2009/06/05(金) - 17:42
世界遺産、石見銀山遺跡を走り抜けるロングライドイベント、石見グランフォンド。この日本で指折りの長距離ライドイベントを、昨年に引き続いて参加した矢口 賢二さんのレポートでお届けします。前後編&総括編の3部構成で、サイクリストの実感たっぷりに綴られたレポートをお楽しみください。
宿泊先ホテルからスタート地点に向かう 石見の朝は早い。4時半起床!!窓を開け、外の冷たい風を入れて温度に慣れる。やっぱり朝は肌寒いな…。ゴソゴソと着替えを済ませ、TVの天気予報を確認。晴れで今日も気温が上がると。
今年は天候の不安は無いな。昨年は2日開催で1日目が雨で気温が上がらず多量リタイア発生となり大変だった。一転今年は、山陰地方にしては珍しいとも言われる雲ひとつ無い快晴。ウェアはショートビブと薄手のジャージで良さそう。アームウォーマもレッグウォーマも不要で、携行する荷物が少なくて済みそう(嬉)
5時半からの朝食を待つ。朝食は和食バイキングだけど程々にしとかないと胃が重くなるからね。6時にホテルを自走にて出発、スタート地点である大田自転車競技場に向かう。
今年もお世話になったスカイホテル大田から自転車競技場は約4km、12分ほどの自走で到着。
6:32
参加者が次第に集まって来つつ、早朝の会場にも関わらず熱気が溢れている。
私は昨日のうちにゴール地点である「しまね海洋館アクアス」で事前エントリーを済ませているが、そちらに行ってない人はこの時点でエントリー。
持ってきた手荷物の中で本日の走行中に必要の無いものは、主催者側に預けるとゴール地点まで搬送してくれる。
エントリー受付、当日分 photo:Kenji Yaguchi
手荷物を預け渡しできる photo:Kenji Yaguchi
また、ここでは簡単なバイクメンテを受けることができる。
前日のアクアス→大田のショートカット・ランの際にパンクしてしまったので、ここでフロアポンプ借りてエア再注入。また、リアのディレーラ辺りが鳴くので注油してもらったが、結局音は消えなかった。残念。まぁ、走行に支障は無いので、このまま行くことにしましょう。ありがとうございました。
6:35
ブリーフィング(事前説明会)が始まります。自転車競技場のトラック内に参加者移動。私たち参加者を両サイドから急なバンクが眺めているかのようです。
今年は昨年の倍の参加者がエントリーしてて約270人。昨今の自転車ブームの影響か?
ブリーフィングでは本日の走行上の注意点、各チェックポイント/エイドステーションでの要領、トラブル時の対処方法などを指示される。
いつもお世話になってます、サイクリスト・ビューさん。
自転車競技場の中でブリーフィングに聞き入る photo:Kenji Yaguchi
ブリーフィング photo:Kenji Yaguchi
コース判断の基本は参加者各自によるマップリーディング方式。
これに加えて、手に持たれている矢印のプラカードがコース上の見えやすい場所に取付けてあるので、この矢印に従って走行する訳です。
7:10
ブリーフィングも終わり、いよいよスタート地点(自転車競技場の入口)に移動。毎度のことですが、スタートは「俺は行くゼ!」って意気込みの強い人順に5秒間隔でスタート。しかし、ココであんまり後方に付くと、ペースが上がらなくなるかもしれないので、ある程度は真ん中ほどに位置しないと…って、前夜友人と打合せた。
スタート地点に並ぶ photo:Kenji Yaguchi
スタート地点へ並びます photo:Kenji Yaguchi
7:21
いよいよ自分がスタートの番です。先ずは大田市街地の平地走行。クルマの交通量も多いので、この区間では追い越し禁止です。
走り始めの大田市内 photo:Kenji Yaguchi
いよいよ登り始め photo:Kenji Yaguchi
8:00
市街地を抜け山が見えてきました。そろそろ坂道に差し掛かります。
8:04
いよいよ三瓶の坂道も本格的に攻めてきました。まだ8時だと言うのに暑いです。汗が滝のように出ます。アタマからの汗が目に入ってとても痛い。サングラス外してぬぐうほどに。
三瓶に向かって登坂、いよいよ峠 photo:Kenji Yaguchi
三瓶に向かって登坂 photo:Kenji Yaguchi
Youtubeにアップされてたコースガイド見て、この坂道はイメージしていたけれどやっぱりキツいわ。前後して走っている方々もかなり苦戦されている模様!
8:19
三瓶の坂を登り抜け、西の原・定の松まで登ってきた。立派な松が出迎えてくれます。
こうやって、時刻を見返してみると三瓶の登坂も20分ほどしか登ってないのね。結構キツかったけれど、まだスタート早々と言うこともあり、難なく越せた(と思う)。
三瓶、西の原。定めの松 photo:Kenji Yaguchi
8:21
スタートから約18.5km。定の松のふもとに設営されている、最初のチェックポイント「三瓶山・西の原CP」に到着。チェックポイント用紙に自分の名前を記入し、MAPにスタンプ捺印してもらい、紙コップ1杯のドリンクを飲んでスグにスタート。そう、「和み禁止」です。
三瓶西の原チェックポイント photo:Kenji Yaguchi
昨晩の仲間内での打合せ(当然、アルコール含有)の席で、各CPで和んでいると時間ロスが大きいので、「和み禁止」って申し合わせていた。コース後半に起伏の激しい部分が待ち構えているので、そこに時間を充てるために休憩は最小限に留めます。
8:36
西の原CPを出発し、三瓶をなだらかに下って快走!美郷町に入る。気温20度。
三郷町に入る。気温は20℃ photo:Kenji Yaguchi
8:39
ブリーフィングで「今回のコース上で2つしかない」と言われたコンビニの1つ目。ポプラ邑智粕渕店前を左折。ここから先は平坦なコースが続く。
8:46
風情のある田舎駅(失礼!)JR浜原駅前に到着。ここから先のコースは1月に試走しているので、道案内は任せろ!!
ポプラ邑智粕渕店の前を左折 photo:Kenji Yaguchi
浜原駅 photo:Kenji Yaguchi
川を渡って、浜原ダムの脇を通過。
ネット繋がりで知り合った方々と3人で走るトレイン(列車)を組みます。ロードバイクの場合、複数の人が一直線に並んで走り、前の人の背後にぴったりとくっつくことにより「風除け」ができて、楽に走れる。その代わり、先頭の人は風を真正面から受けるので疲れる。だから、ある程度走ったら先頭から最後尾に移動して休憩する。
浜原ダム photo:Kenji Yaguchi
高速列車 photo:Kenji Yaguchi
このように、先頭交代ローテーションを繰り返すことにより、一人で単独走するよりも、よりハイペースで、より疲れを少なくして走ることができる。
9:10
国道375号に移っても平地走行が続きます。ここで、私ら3両編成の列車を、20両ほどの人が構成している、高速列車がスゲェピッチで抜いていきます。
この高速列車に、私らの3両編成も連結させて貰いましょう。いわゆるタダ乗りです(笑)
9:18
スタートから約49km。高速列車のお陰で、あっという間に2番目の「グリーンロード大和」チェックポイントに到着。「今の高速列車は最高だったねぇ~」と、会話が弾みます。本当に良かった。ありがとうございました。
そして、毎度お約束のロードバイク転がし。
グリーンロード大和チェックポイント photo:Kenji Yaguchi
いつもより多く転がしてます(笑) photo:Kenji Yaguchi
ここでも和みません。サインして、トイレ行って、自販機で水のペットボトル買って、駆け足で走り出します。
高速列車を編成していた方々は先に行ってしまいました。ここからはまた3両編成です。都賀西のクネクネした山道、通称:小腸道路を登ります。1月に走ったときは一人だったから寂しかったけれど、今日は3人でべらべら喋りながら登るので、何だか気が紛れます。
9:55
村之郷の登坂、気温25度。
邑南町に入ります。緩やかな登りが続きます。登っては下り、登っては下り…。こんなまっすぐな下り道は気持ちいい。でも、また登る。
ずどーんと抜ける道 photo:Kenji Yaguchi
峠を登る photo:Kenji Yaguchi
10:32
国道261号に出ます。ココは右折して断魚渓方向に向かう。「止まれ」の標識の下に、例の矢印が出てます。コレです、これ。右に曲がれとの指示です。
国道261号、T字分岐を右折 photo:Kenji Yaguchi
右折の目印 photo:Kenji Yaguchi
国道では工事中で片側交互通行。どんな信号もキッチリと停まります。自転車を愛してますから。
片側交互通行もちゃんと停まります photo:Kenji Yaguchi
10:44
断魚渓の入口の分かれ道。トンネルには入らず、左に登っていきます。
要所要所の分岐には、こうやってコースガイド役の方が立っておられます。ご苦労様です。ですが、全ての分かれ道に立っている訳ではありませんので、基本はあくまでも矢印を見落とさないことです。
断魚渓を見下ろす。いや、いつ見ても高い崖っぷちから見下ろす渓谷は美しい。
断魚渓 photo:Kenji Yaguchi
10:46
スタートから約83km。3番目のチェックポイント「断魚渓」に到着。チェックポイント表に名前書きます。
タイムレースでは無いので、本来順位は関係ないのですが、そこはオトコノコ。順位が気にならないと言えばウソになります。ざっと見たところ40番目あたりです。
今日はここでお昼ご飯。コンビニのおむすびが3個配られる。周囲の方々としばし談笑しながらパクパク食べる。
つつじとホイールの輝きが美しい photo:Kenji Yaguchi
お昼ごはん食べてます photo:Kenji Yaguchi
さぁ、ここまでのサイコンの値を書いておきましょう。
スタート~断魚渓CPまで
到着時刻 10時46分
走行時間=3時間15分57秒
距離=82.99km
平均速度=25.4km/h
最高速度=59.9km/h
(後編につづく)
text&photo:矢口 賢二
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5時半からの朝食を待つ。朝食は和食バイキングだけど程々にしとかないと胃が重くなるからね。6時にホテルを自走にて出発、スタート地点である大田自転車競技場に向かう。
今年もお世話になったスカイホテル大田から自転車競技場は約4km、12分ほどの自走で到着。
6:32
参加者が次第に集まって来つつ、早朝の会場にも関わらず熱気が溢れている。
私は昨日のうちにゴール地点である「しまね海洋館アクアス」で事前エントリーを済ませているが、そちらに行ってない人はこの時点でエントリー。
持ってきた手荷物の中で本日の走行中に必要の無いものは、主催者側に預けるとゴール地点まで搬送してくれる。
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また、ここでは簡単なバイクメンテを受けることができる。
前日のアクアス→大田のショートカット・ランの際にパンクしてしまったので、ここでフロアポンプ借りてエア再注入。また、リアのディレーラ辺りが鳴くので注油してもらったが、結局音は消えなかった。残念。まぁ、走行に支障は無いので、このまま行くことにしましょう。ありがとうございました。
6:35
ブリーフィング(事前説明会)が始まります。自転車競技場のトラック内に参加者移動。私たち参加者を両サイドから急なバンクが眺めているかのようです。
今年は昨年の倍の参加者がエントリーしてて約270人。昨今の自転車ブームの影響か?
ブリーフィングでは本日の走行上の注意点、各チェックポイント/エイドステーションでの要領、トラブル時の対処方法などを指示される。
いつもお世話になってます、サイクリスト・ビューさん。
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コース判断の基本は参加者各自によるマップリーディング方式。
これに加えて、手に持たれている矢印のプラカードがコース上の見えやすい場所に取付けてあるので、この矢印に従って走行する訳です。
7:10
ブリーフィングも終わり、いよいよスタート地点(自転車競技場の入口)に移動。毎度のことですが、スタートは「俺は行くゼ!」って意気込みの強い人順に5秒間隔でスタート。しかし、ココであんまり後方に付くと、ペースが上がらなくなるかもしれないので、ある程度は真ん中ほどに位置しないと…って、前夜友人と打合せた。
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7:21
いよいよ自分がスタートの番です。先ずは大田市街地の平地走行。クルマの交通量も多いので、この区間では追い越し禁止です。
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市街地を抜け山が見えてきました。そろそろ坂道に差し掛かります。
8:04
いよいよ三瓶の坂道も本格的に攻めてきました。まだ8時だと言うのに暑いです。汗が滝のように出ます。アタマからの汗が目に入ってとても痛い。サングラス外してぬぐうほどに。
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Youtubeにアップされてたコースガイド見て、この坂道はイメージしていたけれどやっぱりキツいわ。前後して走っている方々もかなり苦戦されている模様!
8:19
三瓶の坂を登り抜け、西の原・定の松まで登ってきた。立派な松が出迎えてくれます。
こうやって、時刻を見返してみると三瓶の登坂も20分ほどしか登ってないのね。結構キツかったけれど、まだスタート早々と言うこともあり、難なく越せた(と思う)。
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8:21
スタートから約18.5km。定の松のふもとに設営されている、最初のチェックポイント「三瓶山・西の原CP」に到着。チェックポイント用紙に自分の名前を記入し、MAPにスタンプ捺印してもらい、紙コップ1杯のドリンクを飲んでスグにスタート。そう、「和み禁止」です。
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昨晩の仲間内での打合せ(当然、アルコール含有)の席で、各CPで和んでいると時間ロスが大きいので、「和み禁止」って申し合わせていた。コース後半に起伏の激しい部分が待ち構えているので、そこに時間を充てるために休憩は最小限に留めます。
8:36
西の原CPを出発し、三瓶をなだらかに下って快走!美郷町に入る。気温20度。
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8:39
ブリーフィングで「今回のコース上で2つしかない」と言われたコンビニの1つ目。ポプラ邑智粕渕店前を左折。ここから先は平坦なコースが続く。
8:46
風情のある田舎駅(失礼!)JR浜原駅前に到着。ここから先のコースは1月に試走しているので、道案内は任せろ!!
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川を渡って、浜原ダムの脇を通過。
ネット繋がりで知り合った方々と3人で走るトレイン(列車)を組みます。ロードバイクの場合、複数の人が一直線に並んで走り、前の人の背後にぴったりとくっつくことにより「風除け」ができて、楽に走れる。その代わり、先頭の人は風を真正面から受けるので疲れる。だから、ある程度走ったら先頭から最後尾に移動して休憩する。
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このように、先頭交代ローテーションを繰り返すことにより、一人で単独走するよりも、よりハイペースで、より疲れを少なくして走ることができる。
9:10
国道375号に移っても平地走行が続きます。ここで、私ら3両編成の列車を、20両ほどの人が構成している、高速列車がスゲェピッチで抜いていきます。
この高速列車に、私らの3両編成も連結させて貰いましょう。いわゆるタダ乗りです(笑)
9:18
スタートから約49km。高速列車のお陰で、あっという間に2番目の「グリーンロード大和」チェックポイントに到着。「今の高速列車は最高だったねぇ~」と、会話が弾みます。本当に良かった。ありがとうございました。
そして、毎度お約束のロードバイク転がし。
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ここでも和みません。サインして、トイレ行って、自販機で水のペットボトル買って、駆け足で走り出します。
高速列車を編成していた方々は先に行ってしまいました。ここからはまた3両編成です。都賀西のクネクネした山道、通称:小腸道路を登ります。1月に走ったときは一人だったから寂しかったけれど、今日は3人でべらべら喋りながら登るので、何だか気が紛れます。
9:55
村之郷の登坂、気温25度。
邑南町に入ります。緩やかな登りが続きます。登っては下り、登っては下り…。こんなまっすぐな下り道は気持ちいい。でも、また登る。
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10:32
国道261号に出ます。ココは右折して断魚渓方向に向かう。「止まれ」の標識の下に、例の矢印が出てます。コレです、これ。右に曲がれとの指示です。
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国道では工事中で片側交互通行。どんな信号もキッチリと停まります。自転車を愛してますから。
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10:44
断魚渓の入口の分かれ道。トンネルには入らず、左に登っていきます。
要所要所の分岐には、こうやってコースガイド役の方が立っておられます。ご苦労様です。ですが、全ての分かれ道に立っている訳ではありませんので、基本はあくまでも矢印を見落とさないことです。
断魚渓を見下ろす。いや、いつ見ても高い崖っぷちから見下ろす渓谷は美しい。
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10:46
スタートから約83km。3番目のチェックポイント「断魚渓」に到着。チェックポイント表に名前書きます。
タイムレースでは無いので、本来順位は関係ないのですが、そこはオトコノコ。順位が気にならないと言えばウソになります。ざっと見たところ40番目あたりです。
今日はここでお昼ご飯。コンビニのおむすびが3個配られる。周囲の方々としばし談笑しながらパクパク食べる。
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さぁ、ここまでのサイコンの値を書いておきましょう。
スタート~断魚渓CPまで
到着時刻 10時46分
走行時間=3時間15分57秒
距離=82.99km
平均速度=25.4km/h
最高速度=59.9km/h
(後編につづく)
text&photo:矢口 賢二