2014/10/31(金) - 09:00
相変わらずの抜けるような青空の下、引き続き先を目指す私たちであったが、コースはいよいよ山岳部へと入って行く。この先の五十里湖までは所々で5%ほどの登坂が現れるが、今日のメタボ会長にはパワーメーターと云う強力な武器が備わっている。
私の感覚では、パワーメーターと言えば即ちズバリ”レース機材”。プロや実業団レーサー、自身が強くなる事を求めてバイクと真剣に向かい合っている人達のための機材であり、おおよそ週末ライダーのメタボ会長には無縁の長物のはずある。にも関わらず、オヤジがパワーメーターを絶賛する意味が判らない。
いよいよコースは山岳ルートへ入ってきます。
いつになく余裕しゃくしゃくの表情で進み続けます。
「ガンガンいくぜ~!」「ハ~イ!」絶好調?
今日のオヤジは一定ペースで盤石の走りです。
もちろん、女性ライダーとのランデブーは忘れません。
川治温泉郷に入ってきました。
彼曰く、「心拍計はその日の体調に左右されるし過負荷の結果が遅れて表示される感じだけど、コイツはリアルタイムで出力が見えるから、心拍が上がる前に負荷を調整ができる!」との事である。実際、前を行く黄色い弾丸はパワーメーターの数値を頼りに涼しげな表情で山岳コースを進んでゆく。
この状況を見る限り”ペーサー替わりに最高”というオヤジの主張もあながち嘘ではなさそうである。実は同行している安岡のバイクにも編集部では唯一のパワーメーターが搭載されているのだが、その対比が実に興味深い。斜度5%ほどの坂をノンビリモードで登っている時に体重58kgの安岡の出力が180W辺りなのに対して、同じ速度で登るメタボ会長の出力は240W辺りを表示している。
ちょっと斜度がキツくなるとオヤジの表示はあっさり400Wを超える場面もあるが、安岡のメーターが300Wを超える事はゼロ発進時を除くとまず無い。体重差がこれほどの出力差となるとは思ってもいなかった私にとっては興味をそそられる内容だ。
川治温泉郷の臨時給水所の大勢が詰めかけました。
「さっきは助かりました。」「お~気にすんな!」手柄の横どり?
オニギリ持参で頑張る少年ライダー君。頑張れ!
ここでオヤジが参加者さんに捕獲されました。
理解不能の記念撮影の列が続きます。
女性ライダーとのショットだけは笑顔が違うぞ?
鬼怒川山景の豊かな自然を味わいながらも、いつになく化学的な分析をしながら進む私たちは五十里湖を抜け”川治ダム”へとやってきた。この川治ダムは堤高140m堤長320mで、アーチ式コンクリートダムとしては国内で4番目の高さを誇る。写真では伝わり辛いが、140mといえば45階建てのビルに相当する高さだ。
目も眩むような高さとはまさにこの事で、私が過去に見た事があるダムの中では間違いなく最大規模だ。ここが今大会のハイライトポイントである事は言うまでも無い。大自然と構造物の雄大な調和を味わった私たちは川治第4トンネルを抜け、往路で通った国道121号へと戻って行く。
この先は”小百田舎そばエイド”まで延々と下り緩斜面が続く。山々の風景を楽しみ、温泉郷の街並みを味わった私たちは”日塩有料龍王峡ライン”と”鬼怒川有料道路”を乗り継ぎながら鬼怒川バイパスを下りて行く。広く走り易い有料道路を駆使したコース設定は個人的に大歓迎である。
「あれれ?安岡君が来ないぞ?何やってんだ?」
女性グループに混ぜてもらって幸せそうです。
「ほらほら、オジサン頑張って!」女性ライダーにはっぱをかけられる。基本的に登坂はめっぽう苦手です。
コースは徐々に勾配を増して行きます。
折り返しコースの皆さんとすれ違います。
小百の田舎そばを堪能した私たちはいよいよゴールを目指す。ここからゴールまで残り10kmちょっとに心緩んだ私であったが実はこれがいけなかった。適度なアップダウンを繰り返しながら毘沙門山麓を通過し県道248号に出る。
八木沢製材所から霧降大橋までの6.5kmの緩斜面が油断しきった私を襲う。
平均斜度2.5%のどうって事ない緩斜面なのだが、アゲインストの風も手伝いボディーブローのように効いてくる。前を行くメタボ会長と安岡のふたりはパワーメーターを頼りに小刻みにシフトチェンジを繰り返しながらペースを刻むのだが、私には頼るべきモノが何もない。丸山公園を過ぎ日光カントリークラブに差し掛かった辺りで限界を感じ始めた私にメタボ会長から声が掛かる。
「ほら!俺の真後ろに付きなよ!そんでもって俺と同じギアで踏んでみな!楽チンだから!」今の私にはこんな有難い申し出を断る理由など何もない。疑う事もなく言われた通りに従う私であったが、するとどうだろう!驚く事に本当に楽チンなのだ!勿論、ドラフトのお陰もあろうが、それだけではないほどの楽チン感である。
女性ライダーにガッツリ煽られてますけど?
山岳ならでは景観を楽しみながら進みます。
コースの最高標高地点までやってきました。
「会長も100kmコースでしょ?」「坂道イヤだよ!」
川治ダムです。写真では伝わり辛いですが半端ない高さで非日常の絶景って感じです。
「なっ!なっ!すげえ楽チンだろ?単純に表示が150W下回ったらシフトアップして、200W超えたらシフトダウンしてるだけなんだぜ!要はパワーバンドならぬ楽チンバンドの中で走ればイイだけだから至極簡単だよ。いやいやパワーメーター恐るべしだよ。こりゃさっそく買って来なきゃな!」後ろを振り向きながら話しかけてくるオヤジ。その表情は得意満面の笑みに溢れ、その鼻は天にも届かんばかりに伸びきっている。
”別にアンタが凄い訳じゃないけどね”と思いながらも利用させてもらう私ではあるが、もっと驚くべきは前を走る黄色い弾丸の脚捌きだ。あのオヤジが70回転/分のケイデンスを維持しながら走っているのだ。それも小刻みにギアチェンジを施しながらブレることなく常に70回転/分を刻んでいるのだ。
また、そのチェンジタイミングが絶品で、重過ぎず軽過ぎずの的確なギアを常にかけてくれる。これがパワーメーターの実力なのだろうか?ひょっとしたら私はパワーメーターと云うものを完全に誤解していたのかもしれない。
「広瀬君、ここから落ちてみてよ?」「勘弁してください!」
ここから暫くは下り基調が続きます。
川治ダムから市街地めがけて、抜群の風景の中を一気に駆け降ります。このダウンヒルは最高!
まだまだ下りは続きます。楽チン区間です。
楽しみにしてた”田舎そば”はもうすぐそこです。
こうして常時200Wを維持し続ける黄色い弾丸のギアに、己のギアをシンクロさせながら、日光カントリークラブ脇の緩斜面区間を乗りきった私は霧降大橋に辿り着く。この橋を渡ればゴールまで残り4kmは2%の緩斜面を下るだけだ。一時は千切れそうになった私とは裏腹に、前を行くオヤジと安岡のふたりは、変わらず余裕しゃくしゃくの様子で談笑しながら走っている。
この状況はいただけない!まるで私だけがヘナチョコみたいな空気がとても悲しいじゃないか!彼らは単にパワーメーターに助けられているだけで、決して私が走れない訳ではないはずだ。いや、そうであると信じたい。そんな虚しい感情に駆られる私をよそに、初取材のツールドNIKKOを完璧なペース配分で乗りきったメタボ会長がゴールを迎える。
こうして、晴天に恵まれたツールドNIKKOを堪能した私たち3人は、山岳チャレンジコースを取材した磯部とも無事に合流を果たす。ゴール写真やコメント取りを磯部と安岡に任せ、私は黄色い弾丸相手に気乗りしないヒアリングに取り掛かる。「会長、初めての日光はどうでしたか?レポート用にいつもの本音をお願いします。」
田舎ソバを求めて長蛇の列が続きます。
「なんで蕎麦ってこんなに美味いんだ?」知りません。
ソバパワーを借りて山間区間をこなして行きます。
ここから6kmほどの緩斜面区間が続きます。
この辺りで私の脚はほぼ限界に近づいていました。
オヤジがパワーメータを頼りに淡々と牽いてくれます。
「山岳ファンライドコースは、ルート設定も地産の味も素晴らしい大会だと思うよ。2000人規模の大会でこれだけのおもてなしはかなり骨が折れたはずだよ。ここは主催者さんに頭が下がるね。今日走った96kmコースは俺にはぴったりの難易度だったけどクロスバイクだと厳しいかもな。初めてロングに挑戦するビギナーさんは70kmのファンライドコースをお勧めするよ。」おぉ!今日もまともな返答だ。そんなオヤジが言葉を続ける。
「流石に有名な観光地だし3連休中日という事もあるから、コース上は結構なクルマかなと思ってたけど、有料道路を巧みに取り入れて、交通量の多い部分を避けたりと、運営の工夫は随所に感じたね。実際、あのダムの絶景を見られただけで十分満足だよ。もちろん大規模大会ならではの苦労も絶えないだろうけど、これからも是非継続してもらいたい大会だね。といった所で、帰路の東北道が渋滞するの嫌だから、後取材やコメント取りは君たちに任せて俺は先に帰っちゃうな。じゃ、ヨロシク!取材がんばれよ!」
この言葉を告げるや否や、そそくさと着替えに取り掛かり、ものの10分足らずで自分のクルマに乗り込むと同時に会場を後にする卑劣なオヤジ。時刻は15:00ジャストだ。たしかにこの時間帯であればオヤジはスムーズに帰宅できるだろうが、イエロードマーネ号とともに取り残された私たちは渋滞必至だ。
あそこに見える”霧降大橋”まで辿り着くことができれば、あとはゴールまで4km下って行くだけです。
最後の直線を気持ちよく加速して行きます。
今回も無事にゴールを迎える事ができました。
いつもながら自分さえ良ければというこの姿勢は頂けない。そもそも同じ組織に属する以上は、苦楽を共にするのが大人の美徳であり企業のあるべき姿のはずだ。ましてや組織の長たる者こそは、所属の垣根を飛び越えてでも運命共同体の箱舟に乗り続けるべきであり、かつ全員の退船を確認するまでは決して船を離れないというのが、幼い頃から記憶に刷り込まれた私たちの認識でもある。
にも関わらず、こんな非道な上下関係を受け入れざるを得ない自分達が何とも虚しい限りだ。遠ざかるクルマを見送りながらも空虚な感情を胸に、その後も居残り取材をこなす私たちであった。
今回、編集部チームが実走取材にお伺いした"第4回ツール・ド・NIKKO"を支えて下さった大会関係者並びにサポートスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。 編集部一同。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
メタボ会長
身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 5年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立、平成17年に社長を辞し会長職に退くも、平成20年に当サイトが属するメディア事業部の責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。豊富な筋肉量を生かした瞬発力はかなりのモノだが、こと登坂となるとその能力はべらぼうに低い。日本一登れない男だ。
私の感覚では、パワーメーターと言えば即ちズバリ”レース機材”。プロや実業団レーサー、自身が強くなる事を求めてバイクと真剣に向かい合っている人達のための機材であり、おおよそ週末ライダーのメタボ会長には無縁の長物のはずある。にも関わらず、オヤジがパワーメーターを絶賛する意味が判らない。
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彼曰く、「心拍計はその日の体調に左右されるし過負荷の結果が遅れて表示される感じだけど、コイツはリアルタイムで出力が見えるから、心拍が上がる前に負荷を調整ができる!」との事である。実際、前を行く黄色い弾丸はパワーメーターの数値を頼りに涼しげな表情で山岳コースを進んでゆく。
この状況を見る限り”ペーサー替わりに最高”というオヤジの主張もあながち嘘ではなさそうである。実は同行している安岡のバイクにも編集部では唯一のパワーメーターが搭載されているのだが、その対比が実に興味深い。斜度5%ほどの坂をノンビリモードで登っている時に体重58kgの安岡の出力が180W辺りなのに対して、同じ速度で登るメタボ会長の出力は240W辺りを表示している。
ちょっと斜度がキツくなるとオヤジの表示はあっさり400Wを超える場面もあるが、安岡のメーターが300Wを超える事はゼロ発進時を除くとまず無い。体重差がこれほどの出力差となるとは思ってもいなかった私にとっては興味をそそられる内容だ。
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鬼怒川山景の豊かな自然を味わいながらも、いつになく化学的な分析をしながら進む私たちは五十里湖を抜け”川治ダム”へとやってきた。この川治ダムは堤高140m堤長320mで、アーチ式コンクリートダムとしては国内で4番目の高さを誇る。写真では伝わり辛いが、140mといえば45階建てのビルに相当する高さだ。
目も眩むような高さとはまさにこの事で、私が過去に見た事があるダムの中では間違いなく最大規模だ。ここが今大会のハイライトポイントである事は言うまでも無い。大自然と構造物の雄大な調和を味わった私たちは川治第4トンネルを抜け、往路で通った国道121号へと戻って行く。
この先は”小百田舎そばエイド”まで延々と下り緩斜面が続く。山々の風景を楽しみ、温泉郷の街並みを味わった私たちは”日塩有料龍王峡ライン”と”鬼怒川有料道路”を乗り継ぎながら鬼怒川バイパスを下りて行く。広く走り易い有料道路を駆使したコース設定は個人的に大歓迎である。
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八木沢製材所から霧降大橋までの6.5kmの緩斜面が油断しきった私を襲う。
平均斜度2.5%のどうって事ない緩斜面なのだが、アゲインストの風も手伝いボディーブローのように効いてくる。前を行くメタボ会長と安岡のふたりはパワーメーターを頼りに小刻みにシフトチェンジを繰り返しながらペースを刻むのだが、私には頼るべきモノが何もない。丸山公園を過ぎ日光カントリークラブに差し掛かった辺りで限界を感じ始めた私にメタボ会長から声が掛かる。
「ほら!俺の真後ろに付きなよ!そんでもって俺と同じギアで踏んでみな!楽チンだから!」今の私にはこんな有難い申し出を断る理由など何もない。疑う事もなく言われた通りに従う私であったが、するとどうだろう!驚く事に本当に楽チンなのだ!勿論、ドラフトのお陰もあろうが、それだけではないほどの楽チン感である。
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”別にアンタが凄い訳じゃないけどね”と思いながらも利用させてもらう私ではあるが、もっと驚くべきは前を走る黄色い弾丸の脚捌きだ。あのオヤジが70回転/分のケイデンスを維持しながら走っているのだ。それも小刻みにギアチェンジを施しながらブレることなく常に70回転/分を刻んでいるのだ。
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この状況はいただけない!まるで私だけがヘナチョコみたいな空気がとても悲しいじゃないか!彼らは単にパワーメーターに助けられているだけで、決して私が走れない訳ではないはずだ。いや、そうであると信じたい。そんな虚しい感情に駆られる私をよそに、初取材のツールドNIKKOを完璧なペース配分で乗りきったメタボ会長がゴールを迎える。
こうして、晴天に恵まれたツールドNIKKOを堪能した私たち3人は、山岳チャレンジコースを取材した磯部とも無事に合流を果たす。ゴール写真やコメント取りを磯部と安岡に任せ、私は黄色い弾丸相手に気乗りしないヒアリングに取り掛かる。「会長、初めての日光はどうでしたか?レポート用にいつもの本音をお願いします。」
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「山岳ファンライドコースは、ルート設定も地産の味も素晴らしい大会だと思うよ。2000人規模の大会でこれだけのおもてなしはかなり骨が折れたはずだよ。ここは主催者さんに頭が下がるね。今日走った96kmコースは俺にはぴったりの難易度だったけどクロスバイクだと厳しいかもな。初めてロングに挑戦するビギナーさんは70kmのファンライドコースをお勧めするよ。」おぉ!今日もまともな返答だ。そんなオヤジが言葉を続ける。
「流石に有名な観光地だし3連休中日という事もあるから、コース上は結構なクルマかなと思ってたけど、有料道路を巧みに取り入れて、交通量の多い部分を避けたりと、運営の工夫は随所に感じたね。実際、あのダムの絶景を見られただけで十分満足だよ。もちろん大規模大会ならではの苦労も絶えないだろうけど、これからも是非継続してもらいたい大会だね。といった所で、帰路の東北道が渋滞するの嫌だから、後取材やコメント取りは君たちに任せて俺は先に帰っちゃうな。じゃ、ヨロシク!取材がんばれよ!」
この言葉を告げるや否や、そそくさと着替えに取り掛かり、ものの10分足らずで自分のクルマに乗り込むと同時に会場を後にする卑劣なオヤジ。時刻は15:00ジャストだ。たしかにこの時間帯であればオヤジはスムーズに帰宅できるだろうが、イエロードマーネ号とともに取り残された私たちは渋滞必至だ。
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いつもながら自分さえ良ければというこの姿勢は頂けない。そもそも同じ組織に属する以上は、苦楽を共にするのが大人の美徳であり企業のあるべき姿のはずだ。ましてや組織の長たる者こそは、所属の垣根を飛び越えてでも運命共同体の箱舟に乗り続けるべきであり、かつ全員の退船を確認するまでは決して船を離れないというのが、幼い頃から記憶に刷り込まれた私たちの認識でもある。
にも関わらず、こんな非道な上下関係を受け入れざるを得ない自分達が何とも虚しい限りだ。遠ざかるクルマを見送りながらも空虚な感情を胸に、その後も居残り取材をこなす私たちであった。
今回、編集部チームが実走取材にお伺いした"第4回ツール・ド・NIKKO"を支えて下さった大会関係者並びにサポートスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。 編集部一同。
メタボ会長連載のバックナンバーは こちら です
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身長 : 172cm 体重 : 82kg 自転車歴 : 5年
当サイト運営法人の代表取締役。平成元年に現法人を設立、平成17年に社長を辞し会長職に退くも、平成20年に当サイトが属するメディア事業部の責任者兼務となったことをキッカケに自転車に乗り始める。豊富な筋肉量を生かした瞬発力はかなりのモノだが、こと登坂となるとその能力はべらぼうに低い。日本一登れない男だ。
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