2009/06/07(日) - 21:39
前回、私の仏心をブチ壊したメタボ会長が、またまた編集部にやってきた。今日は何だか得意げな顔でやたら機嫌がいい。
ドカドカと編集部に上がり込むなり、妙に嬉しそうな顔で
「自転車チューンアップしてきたぞ。」
やれやれと思いながらも会長の愛車を覗いてみると、なんとサドルがバカでっかいコンフォートサドルにすり替っているではないか。
前回のケツ痛が本人には相当こたえていたと見える。何でも自分でこっそり買ってきて取り替えたらしい。
でも、チューンアップってアナタこれだけなの?
「つけ方間違ってないかチェックしてくれ。ケツさえ痛くなきゃいただきだからな。」
何がいただきなのかよくわからないが、確認した編集部員からのオーケーサインに勝手に得意顔のメタボ会長。
「よし。これからホームコース周るぞ。付き合え。」
はいはい。付き合ってあげるのは構わないが、編集部には膨大な残務が山積みである。アナタと走るその2時間が編集部には致命傷になりかねないんだから。
「付き合ってあげるから、仕事減らしてくれー!!」
いつものように心の中だけで叫ぶ私がいた。
多摩湖の新堤防から伴走を始めた。今日の会長は意外な位スムーズな走りで緩い昇りを進んでゆく。サドルだけでこんなに変わるものか?不思議に思いながらも
「今日は随分調子良さそうですね?」
と、さりげなく訪ねてみると
「やっぱ分かるか!あれから雨以外は毎日2周してんだ!自転車も悪くないな!」
満面の笑みで待ってましたとばかりに返事が返ってきた。相変わらず汗だくで丸い体を揺さぶりながら走る姿は決して楽しそうには見えないものの、本人は至ってご満悦の様子だ。
後ろを走りながら、何となく会長の下半身を見て驚いた。いつもスーツ姿しか見ないのと、視線がついついお腹にいくので気付かなかったが筋肉の塊のような脚が目の前でペダルをガシガシ踏んでいた。
「コイツただのメタボじゃなく、筋肉メタボだ!」汗だくでヘロヘロになりながら笑顔で走る姿にが妙に可愛いじゃねえか。
またまた、「少し面倒見てやんなきゃかも?」という仏心が芽生えかけたが、今回は騙されない様に自制する。私の学習能力は低くないのだ!
ノンストップで2周した後、編集部に帰還。
「会長の下半身は自転車向きに見えますね。」
気を利かせて訪ねてみると
「野球部あがりの人間はみんな下半身はガッツリだぜ! カッコいいか?」
いやいや、そうじゃないだろ!聞いた自分に腹がたった。ただ、あれから飽きずに独りで自転車に乗ってたんだぁと思うと、変に感心させられると同時に、自転車が好きになり始めたメタボ会長に少しだけ親近感を覚えた。
仕事柄を抜きに、自転車愛好家が一人でも増えるというのは嬉しい限りである。もっとも、仏心だけは持たない覚悟は忘れはしないが。
その後、編集部の仕事を一通り邪魔して、帰り際に会長からおもむろに一言。
「君たちの自転車についてる様な細いタイヤがかっこいいな。今度来るまでに、カッコイイの用意しといてくれ。」
気軽に悪魔のような言葉を残して、ヨロヨロと帰って行った。やっぱり、この人には厳しく指導して行こう!再び心に誓った一日だった。
次回も、続くかも。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
(プロフィール)
メタボ会長
身長172cm・体重87kg
体脂肪率27%
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり卒業後、メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇され、その後、着々と太り続ける典型的な中年体型オヤジ。タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。
ドカドカと編集部に上がり込むなり、妙に嬉しそうな顔で
「自転車チューンアップしてきたぞ。」
やれやれと思いながらも会長の愛車を覗いてみると、なんとサドルがバカでっかいコンフォートサドルにすり替っているではないか。
前回のケツ痛が本人には相当こたえていたと見える。何でも自分でこっそり買ってきて取り替えたらしい。
でも、チューンアップってアナタこれだけなの?
「つけ方間違ってないかチェックしてくれ。ケツさえ痛くなきゃいただきだからな。」
何がいただきなのかよくわからないが、確認した編集部員からのオーケーサインに勝手に得意顔のメタボ会長。
「よし。これからホームコース周るぞ。付き合え。」
はいはい。付き合ってあげるのは構わないが、編集部には膨大な残務が山積みである。アナタと走るその2時間が編集部には致命傷になりかねないんだから。
「付き合ってあげるから、仕事減らしてくれー!!」
いつものように心の中だけで叫ぶ私がいた。
多摩湖の新堤防から伴走を始めた。今日の会長は意外な位スムーズな走りで緩い昇りを進んでゆく。サドルだけでこんなに変わるものか?不思議に思いながらも
「今日は随分調子良さそうですね?」
と、さりげなく訪ねてみると
「やっぱ分かるか!あれから雨以外は毎日2周してんだ!自転車も悪くないな!」
満面の笑みで待ってましたとばかりに返事が返ってきた。相変わらず汗だくで丸い体を揺さぶりながら走る姿は決して楽しそうには見えないものの、本人は至ってご満悦の様子だ。
後ろを走りながら、何となく会長の下半身を見て驚いた。いつもスーツ姿しか見ないのと、視線がついついお腹にいくので気付かなかったが筋肉の塊のような脚が目の前でペダルをガシガシ踏んでいた。
「コイツただのメタボじゃなく、筋肉メタボだ!」汗だくでヘロヘロになりながら笑顔で走る姿にが妙に可愛いじゃねえか。
またまた、「少し面倒見てやんなきゃかも?」という仏心が芽生えかけたが、今回は騙されない様に自制する。私の学習能力は低くないのだ!
ノンストップで2周した後、編集部に帰還。
「会長の下半身は自転車向きに見えますね。」
気を利かせて訪ねてみると
「野球部あがりの人間はみんな下半身はガッツリだぜ! カッコいいか?」
いやいや、そうじゃないだろ!聞いた自分に腹がたった。ただ、あれから飽きずに独りで自転車に乗ってたんだぁと思うと、変に感心させられると同時に、自転車が好きになり始めたメタボ会長に少しだけ親近感を覚えた。
仕事柄を抜きに、自転車愛好家が一人でも増えるというのは嬉しい限りである。もっとも、仏心だけは持たない覚悟は忘れはしないが。
その後、編集部の仕事を一通り邪魔して、帰り際に会長からおもむろに一言。
「君たちの自転車についてる様な細いタイヤがかっこいいな。今度来るまでに、カッコイイの用意しといてくれ。」
気軽に悪魔のような言葉を残して、ヨロヨロと帰って行った。やっぱり、この人には厳しく指導して行こう!再び心に誓った一日だった。
次回も、続くかも。
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(プロフィール)
メタボ会長
身長172cm・体重87kg
体脂肪率27%
当サイト運営法人の代表取締役。
高校3年まで野球に明け暮れ、大学時代にオートバイのロードレースに夢中になり卒業後、メーカー系チームに所属し全日本選手権に3年間出場。鳴かず飛ばずで所属チームを解雇され、その後、着々と太り続ける典型的な中年体型オヤジ。タバコは人生の栄養剤と豪語する根っからの愛煙家。