2009/08/06(木) - 00:09
巷ではリーマンショックに端を発した悲惨な経済状況が、戦後最大の不況とか、100年に一度の大不況と世間を騒がせ続けて早9ヶ月が過ぎようとしている。
当サイトの運営会社とて例外ではない様子だ。本社ではメタボ会長重病説まで流れ始めている。というのも、
年に1度の健康診断の結果、メタボ会長の体重がマイナス8キロだったからだ。
「ここの所、何となく会長の背中が小さくなった気がしてたけど、ヤッパリか!」
「会長の体重が8キロ落ちたらしいよ。よっぽどウチの会社がヤバイのかな?」
「あの痩せ方は心労だけじゃないよ。会社よりも会長自体がヤバいんじゃないの?」
本社の皆さんにとってメタボ会長は何があっても太ってなきゃならない存在らしい(笑)
編集部にしてみれば、自転車の効果を知ってるだけに心配など全くもって皆無なのだが。
サイクリストにとって自転車に乗ればウェイトが落ちるのは周知の事実だが、一気に8キロとは笑ってしまう。
これってロードバイク丸1台分だよ! この人の今までの人生は、どれ程の不摂生を積み重ねて来たんだか。(笑)
いつもの編集会議が終わり、いつもの伴走が始まる。
走りながら眺めるメタボ会長の後姿は相変わらずデカイ!
決して8キロ減を感じさせないのがカワイイ。
からかい半分で声をかけてみる。
「会長、随分と体重が減ったそうですね。」
「そうなんだよ!おかげで体調もすこぶる良い!やはりこれも俺の努力のタマモノだな!」
案の定、何でも自分の手柄だ。いっその事、本当にヤバイくらいの重い病気を患って下さいナ。
「こんなに痩せちゃうと君たちのメタボ会長企画も台無しだな!ハハッ!」 まったく呑気である。
大丈夫ですよ!8キロ減ったところで、アナタはまだまだ充分にメタボッてますから!
たわいもない会話とともにホームコース周回が続く。
ここの所の報道で騒がれている大不況に多少の不安を感じていた私は、思い切って聞いてみた。
「ところで会長。不況の影響は本社にも出てるんですか?」
「そうだな。うちの連中はみんな大変みたいだな。」
あらあら、随分と他人事ですね。
聞かなきゃよかったと思っていると、
メタボ会長がおもむろにニヤリ! とこちらを伺う。
背筋に悪寒が走る!
「このご時勢にどっかの事業部さんが、ジロ・デ・イタリアの現地取材に1ヶ月出張したかと思うと、今度はまた
ツール・ド・フランスとやらの現地取材にも丸々1ヶ月出かけてって、我社の貴重な資金をしこたま費やすらしいぞ。」
しまった!ヤブヘビだ! いやいや藪を突いたらゾウが出てきちゃった!
これには全く持って返す言葉がない。ただただ恐縮していると
「ハハッ!冗談だよ!君たちの仕事はそもそも利潤を追求できるもんじゃないって事ぐらい分かってるよ。ビジネスベースで考えたら、どんな経営者もまず手出ししない採算度外視の業種だからな。君達の使命感に従って行動してれば、それでいいんじゃないか? もっとも、赤字は小さい方が俺も助かるけどな!」
高らかに笑いながら、まるで不況なんて関係無いかの如く、笑顔で自転車をこぎ続けるメタボ会長。
無言でしか答える事のできない私。
前を走るいつもの小憎らしい背中が、少しだけ頼れる後姿に見えたのは気のせいだろうか?
「ただ、俺の知り合いの社長が二人ほど音信不通になってんだよ。」
ポツリとこぼすメタボ会長。この時の寂しげな表情は未だかつて見たことが無いモノであった。
「とにかく今は、どの会社も我慢大会だよ。弱音を吐いたり、諦めた所から順番に消えてく嫌なご時勢になっちまったもんだ。
もっとも俺は諦めの悪さじゃ誰にも負けないけどな。ハハッ!」 そう言って、ペダルを漕ぎ続けている。
やっぱりメタボ会長も不況と闘っていたのだ。できる事なら私も少しくらい役に立ってあげたい!と感じながらも
「でも、フランスには行かせて頂きます!」
と心の中で相反する決意を固める私だった。
いつものように周回コースを走り終え、鹿島休憩所で別れ際にメタボ会長が言葉を発する。
「次の日曜日に同伴者連れてくるから、付き合ってくれ!」
このオヤジは一体誰を巻き込むつもりなんだか?
どうせ私は日曜も仕事だから構わないけどね。
「じゃ!新堤防に15時集合でヨロシク!」
いつも通り一言を残して去ってゆくメタボ会長だった。
もう勝手にしてください。
次回?日曜日に伴走です。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
メタボ会長
身長 : 172cm
体重 : 87kg→79kg
自転車歴 : 3ヶ月目
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり、卒業後メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇された後、平成元年に現法人を設立、平成17年に社長を引退。平成20年よりメディア事業部にて当サイトの運営責任者兼務となるが、その勤務実態や社内での立場は謎に包まれている。ゴルフと暴飲暴食をこよなく愛し、タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。
当サイトの運営会社とて例外ではない様子だ。本社ではメタボ会長重病説まで流れ始めている。というのも、
年に1度の健康診断の結果、メタボ会長の体重がマイナス8キロだったからだ。
「ここの所、何となく会長の背中が小さくなった気がしてたけど、ヤッパリか!」
「会長の体重が8キロ落ちたらしいよ。よっぽどウチの会社がヤバイのかな?」
「あの痩せ方は心労だけじゃないよ。会社よりも会長自体がヤバいんじゃないの?」
本社の皆さんにとってメタボ会長は何があっても太ってなきゃならない存在らしい(笑)
編集部にしてみれば、自転車の効果を知ってるだけに心配など全くもって皆無なのだが。
サイクリストにとって自転車に乗ればウェイトが落ちるのは周知の事実だが、一気に8キロとは笑ってしまう。
これってロードバイク丸1台分だよ! この人の今までの人生は、どれ程の不摂生を積み重ねて来たんだか。(笑)
いつもの編集会議が終わり、いつもの伴走が始まる。
走りながら眺めるメタボ会長の後姿は相変わらずデカイ!
決して8キロ減を感じさせないのがカワイイ。
からかい半分で声をかけてみる。
「会長、随分と体重が減ったそうですね。」
「そうなんだよ!おかげで体調もすこぶる良い!やはりこれも俺の努力のタマモノだな!」
案の定、何でも自分の手柄だ。いっその事、本当にヤバイくらいの重い病気を患って下さいナ。
「こんなに痩せちゃうと君たちのメタボ会長企画も台無しだな!ハハッ!」 まったく呑気である。
大丈夫ですよ!8キロ減ったところで、アナタはまだまだ充分にメタボッてますから!
たわいもない会話とともにホームコース周回が続く。
ここの所の報道で騒がれている大不況に多少の不安を感じていた私は、思い切って聞いてみた。
「ところで会長。不況の影響は本社にも出てるんですか?」
「そうだな。うちの連中はみんな大変みたいだな。」
あらあら、随分と他人事ですね。
聞かなきゃよかったと思っていると、
メタボ会長がおもむろにニヤリ! とこちらを伺う。
背筋に悪寒が走る!
「このご時勢にどっかの事業部さんが、ジロ・デ・イタリアの現地取材に1ヶ月出張したかと思うと、今度はまた
ツール・ド・フランスとやらの現地取材にも丸々1ヶ月出かけてって、我社の貴重な資金をしこたま費やすらしいぞ。」
しまった!ヤブヘビだ! いやいや藪を突いたらゾウが出てきちゃった!
これには全く持って返す言葉がない。ただただ恐縮していると
「ハハッ!冗談だよ!君たちの仕事はそもそも利潤を追求できるもんじゃないって事ぐらい分かってるよ。ビジネスベースで考えたら、どんな経営者もまず手出ししない採算度外視の業種だからな。君達の使命感に従って行動してれば、それでいいんじゃないか? もっとも、赤字は小さい方が俺も助かるけどな!」
高らかに笑いながら、まるで不況なんて関係無いかの如く、笑顔で自転車をこぎ続けるメタボ会長。
無言でしか答える事のできない私。
前を走るいつもの小憎らしい背中が、少しだけ頼れる後姿に見えたのは気のせいだろうか?
「ただ、俺の知り合いの社長が二人ほど音信不通になってんだよ。」
ポツリとこぼすメタボ会長。この時の寂しげな表情は未だかつて見たことが無いモノであった。
「とにかく今は、どの会社も我慢大会だよ。弱音を吐いたり、諦めた所から順番に消えてく嫌なご時勢になっちまったもんだ。
もっとも俺は諦めの悪さじゃ誰にも負けないけどな。ハハッ!」 そう言って、ペダルを漕ぎ続けている。
やっぱりメタボ会長も不況と闘っていたのだ。できる事なら私も少しくらい役に立ってあげたい!と感じながらも
「でも、フランスには行かせて頂きます!」
と心の中で相反する決意を固める私だった。
いつものように周回コースを走り終え、鹿島休憩所で別れ際にメタボ会長が言葉を発する。
「次の日曜日に同伴者連れてくるから、付き合ってくれ!」
このオヤジは一体誰を巻き込むつもりなんだか?
どうせ私は日曜も仕事だから構わないけどね。
「じゃ!新堤防に15時集合でヨロシク!」
いつも通り一言を残して去ってゆくメタボ会長だった。
もう勝手にしてください。
次回?日曜日に伴走です。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
メタボ会長
身長 : 172cm
体重 : 87kg→79kg
自転車歴 : 3ヶ月目
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり、卒業後メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇された後、平成元年に現法人を設立、平成17年に社長を引退。平成20年よりメディア事業部にて当サイトの運営責任者兼務となるが、その勤務実態や社内での立場は謎に包まれている。ゴルフと暴飲暴食をこよなく愛し、タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。