2016/02/11(木) - 09:06
自転車を担いで登校して、校舎内の廊下を爆走し、階段を駆け降りる。渡り廊下の2段階段が曲者で、体育館裏をすり抜けて、玄関前のパンプトラックでエアーを決める…。そんな夢のようなレースイベント「スクールクロス」の模様を紹介します。
まるでジョークのようなレースイベント「スクールクロス」が開催されたのは、三大東照宮の1つに数えられる愛知県新城市の鳳来山東照宮の麓にある旧鳳来寺高校。1935年鳳来寺の住職によって開校し、2011年に76年の歴史に幕を閉じた由緒ある校舎が舞台だ。
SNSで告知がなされてからというもの、「校舎内を走るレース!?」と常に話題にのぼっていたスクールクロス。蓋を開けてみれば、最後の在籍生徒の10倍を超える250名以上という参加者が校舎に集まった。中京圏はもちろん、関東や関西方面からクルマを飛ばした参加者も多く、いかにこのイベントが注目を集めていたかが伺える。
校舎や校庭を使った600mのショートコース。外階段を登って「登校」し、下駄箱前をかすめて長い廊下を駆け抜け、今度は階段を折り返しながら下り、渡り廊下を渡り体育館脇をぐるっと回り、パンプトラック、校舎の中庭を抜けてようやく1周という、短いながらもたくさんの要素が詰め込まれた。
山間の凍てつく気温もなんのその。参加者の熱気と共に、ファーストレースがスタート。学校を自転車で駆け巡る、やんちゃな大運動会の始まりだ。
いざレースが始まってみれば、列になって玄関に自転車で突っ込み、生徒指導室前を爆走する様子は、まるでウン十年前のスクールドラマ?自転車少年だったら誰もが思いつきながらも、絶対にできなかった(やっていたかも?)ことが、この日ばかりは現実になったのだ。それは誰だってニヤニヤしながら走ってしまうわけだ。
「いやぁ、こんなの夢みたいですよ!」とは、MTBとCXの両レースでぶっちぎり優勝することになる、弱虫ペダルシクロクロスチームの前田公平選手。「小学生の頃に自転車で校庭に入って、板とブロックでジャンプ台を作ったりしてました。結局見つかって怒られたんですが、こんなに思いっきり校内を走れるなんて。大会の雰囲気も良く本当に楽しかったですね」。
それに加えて学校、というキーワードに反応したコスプレが多くて笑いが止まらない。学ラン、セーラー服、ダサい学校ジャージにランドセル。それもほとんどが学生時代に使っていた本物を、タンスから引っ張りだしてきたんだとか。シブくキメたリーゼントのツッパリがいたり、直管マフラーの改造車で校舎内を爆走してみたり、そのスタイルは人それぞれだ。
自転車だってシクロクロス、MTB、ダウンヒルバイク、ダージャンバイク、ファットバイクと様々で、ブチョーアシモがいたり、セーラームーンがいたり、キクミミさんだったり、フーターズだったり。しかもMCトークとDJ陣のサウンド、迅速なリザルト掲出、種類豊富なフード&ドリンクが会場をより一層盛り上げる。「楽しい!」というキーワードに繋がれた会場の一体感は、普通のイベントでは感じられないほどに濃密だったと思う。
そして廃校を使ってのイベントは、地域おこしにも少なからず貢献したようだ。「廃校になってから何度かイベントが開催されているけれど、ここまで盛り上がることは初めて。嬉しいですね」と顔をほころばせるのは、学校の前にある古民家カフェのオーナー。やはり学校には笑い声が似合うのだ。人の往来が途絶えてしまった廃校でのレース、という話題に、地元のテレビ局も数社が取材に駆けつけていた。
さて、こんなにも素敵なイベントの仕掛け人は、トレランレース「DA MONDE TRAIL」を運営する「新城スポーツツーリズム」の山田辰徳さんと、当日MCも務めた「ML OPEN/Crifford」の丸山由紀夫さんだ。
もともと新城は「ツール・ド・新城」や「新城トレイル」などアウトドアスポーツが盛んな地で、山田さんの企画に丸山さん率いる「MLクルー」がジョイン。ここにBUCYO COFFEEやCLTなど、東海に欠かせないタレントが合流し、スクールクロスという形ができあがったという。
大成功と共に大会が閉幕した後、丸山さんは「大成功でした。参加した上に盛り上げてくれた全ての方に感謝したいですね」と顔をほころばせる。「たくさんの方から”楽しかった”と言って頂けて良かった。次回もこれを超えられるだけの面白いイベントを企画していきたいですね」とも。
会場で感じたのは、野辺山や、東京のようなショーアップ感こそ無いけれど、アウトドアスポーツを本気で楽しむメンバーが作り出した温かさや手作り感。これこそがスクールクロス、ひいてはこのメンツが手がける東海のイベントの魅力のように感じる。
このメンバーたちが企画する、次なる仕掛けはどんなものだろう?思わずそう期待してしまうほどに、素晴らしい雰囲気がスクールクロスにはあった。
Crifford、ML OPEN、DA MONDE TRAIL、そして東海シクロクロスや、Sim Worksが仕掛ける各種イベント。東海圏から発信される、新しいチャレンジから目が離せない。
text&photo:So.Isobe
まるでジョークのようなレースイベント「スクールクロス」が開催されたのは、三大東照宮の1つに数えられる愛知県新城市の鳳来山東照宮の麓にある旧鳳来寺高校。1935年鳳来寺の住職によって開校し、2011年に76年の歴史に幕を閉じた由緒ある校舎が舞台だ。
SNSで告知がなされてからというもの、「校舎内を走るレース!?」と常に話題にのぼっていたスクールクロス。蓋を開けてみれば、最後の在籍生徒の10倍を超える250名以上という参加者が校舎に集まった。中京圏はもちろん、関東や関西方面からクルマを飛ばした参加者も多く、いかにこのイベントが注目を集めていたかが伺える。
校舎や校庭を使った600mのショートコース。外階段を登って「登校」し、下駄箱前をかすめて長い廊下を駆け抜け、今度は階段を折り返しながら下り、渡り廊下を渡り体育館脇をぐるっと回り、パンプトラック、校舎の中庭を抜けてようやく1周という、短いながらもたくさんの要素が詰め込まれた。
山間の凍てつく気温もなんのその。参加者の熱気と共に、ファーストレースがスタート。学校を自転車で駆け巡る、やんちゃな大運動会の始まりだ。
いざレースが始まってみれば、列になって玄関に自転車で突っ込み、生徒指導室前を爆走する様子は、まるでウン十年前のスクールドラマ?自転車少年だったら誰もが思いつきながらも、絶対にできなかった(やっていたかも?)ことが、この日ばかりは現実になったのだ。それは誰だってニヤニヤしながら走ってしまうわけだ。
「いやぁ、こんなの夢みたいですよ!」とは、MTBとCXの両レースでぶっちぎり優勝することになる、弱虫ペダルシクロクロスチームの前田公平選手。「小学生の頃に自転車で校庭に入って、板とブロックでジャンプ台を作ったりしてました。結局見つかって怒られたんですが、こんなに思いっきり校内を走れるなんて。大会の雰囲気も良く本当に楽しかったですね」。
それに加えて学校、というキーワードに反応したコスプレが多くて笑いが止まらない。学ラン、セーラー服、ダサい学校ジャージにランドセル。それもほとんどが学生時代に使っていた本物を、タンスから引っ張りだしてきたんだとか。シブくキメたリーゼントのツッパリがいたり、直管マフラーの改造車で校舎内を爆走してみたり、そのスタイルは人それぞれだ。
自転車だってシクロクロス、MTB、ダウンヒルバイク、ダージャンバイク、ファットバイクと様々で、ブチョーアシモがいたり、セーラームーンがいたり、キクミミさんだったり、フーターズだったり。しかもMCトークとDJ陣のサウンド、迅速なリザルト掲出、種類豊富なフード&ドリンクが会場をより一層盛り上げる。「楽しい!」というキーワードに繋がれた会場の一体感は、普通のイベントでは感じられないほどに濃密だったと思う。
そして廃校を使ってのイベントは、地域おこしにも少なからず貢献したようだ。「廃校になってから何度かイベントが開催されているけれど、ここまで盛り上がることは初めて。嬉しいですね」と顔をほころばせるのは、学校の前にある古民家カフェのオーナー。やはり学校には笑い声が似合うのだ。人の往来が途絶えてしまった廃校でのレース、という話題に、地元のテレビ局も数社が取材に駆けつけていた。
さて、こんなにも素敵なイベントの仕掛け人は、トレランレース「DA MONDE TRAIL」を運営する「新城スポーツツーリズム」の山田辰徳さんと、当日MCも務めた「ML OPEN/Crifford」の丸山由紀夫さんだ。
もともと新城は「ツール・ド・新城」や「新城トレイル」などアウトドアスポーツが盛んな地で、山田さんの企画に丸山さん率いる「MLクルー」がジョイン。ここにBUCYO COFFEEやCLTなど、東海に欠かせないタレントが合流し、スクールクロスという形ができあがったという。
大成功と共に大会が閉幕した後、丸山さんは「大成功でした。参加した上に盛り上げてくれた全ての方に感謝したいですね」と顔をほころばせる。「たくさんの方から”楽しかった”と言って頂けて良かった。次回もこれを超えられるだけの面白いイベントを企画していきたいですね」とも。
会場で感じたのは、野辺山や、東京のようなショーアップ感こそ無いけれど、アウトドアスポーツを本気で楽しむメンバーが作り出した温かさや手作り感。これこそがスクールクロス、ひいてはこのメンツが手がける東海のイベントの魅力のように感じる。
このメンバーたちが企画する、次なる仕掛けはどんなものだろう?思わずそう期待してしまうほどに、素晴らしい雰囲気がスクールクロスにはあった。
Crifford、ML OPEN、DA MONDE TRAIL、そして東海シクロクロスや、Sim Worksが仕掛ける各種イベント。東海圏から発信される、新しいチャレンジから目が離せない。
text&photo:So.Isobe
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