2009/10/06(火) - 00:28
毎年9月の終わりに開催されるホノルルセンチュリーライド。自転車乗りならいつかは参加してみたい南国のパラダイスサイクリング。なんと今回はシクロワイアードの編集部員が走る幸運に恵まれた。アロハでフラな、ハワイ最大の自転車イベントを実際に走ってレポートします!
ホノルルセンチュリーライド。その名前を聞くたびに浮かぶ南国、青い海、照りつける太陽のイメージ。リゾート&サイクリングで過ごす素敵な休暇。いつかは走りにいきたいなァ…なんて思いこそすれ、日々の業務に追われる下っ端編集部員のぼくには縁の無い大会。
ところが、である。
自転車にハマって日々ゴキゲンの我らがメタボ会長から笑顔のお達し。「おい、ハワイに行ってこいよ!」えええっ。まさに青天の霹靂。目前に浮かぶはハワイの青天。ふたつ返事、もとい返事ひとつで「行ってまいります!」とルンルンで答えるぼく。
「もちろん仕事をしてくるんだぞ!」のメタボ会長の言葉も、頭の中ではすでにエンドレスリピートの波の音にかき消され、よく聞こえなかったことはナイショだ。
今回、シクロワイアード取材班はトップツアーのホノルルセンチュリーライドツアーに同行。ツアー運営のサポートという形でお手伝いしながらも、ツアーならではの手厚いサービスの恩恵に僕らも浴した。気になっていた自転車の運搬も、ハワイの空港で引き渡せば、次にご対面するのはホテルの部屋の中!というラクラクさ。ヴァカンス気分を害さない心配りが嬉しい。
<前日にもハワイのライドが楽しめる喜びをかみしめる>
トップツアーのホノルルセンチュリーライドツアーでは、大会前日に「プラクティスライド」というコースの下見も兼ねた練習サイクリングを開催している。このライドを先導するのは日本人で初めてツール・ド・フランスに参加した今中大介さん。サイクルMCとしてお馴染みのタレント絹代さんも参加で華やかな雰囲気。そしてさらに、二台目自転車名人として自転車界のアイコンとなった俳優の鶴見辰吾さんも夫人を伴って参加。
豪華なメンバーとともに、参加者のみなさんは往復40kmのプラクティスライドを楽しんだ。復路では本コースに取り入れられないハナウマ湾の絶景を高台から見下ろすコースを走る嬉しい設定。せっかくのハワイをもっと楽しんで欲しいと願うトップツアーの心憎い演出に、一同感激。
慣れないハワイの右側通行も予習して、参加者はめいめい翌日のセンチュリーライドへの想いを高める。プラクティスライドに参加したArteさんに走り終わった後に意気込みをうかがいました。
「ハワイは初めてです。道路がけっこう割れたり溝があったりしてそっちに集中して景色を見忘れました。明日の楽しみにとっておきます。目標は100マイル完走。コケずに、パンクせずに(笑)」
自転車歴は3年のArteさん。ホノルルセンチュリーライドを知ったきっかけは?
「自転車を買う前からセンチュリーライドに出たくてずっとずっと考えていました。どうやってこの大会を知ったかは…思い出せないんですけど(笑)自転車の雑誌かなにかで見たと思うんですが。出てみたいなって。」
ライドを終えてから今中さんと話してらっしゃいましたね。
「今中さんと一緒に走れるってだけでほんと幸せでした。ちょっと走りすぎちゃったので、明日はムリかもしれない(笑)でも一緒に走れてよかったです」
イマナカパワーをぞんぶんに吸収したArteさん。謙遜なさっていますがきっと明日も走りきれるでしょう!きれいな夕日が翌日の晴れを予告する中、プラクティスライドは幕を閉じたのでした。
<やってきた大会当日!不安と期待を織り込んだスタートライン>
まだ薄暗い朝5時にホテルを出発しスタート地点に行くと、すでに多くのサイクリストが列を作り始めている。6時15分のスタートに合わせて、続々と列は膨らんでいく。当日の具合で走る距離を変更できるのはホノルルセンチュリーライドの大きな特徴。50マイルのつもりで走り始めても、調子が良ければ100マイルにチャレンジOKというわけ。
そんなフレキシブルさが多くの参加者を惹き付けている理由だけれど、やっぱりロングライドの前は緊張するもの。25マイル(40km)が大冒険の人から、100マイル(160km)を走り慣れている人までいろんな人たちが参加するこの大会。スタート地点で参加者のみなさんは何を思う?
昨日のプラクティスライドでも話をうかがったArteさんは、「ぜんぜん眠れませんでした…。21時にふとんに入ってから寝付くまでいろいろ考えちゃって。眠いです(笑)心境は…不安です。」とちょっとナーバス。
ご夫婦で参加の片岡夫妻。「今年初めての参加で、妻と一緒に楽しんでライドできればいいなと思います」とダンナさん。距離はどれくらい走られるんですか?と聞くと奥さんがすかさず「25マイルです〜」と弱気?な発言。
その一方でダンナさんは「実はロードバイクに乗ったのは昨日が初めてなんです」と衝撃の告白。「だから僕も50マイルを目安に走ります。25マイルまでは妻と一緒に行きたいですね。2人でケガをしないで楽しく走れればいいです。」とスタート前に抱負を語ってくれました。
オープニングセレモニーの最中に雨がパラついたが、これはハワイ特有の通り雨。6時15分をちょっと過ぎて、いよいよスタート!2300人以上の参加者が続々と走り出していく光景は圧巻の一言。ぼくも背中に取材用の一眼レフカメラを乗せて、いざ出発!頭の中では南国を楽しんじゃおう気分と仕事をしなくちゃという自戒が葛藤…。
スタートしてすぐ、ダイアモンドヘッドに沿うゆるい上り坂へ。上り切るとさっそく眼下に広がる青い海!朝日の薄紫色が青い海と混ざり合った美しい景色を右手に坂を下っていく。いい一日になりそうだ。
このイベントのために一車線が閉鎖されたカラニアナオレ・ハイウェイ。右車線の道路は、高速道路と言うよりもまさに「ハイウェイ」と呼ぶにふさわしい。2300人を超えるハイウェイスターが軽快な走行音とともに駆け抜けていく。
15kmを越えたところにあるのが、ホノルルセンチュリーライド最難関の「ハートブレイク・ヒル」。文字通りの「心臓破りの坂」で距離は500m強。下から見ると壁のような存在感。15kmという序盤に早くも難所が設定されているのは、多くの距離の参加者(25、50、75、100マイル)にこの坂を味わって欲しいという主催者の考えからだろうか。
坂を上っている最中は、こんな坂をコースに入れたのは誰だ〜と恨めしくもなるけれど、上りきっちゃうとあら不思議、達成感で満たされている自分に気がつくはず。やっぱり難所を越えてこその充実感は格別。高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんな、と歌った歌があったけれどまさにそれ。
そんな苦しいところこそ、参加者のイイ表情が撮れるハズ!と坂の終わりで自転車を降りて、上ってくる人たちを撮るべくレンズを構える。こうして走っていく人たちを見ていると、本当にいろんな人が参加していることがわかる。バッチリとレーシーな装いのサイクリストから、カジュアルでナウなヤング(死語?)はアベック(これも死語?)で参加していたり、スマートな紳士、スポーツウーマン、寝そべりリカンベント…。レンズの中では老若男女、国籍不問のサイクリングパーティ状態。
中には明らかに参加者じゃないけれど、自転車を引っ張り出して乗っているロコ(地元の人)もちらほら。ピストバイクで上っていく若者も!うーん、アメリカは人種のサラダボウル、なんて形容されるけれど、ホノルルはさしずめサイクリストのサラダボウル?
ずっと撮っていたいくらい楽しい撮影だけど、もう30分も止まったままだからそろそろ再出発しなくちゃ!まだまだ先は長い!
(後編につづきます!)
text:Yufta Omata
photo:Makoto Ayano、Yufta Omata
ホノルルセンチュリーライド。その名前を聞くたびに浮かぶ南国、青い海、照りつける太陽のイメージ。リゾート&サイクリングで過ごす素敵な休暇。いつかは走りにいきたいなァ…なんて思いこそすれ、日々の業務に追われる下っ端編集部員のぼくには縁の無い大会。
ところが、である。
自転車にハマって日々ゴキゲンの我らがメタボ会長から笑顔のお達し。「おい、ハワイに行ってこいよ!」えええっ。まさに青天の霹靂。目前に浮かぶはハワイの青天。ふたつ返事、もとい返事ひとつで「行ってまいります!」とルンルンで答えるぼく。
「もちろん仕事をしてくるんだぞ!」のメタボ会長の言葉も、頭の中ではすでにエンドレスリピートの波の音にかき消され、よく聞こえなかったことはナイショだ。
今回、シクロワイアード取材班はトップツアーのホノルルセンチュリーライドツアーに同行。ツアー運営のサポートという形でお手伝いしながらも、ツアーならではの手厚いサービスの恩恵に僕らも浴した。気になっていた自転車の運搬も、ハワイの空港で引き渡せば、次にご対面するのはホテルの部屋の中!というラクラクさ。ヴァカンス気分を害さない心配りが嬉しい。
<前日にもハワイのライドが楽しめる喜びをかみしめる>
トップツアーのホノルルセンチュリーライドツアーでは、大会前日に「プラクティスライド」というコースの下見も兼ねた練習サイクリングを開催している。このライドを先導するのは日本人で初めてツール・ド・フランスに参加した今中大介さん。サイクルMCとしてお馴染みのタレント絹代さんも参加で華やかな雰囲気。そしてさらに、二台目自転車名人として自転車界のアイコンとなった俳優の鶴見辰吾さんも夫人を伴って参加。
豪華なメンバーとともに、参加者のみなさんは往復40kmのプラクティスライドを楽しんだ。復路では本コースに取り入れられないハナウマ湾の絶景を高台から見下ろすコースを走る嬉しい設定。せっかくのハワイをもっと楽しんで欲しいと願うトップツアーの心憎い演出に、一同感激。
慣れないハワイの右側通行も予習して、参加者はめいめい翌日のセンチュリーライドへの想いを高める。プラクティスライドに参加したArteさんに走り終わった後に意気込みをうかがいました。
「ハワイは初めてです。道路がけっこう割れたり溝があったりしてそっちに集中して景色を見忘れました。明日の楽しみにとっておきます。目標は100マイル完走。コケずに、パンクせずに(笑)」
自転車歴は3年のArteさん。ホノルルセンチュリーライドを知ったきっかけは?
「自転車を買う前からセンチュリーライドに出たくてずっとずっと考えていました。どうやってこの大会を知ったかは…思い出せないんですけど(笑)自転車の雑誌かなにかで見たと思うんですが。出てみたいなって。」
ライドを終えてから今中さんと話してらっしゃいましたね。
「今中さんと一緒に走れるってだけでほんと幸せでした。ちょっと走りすぎちゃったので、明日はムリかもしれない(笑)でも一緒に走れてよかったです」
イマナカパワーをぞんぶんに吸収したArteさん。謙遜なさっていますがきっと明日も走りきれるでしょう!きれいな夕日が翌日の晴れを予告する中、プラクティスライドは幕を閉じたのでした。
<やってきた大会当日!不安と期待を織り込んだスタートライン>
まだ薄暗い朝5時にホテルを出発しスタート地点に行くと、すでに多くのサイクリストが列を作り始めている。6時15分のスタートに合わせて、続々と列は膨らんでいく。当日の具合で走る距離を変更できるのはホノルルセンチュリーライドの大きな特徴。50マイルのつもりで走り始めても、調子が良ければ100マイルにチャレンジOKというわけ。
そんなフレキシブルさが多くの参加者を惹き付けている理由だけれど、やっぱりロングライドの前は緊張するもの。25マイル(40km)が大冒険の人から、100マイル(160km)を走り慣れている人までいろんな人たちが参加するこの大会。スタート地点で参加者のみなさんは何を思う?
昨日のプラクティスライドでも話をうかがったArteさんは、「ぜんぜん眠れませんでした…。21時にふとんに入ってから寝付くまでいろいろ考えちゃって。眠いです(笑)心境は…不安です。」とちょっとナーバス。
ご夫婦で参加の片岡夫妻。「今年初めての参加で、妻と一緒に楽しんでライドできればいいなと思います」とダンナさん。距離はどれくらい走られるんですか?と聞くと奥さんがすかさず「25マイルです〜」と弱気?な発言。
その一方でダンナさんは「実はロードバイクに乗ったのは昨日が初めてなんです」と衝撃の告白。「だから僕も50マイルを目安に走ります。25マイルまでは妻と一緒に行きたいですね。2人でケガをしないで楽しく走れればいいです。」とスタート前に抱負を語ってくれました。
オープニングセレモニーの最中に雨がパラついたが、これはハワイ特有の通り雨。6時15分をちょっと過ぎて、いよいよスタート!2300人以上の参加者が続々と走り出していく光景は圧巻の一言。ぼくも背中に取材用の一眼レフカメラを乗せて、いざ出発!頭の中では南国を楽しんじゃおう気分と仕事をしなくちゃという自戒が葛藤…。
スタートしてすぐ、ダイアモンドヘッドに沿うゆるい上り坂へ。上り切るとさっそく眼下に広がる青い海!朝日の薄紫色が青い海と混ざり合った美しい景色を右手に坂を下っていく。いい一日になりそうだ。
このイベントのために一車線が閉鎖されたカラニアナオレ・ハイウェイ。右車線の道路は、高速道路と言うよりもまさに「ハイウェイ」と呼ぶにふさわしい。2300人を超えるハイウェイスターが軽快な走行音とともに駆け抜けていく。
15kmを越えたところにあるのが、ホノルルセンチュリーライド最難関の「ハートブレイク・ヒル」。文字通りの「心臓破りの坂」で距離は500m強。下から見ると壁のような存在感。15kmという序盤に早くも難所が設定されているのは、多くの距離の参加者(25、50、75、100マイル)にこの坂を味わって欲しいという主催者の考えからだろうか。
坂を上っている最中は、こんな坂をコースに入れたのは誰だ〜と恨めしくもなるけれど、上りきっちゃうとあら不思議、達成感で満たされている自分に気がつくはず。やっぱり難所を越えてこその充実感は格別。高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんな、と歌った歌があったけれどまさにそれ。
そんな苦しいところこそ、参加者のイイ表情が撮れるハズ!と坂の終わりで自転車を降りて、上ってくる人たちを撮るべくレンズを構える。こうして走っていく人たちを見ていると、本当にいろんな人が参加していることがわかる。バッチリとレーシーな装いのサイクリストから、カジュアルでナウなヤング(死語?)はアベック(これも死語?)で参加していたり、スマートな紳士、スポーツウーマン、寝そべりリカンベント…。レンズの中では老若男女、国籍不問のサイクリングパーティ状態。
中には明らかに参加者じゃないけれど、自転車を引っ張り出して乗っているロコ(地元の人)もちらほら。ピストバイクで上っていく若者も!うーん、アメリカは人種のサラダボウル、なんて形容されるけれど、ホノルルはさしずめサイクリストのサラダボウル?
ずっと撮っていたいくらい楽しい撮影だけど、もう30分も止まったままだからそろそろ再出発しなくちゃ!まだまだ先は長い!
(後編につづきます!)
text:Yufta Omata
photo:Makoto Ayano、Yufta Omata
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