2014/08/02(土) - 10:59
今年も大きな盛り上がりを見せるシマノバイカーズフェスティバル。Vol.1に続き、Vol.2では今大会の競技種目で最も多くの参加者を集めたエンデューロ、チームDH、そして1日を締めくくるミルキーレースとウェルカムパーティーの模様をレポートします。
高原ならではの心地よい気温ですごしやすいとは言っても、雨が降ったり止んだりといまいちパッとしない天気の中で進行していった今年のシマノバイカーズ。午前中の競技を終えると1時間程のお昼休み。お昼ごはんを食べてお腹を満たしたり、泥まみれのバイクを洗車したり、仲間とMTB談義に花を咲かせたりと、選手達は思い思いに午後の競技開始までの時間を過ごす。
ちなみに、会場には元々洗車ブースが設置されており、それも大規模な大会を受け入れられるほどキャパシティーが大きく、高圧洗浄機を使うことも可能だ。他にも場内にはバイク専用のゴンドラや本格的なプロショップが設けられており、MTB文化が根付いているのだと感じさせてくれる。なお、場内のプロショップ「BGH」ではDHマシンからXCモデル、キッズバイクまで様々なMTBをレンタルでき、実際にコースを走ることが可能。この記事を読んでMTBを始めてみたいと思ってみた方は是非一度訪れてみては如何だろうか。
また、お昼休みは30社以上が出展したPRブースが賑わいを見せた。特にシマノXTRをはじめとした最新の2015年モデルや、ショップでも中々お目にかかることはできないDHマシンやファットバイクといった珍しいバイクなどが注目を集めていた。また、機材の役割が大きいMTBとあって来場者の見る目も肥えていた様だ。
お昼休みを終えると、今大会の競技種目の中で最多の562名がエントリーしたXCエンデューロから午後はスタート。2時間の部と4時間の部をあわせて192チーム(ソロを含む)のスタートライダーがホーンと共にコースへと飛び出していった。その迫力ある光景は「国内ではMTBは不人気」という話を吹き飛ばす充分なほどの迫力。
そして、午前の60分XCマラソンに比べて女性や初心者の比率が圧倒的に高い。その理由は誰でも走りやすいコース設定に加え、やはりチームメイト同士で応援しあいながら楽しく走れるという点にあるのだろう。また、MTBであること以外に特に車両規定は設けられていないことも理由の1つで、ファットバイクや下り系オールマウンテンモデルで走った参加者も多数おり、意外な速さを見せつけていた。
2時間の部のフィニッシュでXCエンデューロのゴール付近が盛り上がっていた一方で、真剣な雰囲気に包まれていたのが、XCからやや離れたところで開催されていたチームDHの試走だ。この競技は個人競技のDHをチーム戦としたもので、ロードに例えるならばチームTT。1チーム2~3人で一斉にスタートし、2番目にゴールした選手のタイムで争われる。とは言ってもその本質はDHで、試走を繰り返して入念にセッティングを煮詰めていく。
ちなみにエントリー数は28チームから65名。競技人口が決して多くないとあって、殆どが同時開催の全日本選手権に流れてしまうのではと予想していたが、とても多くのダウンヒラーが集結したのには少々びっくり。レース自体は、第1走者のスタート前から降りだした雨によって路面コンディションが急変し、どの選手も一様に難しかったと口を揃える展開となった。
雨でコンディションが急変したのはDHに限らずXCエンデューロも同様。レース終盤には雨粒も大きくなり、30mほど高いだけのDHのスタート地点を覆った雲には稲妻が走る。一時は安全確保のために中断も危惧されたが、チームピットからの応援も徐々にヒートアップしていく中、4時間の部も無事にフィニッシュ。汗と泥にまみれながらも、ゴールした参加者からは達成感が滲み出ていた。
そして、1日目の競技の最後を飾るのが”ミルキー”レース。ストライダーや補助輪付き自転車の6歳児以下のキッズ達が会場内に設けられたストレートコースを一生懸命に走る姿や、はたまた自由奔放にマイペースでゴールを目指す姿に会場全体がホッコリ。レースを終えたキッズ達はプレゼントをもらって満足気な表情でパパやママのもとに戻っていった。
全競技が終わるころには空も大分暗く、気温も20度以下と肌寒くなってきた。そして、1日目の全日程を締めくくるウェルカムパーティーがスタート。40年以上の歴史を持つ地元の和太鼓チーム「富士見太鼓保存会」による太鼓のパフォーマンスがなんとも心地よい雰囲気だ。
パーティーで振る舞われたのは、シマノバイカーズでは毎年恒例となっている豚の丸焼き。調理を担当しているのは、こちらも地元の原村にある「カナディアンファーム」さんで、なんと10日も前からガーリックなどのハーブや調味料を詰め込み味をつけ、当日もお昼すぎから4時間程掛けてじっくり焼き上げるという手の込みようだ。
焼きあがるころには会場中にいい匂いが充満しており、その匂いに誘われて配られる前から長蛇の列が。もちろん味も格別で、肉全体にしっかりと味がついており、とても美味しく頂くことができた。参加者の皆さんにとっては空腹を満たすと同時に、豚肉にはビタミンB1が多く含まれていることから疲労回復のにもなったのではないだろうか。
同時に、地元はもとより長野を代表する銘酒「真澄」も振る舞われ、地元のおもてなしを受けて楽しい雰囲気の中でシマノバイカーズ1日目は閉幕。参加者の皆さんは誰もが満足感溢れるにこやかな表情で会場を後にしていった。
来年で初開催から四半世紀となるシマノバイカーズだが、今年の大会コンセプトを借りれば、ユニークな種目の数々で今後も更に多くのMTB乗り達を楽しさの新次元へと連れて行ってくれるはず。きっと、多くが参加者に来年も出場したいと思ったに違いない充実の大会であった。
text&photo:Yuya.Yamamoto
高原ならではの心地よい気温ですごしやすいとは言っても、雨が降ったり止んだりといまいちパッとしない天気の中で進行していった今年のシマノバイカーズ。午前中の競技を終えると1時間程のお昼休み。お昼ごはんを食べてお腹を満たしたり、泥まみれのバイクを洗車したり、仲間とMTB談義に花を咲かせたりと、選手達は思い思いに午後の競技開始までの時間を過ごす。
ちなみに、会場には元々洗車ブースが設置されており、それも大規模な大会を受け入れられるほどキャパシティーが大きく、高圧洗浄機を使うことも可能だ。他にも場内にはバイク専用のゴンドラや本格的なプロショップが設けられており、MTB文化が根付いているのだと感じさせてくれる。なお、場内のプロショップ「BGH」ではDHマシンからXCモデル、キッズバイクまで様々なMTBをレンタルでき、実際にコースを走ることが可能。この記事を読んでMTBを始めてみたいと思ってみた方は是非一度訪れてみては如何だろうか。
また、お昼休みは30社以上が出展したPRブースが賑わいを見せた。特にシマノXTRをはじめとした最新の2015年モデルや、ショップでも中々お目にかかることはできないDHマシンやファットバイクといった珍しいバイクなどが注目を集めていた。また、機材の役割が大きいMTBとあって来場者の見る目も肥えていた様だ。
お昼休みを終えると、今大会の競技種目の中で最多の562名がエントリーしたXCエンデューロから午後はスタート。2時間の部と4時間の部をあわせて192チーム(ソロを含む)のスタートライダーがホーンと共にコースへと飛び出していった。その迫力ある光景は「国内ではMTBは不人気」という話を吹き飛ばす充分なほどの迫力。
そして、午前の60分XCマラソンに比べて女性や初心者の比率が圧倒的に高い。その理由は誰でも走りやすいコース設定に加え、やはりチームメイト同士で応援しあいながら楽しく走れるという点にあるのだろう。また、MTBであること以外に特に車両規定は設けられていないことも理由の1つで、ファットバイクや下り系オールマウンテンモデルで走った参加者も多数おり、意外な速さを見せつけていた。
2時間の部のフィニッシュでXCエンデューロのゴール付近が盛り上がっていた一方で、真剣な雰囲気に包まれていたのが、XCからやや離れたところで開催されていたチームDHの試走だ。この競技は個人競技のDHをチーム戦としたもので、ロードに例えるならばチームTT。1チーム2~3人で一斉にスタートし、2番目にゴールした選手のタイムで争われる。とは言ってもその本質はDHで、試走を繰り返して入念にセッティングを煮詰めていく。
ちなみにエントリー数は28チームから65名。競技人口が決して多くないとあって、殆どが同時開催の全日本選手権に流れてしまうのではと予想していたが、とても多くのダウンヒラーが集結したのには少々びっくり。レース自体は、第1走者のスタート前から降りだした雨によって路面コンディションが急変し、どの選手も一様に難しかったと口を揃える展開となった。
雨でコンディションが急変したのはDHに限らずXCエンデューロも同様。レース終盤には雨粒も大きくなり、30mほど高いだけのDHのスタート地点を覆った雲には稲妻が走る。一時は安全確保のために中断も危惧されたが、チームピットからの応援も徐々にヒートアップしていく中、4時間の部も無事にフィニッシュ。汗と泥にまみれながらも、ゴールした参加者からは達成感が滲み出ていた。
そして、1日目の競技の最後を飾るのが”ミルキー”レース。ストライダーや補助輪付き自転車の6歳児以下のキッズ達が会場内に設けられたストレートコースを一生懸命に走る姿や、はたまた自由奔放にマイペースでゴールを目指す姿に会場全体がホッコリ。レースを終えたキッズ達はプレゼントをもらって満足気な表情でパパやママのもとに戻っていった。
全競技が終わるころには空も大分暗く、気温も20度以下と肌寒くなってきた。そして、1日目の全日程を締めくくるウェルカムパーティーがスタート。40年以上の歴史を持つ地元の和太鼓チーム「富士見太鼓保存会」による太鼓のパフォーマンスがなんとも心地よい雰囲気だ。
パーティーで振る舞われたのは、シマノバイカーズでは毎年恒例となっている豚の丸焼き。調理を担当しているのは、こちらも地元の原村にある「カナディアンファーム」さんで、なんと10日も前からガーリックなどのハーブや調味料を詰め込み味をつけ、当日もお昼すぎから4時間程掛けてじっくり焼き上げるという手の込みようだ。
焼きあがるころには会場中にいい匂いが充満しており、その匂いに誘われて配られる前から長蛇の列が。もちろん味も格別で、肉全体にしっかりと味がついており、とても美味しく頂くことができた。参加者の皆さんにとっては空腹を満たすと同時に、豚肉にはビタミンB1が多く含まれていることから疲労回復のにもなったのではないだろうか。
同時に、地元はもとより長野を代表する銘酒「真澄」も振る舞われ、地元のおもてなしを受けて楽しい雰囲気の中でシマノバイカーズ1日目は閉幕。参加者の皆さんは誰もが満足感溢れるにこやかな表情で会場を後にしていった。
来年で初開催から四半世紀となるシマノバイカーズだが、今年の大会コンセプトを借りれば、ユニークな種目の数々で今後も更に多くのMTB乗り達を楽しさの新次元へと連れて行ってくれるはず。きっと、多くが参加者に来年も出場したいと思ったに違いない充実の大会であった。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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