2015/04/27(月) - 09:07
「東京の道は走りやすい。ロンドンはもっとドライバーが自転車に対して優しくないよ」。Raphaのチーフデザイナーを務めるグレアム・レイバーン氏は、六本木の街並みに金色のロングヘアをなびかせながらそう言った。
Raphaのウェアデザインを一身に担うグレアム氏と、そのデザイン部を管轄するマネージャーのアレックス・ヴァルドマン氏、そしてリードデザイナーのエマ・グリーン氏が来日したのは、ちょうど目黒川の桜並木が満開の時。
コアなRaphaユーザーならば「レイバーン」という響きに聞き覚えがあるかもしれない。2013年に限定発売された、イギリスで注目を集めるファッションデザイナー、クリストファー・レイバーンとのコラボレーションシリーズに冠されたネームだが、実はそのクリストファーの実兄こそ、今回来日したグレアム氏。ブランド創設時より深く根幹に携わってきた主要メンバーである。
来日するやいなや3人はCycle Club Tokyoのユーザーと共にロードバイクで桜を眺め、揚げたての厚揚げに舌鼓を打ち、鳩森八幡神社で交通安全祈願。ゆったりペースで東京のモーニングライドを満喫したのであった。
彼ら3人にインタビューを行ったのは、ライドのスタート/ゴール地点になったCycle Club Tokyoでのこと。淹れたてのコーヒーをすすりながら、大きく変貌を遂げた製品ラインナップを中心に話を聞いてみた。
― ライドお疲れさまでした!初来日とのことですが、東京の印象はどうでしたか?
エマ:今回が初の来日、それにまだ来日して1日しか経っていませんが、街行くひとを見ていると、みんながそれぞれの「スタイル」を持っている事に気づきました。食べ物も美味しいし、ちょうど桜の季節に来日できたのは素晴しい経験でしたね(笑)。
グレアム:東京はどこも他の国と比べてクリーンだし、新しいものと古いものが上手く共存しているように思う。特に道路やドライバーのサイクリストに対する配慮は素晴しいと思いますね(笑)。東京に住んでいる人は走りにくいと言うけれど、ロンドンではもっと自転車はリスペクトされていない。今日のサイクリングでも全くストレスなくライドを楽しむことができました。
― それは良かったです。さて、Raphaの2015年モデルは今までと大きく変化したように思います。デザインもそうですし、スキンスーツなど従来には無かった商品が出てきましたね。何故でしょうか。
これはシーズン毎に新製品をプロデュースする中での、とても自然な変化だと考えています。例えば「データプリントはRaphaらしくない」という声があるのは知っていますが、「新しいデザインで面白い」という意見もあります。
今私がメインに担当しているプロチームコレクション(Raphaのハイパフォーマンスシリーズ)はカスタマーの皆さんからも人気の製品ですが、これはチームスカイとの密接な関係によって新技術やアイディア、新しい素材を投入し、近年飛躍的に性能が向上しました。世界最高峰のアスリート集団である彼らとのコラボレーションは、ブランドにとって大成功だと言えます。これらはRaphaの「最新」の面ですね。
それと同時に、旧き良きクラシックな面も大切にしていますし、同じように進化を遂げています。例えば人気のブルベジャージは、クラシックなスタイルを崩さないリフレクター素材が現れたからこそ完成した品ですし、クラシックシリーズに関しても常に意見を出しあって改良を行っています。
例えば2年前にデビューしたTrade Team Jerseyですが、その時は技術的にロゴやグラフィックを表現できなかったため、パネル毎に色を変更していました。でも今年のモデルはプロチームコレクションと同じ素材に変更したことで、より鮮明な表現が可能になったんです。
グレアム:ハイビズを含めた鮮やかなカラーリングは、単なるムーブメントではなく、選択肢の一つとして長く残ると思いますね。
しかしRaphaとして単に流行を追うことはしていません。ベーシックなカラーを常にラインナップしているのは、流行を気にせず長年その方のスタンダードとして着てもらえるようにするためです。また、近年ハイビズが急速に広まったのは、色落ちしにくい染料が登場したから。アパレルの流行は素材や染めの技術革新と共にあります。
アレックス:Raphaの全ての製品はストーリーを持って生まれてきています。自転車界の過去や現在進行形のできごとを最新のテクノロジーと融合させることはとても面白いですし、Raphaの製品を通して、そういったロードレースの歴史や文化に知ってもらえたら嬉しいですね。
グレアム:新しいデザインや試みにチャレンジするのも私たちだし、今までのRaphaの伝統を守り続けるのも私たち。ライドの素晴しさを探求し、Raphaの目指す「ロードレースをメジャースポーツにする」ことに変わりはないのです。
text:So.Isobe
Raphaのウェアデザインを一身に担うグレアム氏と、そのデザイン部を管轄するマネージャーのアレックス・ヴァルドマン氏、そしてリードデザイナーのエマ・グリーン氏が来日したのは、ちょうど目黒川の桜並木が満開の時。
コアなRaphaユーザーならば「レイバーン」という響きに聞き覚えがあるかもしれない。2013年に限定発売された、イギリスで注目を集めるファッションデザイナー、クリストファー・レイバーンとのコラボレーションシリーズに冠されたネームだが、実はそのクリストファーの実兄こそ、今回来日したグレアム氏。ブランド創設時より深く根幹に携わってきた主要メンバーである。
来日するやいなや3人はCycle Club Tokyoのユーザーと共にロードバイクで桜を眺め、揚げたての厚揚げに舌鼓を打ち、鳩森八幡神社で交通安全祈願。ゆったりペースで東京のモーニングライドを満喫したのであった。
彼ら3人にインタビューを行ったのは、ライドのスタート/ゴール地点になったCycle Club Tokyoでのこと。淹れたてのコーヒーをすすりながら、大きく変貌を遂げた製品ラインナップを中心に話を聞いてみた。
― ライドお疲れさまでした!初来日とのことですが、東京の印象はどうでしたか?
エマ:今回が初の来日、それにまだ来日して1日しか経っていませんが、街行くひとを見ていると、みんながそれぞれの「スタイル」を持っている事に気づきました。食べ物も美味しいし、ちょうど桜の季節に来日できたのは素晴しい経験でしたね(笑)。
グレアム:東京はどこも他の国と比べてクリーンだし、新しいものと古いものが上手く共存しているように思う。特に道路やドライバーのサイクリストに対する配慮は素晴しいと思いますね(笑)。東京に住んでいる人は走りにくいと言うけれど、ロンドンではもっと自転車はリスペクトされていない。今日のサイクリングでも全くストレスなくライドを楽しむことができました。
― それは良かったです。さて、Raphaの2015年モデルは今までと大きく変化したように思います。デザインもそうですし、スキンスーツなど従来には無かった商品が出てきましたね。何故でしょうか。
これはシーズン毎に新製品をプロデュースする中での、とても自然な変化だと考えています。例えば「データプリントはRaphaらしくない」という声があるのは知っていますが、「新しいデザインで面白い」という意見もあります。
今私がメインに担当しているプロチームコレクション(Raphaのハイパフォーマンスシリーズ)はカスタマーの皆さんからも人気の製品ですが、これはチームスカイとの密接な関係によって新技術やアイディア、新しい素材を投入し、近年飛躍的に性能が向上しました。世界最高峰のアスリート集団である彼らとのコラボレーションは、ブランドにとって大成功だと言えます。これらはRaphaの「最新」の面ですね。
それと同時に、旧き良きクラシックな面も大切にしていますし、同じように進化を遂げています。例えば人気のブルベジャージは、クラシックなスタイルを崩さないリフレクター素材が現れたからこそ完成した品ですし、クラシックシリーズに関しても常に意見を出しあって改良を行っています。
例えば2年前にデビューしたTrade Team Jerseyですが、その時は技術的にロゴやグラフィックを表現できなかったため、パネル毎に色を変更していました。でも今年のモデルはプロチームコレクションと同じ素材に変更したことで、より鮮明な表現が可能になったんです。
グレアム:ハイビズを含めた鮮やかなカラーリングは、単なるムーブメントではなく、選択肢の一つとして長く残ると思いますね。
しかしRaphaとして単に流行を追うことはしていません。ベーシックなカラーを常にラインナップしているのは、流行を気にせず長年その方のスタンダードとして着てもらえるようにするためです。また、近年ハイビズが急速に広まったのは、色落ちしにくい染料が登場したから。アパレルの流行は素材や染めの技術革新と共にあります。
アレックス:Raphaの全ての製品はストーリーを持って生まれてきています。自転車界の過去や現在進行形のできごとを最新のテクノロジーと融合させることはとても面白いですし、Raphaの製品を通して、そういったロードレースの歴史や文化に知ってもらえたら嬉しいですね。
グレアム:新しいデザインや試みにチャレンジするのも私たちだし、今までのRaphaの伝統を守り続けるのも私たち。ライドの素晴しさを探求し、Raphaの目指す「ロードレースをメジャースポーツにする」ことに変わりはないのです。
text:So.Isobe
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Inside Team Sky (English Edition)
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