素晴らしいことに加え、細部まで丁寧に設計されており、説明書を見ずとも組み立てられるのには驚かされましたね。ぜひとも日本の皆さんにもキューブを乗ってもらいたいです」とは、SHIONO BICYCLEの竹之内さん。多彩なラインアップの中から厳選されたバイクたちが国内展開される予定だ。
今回の展示会で、ショップ関係者の皆さんから最も注目されていたのが「AGREE C:62 SL」だ。カムテール断面のチューブやダイレクトマウントブレーキ、インテグレーテッド設計のシートクランプなど、随所にエアロ設計を取り入れたマルチパーパスモデルで、長距離レースからロングライドまで幅広い用途に対応する。ブルーのフレームカラーは、キューブを駆るUCIプロコンチネンタルチームのワンティ・グループグベルトのチーム仕様。最新のシマノR9100 DURA-ACEをメインコンポーネントとした完成車は税抜きで437,000円(予価)と価格も魅力的である。
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「ATTAIN GTC Pro Disc」は、ロードラインアップの中で最も快適性が高いディスクブレーキ仕様のエンデュランスロードで、細身のシートステーとフロントフォークがくまなく振動をいなしてくれる。また、「ATTAIN」シリーズにはアルミフレームモデルも用意されており、カーボンモデルより流れを汲んだ設計により性能差を最小限に抑えながら、コストパフォーマンスを高めている。
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イタリアで20年以上に渡ってカーボンバイクの開発と製造に携わってきたエキスパートが、自らの理想を追求すべく立ち上げた新興ブランド「KEMO(ケモ)」。2017モデルでは新作の登場はないものの、フラッグシップモデルの「KE-R8」シリーズや、エアロ系ミドルグレード「KE-R5」に、新型DURA-ACE搭載モデルが追加された。
ランプレ・メリダをサポートするイタリアのヘルメットブランドSUOMY(スオーミー)はミドルグレードモデルが充実。ロード用の「SFERA」は、効率的に配置されたベンチレーションホールにより、通気性とエアロ性能を両立。今回の展示会には間に合わなかったものの、ユーロバイクで展示され話題となったロード用の末弟グレード「TIMELESS」はブランド最軽量の190gを実現している。
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エティックス・クイックステップが使用するイタリア発のテクニカルウェアブランドSIXS(シックス)。先行して国内展開されていたアンダーウェアやソックスに加え、ジャージやショーツなども国内ラインアップに加わった。CW編集部の注目はウィンドブレーカー「MANT W」だ。カーボン繊維を編みこむことで通気性を高めた特許取得の自社製生地を脇などに配置することで、汗や熱を効率良く排出し、快適な温度や湿度をキープしてくれるという1着だ。
なお、SHIONO BICYCLE取り扱いの新作プロダクトは、レビューコーナーにて随時紹介していく予定だ。お楽しみに。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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