2016/04/07(木) - 09:06
琵琶湖畔にオープンした「ジャイアントストアびわ湖守山」を拠点に、周辺のサイクリング事情を探るべく女性ライターの岡田由佳子さんが実走取材してみた。ビワイチ未満、初心者向けのポタリングガイドとなる情報をお伝えします。
広々とした湖畔道路を走る。将来はこんな道でビワイチができたら素晴らしい
3月18日にオープンしたジャイアントストアびわ湖守山。店舗は琵琶湖から道路を挟んですぐで、今にも走り出したくなる。店舗の入るリゾートホテル「ラフォーレ琵琶湖」の部屋からは琵琶湖を一望できる。このホテルに宿泊した人ならその美しさに感動し、「レンタサイクルがあるなら」と、琵琶湖サイクリングに出かけたくなることは間違いない。
ちなみに全国のラフォーレホテルグループではサイクリスト応援プランというお得な料金と自転車部屋入れ対応サービスなどを設定。琵琶湖も対象となっている。
ジャイアントストアびわ湖守山 店舗はラフォーレ琵琶湖の離れ棟の地上階にある
カーボンフレームのロードバイクもレンタサイクルにある
ジャイアントストアが取り揃えるレンタサイクルは、クロスバイク16台、ロードレーサー8台、キッズバイク2台の全26台と充実。利用料金はプラン・車種によってさまざまだが日帰りで3000円から7000円。上級グレードのスポーツバイクになるほど料金は高くはなるが、カーボン製のロードバイクも取り揃えてあるのはサイクリストに嬉しい限り。これならマイバイクを持っていかずとも、公共交通機関で行ってレンタサイクルでビワイチに挑むことも十分可能だ。
今回は女性用バイク Liv AVAIL3をレンタルしてライドにでかけた。案内してくれたのはジャイアントストア全体の技術指導を担当する湯浅勉さん。サイクリングガイド講習会も受講済みのガイド資格保有者だ。
ジャイアントストアでLiv AVAIL3をレンタルして走りました
ジャイアントストアびわ湖守山 を拠点にビワイチに出かけよう!
ラフォーレ琵琶湖ホテルから道路を渡り、サイクリングロードへ
琵琶湖大橋へわずか1km
ホテルの前の道路を渡り、「自転車歩行者専用道路」へ。さっそく、湖畔沿いを琵琶湖大橋に向かって進む。平坦で走りやすい道だ。目の前には琵琶湖が広がり、地平線まで湖。その大きさにびっくりだが、潮風の匂いではなく、優しい淡水の風。海ではないことがよくわかる。
湖面の先に琵琶湖大橋のアーチが見えてきた
独特で新鮮な風と景色に「今、びわ湖を走ってる!」と感動が胸に湧き上がり、ペダルを漕ぐのも楽しい。途中、鴨が泳いでいたり、釣り人がいたり、アユやフナを迷いこませて捕獲する「えり漁」の棒が湖面に立っていたりと、情緒あふれる日本的な風景が続くのを眺めながら走る。
鮎やフナを捕る「えり漁」の仕掛け。脇には釣り人も
琵琶湖大橋は頂上が高いので急勾配なのでは?と思ってしまう
琵琶湖大橋から雄大なびわ湖の景色
北湖と南湖のくびれにかかる、守山市と大津市を結ぶ琵琶湖大橋はとても大きい。中央部はせりあがって一見登り坂がきついかと思いきや、案外そうでもない。車道から一段上がる自転車・歩道部は十分な広さがあって安心して橋を渡れる。
琵琶湖大橋のプチ・ヒルクライム。車線が引かれていないので対向自転車に注意だ
琵琶湖大橋頂上部の休憩スペースでは小休止しよう
琵琶湖大橋を渡り、西岸へと渡る
頂上には休憩スポットがあり、橋の上からびわ湖の景色を一望できた。地平線のようになっている琵琶湖の姿にまた感動。手すりにはカップルが訪れたのだろうか、いろいろな落書き文字が刻まれていた。1964年の東京五輪の年に開通してから半世紀分の思い出が込められている。
琵琶湖大橋からの湖の眺め。遠くまで見渡せて幻想的だ
京都と北陸を結ぶ西近江路の歴史ライド
琵琶湖大橋から「西近江路」と呼ばれる558号道路に入る。大原を越えれば京都に行けるという立地だけに、古代から都と北陸を結ぶ街道として多くの人が行き来した。壬申の乱や小田信長の朝倉攻めと様々な戦で大軍がここを移動したというから感慨深い。
ローカル道の588号線を走る。クルマはやや多いので注意だ
湖畔の集落を抜ける生活道はいい雰囲気だ。お約束の「飛び出し坊や」も
しかし湖畔沿いのサイクリングロードは途絶え、車道を行くことに。ビワイチサイクリングロードはまだできていないのだ。さきの記事で紹介した宮本市長らのこれからの施策によって、琵琶湖全周自転車道路が近い将来完成することに期待します。
進むスピードを重視しないなら、湖畔に近い集落内を通る道を走ってみるのがいい。つながりは悪いが、日本家屋が立ち並び、少し小径を入れば漁港や浜辺に松、路地に大木と情緒ある雰囲気を感じ、足を止めて琵琶湖の風景を眺めるのもまた良いもの。
588号線沿いの自転車店「自転車処どてるし」
和邇漁港は小さくてのどかでした
途中、558号沿いにサイクリストを大歓迎している自転車店「自転車処どてるし」を発見。ポタリング企画やソフトクリーム、疲れた身体にはアロマトリートメント施術などもしてもらえるそうで、ぜひゆっくり訪れてみたいスポット。今後はそんなサイクリスト歓迎店が増えることを期待できるだろう。
和邇浜で一休み。遠くを見渡してほっと一息。
サイクリスト大歓迎の和菓子店「団喜」で絶品「酒まんじゅう」を味わう
ライドだけでなく、忘れてはいけないグルメも大切なポイント。今回は西近江路沿い、「南浜」交差点近くに本店を構える湖国近江塩大福「団喜」で名物の「酒まんじゅう」を食べることに。「サイクリスト市長」宮本和宏氏が「ここのまんじゅう屋は美味しくて、サイクリング中に最高!」とオススメしてくれたお店だ。
琵琶湖を眺めながら走る。和邇漁港にて
湖国近江塩大福「団喜」には立派な木製のサイクルラックがあった
店頭には木製のサイクルスタンドが用意され、サイクリストウェルカムの雰囲気が嬉しい。店内も木材を基調に落ち着いた雰囲気で、まんじゅうを購入してその場で食べられる。コーヒーやお茶のサービスもあるのが嬉しい。ボトルの水補給も歓迎だそうだ。
名物の酒まんじゅうは滋賀県高島市の老舗酒蔵、上原酒造の酒粕を使用したもので、口に含むとほんのりと酒粕の香りがする。ミネラルを多く含みヘルシーで美容にも良いため女性には特におススメだ。東京でも人気急上昇のこの酒まんじゅう。この店頭では特別価格で提供しているとのこと。
光風堂菓舗の酒まんじゅう。とても美味しかった
日本酒の香りと美味しいアンコ。絶品です
この他いちご大福やかりんとう饅頭と種類も様々。まんじゅうはビニール包装してあるのでポケットに入れて補給食として携帯すれば、お腹が空いた時の腹ごしらえはより美味しい瞬間になる。
途中であいにくの雨になってしまったため、ここで後ろ髪引かれながら帰路につく束の間のサイクリングとなってしまったが、これだけでも十分に琵琶湖の魅力を楽しめた。
ビワイチ+湖上体験! トレンドは自転車を載せられる漁船タクシー
漁船タクシーでビワイチ(イメージ) (c)守山市ビワイチサイクリングのトレンドは、船に自転車を載せられる期間限定運行の漁船タクシーだ。ジャイアントストアの一推しメニューになっていて、サイクリングの旅に組み入れてみては?と推薦してくれる。今年は夏から秋にかけての運行を予定しており、木浜漁港、浜大津港、彦根港、大溝港、堀切港の5つを6パターンで結ぶ湖上ルートが設定されるとのこと。利用料金は1回3,000円(予価)だ。
琵琶湖1周全てを回るビワイチ約200kmはちょっとレベルが高すぎると感じる人も、漁船タクシーを使って対岸までショートカットできるというわけだ。脚を休めるだけでなく、湖の上からのクルージングでまた違った景色を楽しめるのは魅力だ。交通量が多めな市街をスキップするのにも便利だ。
漁船タクシーの模様は守山市が社会実験として行った際の以下の動画説明が参考になる。
漁船タクシーでビワイチ (動画製作:守山市広報)
漁船タクシー 運行航路図 (c)守山市ヒルクライム好きは世界遺産比叡山延暦寺を目指すのも良い。がんばって足を延ばせば伊吹山もあるのでレベルに合った挑戦ができるだろう。
グルメも、蕎麦、湯葉、鴨料理、鯖寿司にジャイアントストアスタッフ御用達のcafé smileを併設するバーガースタンドHORAI(ホーライ)のご当地ハンバーガーなど、多種多様だ。
サイクリングの魅力的な要素が山ほどあるびわ湖。今後ジャイアントストアが守山市や周辺地域と連携してサイクリストへのおもてなし文化が向上することだろう。宮本市長の活躍によりサイクリング道整備も進められれば、さらに盛り上がりを見せることになるだろう。ぜひ一度、ビワイチや周辺ポタリングに訪れてみてほしい。
記事中に登場したスポット
ジャイアントストアびわ湖守山 http://giant-store.jp/moriyama/
ラフォーレ琵琶湖 http://www.laforet.co.jp/biwako/
湖国近江塩大福 団喜 http://www.danki.jp/
カフェスマイル http://www.sawarabi.co.jp/cafesmile
バーガースタンドHORAI http://www.hohrai-burger.com/
text:Yukako.Okada
photo:Makoto.AYANO
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3月18日にオープンしたジャイアントストアびわ湖守山。店舗は琵琶湖から道路を挟んですぐで、今にも走り出したくなる。店舗の入るリゾートホテル「ラフォーレ琵琶湖」の部屋からは琵琶湖を一望できる。このホテルに宿泊した人ならその美しさに感動し、「レンタサイクルがあるなら」と、琵琶湖サイクリングに出かけたくなることは間違いない。
ちなみに全国のラフォーレホテルグループではサイクリスト応援プランというお得な料金と自転車部屋入れ対応サービスなどを設定。琵琶湖も対象となっている。
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ジャイアントストアが取り揃えるレンタサイクルは、クロスバイク16台、ロードレーサー8台、キッズバイク2台の全26台と充実。利用料金はプラン・車種によってさまざまだが日帰りで3000円から7000円。上級グレードのスポーツバイクになるほど料金は高くはなるが、カーボン製のロードバイクも取り揃えてあるのはサイクリストに嬉しい限り。これならマイバイクを持っていかずとも、公共交通機関で行ってレンタサイクルでビワイチに挑むことも十分可能だ。
今回は女性用バイク Liv AVAIL3をレンタルしてライドにでかけた。案内してくれたのはジャイアントストア全体の技術指導を担当する湯浅勉さん。サイクリングガイド講習会も受講済みのガイド資格保有者だ。
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ホテルの前の道路を渡り、「自転車歩行者専用道路」へ。さっそく、湖畔沿いを琵琶湖大橋に向かって進む。平坦で走りやすい道だ。目の前には琵琶湖が広がり、地平線まで湖。その大きさにびっくりだが、潮風の匂いではなく、優しい淡水の風。海ではないことがよくわかる。
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琵琶湖大橋から雄大なびわ湖の景色
北湖と南湖のくびれにかかる、守山市と大津市を結ぶ琵琶湖大橋はとても大きい。中央部はせりあがって一見登り坂がきついかと思いきや、案外そうでもない。車道から一段上がる自転車・歩道部は十分な広さがあって安心して橋を渡れる。
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頂上には休憩スポットがあり、橋の上からびわ湖の景色を一望できた。地平線のようになっている琵琶湖の姿にまた感動。手すりにはカップルが訪れたのだろうか、いろいろな落書き文字が刻まれていた。1964年の東京五輪の年に開通してから半世紀分の思い出が込められている。
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京都と北陸を結ぶ西近江路の歴史ライド
琵琶湖大橋から「西近江路」と呼ばれる558号道路に入る。大原を越えれば京都に行けるという立地だけに、古代から都と北陸を結ぶ街道として多くの人が行き来した。壬申の乱や小田信長の朝倉攻めと様々な戦で大軍がここを移動したというから感慨深い。
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しかし湖畔沿いのサイクリングロードは途絶え、車道を行くことに。ビワイチサイクリングロードはまだできていないのだ。さきの記事で紹介した宮本市長らのこれからの施策によって、琵琶湖全周自転車道路が近い将来完成することに期待します。
進むスピードを重視しないなら、湖畔に近い集落内を通る道を走ってみるのがいい。つながりは悪いが、日本家屋が立ち並び、少し小径を入れば漁港や浜辺に松、路地に大木と情緒ある雰囲気を感じ、足を止めて琵琶湖の風景を眺めるのもまた良いもの。
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サイクリスト大歓迎の和菓子店「団喜」で絶品「酒まんじゅう」を味わう
ライドだけでなく、忘れてはいけないグルメも大切なポイント。今回は西近江路沿い、「南浜」交差点近くに本店を構える湖国近江塩大福「団喜」で名物の「酒まんじゅう」を食べることに。「サイクリスト市長」宮本和宏氏が「ここのまんじゅう屋は美味しくて、サイクリング中に最高!」とオススメしてくれたお店だ。
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店頭には木製のサイクルスタンドが用意され、サイクリストウェルカムの雰囲気が嬉しい。店内も木材を基調に落ち着いた雰囲気で、まんじゅうを購入してその場で食べられる。コーヒーやお茶のサービスもあるのが嬉しい。ボトルの水補給も歓迎だそうだ。
名物の酒まんじゅうは滋賀県高島市の老舗酒蔵、上原酒造の酒粕を使用したもので、口に含むとほんのりと酒粕の香りがする。ミネラルを多く含みヘルシーで美容にも良いため女性には特におススメだ。東京でも人気急上昇のこの酒まんじゅう。この店頭では特別価格で提供しているとのこと。
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この他いちご大福やかりんとう饅頭と種類も様々。まんじゅうはビニール包装してあるのでポケットに入れて補給食として携帯すれば、お腹が空いた時の腹ごしらえはより美味しい瞬間になる。
途中であいにくの雨になってしまったため、ここで後ろ髪引かれながら帰路につく束の間のサイクリングとなってしまったが、これだけでも十分に琵琶湖の魅力を楽しめた。
ビワイチ+湖上体験! トレンドは自転車を載せられる漁船タクシー
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琵琶湖1周全てを回るビワイチ約200kmはちょっとレベルが高すぎると感じる人も、漁船タクシーを使って対岸までショートカットできるというわけだ。脚を休めるだけでなく、湖の上からのクルージングでまた違った景色を楽しめるのは魅力だ。交通量が多めな市街をスキップするのにも便利だ。
漁船タクシーの模様は守山市が社会実験として行った際の以下の動画説明が参考になる。
漁船タクシーでビワイチ (動画製作:守山市広報)
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グルメも、蕎麦、湯葉、鴨料理、鯖寿司にジャイアントストアスタッフ御用達のcafé smileを併設するバーガースタンドHORAI(ホーライ)のご当地ハンバーガーなど、多種多様だ。
サイクリングの魅力的な要素が山ほどあるびわ湖。今後ジャイアントストアが守山市や周辺地域と連携してサイクリストへのおもてなし文化が向上することだろう。宮本市長の活躍によりサイクリング道整備も進められれば、さらに盛り上がりを見せることになるだろう。ぜひ一度、ビワイチや周辺ポタリングに訪れてみてほしい。
記事中に登場したスポット
ジャイアントストアびわ湖守山 http://giant-store.jp/moriyama/
ラフォーレ琵琶湖 http://www.laforet.co.jp/biwako/
湖国近江塩大福 団喜 http://www.danki.jp/
カフェスマイル http://www.sawarabi.co.jp/cafesmile
バーガースタンドHORAI http://www.hohrai-burger.com/
text:Yukako.Okada
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