2015/07/19(日) - 13:17
チャンピオンクラスの成績上位者から女子編へと紹介してきたMt.富士ヒルクライムの「あなたの自転車見せてください」。今回はブリヂストンサイクルや、リドレーを取り扱うジェイピースポーツグループなどメーカーや輸入代理店に勤める「中の人」の自転車を紹介します。
ブリヂストンサイクル 藤田晃三さんのアンカー RL8
1992年バルセロナ五輪ではロードで日本代表に選出され、レースを完走。現在もなお国内トップクラスの脚力を保ちつづけ、先のロードレースとTTの全日本選手権にも出場。数々のヒルクライム大会で活躍するブリヂストンサイクルの藤田晃三さんがフジヒルで駆ったのは、アンカーのロングライド向けモデル「RL8」だ。
「重量的にはピュアレーシングモデルRIS 9とほぼ同等です。一方でロングライドユースに対応させるために、やや剛性を抑えており、その分脚にこないフレームに仕上がっています。私自身がレース中にペースを上げ下げしたり、アタックしたりということはなく、ヒルクライムの様に一定のペースで淡々と走るシーンでは「脚にこない」というのが重要と考えRL8を選択しました。
ハイエンドモデルへのあこがれもあるかとは思いますが、1時間~1時間半コンスタント高い運動強度で走るとなると、一般的なサイクリストの方にとっては、中級クラスのロングライドモデルの方が走りやすいということもありうると思います」とバイクチョイスの理由を明かす。
パーツアッセンブルにもこだわりが詰まっている藤田さんのRL8。コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、スプリンタースイッチを、通常の取り付け位置であるハンドルのドロップ部ではなく、フラット部に取り付けている。その理由については「サテライトスイッチも以前使用していたが、より形状的にミニマムで軽く、なにより指の動作も小さくて済むためロスが少ないですね。また、他デバイスと干渉しづらい様に改造してます」とのこと。
そして、タイヤはブリヂストンの新作軽量モデル「R1S」。タイヤの軽量化については「ホイールよりも外側に位置しており、軽量化の効果が大きいですね。またチューブを軽くすることも重要で、タイヤとチューブが薄いと変形しにくくなるので、転がり性能の向上も見込めます」。
サドルはサンマルコの廃盤モデル「ボントレガー」。その名の通りイタリアのサドルメーカー「サンマルコ」と「ボントレガー」によるモデルで、1992年シーズンの終わり頃から約四半世紀に渡って使い続けているという、お気に入りの逸品だそう。その他にもAiCANのアルミリンク製ブレーキケーブルや、モートップのアルミ削り出しステムなど実用的な軽量パーツが多く搭載されていた。
ジェイピースポーツグループ 神谷基成さんのリドレー HELIUM
シクロクロスではカテゴリー1を走る健脚の持ち主であるジェイピースポーツグループの神谷基成さんのバイクは、国内輸入代理店を務めるリドレーの軽量バイク「HELIUM」。普段はロット・ソウダルも使用するバリューモデル「FENIX」に乗っているとのことだが「ヒルクライムであれば軽い方が良いだろう」ということで、試乗車として使用しているものを借りてきたのだそう。
その乗り味については「名前の通り、重量的に軽いのは確かなのですが、オールマイティーな乗り味を持っています。軽くて剛性が高いバイクは振動吸収性に乏しいことも少なくないですが、HELIUMはある程度粘りを持たせた設計となって、気に入ってロングライド使って下さるユーザーさんもいるほど。レースでは後半にかけて脚を残せるバイクですの。私もその恩恵にあやかり、脚を残して最後にスプリントをかけれればな~と(希望的観測)」とのこと。
なお、この日神谷さんが着用したジャージ&ショーツ、使用したボトルなど、ジェイピースポーツグループではリドレーユーザーのための国内限定オリジナルグッズを数量限定にて展開中。この他にもSH+のヘルメットもあり、いずれもリドレーが本拠を構えるベルギー・フランドル地方のシンボルであるライオンがあしらわれている。
ホイールはファストフォワード。ラインアップにはローハイトの軽量モデルF2Rもあるが「ある程度スピードが出そうなコースなので、空力的に優れたホイールのほうがタイムが伸びるかな」と理由で45mmハイトのF4Rを選択。
ペダルはスピードプレイで、アダプター無しでクリートを取り付けられるヴィットリアシューズのHOLAと組み合わせている。「スタックハイトが低いことで、よりダイレクトな踏み味になっています。一度試して頂ければ、様々なサイクリストの方に体感して頂けると思います」とインプレ。「グローブ無しで乗ることが多いのですが、雨でもしっかりとグリップしてくれるため、下りでも安心ですね」というバーテープは、スーパースティッキーKush。
東商会 佐藤ただゆきさんのサーヴェロ S3
東商会に勤務する佐藤ただゆきさんのバイクはサーヴェロS3。「モデルチェンジした当初から、サポートチームの選手たちがツールを始めとした各レースで使用。形状的には平地が得意そうに見えますが、登りが多いレースでも結果を残しています。実際にどうなんだということで、選択しました。」とエアロロードを選択した理由を語る。
普段は昨年より実業団登録し、クリテリウムからヒルクライムまで、S3で戦っているのだそう。「走ってみると、平地はもちろんのこと、登りも行けて、登りでは重力を感じさせない走りの軽さがありました。鈴鹿サーキットのホームストレートでは淡々と踏め、下りも安定していました。」と実際にレースを走ってのインプレッション。
ホイールはゼンティスのSQUAD 2.5をフロントに、SQUAD 4.2をリアに装着。イーストンのEC90 SLステム、TOKENのARSENALハンドルバーをアッセンブルすることで、重量7.1kgを達成しているという。ゼンティスのホイールについては「想像以上にブレーキの効きが強く、アルミリムと同じような感覚を覚えます。熱にも強く、ヒルクライムの集団下山でも何ら不安がないです。さらに、見た目はポピュラーなのですが、50mmハイトクラスのエアロホイールに匹敵する位の巡航性も備えていていますね」と語る。
佐藤さんのバイクはスモールパーツにも注目だ。TOKENのプロトタイプゼッケンプレートや、左抜きと右抜きを変更できるボトルケージなど、小回りが利くTOKENならではのパーツが備えられている。さらに、シートポストにはリリースされたばかりのカーボンレール対応のヤグラが搭載されていた。
フタバ商店 ザック・レイノルズさんのBMC crossmachine CX01
フタバ商店のBMCブランドマネージャーのザック・レイノルズさんが駆るバイクはBMCのシクロクロスバイク「crossmachine CX01」。現在「シクロクロスバイクを1年通して乗るという提案」のために、CXバイクにロードタイヤを装着し、ディスクロード仕様として使用しているそうだ。
ザックさんは実業団レース「富士山ヒルクライム」のBR-1で優勝を果たしたり、シマノ鈴鹿の国際レースに出場するといった健脚派。踏み味が重いというのが通説のシクロクロスバイクだが、そんなザックさんを満足させるほどの踏み心地となっているのがcrossmachine CX01だという。
「フロント三角はロードのセカンドモデル『SLR02』と同じジオメトリー、カーボンレイアップを採用しているためですね」とロードに近い乗り心地になっていることの理由を話す。もちろんフォークやリア三角形は太いタイヤとディスク台座に対応するために新設計となっている。
ザックさんが乗るcrossmachine CX01はフロントシングルギアとなっていることにも注目だ。フレームセットの場合はフロントダブル用の台座が設けられているが、完成車の場合はフロントシングル専用となるそうだ。「最初は不便を感じそうでしたが、フロント44Tにリア11-32Tを組み合わせれば、実際は大体の場所を走れました。理想ではないけど、どこでも行けるますね」という。実際に通勤で使用しても問題はなく、20%勾配の上り坂も頑張ればクリアできるそうだ!(驚)
「油圧ディスクが装備されているのも良い点です。特に雨の日はキャリパーブレーキの半分くらいの距離でとまれてしまうので、非常に安全です。」とザックさんは言う。
今回ヒルクライム用にボトルケージを外して、タイヤはIRCのアスピーテ PRO(24C)を選択。チャンピオンクラスにエントリーしたザックさんの目標タイムは1時間7分とのこと。
インターマックス 鈴木拓也さんのクォータ KHAN
「登りに強い軽量バイクで、富士ヒルクライムにはピッタリです」とクォータのフラッグシップモデル「KHAN」を紹介するのは、インターマックスに務める鈴木拓也さん。同ブランドには『KOM(King of Mountain)』という2つ目のフラッグシップモデルがラインアップされているが、KOMは軽量オールラウンドモデルという位置づけだそう。「KHANはKOMよりも軽量で、ヒルクライムが好きな方や登りを含むロングライド好きの方にはオススメ」と鈴木さんは言う。
そんな超軽量ヒルクライムバイクに鈴木さんは、ヴィジョンのMETRON40チューブラーホイールと、ヴィットリアCORSA CXタイヤをアッセンブル。その理由については「METRON40は昨年までペーター・サガンが登りでも使用するほどオールマイティな性能があり、使い勝手が良いためです。この仕様にしてからは、登りが楽しくてしょうがないです」とのこと。
さらに、ホイールやペダルなどパーツの選択の自由度が高く、価格もこなれていることで、好評を博しているというステージズパワーを装着している鈴木さん。「パワートレーニングも積んできたので、本番ではガッツリ走りたいです(笑)」とのこと。
ジャイアント・ジャパン 中谷亮太さんのTCR Advanced
シクロクロスなどでチームジャイアントのレース活動を支えながら、自身もカテゴリー2を走るジャイアント・ジャパンの中谷亮太さんが駆るバイクはTCR Advanced 2013年モデル。フレームからホイール、各種パーツに至るまで先輩のお下がりで組み上げられており、「自分で買ったのはペダルとタイヤぐらいですね(笑)。社内の立派な先輩方から譲って頂き、私は幸せものです。」と語ってくれました。
以前乗っていたジャイアント TCR SLからワンサイズ小さいXSサイズをチョイス。フレームに合わせてポジションを大幅に変更したのが活きて、ダンシング時のフリの軽さなどTCRが持つ運動性能の高さや、低重心であることの利点を感じているとのこと。
富士ヒルにあわせて特別な軽量化やパーツの交換はしていないとのことでしたが、ホイールはZIPP 202を装着しているため完成車重量は軽めだという。トップキャップは、TCR上位グレードに付属されていたというエアーキャップを採用。ハンドルポジションをヘッドパーツにベタ付きさせ、コラムを切ることで20~30gほどの軽量化となっているそうだ。ギアはフロント53-39TのローターQ-Rings、リアは26Tという平地仕様で挑むとのこと。
さらに、「自転車のみならず、しまなみ海道を代表するようなサイクリングする環境をプロデュースするという使命が我々にはあり、みきゃんの顔を見て自分を奮い立たせるために貼っています」と、トップチューブに愛媛県のマスコット「みきゃん」のステッカーを貼る理由を語る。
今回の富士ヒルクライムでの目標は1時間15分切り。練習用ホイールを装着し、8割ほどの力で試走してみたところ1時間27分というタイムを出したそうで、「目標は達成できそうですね」と語っていただきました。
トレック・ジャパン 中村誠さんのトレック Emonda SLR
「スト村」というニックネームが付くほどストイックに追い込む姿が印象的だった元プロ選手の中村誠さんは、現在トレック・ジャパンに勤務しているサラリーマン。そんな中村さんが乗るバイクはトレックの軽量モデル「Edomda SLR」だ。
オールラウンドバイクに乗ってみたかったという理由で選んだEmonda SLRについて「乗る方によってフレームが硬いと言う人や、柔らかいと言う人がいたり、様々な感想を持たれるバイクですが、私自身はあまり硬さを感じませんでした。BB90という規格を使用しているため、BB周りの剛性感は非常に感じますが、力が逃げてほしいところはしっかりと逃げています。いい意味で癖がなく、誰が乗っても満足できるバイクであると感じています」とインプレッション。
高速域での巡航性能を補うために中村さんのバイクはやや前乗り気味のセッティングが施されている。普段はディープリムのボントレガー Aeolus5 クリンチャーを使用しているとのことだが、今回は富士ヒル仕様として軽量のAeolus3 チューブラーをアッセンブルし、重量6.8kg切りを達成している。また、このホイールは50mmハイトのリム高と同じようなエアロ性能があるため、高速巡航も可能だという。
一方、ステムなどは耐久性に優れるパーツを選び、「スタンダードな仕様を残した軽量バイク」としていることが特徴だ。また、ボントレガーの日中に使用するテールライト「Flare R」を装着しており、当日は点灯させながら走るとのことでした。
「選手時代は黒色のカラーリングが多かったので」とプロジェクトワンで選んだというカラーは今流行りの白色にした理由を教えてくれた。トレックロゴは黒に近い紺色という渋い選択で高級感を残しつつ、SLRのロゴは赤色というチョイスで目立つようなカラーリングにしたという。
また、このEmonda SLRは成人して以来初めて購入した完成車だという。「高額なため買うまでは腰が砕けるような思いでしたが、実際に乗ってみると満足ができる良いバイクでした。ブランド力があり、それに劣らない性能と物の良さを感じるバイクですね」と語ってくれた。
アキ・コーポレーション 森真博さんのガノー GENNIX R1
アキ・コーポレーションに勤務する森真博さんのバイクはガノーのオールラウンドモデル「GENNIX R1」。ガノーはカラーオーダーができ、飽きがきにくいマットブラックのバイクに乗るためにオーダーしたとのこと。乗り味は「想像以上に堅実に作られており、踏み込んだときは素直に進んでくれる硬さがありながらも、リアセクションの振動吸収性も優れていますね」とコメント。
森さんのバイクで最も注目したいのは足回り。なんと3Tのハイエンドモデル「MERCURIO」の後継品で、2016年モデルの「ORBIS2」チューブラー(前35mm、後50mmハイト)がいち早く装備されていたのだ。組み方から一新した新型のハブにはセラミックスピード社製のベアリングが搭載されており、「回転性能も非常にスムーズになっています」という。3Tとしては6月末に商品として完成させている予定となっているが、国内への入荷はUCI認定を受けてからとなり、10月頃にデリバリーとなるそうだ。
さらに、3T製のサイクルコンピューター「3T EYE」も装備されていた。ANT+のセンサー対応で、速度、心拍、パワーと必要最低限の項目を表示する。Bluetoothにも対応しており、スマホと連携することでトレーニングデータをスマホからSNSにアップロードできるという。現在はiPhoneアプリのみの対応で、Androidは現在鋭意開発中とのこと。
コンポーネントにはカンパニョーロ CHORUSをアッセンブル。その他スモールパーツは、ボトルがずれ落ちるのを防止するゴムグリップ付きのバーズマン初のカーボンボトルケージや、素材はシリコンのみというグリップ力に優れたgueeのSioなどを装着していた。
ブリヂストンサイクル 藤田晃三さんのアンカー RL8
1992年バルセロナ五輪ではロードで日本代表に選出され、レースを完走。現在もなお国内トップクラスの脚力を保ちつづけ、先のロードレースとTTの全日本選手権にも出場。数々のヒルクライム大会で活躍するブリヂストンサイクルの藤田晃三さんがフジヒルで駆ったのは、アンカーのロングライド向けモデル「RL8」だ。
「重量的にはピュアレーシングモデルRIS 9とほぼ同等です。一方でロングライドユースに対応させるために、やや剛性を抑えており、その分脚にこないフレームに仕上がっています。私自身がレース中にペースを上げ下げしたり、アタックしたりということはなく、ヒルクライムの様に一定のペースで淡々と走るシーンでは「脚にこない」というのが重要と考えRL8を選択しました。
ハイエンドモデルへのあこがれもあるかとは思いますが、1時間~1時間半コンスタント高い運動強度で走るとなると、一般的なサイクリストの方にとっては、中級クラスのロングライドモデルの方が走りやすいということもありうると思います」とバイクチョイスの理由を明かす。
パーツアッセンブルにもこだわりが詰まっている藤田さんのRL8。コンポーネントはシマノDURA-ACE Di2で、スプリンタースイッチを、通常の取り付け位置であるハンドルのドロップ部ではなく、フラット部に取り付けている。その理由については「サテライトスイッチも以前使用していたが、より形状的にミニマムで軽く、なにより指の動作も小さくて済むためロスが少ないですね。また、他デバイスと干渉しづらい様に改造してます」とのこと。
そして、タイヤはブリヂストンの新作軽量モデル「R1S」。タイヤの軽量化については「ホイールよりも外側に位置しており、軽量化の効果が大きいですね。またチューブを軽くすることも重要で、タイヤとチューブが薄いと変形しにくくなるので、転がり性能の向上も見込めます」。
サドルはサンマルコの廃盤モデル「ボントレガー」。その名の通りイタリアのサドルメーカー「サンマルコ」と「ボントレガー」によるモデルで、1992年シーズンの終わり頃から約四半世紀に渡って使い続けているという、お気に入りの逸品だそう。その他にもAiCANのアルミリンク製ブレーキケーブルや、モートップのアルミ削り出しステムなど実用的な軽量パーツが多く搭載されていた。
ジェイピースポーツグループ 神谷基成さんのリドレー HELIUM
シクロクロスではカテゴリー1を走る健脚の持ち主であるジェイピースポーツグループの神谷基成さんのバイクは、国内輸入代理店を務めるリドレーの軽量バイク「HELIUM」。普段はロット・ソウダルも使用するバリューモデル「FENIX」に乗っているとのことだが「ヒルクライムであれば軽い方が良いだろう」ということで、試乗車として使用しているものを借りてきたのだそう。
その乗り味については「名前の通り、重量的に軽いのは確かなのですが、オールマイティーな乗り味を持っています。軽くて剛性が高いバイクは振動吸収性に乏しいことも少なくないですが、HELIUMはある程度粘りを持たせた設計となって、気に入ってロングライド使って下さるユーザーさんもいるほど。レースでは後半にかけて脚を残せるバイクですの。私もその恩恵にあやかり、脚を残して最後にスプリントをかけれればな~と(希望的観測)」とのこと。
なお、この日神谷さんが着用したジャージ&ショーツ、使用したボトルなど、ジェイピースポーツグループではリドレーユーザーのための国内限定オリジナルグッズを数量限定にて展開中。この他にもSH+のヘルメットもあり、いずれもリドレーが本拠を構えるベルギー・フランドル地方のシンボルであるライオンがあしらわれている。
ホイールはファストフォワード。ラインアップにはローハイトの軽量モデルF2Rもあるが「ある程度スピードが出そうなコースなので、空力的に優れたホイールのほうがタイムが伸びるかな」と理由で45mmハイトのF4Rを選択。
ペダルはスピードプレイで、アダプター無しでクリートを取り付けられるヴィットリアシューズのHOLAと組み合わせている。「スタックハイトが低いことで、よりダイレクトな踏み味になっています。一度試して頂ければ、様々なサイクリストの方に体感して頂けると思います」とインプレ。「グローブ無しで乗ることが多いのですが、雨でもしっかりとグリップしてくれるため、下りでも安心ですね」というバーテープは、スーパースティッキーKush。
東商会 佐藤ただゆきさんのサーヴェロ S3
東商会に勤務する佐藤ただゆきさんのバイクはサーヴェロS3。「モデルチェンジした当初から、サポートチームの選手たちがツールを始めとした各レースで使用。形状的には平地が得意そうに見えますが、登りが多いレースでも結果を残しています。実際にどうなんだということで、選択しました。」とエアロロードを選択した理由を語る。
普段は昨年より実業団登録し、クリテリウムからヒルクライムまで、S3で戦っているのだそう。「走ってみると、平地はもちろんのこと、登りも行けて、登りでは重力を感じさせない走りの軽さがありました。鈴鹿サーキットのホームストレートでは淡々と踏め、下りも安定していました。」と実際にレースを走ってのインプレッション。
ホイールはゼンティスのSQUAD 2.5をフロントに、SQUAD 4.2をリアに装着。イーストンのEC90 SLステム、TOKENのARSENALハンドルバーをアッセンブルすることで、重量7.1kgを達成しているという。ゼンティスのホイールについては「想像以上にブレーキの効きが強く、アルミリムと同じような感覚を覚えます。熱にも強く、ヒルクライムの集団下山でも何ら不安がないです。さらに、見た目はポピュラーなのですが、50mmハイトクラスのエアロホイールに匹敵する位の巡航性も備えていていますね」と語る。
佐藤さんのバイクはスモールパーツにも注目だ。TOKENのプロトタイプゼッケンプレートや、左抜きと右抜きを変更できるボトルケージなど、小回りが利くTOKENならではのパーツが備えられている。さらに、シートポストにはリリースされたばかりのカーボンレール対応のヤグラが搭載されていた。
フタバ商店 ザック・レイノルズさんのBMC crossmachine CX01
フタバ商店のBMCブランドマネージャーのザック・レイノルズさんが駆るバイクはBMCのシクロクロスバイク「crossmachine CX01」。現在「シクロクロスバイクを1年通して乗るという提案」のために、CXバイクにロードタイヤを装着し、ディスクロード仕様として使用しているそうだ。
ザックさんは実業団レース「富士山ヒルクライム」のBR-1で優勝を果たしたり、シマノ鈴鹿の国際レースに出場するといった健脚派。踏み味が重いというのが通説のシクロクロスバイクだが、そんなザックさんを満足させるほどの踏み心地となっているのがcrossmachine CX01だという。
「フロント三角はロードのセカンドモデル『SLR02』と同じジオメトリー、カーボンレイアップを採用しているためですね」とロードに近い乗り心地になっていることの理由を話す。もちろんフォークやリア三角形は太いタイヤとディスク台座に対応するために新設計となっている。
ザックさんが乗るcrossmachine CX01はフロントシングルギアとなっていることにも注目だ。フレームセットの場合はフロントダブル用の台座が設けられているが、完成車の場合はフロントシングル専用となるそうだ。「最初は不便を感じそうでしたが、フロント44Tにリア11-32Tを組み合わせれば、実際は大体の場所を走れました。理想ではないけど、どこでも行けるますね」という。実際に通勤で使用しても問題はなく、20%勾配の上り坂も頑張ればクリアできるそうだ!(驚)
「油圧ディスクが装備されているのも良い点です。特に雨の日はキャリパーブレーキの半分くらいの距離でとまれてしまうので、非常に安全です。」とザックさんは言う。
今回ヒルクライム用にボトルケージを外して、タイヤはIRCのアスピーテ PRO(24C)を選択。チャンピオンクラスにエントリーしたザックさんの目標タイムは1時間7分とのこと。
インターマックス 鈴木拓也さんのクォータ KHAN
「登りに強い軽量バイクで、富士ヒルクライムにはピッタリです」とクォータのフラッグシップモデル「KHAN」を紹介するのは、インターマックスに務める鈴木拓也さん。同ブランドには『KOM(King of Mountain)』という2つ目のフラッグシップモデルがラインアップされているが、KOMは軽量オールラウンドモデルという位置づけだそう。「KHANはKOMよりも軽量で、ヒルクライムが好きな方や登りを含むロングライド好きの方にはオススメ」と鈴木さんは言う。
そんな超軽量ヒルクライムバイクに鈴木さんは、ヴィジョンのMETRON40チューブラーホイールと、ヴィットリアCORSA CXタイヤをアッセンブル。その理由については「METRON40は昨年までペーター・サガンが登りでも使用するほどオールマイティな性能があり、使い勝手が良いためです。この仕様にしてからは、登りが楽しくてしょうがないです」とのこと。
さらに、ホイールやペダルなどパーツの選択の自由度が高く、価格もこなれていることで、好評を博しているというステージズパワーを装着している鈴木さん。「パワートレーニングも積んできたので、本番ではガッツリ走りたいです(笑)」とのこと。
ジャイアント・ジャパン 中谷亮太さんのTCR Advanced
シクロクロスなどでチームジャイアントのレース活動を支えながら、自身もカテゴリー2を走るジャイアント・ジャパンの中谷亮太さんが駆るバイクはTCR Advanced 2013年モデル。フレームからホイール、各種パーツに至るまで先輩のお下がりで組み上げられており、「自分で買ったのはペダルとタイヤぐらいですね(笑)。社内の立派な先輩方から譲って頂き、私は幸せものです。」と語ってくれました。
以前乗っていたジャイアント TCR SLからワンサイズ小さいXSサイズをチョイス。フレームに合わせてポジションを大幅に変更したのが活きて、ダンシング時のフリの軽さなどTCRが持つ運動性能の高さや、低重心であることの利点を感じているとのこと。
富士ヒルにあわせて特別な軽量化やパーツの交換はしていないとのことでしたが、ホイールはZIPP 202を装着しているため完成車重量は軽めだという。トップキャップは、TCR上位グレードに付属されていたというエアーキャップを採用。ハンドルポジションをヘッドパーツにベタ付きさせ、コラムを切ることで20~30gほどの軽量化となっているそうだ。ギアはフロント53-39TのローターQ-Rings、リアは26Tという平地仕様で挑むとのこと。
さらに、「自転車のみならず、しまなみ海道を代表するようなサイクリングする環境をプロデュースするという使命が我々にはあり、みきゃんの顔を見て自分を奮い立たせるために貼っています」と、トップチューブに愛媛県のマスコット「みきゃん」のステッカーを貼る理由を語る。
今回の富士ヒルクライムでの目標は1時間15分切り。練習用ホイールを装着し、8割ほどの力で試走してみたところ1時間27分というタイムを出したそうで、「目標は達成できそうですね」と語っていただきました。
トレック・ジャパン 中村誠さんのトレック Emonda SLR
「スト村」というニックネームが付くほどストイックに追い込む姿が印象的だった元プロ選手の中村誠さんは、現在トレック・ジャパンに勤務しているサラリーマン。そんな中村さんが乗るバイクはトレックの軽量モデル「Edomda SLR」だ。
オールラウンドバイクに乗ってみたかったという理由で選んだEmonda SLRについて「乗る方によってフレームが硬いと言う人や、柔らかいと言う人がいたり、様々な感想を持たれるバイクですが、私自身はあまり硬さを感じませんでした。BB90という規格を使用しているため、BB周りの剛性感は非常に感じますが、力が逃げてほしいところはしっかりと逃げています。いい意味で癖がなく、誰が乗っても満足できるバイクであると感じています」とインプレッション。
高速域での巡航性能を補うために中村さんのバイクはやや前乗り気味のセッティングが施されている。普段はディープリムのボントレガー Aeolus5 クリンチャーを使用しているとのことだが、今回は富士ヒル仕様として軽量のAeolus3 チューブラーをアッセンブルし、重量6.8kg切りを達成している。また、このホイールは50mmハイトのリム高と同じようなエアロ性能があるため、高速巡航も可能だという。
一方、ステムなどは耐久性に優れるパーツを選び、「スタンダードな仕様を残した軽量バイク」としていることが特徴だ。また、ボントレガーの日中に使用するテールライト「Flare R」を装着しており、当日は点灯させながら走るとのことでした。
「選手時代は黒色のカラーリングが多かったので」とプロジェクトワンで選んだというカラーは今流行りの白色にした理由を教えてくれた。トレックロゴは黒に近い紺色という渋い選択で高級感を残しつつ、SLRのロゴは赤色というチョイスで目立つようなカラーリングにしたという。
また、このEmonda SLRは成人して以来初めて購入した完成車だという。「高額なため買うまでは腰が砕けるような思いでしたが、実際に乗ってみると満足ができる良いバイクでした。ブランド力があり、それに劣らない性能と物の良さを感じるバイクですね」と語ってくれた。
アキ・コーポレーション 森真博さんのガノー GENNIX R1
アキ・コーポレーションに勤務する森真博さんのバイクはガノーのオールラウンドモデル「GENNIX R1」。ガノーはカラーオーダーができ、飽きがきにくいマットブラックのバイクに乗るためにオーダーしたとのこと。乗り味は「想像以上に堅実に作られており、踏み込んだときは素直に進んでくれる硬さがありながらも、リアセクションの振動吸収性も優れていますね」とコメント。
森さんのバイクで最も注目したいのは足回り。なんと3Tのハイエンドモデル「MERCURIO」の後継品で、2016年モデルの「ORBIS2」チューブラー(前35mm、後50mmハイト)がいち早く装備されていたのだ。組み方から一新した新型のハブにはセラミックスピード社製のベアリングが搭載されており、「回転性能も非常にスムーズになっています」という。3Tとしては6月末に商品として完成させている予定となっているが、国内への入荷はUCI認定を受けてからとなり、10月頃にデリバリーとなるそうだ。
さらに、3T製のサイクルコンピューター「3T EYE」も装備されていた。ANT+のセンサー対応で、速度、心拍、パワーと必要最低限の項目を表示する。Bluetoothにも対応しており、スマホと連携することでトレーニングデータをスマホからSNSにアップロードできるという。現在はiPhoneアプリのみの対応で、Androidは現在鋭意開発中とのこと。
コンポーネントにはカンパニョーロ CHORUSをアッセンブル。その他スモールパーツは、ボトルがずれ落ちるのを防止するゴムグリップ付きのバーズマン初のカーボンボトルケージや、素材はシリコンのみというグリップ力に優れたgueeのSioなどを装着していた。
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